ゲームクリア感想250_FINAL FANTASY 16




FFシリーズの記事は下記の通り↓



本題の前に事務連絡失礼します。
ブログ自体のレイアウトを見直しました。スマートフォンでも見やすくなったと思います。
左上のハンバーガーメニュー(三本線のやつ)から過去記事アーカイブとプロフィールが見られるようになっています。アーカイブは前のレイアウトのほうが見やすかったかも。

さて本題ですが、特に前置きはなく“FINAL FANTASY”だから遊びました。
クリアした今は“FINAL FANTASY”を遊べてよかったという気持ちです。

【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.03
難易度 アクションフォーカス(サポートアクセサリはオートスローのみ装備)
クリア時間 約 62:00:00
トロフィー取得率 64%

 

【良かった点】


◎軽快な戦闘と迫力ある召喚獣合戦


戦闘は本当に素晴らしかったです。FF7Rのパーティバトルとは別方向の完成度。
体験版の範囲で味わえる戦闘の楽しさは全体の3%くらいでした。もう今後のFFのスタンダードにしてもいいのではというくらい完成度が高く、なんか理不尽でもうやりたくないな……というのがほとんど記憶になくてボス戦全部面白かったです。

基本、自分がしたい操作の通り反応するし、パリィや回避のタイミングも比較的優しいのでアクションゲームが苦手な身でもとっつきやすかったです。
中盤くらいまでは使える技が大幅に変化しないので若干の単調さを感じなくもなかったですが、終盤になればなるほど技もダメージ量もエフェクトも増えて楽しくなりました。
個人的にはアクションフォーカスにオートスローのサポートアクセサリーだけ付けるのがちょうど良かった。アクセサリーでの難易度調整もどうなることやらと思っていましたが、苦手を補いつついい感じで戦えるので個人的には好きです。

属性要素の排除がやや不安でしたが、実際遊ぶと戦闘が忙しすぎて弱点属性があったとて考える余裕もなく、排して正解だったと感じました。これによってゲームテンポも良くなったと思います。


※微ネタバレ注意 最後はこの組み合わせで通しました



召喚獣合戦は実のところ、やりがいに欠ける半イベント戦みたいなものと予想していてあまり期待していなかったです。でも実際に遊んでみるとしっかりひとつのバトルとして練られていて、想像以上に楽しめました。重量感とアクションが程よく混ざった操作も気持ちよく、戦いながら相手の技をラーニングしていく臨場感も良かったです、
大迫力のアクションシーンや壮大なBGMと合わさってクセになる面白さで、こっちのモードでもっと戦いたかったくらい。

FF6っぽい色合いなのでこの画像を採用しました


FF15の対召喚獣戦は今ひとつ戦いのテンポが悪くてピンとこなかったので、その意味でも進化を感じました。演出や舞台も旧作から数段スケール感が増していて、終盤の召喚獣合戦なんかもうギャグと紙一重の壮大さ。
それでもギャグでもなく半イベントでもなく、しっかり戦闘として成立しているので何周してもダレることはなさそうです。

ちなみに発売前によく言われていたQTEは気にならなかったです。要所しか発動せず、連打回数も少なく制限時間も余裕たっぷりなのでQTEというより没入感を深める仕掛けという感じ。


後ろの山に見えるものが実は


◎音楽


どちらかというと劇伴寄りで、旧作FFにあるようなメロディアスなものは控えめに感じましたがどれも耳馴染みがよく快適。また劇伴寄りといってもメロディーと空気感のバランスが巧くて聴き応えがあり、また、ところどころで旧作FFを感じさせるフレーズが挟まっているのが良いです。ザンブレク皇国フィールドの曲などはFF6の「仲間を求めて」を彷彿とさせて懐かしい気持ちになりました。
かつ、我々の大好きなインタラクティブミュージックを採用しているのもポイント大加点(もう大作ゲームには標準装備になってきた感ありますね)。

曲としてはフェニックス操作時の召喚獣合戦の曲とリスキーモブ戦(&一部ボス戦)、ラスボス戦、拠点2番目と3番目の曲が好きです。プレリュードのアレンジも個人的には歴代で一番しっくりきます。

そしてテーマソング。発売前に抱いていた「FFと米津玄師……ふむ」という懐疑はゲーム内で流れた瞬間にすべて吹き飛びました。もう他のテーマソングはありえないという気持ちですし、個人的にはクロノトリガーに匹敵する夢のコラボです。余談ですが次のアルバム楽しみですね。



◎動物が可愛い


相棒のトルガルや騎乗チョコボのアンブロシア、人里の飼い犬などの動物全般が愛らしく、シビアな世界の良い息抜きになりました。
トルガルを撫でるシステムがないと道中が辛かったとつくづく思います。

ちなみにトルガルも歳を重ねるので、終盤は年齢的に倒れないかハラハラしました。結果としてはそういう描写もなく無事でした。


もっとかわいい写真にすればよかったけど良い距離感なので




◎時代の変遷が反映されるストーリー



エンディング、号泣してしまいました。

テーマソングがこれ以上考えられないほど最高のタイミングで流れるから……


ハマったゲームのエンディングを迎えた直後に必ず訪れる、感動と疲労と満足と喪失が混在したあの感覚に襲われています。少なくとも今日一日は他のコンテンツに手を出したくないというあの貴重な感覚。

他媒体に例えるなら、年単位で数シーズン追い続けた海外ドラマの最終回を見届けた直後のあの感じです。


実のところ、ストーリー自体は若干モヤモヤが残ります(後述)。

ただFE風花雪月ばりのテキストの安定感と声優の名演もあって、気がついたら主人公クライヴの人生に没入しており、エンディングを迎えてこの世界から離れるタイミングで初めてそれに気が付き号泣という流れです。


これというのも、時代の変遷がしっかり描かれていたことが没入感を高めていたと思います。時代の移り変わりに伴って各地の状況やキャラクターの在り方が変わっていき、その人間模様がクライヴを形作ってゆくというか。
ゲームとしても、人里が寂れて野盗の棲家になっていたり、門に立っていた兵士が撤退していたりなどストーリー進行に合わせて細かく変わるので、サブクエストで寄り道しつつそういう変化を探っていくのは面白かったです。

うまくまとまらない文章になってしまいました。
なんだかんだ長い時間を過ごしたからこそ、あのエンディングには心を揺さぶられたということです。


◎ストーリー理解促進要素の充実


「誰もストーリーから取り残さない」とばかりに、その場でボタン長押しで関連情報を読めるアクティブタイムロアや、適宜更新されレベルアップで項目が増えハルポクラテスの備忘録、人間関係や世界状況を解説してくれるヴィヴィアンと、理解が深まる要素が複数あるので現況把握しやすかったです。
近年FFが作中の固有名詞で揶揄される風潮はもう完全に過去のもの。

理解促進しようとストーリーのテキストが説明台詞気味なのはちょっともったいなく感じるけど、話から置いていかれるよりはずっと良いと思います。

欲を言えばメニュー画面からも読めるとなお良かった。



○細部の利便性


回復をポーション類に集約して、細かい回復や宿泊の手間をバッサリ省いているのが賢いと思いました。持ちきれないポーション類は拾ったその場で使用するので死蔵にならず、たいていボス戦前後に落ちているので特に不便もなく。ケアルを自分で使わないFFは初めてでした(シアトリズムですらある)。

またファストトラベルも案外思い切っており、メインストーリーで寄り道が許されないような緊迫感あふれる展開からでもわりと抜け出せます。味方の視線が心なしか痛いですが自分のペースで進められます。
全体ワールドマップからサブクエストが発生している場所、リスキーモブの残数などを確認できます。一度遭遇したリスキーモブはマップ上にアイコン表示されるので、レベルを上げて再挑戦する際も場所の調べ直しなどは不要です。



【気になった点】


いまいち探索が楽しくない


マップが無味乾燥で探索にやりがいがなかったです。
リアル志向ゆえか特に面白いマップもなく、グラフィックも2023年ではそこまで美麗というわけではなく、ほぼほぼ戦闘の舞台だったという印象。数ヶ月前に行ったのがミッドガルだったので余計にそう思うのかも知れませんが……

都市部はメインストーリーでしか進めないのも物足りなかった。主人公たちは基本お尋ね者なので大きな街を歩けないというのは仕方ないとはいえ、人の集まる場所が本拠地と宿場町、集落、あっても少し大きめの町くらいなのは寂しいです。あと廃村がやたら多いのも過剰というか、そこまで徹底して人を消さなくてもと思いました。

拾得できるアイテムも小銭か素材かポーション類で、装備品などはわずか。
近年のFFは全体的に宝箱の中身がショボくて探索しがいに欠けると思っているのですが、本作もその例に漏れなかったという感じです。


サブクエストの単調さとペース配分の難


序盤〜中盤あたりのは「ザ・サブクエスト」「ザ・作業」といった淡白な内容で、ゲームのサブクエスト文脈をアレンジなしでそのまま実装した感じで単調さが強かったです。中身も貴族親子やムーアの少女のやつみたいな強烈なもの以外はほぼ覚えておらず。

終盤が近づくとそれなりに内容を伴ったものになり、得られるものも多くて単調さはある程度緩和されます。ロストウィングの前後編は特にジーンと来ました。また仲間たちのサブクエストは実質メインレベルの情報量で、貴重なアイテムも入手できるのでほぼ必須でした。

ただ、意識がエンディングに向かいつつ、かつゲームに飽きつつある終盤にドサッとまとまった量のクエストが解禁されるペース配分は疑問です。メインストーリーからするも寄り道している場合ではないし、全部が全部終盤でないと展開できない内容かと言うとそうでもないし。



細かいところでの不便さ


・ダッシュが即時発動ではなく「屋外など可能な場所で」「ある程度スティックを傾け続けたら」という条件付き。ダッシュできない拠点や人里もそれなりに広いので、ここは条件なしで走りたかったところ。

なんかこう、どの場所も徒歩だと地味に広くありませんか? かといってチョコボを呼んでは乗って呼んでは乗ってを繰り返すのも手間……というのが終盤まで続きました。

ワールドマップでメニューを開けない。どのゲームでも装備を見直したりセーブしたりするいい区切りとしているので、天下のFFでこれができないのに驚きました。別に適当な場所にファストトラベルして作業すればいい話ではあるものの。

・全体的に細かく画面が止まる。
特にサブクエストに顕著で、納品物を毎回選ぶとか、受注時と達成時の仰々しい表示とか。
また高頻度で開くワールドマップも開くたびに数秒操作できない時間があり、もどかしさがあります。メインストーリーなどで目的地アイコンが表示されると、そのまま目的地にフォーカスしてくれればいいのに主人公の現在地にわざわざ画面が動くので、自分で目的地まで画面を動かすという数秒が生じます

・フォトモードの使い勝手が悪い。
最初どこから起動するのかわからなかったし、起動したらしたで目の前の光景ではなくクライヴにフォーカスが当たっているのでカメラを毎回グルッと回転させています。

・チョコボがあまり速くない。
PS5のアダプティプトリガーの重量感に感動するのは最初だけ。これに限らず移動全般が妙に重苦しい。



△やや不完全燃焼感あるストーリー(ネタバレあり)


※この項目にはネタバレがあるのでご注意ください。



終わってしまえばストーリー自体は良かったと思います。中盤ややダレ気味になりがちとはいえ、大きな不満はありません。

ただ個人的に「じゃあ今までのあれこれは何だったの? 」と思う展開が多いことにモヤモヤが残ります。
代表的なのが主人公の印が手術で消えるという展開で「これまでの戦いは一体?」と思ってしまいました。印があることで今後ずっと町人や敵から罵倒され続ける不都合やユーザーのストレスを思うと仕方ないこととはいえ、テーマが台無しではないかと。印があっても(ベアラーでも)人らしく生きられる世界を目標としていたのに、その世界の現状追認になっていないかという疑問。
手術という解決法があるというのは確かに希望ですが、作中の設定ではそれにも苦痛が伴うわけで、それならこの世界の人々が差別する心と少しずつ向き合っていったほうが良くないか? と思いました。それが一朝一夕にいくはずもないのは当然として、主人公一派ならその範を示せるでしょうと。

振り返るとこのあたりからあれ? と思うことが増えました。
厳しい世界といっても結局主人公周辺の犠牲はあまり出ず、富豪の叔父さんとか天才機工士少女とかの便利キャラが続々集結する一方で敵の強大さがこの時点では開示されないため、全然負ける気がしない。もう隠れ家のメンツで衰退した国ひとつくらい占領できてしまうのでは?
序盤の苦境が嘘のようにほぼ敵に勝ちっぱなし味方増えっぱなしなのであんまり緊張感もなく、中盤のダレの一因だったと捉えています。

エンディングにしても詳述は避けますが、号泣を収めて冷静に考えてみるとクライヴが先走ってしまった感が無きにしもあらず。印の件にせよこれにせよ、今までのやり方の延長線上でちゃんと勝てる・地道に世界を変えられる強さがあるのにと思いました。少し前に仲間から一人で抱え込むなと警告されていたのに、結局その通りになってしまった。

ただこの世界があまりにどうしようもなさすぎて、皆のために少々極端でも根本からやり直さないとどうにもならないという気分になるのは理解できます。
不毛の地が広がる一方だし、国の支配層は全員無能だし、民は世界が窮地に陥っても相変わらずベアラーを搾取し続けたいスタンスなのは変わらない感じだし、肝心のラスボスも哲学科一年生みたいなことを言い出す始末だし、正直、この世界はあまり守りたいと思えなかったです。本当に福祉が必要な存在(世界)は守りたくなる姿をしていないという文脈なのかも……だからこそクライヴたちが輝くのですが。
(余談:ラスボスに対して「お前哲学科一年生か?(大意)」と直球で喝破するChernobyliteは痛快でしたね)


世界の厳しさ、リアルさを描くのは素晴らしいのですが、それに対して希望の持てる描写が類型的だったり極端な解決脳であまり響かず、やたら露悪的な印象だけが残ります。せっかく終盤あたりでみんなが手を取り前向きな雰囲気になったのに、結局最後は連帯を選択しなかったように思えるのが残念です。

話が散らかってきてしまいました。
なんかこう、極端な選択をしなくてもあの世界はいい感じになりつつあったんだから、あのまま周囲と連帯して少しずつ世界を良くしていけば(道のりは険しくとも)勝ち確だった……というのが甘い見立てなのは承知の上で、でもやっぱりそうして欲しかったと思います。結局世界の大多数が差別心と向き合わないままあの解決脳エンディングを迎えたので、また似たようなことが繰り返されるだろうなと思ってしまいます。

でも歌詞を噛み締めつつテーマソングを聴くとあの結末以外なかったとも思うので、自分のストーリー理解がまだ浅いのでしょう。



【まとめ】

記事序盤に書いた通り、“FINAL FANTASY”を2023年になっても遊べて良かったという気持ちです。
なぜなら“FINAL FANTASY”だったから。

クリアして一晩経った今でもエンディングを引きずっており、今朝の体調にまで影響しまいた。なんだかんだ言いつつも60時間近く浸った世界だったので、ああいう結末を

戦闘・ストーリー・音楽などRPGの必須要素が軒並み高品質で、PS5に最適化していると言うだけあり不具合も一度も発生しませんでした。特に戦闘は本当に良くできていて、去年出たばかりのスターオーシャン6ですら爽快感が物足りなく感じるくらい。
蓋を開けてみればリアル志向なのにマンガ的なノリなのもプレイ中は気になっていたのですが、演出やゲームテンポの良さもあってやがて気にならなくなりました。

ただストーリーや細かい仕様含めモヤつく点があるのも確かで、2023年最高傑作となるかはなんとも言えないところです。サブクエストの偏った配分や探索要素の薄さは個人的にやっぱり気になります。

あと、考えすぎかもしれませんが制作側の「こう評価されたい」という意識を強く感じ、それが少々窮屈だったり誘導されているように感じなくもなかったです。もっとも、その誘導に素直に従っておいて正解だったので今となっては瑣末なことですね。

ちなみにFFナンバリングで一番かどうかは固まっていませんが、FF6~8あたりの個人的上位層には入ると思っています。ネットの悪い文脈から解放されて含みなく好きと言えるナンバリングは個人的に久々です。

総合的にはとても満足で、まだまだこのシリーズでしかできないことはあると思いました。



以下余談:

今回の記事はiPhoneでBloggerの記事を作成できるアプリ「BlogTouch」を中心にして作成しました。初めて触れるアプリなのでなにか不備があったらご容赦ください。

なぜ急にアプリを導入したかというと、14年間腰を据えていたTwitterから思うところあって距離を置こうと考えており、その一環として本拠地たる本ブログを見直したためです。

今までは紙なりメモアプリにざっと書き残してから記事作成画面上に清書する、というやり方を続けてきましたが、そのやり方自体に飽きてきたのと、コピペ作業に意外と時間を費やすので効率化を図りたかった、などの理由もあり、この機会に新しい挑戦をしました。出先で清書版に近い作成ができるかもという期待もあります。

このやり方が良ければ続けてみて、合わなければ前のやり方に戻ってもいいし、やはり選択の自由があるのは良いものですね。
結局のところ、色々経験してみる以外に近道はなさそうです。


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