ゲームクリア感想278_FINAL FANTASY 7 REBIRTH

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結論が出ました。

ファイナルファンタジー最高傑作はなにか、という我々が大好きな議論の結論が。

初のFFが6という者ですが、これまでの過去作を振り返った上で今回が最高傑作です。

RPGとして夢中になった度合いで言えば、FF7原作やリメイク前作は勿論、ゼノブレイドシリーズMass Effect2、ペルソナ4Gと5アサシンクリードオデッセイファイアーエムブレム風花雪月新すばらしきこのせかいといった名作群に並びます。発売日から約1ヶ月間における生き甲斐でした。労働はしたくないけど、本作を少しでも心理的安全性を保った環境(経済面の不安がない環境)で遊び続けるためにむしろ今まで以上に頑張りました。そして帰宅したら本作で生きる意味をチャージし、また明日に臨むという繰り返し。ネタバレを踏まないようにYouTubeへのアクセスすら遮断していました。

今年はこれを遊ばないと終われない、ということで、発売日に即遊べるようゲームスケジュールを調整していました。この記事すら基本フォーマットを2/18の段階で事前作成する始末。

【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.02
難易度 Normal
クリア時間 約 132:20:26
トロフィー取得率 62%


【良かった点】


◎やりすぎなまでのボリューム・ファンサービス


「洋ゲーオープンワールド大作のボリュームとフォーマットに日本RPGの(キャラクターや音楽などを中心とした)コンテンツが合わさったRPGがやりたい!!」という願いが改めて叶いました。これまでに何度か叶ったことはあるものの、今回が一番理想形です。

完成のためにはどこかしら削除されても仕方がないという気持ちでいたので、まさか原作の要素をほぼ全部カバーしてくるのは予想外でした。本当にここまでやるとは思ってもおらず、逆に怯んでしまいました。それに加えて前作や前作DLC、各種外伝、原作の小ネタ的な要素まで細かくしっかり抑えているので、原作要素の拾い方に関してはほぼ満足です。


ここのフィールドBGM好き


そして白眉なのはフィールドの再解釈。「RPGだからとりあえずフィールド」感があり、移動のための地形に過ぎなかった原作のフィールドが見事に再解釈されていることに感動しました。それでいて上でも言及したように原作の要素は取り逃がさず、把握している限りではほぼ全要素が残って再解釈されています。これが本当に素晴らしい。一部ロケーションの場所が変わっていたりもしますが、考えてみるとそちらのほうが納得いく場所なので特に思うことはないです。

コスモキャニオンの雰囲気が変わっていたり、ニブルヘイムの不気味さが薄れていたりしたことには一瞬戸惑ったものの、これはこれで世界観を感じて退屈しないです。
そもそも、驚くべきことにファンサービスの濃度がオープニングからエンディングまで薄れることがなく、原作要素と新要素がひたすら同居し続けているので、この辺に関しては不満を挟む余地がないです。


原作に準じた構造に説得力を持たせるのが大変そう(素人目にも)


◎楽曲・サウンドデザイン


前作ですら相当良かったのに、楽曲のクオリティや全体のサウンドデザインがさらに洗練されていて驚きます。オープンワールドはBGMが弱いという通説は本作に一切該当せず、序盤で早々にひっくり返されます。
前作以上に豊富なインタラクティブミュージックでフィールド曲はシームレスに入れ替わる上に、そもそもの曲数が多いので飽きません。ゲームを進めれば常に新曲が流れている感じ。
海外を中心として、オープンワールドゲームのBGMは環境音楽然としたものが多く、それはそれで没入感があって好きではありますが、やはり耳が楽しいとそれだけで気分が高まります。完全新曲もアレンジ曲も前作からの続投曲も全部良い。

あと嬉しいのは、チョコボ騎乗時のチョコボのテーマが騎乗した直後しか流れず、その土地にあったフィールド曲をしっかり堪能できること。
2024年になってもこのあたりの配慮が為されているゲームは意外と少ないので、やっと気がついてくれた!という思いです。

個人的にゴンガガエリアのBGMは無限に聴けます。ここ、原作だとほぼ通過点で影の薄い地域だったのに、この壮大なBGMや激変した環境と相まってかなり変化しており印象深いです。
探索に手こずったのもあって滞在時間も長く、次のエリアに移動する時に旅行帰りの飛行機の中で感じるような寂しさに襲われました。本当に旅行したような気分。


配管と自然がFF7という感じ


◎硬軟入り混じったストーリー


原作の展開を知っているのに、ここまでネタバレを恐れたのは久しぶりです。とにかく先が気になって、ネタバレと出くわす恐怖がストレスになったのか胃痛まで起こり……すみません。これは生活の乱れが理由だと思います。それはとにかく最初から最後まで楽しめました。

最序盤こそ深刻な始まりとはいえ、思ったよりもギャグ要素や笑える展開が多く、原作や前作リメイクよりも明るい展開です。主人公パーティーは勿論、サブキャラクターやモブのセリフも面白いものが多く、街の探索も飽きないです。モーションも非常にバリエーション豊かで、これまで遊んできたゲームで一番活き活きしているかも。

加えて、ただ明るいだけでなく、モブのさりげない会話から世界観設定がうかがえたり、原作に準じたイベントなど締めるところはキッチリ締めるので硬軟のメリハリがあるのが良いです。それがまたキャラクターに深みを与えるという良いサイクルになっていると感じました。

そして終盤からエンディングにかけての怒涛の展開……何を書いてもネタバレになりますが、完結編がより楽しみになりました。


◎見ごたえのあるムービー


いわゆる「ムービーゲー」という揶揄が生まれたのは原作FF7含む当時の旧スクウェア作品という認識で、実際に私自身もスキップすらできないムービーに苛立ちこうした揶揄に同調してしまったこともありますが、2024年における公式の解答としては「ムービー自体のクオリティを向上させて文句を言わせない」という正攻法でした。

ゲームでありがちな棒立ち会話シーンがほとんどなく、それこそ映画のように常に画面に動きがあり、声優陣の名演もあって退屈しなかったです。もうFF7ACがゲーム内にとっくに組み込まれているような状態。北コレルやコスモキャニオンの例のイベントはボイスがついて感動しましたし、ほかのイベントも然り。
声優でいうと、ユフィがユフィでしかなくて凄すぎると思います。ほかのキャスティングが考えられないくらい。

ゴンガガよりこっちの移動に苦労したけどストーリーは良かった



FFに対しての「ムービーゲー」という揶揄は今もなお生き残っていると思いますが、自分としてはもう思わないです。もうとっくに操作パートとシームレスに融合しているし、ムービー自体の質も高いので。なんならムービーゲーだからどうしたとすら思います。
(脱線しますが、Detroit:Become Humanみたいなインタラクティブ作品が市場にとっくに根付いているので、この揶揄を用いること自体が最近のゲームに触れていない証拠だと捉えています。FFに対してこれを用いる人はナンバリング1~5あたりの懐古が動機なのでしょうが)


◎程よいボリュームの探索


地域ごとに細分化されたエリア制オープンワールドを採用しており、ほぼすべてのアクティビティがタスク化されているのでオープンワールドが苦手でもしっかり目標を立てて遊べるようになっています。特に苦手じゃなくても自然とコンプリートが誘導されるので、次のエリアに進む目安としてうまく機能しています。

そしてストーリー進行上必ず訪れるダンジョン(ミスリルマインなど)は前作以上、想像以上にボリュームがあり、前作のようなキャラクター強制入れ替えも発生して、広大なフィールドとはまた違う楽しさがあります(面倒な要素もありますが)。


◯低ストレスな動作・ゲームUI


大作につきものな動作に関しても安定してます。
ローディングはゲーム規模に対して早めでほぼ気にならなかったです。手元の紅茶を一口啜ったら切り替わってるくらい。バトルシミュレーターだけやや長めですがそれだけ。

対してメニュー周りはややもたつく感はあるかも。またあっちこっちにボタンがあって慣れないうちは把握するのに苦労したものの、慣れてしまえばそこまででした。

また前作からの改善点として、マテリアの付け替えがあんまり発生しなかったです。主にメインストーリーで固定パーティーになった際に数個付け替える程度。ここは覚悟していたので嬉しい誤算でした。
マテリアの入手が前作よりも容易な上に、アビリティなどマテリア以外にも弱点を突ける手段があるので、この付け替え作業からある程度解放されて一安心。
また、ゲームを進めればサブクエストやバトルシミュレーターの報酬で育成済みマテリアを入手できることもあり、マテリアまわりの面倒くささはかなり軽減されたと思います。

他にも細かい点が親切。
3分くらい放置していると自動でタイムカウントを止めてくれたりする細かい配慮も良いし、戦闘に関してなら、装備中の武器アビリティはアビリティ欄でさりげなく点マーカーが付けられていて判別しやすいです。ファストトラベルは徒歩か乗り物か選べるし、チョコボが必要な移動オブジェクトに近付くと自動でチョコボが呼び出されたりと、メインメニューを開いてコマンドを呼び出す手間を可能な限り省いているように思えて好感触です。


【気になった点】


△細かい操作性


前作に引き続き、悪くはないけど良くもない感じ。地形の狭さと移動速度がうまく噛み合っていないように感じることが多かったです。

例を挙げると、マテリアやアイテムを拾う時に勢い余って拾い損ねたり、チョコボで地面を調べる時に微調整が必要だったりという細かいストレスが多いです。この規模のタイトルに求められる操作性としてはちょっと物足りないのが正直なところ。

オブジェクト操作も微妙で、最序盤で出てくる空気清浄機や、中盤で出てくるコード繋ぎなどのボタン押しっぱなしで運搬する系がややストレス。あと戦闘エリアによっては端がどこか分かりづらく、回避でローリングした先が壁で敵の攻撃を避けきれず被弾とかもありました。



△一部ミニゲーム


30種類近く(公称)もあるなら合わないやつもあるだろうなというのは予想していました。とはいえ基本的には大抵楽しめたか、そこまでのストレスなく遊べました。


合わなかったのはモーグリコープとフープ・デ・チョコボ。前者は憎たらしい生き物に起きハメをされるストレス、後者はミスのリカバリが効きにくい理不尽さがあり、それでいてどちらも最終的なエリア達成度に影響するので諦めるのも惜しく……モーグリコープはそれだけでなく、新しいスキルブックが買えなくなるという致命的な損があるので頑張りました。


ミニゲームをまとめると下の通りです。


【かなり面白い】


クイーンズ・ブラッド(カードゲーム)

デザートラッシュ

ダッシュ・デ・チョコボ


【面白い時もある】


ピアノ

チョコボレース

サボテン・ノック

Gバイク


【やりたくない】

モーグリコープ

腹筋

フープ・デ・チョコボ

ガンビットギアーズ


【前作DLCの方が良かった】

コンドルフォート


【普通〜つまらない】

上記以外


腹筋はもう早々に諦めました。前作ですら指を攣りかけたのに、今作では逆回転など一捻り加わる始末で手に負えないと判断。



カードゲーム苦手民でもこれは面白い



△リプレイ性がよろしくない


引き継ぎ要素自体は充実しているものの、前作同様にストーリーの都合上いわゆるフリーモードがないので、クリア後に取りこぼし要素を楽しもうと思ったらCHAPTER選択から最後に自由行動できるCHAPTERをやり直す必要があり、数分とはいえそのCHAPTERのオープニングをまたやる必要があります。


もっともそれはまだマシな方で、苦労したのは戦闘のリトライ。全滅したらバトル直前やバトル前のフリー操作から再開を選べるのは良いのですが、バトル直前からやり直す場合はメインメニューが呼び出されないので、連戦の最後でマテリアや装備を見直したくなっても弄れず、そのまま無理やり戦うか連戦の最初からやり直すしかありません。


前作から思っているのですが、そもそもパーティー強制変更が挟まること自体が初見殺しなんだからメインメニューからやり直せるようにして欲しい。今回は仲間も増えてより性能や装備の把握も忙しなくなったから尚更。このゲームの場合、連戦中にパーティーがコロコロ入れ替わるのが当たり前なので、フレキシブル対応できるようなマテリア装備でほぼ固定となりあまり自由度は感じなかったです。


あと重要なボス戦だけの演出とはいえ、バトルUIが表示されたままのイベントはスキップできないのも気が重いです。ラスボス連戦がそれで、やり直すたびにせっかくのイベント体験が損なわれていきました。

本作、基本は快適なのに(ストーリーの盛り上がりどころなど)肝心なところでいきなり不親切になったり冷めるミニゲームが挟まったりして損している印象があります。



△ケット・シーの操作と不遇ぶり


使いこなせていないだけと言われたらその通りですが、待望の完全新規参戦キャラなのに探索・戦闘ともに難ありでは? と感じます。せっかく最新技術の恩恵で愛らしいモーションに仕上がっているのに、いざ動かすとちょっとという感想。


まず探索に関してはストーリー上で操作パートがあり、相棒のモーグリと一緒に箱投げミニゲームなどをして道を開くのですが、これがまぁストレスフル。箱投げの操作に変なオリジナリティがあって最初投げ方すらわからなかったし、ようやく把握しても判定が理不尽で頻繁に失敗するし、とどめには回転する的にシュートするみたいなギミックまで出てきて軽く詰まりました。しかも失敗したら少し移動してまた箱を出し直して足の遅いモーグリを呼び出してやり直しと、とにかく面倒で辟易。そのパートのストーリー体験とか一気に吹っ飛びました。

せっかくここまで進めたプレイヤーが投げ出してもおかしくないくらいのストレスパートなので、アップデートで緩和措置をとったほうが良いと思います。


戦闘に関しても、ATB一本が何よりも貴重なシステムと相性が悪いのではと感じます。

まずATB一本消費して「モーグリコール」でモーグリを呼ばないとほぼ戦力にならない(リミット技すら使えない)ので他キャラよりも出足が遅れがちになるし、ショートカットもこれで一枠埋まりました。そしてしっかり性能を理解しないと使いこなせないらしく、結局、回避後の音波飛ばし魔法攻撃でATB稼ぎする役割に落ち着きました。


そして仲間で唯一好感度が設定されていなかったり、それに伴ってサブクエストでもろくに出番がなかったり、長めのダンジョンに入る前に一時離脱してしまうので、活躍できるパートが少なかったりという不遇ぶり。本格的な出番は次回作になるのでしょうが、その時はもうちょっとなんとかなって欲しいところ。



【まとめ】

 
今年発売予定のほか新作ゲームには大変申し訳ないことですが、2024年の4分の1にして既に年一番の作品が確定しましたここまでやり切ってしまって次回作はどうするのと恐ろしくなるくらい。なんなら他のゲームのハードルまで上がってしまって、本作に一段落ついて次に始めるゲームを何にするか決めかねている始末。
とにかくあらゆる意味で「FINAL FANTASY 7 Rebirthの次」の荷が重すぎる。人生でもそうそう遊べることにない良作すぎて、自分の腕でできる限りの要素をやり尽くす4月中旬くらいまで良作デトックス期間が必要です。

とは言え、良作と入っても不満点はしっかりあります。終盤までボリュームたっぷりなのはいいですが、終盤になってまで大して面白くないミニゲームやパズルが挟まるのにはダレを感じましたし、ほか気になる点は上にある通り。
それをカバーしてなお余るほどにゲーム自体が面白いので、クリアしたとはいえモチベーションに限界が来るまでは一通り遊ぶ予定です。
難易度HARDに関しても操作を忘れる前にやりたいとは思いますが、難易度Normalのラスボスですら苦労したので果たしてクリアできるか……

今後の公式新展開に関しては、まず来月発売のサウンドトラックは購入決定として、ゲーム自体のDLCはスキップして三部作完結編となる次回作を一日でも早めに出して欲しいです。
もっともそうもいかないと思うので、何か新しい展開があれば引き続き楽しもうと思います。

それにしても、また次回作では育成もやり直しになるのでしょうか?
佳境感ある場所で低レベル低ステータスから始まるのもピンとこないので、正直データ引き継ぎでも良いくらいです。適正レベルに下げても良いので。なんなら装備は集め直しでも良いので……

とにかく次回作も「今回が FF最高傑作」と赤大文字でデカデカと書けるような内容であることを期待して待ちます。




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