ゲームクリア感想141_FINAL FANTASY 7 REMAKE

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人生の夢がひとつ叶ってしまったような気持ちです。

 世界中から熱望されつつも、コスト面など様々な問題で難しいとされていたFF7本編リメイクが、ようやく発売されました。
 FF7から受けた影響は大きく、4周か5周はして、オリジナルミッドガルやオリジナル神羅カンパニー(二次創作?)の妄想を紙の上に出力していた頃が確かにありました。

 当時は本当に時代の最先端で、今思い返してもオープニングからエンディングまで一切の退屈を感じることなく貪り食うように遊んでいました。朝学校に行く前も、夕方帰宅してからも、夜に晩御飯を済ませてからも……

 正直に言えば、発表したは良いものの全然情報を出さないスクウェア・エニックスには呆れ果てる気持ちも非常に強く、発売中止もあり得ると思っていましたが、いざ情報が出て販売予約が開始されたら速攻でダウンロード版を予約購入していました。
 当然、ミッドガルパートまでというのを確認・了承した上で。体験版もやりました。

 2020年4月10日のダウンロード版プレイ解禁日は、0時までに身を清め、本当にあのFFリメイクが遊べるという現実感のなさに浸りながら、その時を待ちました。

 そしていざ本編を遊んでみると、未だ本棚に鎮座しているにFF7インターナショナル版の攻略本が比較と懐古にしか役立たないくらいに、予想以上に大幅なリメイクが施されており、リメイクと言えどFFシリーズに通底する挑戦心を欠かさない姿勢に感心しました。
 リメイクと銘打った作品で発揮すべき挑戦かは意見が分かれるところですが……

 そして夢中になってクリアしてみると、思った以上に次回作の開発が進んでいるような雰囲気を感じたので、個人的にも安心しました。分割作なのは言われているほど気にしてないですが、発表から発売までの経緯を振り返ると、未定なのはやっぱり不安だったので。
 察するに、BGMやムービーあたりの要素はもうかなり進んでいそうですね。


バージョン 更新なし
難易度 NORMAL
クリア時間 58:34:24(4時間くらい放置含む?)
トロフィー取得率 48%


【良かった点】


◎あまりにも贅沢過ぎるBGM


 リメイク作で最もと言っても過言ではないほど期待している要素がBGM(のアレンジ)なのですが、嘘みたいに贅沢な使われ方をしていて驚きました。

 とにかく曲の使い回しがほとんどなく、ボス戦闘曲ひとつとってもボスごとにアレンジが違い、更に戦闘フェーズに合わせて3パターンくらいに変化するという、ひとつの曲をどれだけ大事に使うんだという念の入りよう。難易度低めの原作では道中の柔っこい壁でしかなかった中ボス戦が、アクション化した戦闘システムと合わせて別物のように盛り上がるバトルになっています。

 私は曲の使い回しとかはさほど気にしないタイプなので、そこまで拘るか! と驚愕しました。アレンジ自体も違和感なく、完全新曲も含めてどれも良い曲で、しばしば曲を聴くために放置していました。
 個人的に、評判の割にそこまで良いとは感じなかった「エアリスのテーマ」も、色々なアレンジが施されて、一気に好きな曲になりました。

 やはり、原曲の良さがあってこそ様々なアレンジが映えたと思います。
特に原曲の雰囲気を損なっている曲や使い方もなく、この辺の気の配り方やアレンジの完成度は流石です。

 サウンドトラック? 当然8枚組Special edit versionを予約済みです。
どの曲も捨てがたいものの、エンディングテーマアレンジの伍番街スラムの曲と、六伍街道のエアリスのテーマアレンジ(恐らく)の曲が永遠に聴いていられます。

 FF7全体で言うと「J-E-N-O-V-A」が一番好きなので、アレンジはどうなるか楽しみだったのですが、数十曲ある公式アレンジの中でも上位にくる良アレンジでした。


◎やり過ぎなまでのミッドガルの作り込み


 ウォールマーケットに初来訪した時、あまりのことに度肝を抜かれました。
まさかあそこまで作り込むとは予想しておらず、制作スタッフのモチベーションの高さが伺えます。あそこまでやるとは本当に思わなかった。

 実のところ、グラフィックだけならば他にも美麗なゲームはあると思います。
本作は美麗さよりも存在感・生活感などを出すための作り込みに注力してある印象です。

 また、多くのプレイヤーの目を奪うのが「スラムから見上げるミッドガルのプレート」でしょう。本当に夜ごと妄想していたミッドガルの生活が、各スラムの作り込みもあって完全再現されており、非常に感動しました。
 遠景で見ると凄い存在感で、こういう大胆なセンスが世界中の想像力を掻き立てていたんだなぁと感慨深くなります。
 憎き神羅製のものとはいえ、夜に見上げると惚れ惚れする美しさです。

ミッドガル生活ゲームが欲しい……


◎丁寧なチュートリアル


 ダンジョンに突入したら「迷うから〇〇を目印にしよう」とキャラクターが助言してくれたり、一部謎解き(難しくない)もある程度時間がかかったらヒントが表示されます。
 マニュアルの各種解説も動画付きだったり平易な文章だったりで、ゲーム内の疑問は一通りゲーム内で解決します。一部バトルやミニゲームはコツを掴む必要がありますが……


◎クリア後要素の充実(※軽微ネタバレ)


・難易度HARD解放

・チャプターセレクト追加

・獲得EXP2倍、マテリアAP3倍

・難易度HARD限定バトル・アイテム

・バイクゲームスキップ

などなど盛りだくさんです。いずれも「強くてニューゲーム」状態で遊べるので、
周回の面倒さを極力排除しようとしています。こういう心配りはありがたく甘えて、需要があることを知ってもらわないといけませんね。


◎快適なゲームプレイ


・R1でハシゴ高速落下

・体験版よりも若干宝箱にインタラクトしやすい気がする(受付範囲が広い)

・タッチパッドひと押しで敵情報閲覧

・サブクエスト最終目標を達成したらその場で依頼人の元へ戻れる

・武器成長に使える残りSPがあれば文字色が灯る

・一部ダンジョンはL1長押しで即脱出(中盤以降解禁)

・しばらく放置するとプレイ時間カウントが止まる

・リトライが細かい。ミニゲームにすらある

・チャプターセレクトがスムーズ

などなど、細部まで需要に応えていてゲームプレイ自体は相当快適でした。
近年FFシリーズの中でもトップクラスでは?


◎キャラクターや世界観をより掘り下げたストーリー


 ストーリーに関しては「大筋は把握しているから違いを楽しむか」程度の考えでした。
しかしいざ進めてみたら、ミッドガルにおける各仲間キャラクターの状況や考え方などがしっかり掘り下げられていたので、より意志のあるキャラクターとしての魅力が滲むようになった気がします。

 私は外伝作品をあまり熱心に追っていないので、既出の情報を有難がっているかも知れないですが、アバランチ周りの設定が面白かったです。原作だと単なる所属組織でしかなかったので、色々と深堀りされてより興味深いストーリーになりました。

あと神羅ビルなんかも良改変でしたね。原作は外観以外に大企業感がなかったものの、本作では中もしっかり作り込まれていて、内外ともに巨大最先端企業という雰囲気になりました。やりこみダンジョン形式で全フロア探索したい!

 ちょうどその神羅ビルあたりから追加要素や設定改変を伺わせるものが多くなって、ラストバトル前後は怒涛の展開でした。
 ネタバレになるのでそのへんは詳述しませんが、私はこの改変は賛成です。最初はリメイクでも挑戦心を忘れないスクウェア・エニックスを見直した! というテンションでしたが、冷静に省みると諸々の事情が大きい気もしてきました。しかし、未完で終わるよりは改変してでも話として完結したほうが良いと考えています。


○大幅変化したバトルシステム


 アクション要素を採用して大正解だったのではないでしょうか。FF7のキャラクターはいずれもアクション映えする戦闘スタイルなので、FF7ACまではいかずとも派手に動くキャラクターを操作できたのは嬉しかったです(ディシディア挫折勢)。
 もっとも原作の温めな難易度からうってかわって歯ごたえがあり、難易度NORMALですら大苦戦しました。

 アクションとは言ってもFF15程振り切っているわけではなく、従来のATB戦闘と同様に行動タイミングをしっかり管理して動くコマンド戦闘要素も残っています。
 個人的にはアクションが苦手でも、ゲージを地道にためてリミット技さえ当てれば敵のHPを大幅に削れて逆転できるのも助かりました。アクションが苦手でも耐久戦法である程度勝てるのは良かったです。

 アクションとコマンド戦闘の融合、というのはスクウェア・エニックスが割と頻繁に取り組んでいるイメージなのですが、まだ粗を感じるにせよ、これはこれで楽しめました。次回作以降のブラッシュアップがあれば更に面白くなる予感がします。


○召喚獣が有用


 近年のFFは召喚獣が今ひとつ強さを実感し辛く(特にFF13)、個人的にあまり存在感がなかったです。
 ただ今作の召喚獣は呼び出せるタイミングも熱く、戦力としてもなかなか活躍してくれるので、やっと昔のFFっぽい姿が見られた気がします。
 中でも(デザインが散々批判された)特典のカーバンクルが有用。


○ティファの声優が上達


 FF7ACの頃はいかにも外様の女優さんという感じで、正直勘弁して欲しいな……と思っていたものの、本作ではほぼ演技に違和感なく、むしろマッチしているとすら感じました。後半はすっかり慣れて、本職の声優と遜色ない……とまではいかなくてもすっかり気にならなくなりました。これなら今後も続投で問題ないです。


○豊富かつ興味深いNPC会話


 相当な数の会話があり、ミッドガルという都市の雰囲気がより身近に感じられました。新しい街に行ったりチャプターが切り替わったときには、まず街を一通り巡って会話を聞き回っていました。
 量こそ多いものの、ひとつの会話のやり取りはそこまで長くなく話の内容も興味深いので、飽きませんでした。



【気になった点】



×レッドXIIIが操作不可


 これは心底ガッカリしました。発売前からガッカリしていたけど、本作の出来が良いからこそ、この世界で操作できないショックが大きいです。ゲスト参戦やイベントで動いているところは見られるものの、実操作は次回作まで待たないといけないのが辛い。

 本作だと加入が終盤も終盤なので仕方がない、と思うものの、終盤のボスラッシュも考えるとやはり正式加入のうえ操作したかったです。


×なにかと水を差されがちで消化不良なボス戦


 演出過多で、今ひとつ爽快感に欠けることが多かったです。
地道に削ってやっとボスをバーストさせて、さぁこれからタコ殴り…というタイミングで、(恐らく)HP減少によりフェーズが強制的に切り替わって、また仕切り直しというのがボス戦のほぼ毎回で発生します。

 自操作のパートはちまちまと削ることが大半で、FF13みたいなブレイク後のタコ殴りの爽快感は薄いです。特に序盤はこちらの戦力及びスキル不足でうまく削れず、折角のボス戦が釈然としない勝利に終わることがほとんどでした。
 後半になってくるとコツを掴めて、多少は爽快感を味わえるものの、フェーズ切り替えはごく一部のボスだけでも良かったかなと思います。

 あと、こちら側の無敵時間が少なく、攻撃の出を頻繁に潰されるのもちょっとなぁと感じます。リミット技くらいは発生時無敵かつ強制命中で良かったのではというのは甘いでしょうか。

 こちらの腕でカバーできることも多いでしょう。ただ、戦闘としてはフラストレーションを溜めることが多かったです。これで難易度HARDなんかやったら憤死しそうです。


△一部キャラクターの配役


 ティファは良くなったものの、バレットと宝条がどうにも解釈違いでした。
自分のイメージと違っただけで演技に不満はないのですが……
あとルーファウス副社長もちょっと渋すぎるかな……


△一部セリフの改変


 原作で印象的だったセリフはかなり改変されている箇所が多く、あのセリフを声付きで聞きたい! みたいな欲求はあまり叶えられませんでした。
 こちらのほうが会話としては自然な言葉選びだし、グラフィックなどの表現力が向上したのであからさまなセリフは浮くというのも想像できるのですが、ちょっと残念でした。


△一部ミニゲームが正直かったるい


 ストーリーを改変するなら、同じ様に原作のミニゲームもばっさりカットするか戦闘とかに替えても良かった気がします。
 と言うか、FFシリーズ通して面白かったミニゲームって、原作のスノーボードと8のカードゲームくらいでほかは全部つまらなかった印象しかないです。
 本作もご多分に漏れず、やっていて虚しい気分にさせられることが多かったです。原作は好きだけど、別にミニゲームが群を抜いて面白かったわけでもないので、美化する意見は正直解らないです。


【まとめ】


 リメイクと銘打っているものの、原作の素材を用いた「再構築」でした。
あのFF7のリメイクなのでそう冒険はしないだろうなという漠然とした予想は外れました。

 故に、このリメイクは原作の上位互換にはなりません。
そもそも分作だからということに加えて、システムやストーリー展開も予想以上に変化しているため、理想としては両方遊ぶことをオススメします。
 このリメイクの次回作もいつ発売になるか解らないし、同じPS4で遊べるので。

 といっても、人によっては賛否が分かれるのは確かなので、あえて遊ばないというのも選択肢のひとつだと思います。あまりゲームを遊ばなかったり、アクションが苦手な方は難易度の面でもやや厳し目です。
 難易度は下げられますが、最終的にはある程度動かせないと終盤のボスラッシュに耐えられないかも……

 とは言え、制作陣もそれを十分想定していて、チュートリアルやリトライを細かく設けているので、モチベーションさえあれば腕に自信がなくてもちゃんとクリアできると思います。

 なので気になっている人はハードごと購入してもそこまで後悔することはないでしょう。繰り返しますが、次回作がいつ頃出るのか一切未定なので、悠長に続編を待つよりもネタバレを踏まない内に体験した方が良いです。
 私自身は発売日にダウンロード版購入して大正解だったと確信しています。新鮮な気分の内にFF7をまた遊べて、進化したミッドガルを存分に楽しめました。

 次が出るまでの時間は充分あるので、頑張ってトロフィーコンプリートでも狙います。
スクワット&懸垂ミニゲームという難所……



↓以下妄想パート


 気になる次回作の発売時期ですが、今作のクオリティを保つとなるとどんなに短くても2年後、現実的には3,4年後になるのを覚悟しています。流石に5年以上は費やさないでしょう(いくらスクエニやノムリッシュといえども)。

 しかも本作のこの作り込みようだと、三部作程度では到底収まらず、それこそナンバリングに掛けて七部作になってもおかしくありません。
 人生の5分の1くらいをこのリメイクシリーズに捧げるスタッフが出てきそう……

 それも現実的ではないし、うまく原作から取捨選択して、せめてPS5の世代での完結を目標にしてほしいものです。
 原作の展開をそっくりそのままなぞっていたら永遠に完結しないでしょう。

 個人的には、全体フィールド移動は廃して構わないです。
FF7のフィールドはいかにもゲーム的というか、ストーリー展開に合わせて形成された感が強く印象深いものでもありませんでしたし、下手に移動できるようにすると逆に世界が狭く感じてしまうこともあるので。

 FF10のように街道で繋ぐか、FF13シリーズのように中規模エリアごとに分けるか、FF15のように乗り物移動するか(降車地点は限定して)、あるいは今回と同じく基本一本道でも良いです。これでオープンワールドとか言い出したらまた開発が長引きそうで、それを不安視しています。

 引き継ぎに関しては、引き継げるだけ全部引き継ぎたいです。ただ、それも現実的ではなさそうですね……

 地域ごとのオンライン環境の差など実現可能性を無視して希望を語ると、エピソード配信形式が良いです。
 数ヶ月ごとに数エピソード配信して、キリの良いところでディスク化する半オンラインみたいなやつです。

 これなら本作に「EPISODE 1」とかの副題がついていない意味も出てくるし、また長年待つ必要もなくなるしで個人的に理想の形態です。
 ただ肥大化したFFナンバリングでそれが実現できるのかと言うと厳しい気もするし、大人しく数年待てと言うなら待つつもりです。





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