ゲームクリア感想210_Chernobylite(PS4版)

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2022年も残り2ヶ月となったこのタイミングで隠れた良作に出会えました。
同じ開発の「ゲットイーブン」が今ひとつだったことへの不安は、遊び始めてすぐになくなりました。

カタカナだと「チェルノブライト」表記が一番メジャーなようです。
言わずもがな昨今の世相を揺るがしている地域を舞台にした、ストーリー主導のFPSとなります。
若干のホラーとクラフト要素あり。ホラーは静の不意打ち
系、クラフトはFallout4のそれを簡略化した感じです。

今年の1月に日本語版が配信され、ずっと気になっていたものをなんとか年内にクリアできました。

かなりとっつきにくいビジュアルイメージですが、実際はメトロシリーズ+Fallout4みたいな感じで親しみやすかったです。もっともそれらと異なりサバイバル要素が強く、ゲームの流れとしては大まかに以下のとおりです。

まず一日のはじめに自分と仲間の派遣予定を立てて各地域に配置し、自分は選択した地域に行きます。マップはエリア制でオープンワールドではないです。クエストクリアしたら成功となり、そのあとは好きなタイミングで帰還します(帰還用のアイテムを装備して発動)。

また敵の兵士にやられると即ゲームオーバーとはならず、基地に連行されます。その場合、ランダムの場所に配置された荷物を取り戻して帰還となります。クエストは失敗となってしまいますが、翌日またやり直せます。


帰還したら自分と仲間たちで「レーション」(食糧)を分配します。この分配が士気に関わり、クエスト成功したのに貰いが少ないと士気が下がったりします。序盤はここが厳しいですが中盤以降楽になります。

分配後は、仲間と会話したり訓練したりクラフトしたりと自由です。個人的にこの時間が一番楽しいです。そして自室のベッドで寝ると一日終了となります(主人公専用のものがあり、クラフトしたベッドではないのでご注意ください)。


自室ではコレクタブルの確認と、一定数の証拠品を集めることで見られる4種類のストーリーがあります。この証拠品はクエストや探索で一通り集まります。探索と言ってもたいてい人工物があるところで見つかるので、血眼で探す必要はないです。


最終的に必要な人員・道具・証拠を揃えてラストダンジョンに突入するのが目的です。突入自体はいつでも可能ですが、上記のひとつでも揃っていないうちに突入すると犠牲が増えるので、全部揃ってからのほうが合理的です。


流れとしては以上です。毎回クエストついでに地域の探索を行っていればサバイバルに必要な素材は賄えるので、探索のためだけに一日を潰すことは殆どなく、ストーリーに集中できます。


有名なロケーション?


毎晩見る光景


【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 4
バージョン ver.1.11
難易度 「サバイバル」「管理」はミディアム、「戦闘」はイージー
クリア時間 約 33時間半
トロフィー取得率 100%(プラチナトロフィー)


【良かった点】

システム・ガイドの充実


一見硬派な雰囲気ですが、AAAの大手ゲーム並みにガイドが丁寧で「不足」を感じることがほぼなかったです。必要なシステムは出揃っている感じ。丁寧かつ的確で、例えば拠点の状態が悪く仲間のステータスに影響しそうな時は毎回教えてくれます。「これやったほうがいいですよ」ということは一通り事前に通知してくれるので致命的な失敗は起きにくいです。


またストーリーにもギミックがあり、そちらもしっかりシステムでフォローされています。

ストーリー上でクエストの選択肢を選び直す局面があり、その場合でも同じクエストを周回する必要がない仕様となっています。

なんと、特定の場所で選択肢の選び直しとその前後の展開確認が可能で、選び直しはその場で完結します。アイテム消費制ではあるものの、後半になるとそのアイテムも簡単に作れるようになるので心配無用です。そしてクリアだけならそこまで必要にならないです。


個人的に、主人公でないと進められないクエストに仲間を派遣してミッション成功すると、クエスト難易度が少し下がるという仕様が新鮮で好きです。



日本語ローカライズの上手さ・テキストの面白さ


失礼ながら、日本では売上が見込めなさそうなタイプのゲームなのに、非常に丁寧な翻訳で不自然さが一切ないです。同じ地域が舞台のメトロシリーズも良かったですが、こちらも負けず劣らず丁寧。


あと、そもそものテキスト内容が面白い。

ジェネレーションギャップを感じさせる主人公と仲間の軽い会話から、おなじみのキャラクターの背景、史実のチェルノブイリ原発事故に関わる歴史まで内容が濃く、一日が終わるごとに仲間全員に話しかけるのが楽しみでした。この仲間会話はストーリー上そこそこ重要な情報源なのでなおさら。



キャラクターの魅力


硬派イメージに反してマンガ的なキャラクターの濃さです。

ゲーム内でも「社会不適合者の集団」と言われるような面々で、倫理的にヤバいアウトローや闇の深そうな軍人、病気の老人などおよそお近づきになりたくない顔ぶれではあるものの、故に会話が豊かだし、信頼を得られると嬉しい気持ちになります。

この面々を相手に物おじしない主人公も曲者で、ゲームの主人公らしからぬ落ち着きを保っていらっしゃいます(設定的には壮年~老年?)。アウトローの若者からパルクールを習う向学心もある学究肌で、会話の突っ込みも冴えていて好きです。



○プラチナトロフィーが取得しやすい


難易度やコレクタブルの収集数は問われず、発生するクエストやイベントを追っていけば自然と取得できる作りです。クエストはクリア後でも回収可能(再会直後は発生しづらく、一回クエストに出ると翌日発生することが多いです)。


○手軽で楽しいクラフト


Fallout4や他作品のようにバリエーション豊かではないので、ここに過剰な期待を寄せるとがっかりします。ただその分面倒さや動作の重さが軽減されており、サクサクと施設を配置できるので割と好きでした。

こういう廃墟から素材探しの日々


【気になった点】


△やや単調な戦闘


特に目新しいものがないFPSの戦闘で、少し変わった武器とステルスキルがあるくらい。そこまで敵数も多くなく印象的なシチュエーションもないので、フレーバー程度という感じです。


△やや長めのローディング


探索出発と帰還、就寝後などのローディングがちょっと長めではあります。PS4だと……


△もう一声欲しかったクラフト


クラフト自体は楽しいですが、床を掃除できたりするとより良かったです。せっかく寝室を整えても、床に倒れた柱から鉄骨がむき出しで怪我しそうなので……


【まとめ】

まさに2022年のダークホースでした。リストの肥やしにしないでおいて大正解。
実はサバイバルものはあまり得意ではなかったのですが、本作で苦手意識が払拭されました。こう、その日暮らしのための素材を集めて消費して、またリポップしたものを再収集して……という不毛さ、蓄積のなさが苦手だったところ、本作はノーマル水準の難易度なら序盤が辛いだけでそこまで困窮しないので、苦手意識に苛まれることなく遊べました。

ストーリーもなかなか熱かったです。社会のはみ出し者たちが満を持して集結し、そして怒涛の展開を迎える最終盤は身を乗り出してコントローラーを握りました。一捻り二捻りあって

ただ、やはり序盤がとっつき辛いとは思います。単調な戦闘と要領を得ないストーリーは牽引力に欠けるところがあり、少し進めて放置してしまうタイプのゲームではあります。序盤さえ耐えればゲームのコツを掴んでエンディングまで駆け抜けられるものの……
 
ゲットイーブンからの進化や濃いキャラクターなど、印象に残るゲームになりました。












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