ゲームクリア感想70:ペルソナ5(PS4版)

ペルソナQの記事はこちら
幻影異聞録#FEの記事はこちら

これはもはや“事件”です。


この完成度は一大事です。


 度重なる延期と「怪盗」という全くピンとこない要素、あまり代わり映えのしなさそうなシステムと不安要素満載で、発売直前まで購入すら迷っていましたが、製作者を信じられなかった当時の自分を恥じています。

 購入を迷っている、或いは興味はあるがハード(PS4かPS3)が無いという皆様へ。


 悪いことは言わないので、ネタバレが広がる前に購入をお勧めいたします。
3か4が楽しめるならハードごと購入しても損はしません。

 私はクリアした今、余韻が抜けきらず、他のゲームに手を付けようという気すら薄れている始末です。今週はまた新作を買う予定があるのに、2周目を遊ぶことで頭が占められています。


プレイ時間は約116時間、放置時間を抜くと実質約101時間です。
難易度はNormal(変更なし)、スタメンは坂本竜司・モルガナ・新島真でした。
恋人は御船千早になりました。

トロフィー取得率は57%。
DLCは「回復アイテムセット」(無料)「私服・制服コスチュームセット」(無料)「ペルソナ3コスチューム&BGMスペシャルセット」(800円)の3つのみ導入。

主人公の名前は「安藤 鴉」(直前に遊んでいたDA:Iの主人公名が「カーラス」だったので)に、団名は「エクスキューショナーズ」という、200人は被っていそうな名前にしました。


【良かった点】


◎非常に遊びやすくなっている


 ペルソナ4ザ・ゴールデンの段階で相当遊びやすかったのですが、なんとそれ以上に改善が加えられています。神か?

  •  戦闘中の「バトンタッチ」で弱点を別キャラで連続して突けるようになった。SP消費の偏り問題がある程度解消された。
  • 「アシスト」で、R1ボタン一押しで、所持ペルソナの中から弱点をつけるスキルを呼び出せるようになった。
  • ボス戦は、リトライが「戦闘開始時点」と「最後にセーブしたセーフルーム(ダンジョン内の安全地帯)」から選べるようになって、ボス戦で負けてセーブポイントからやり直すことがなくなった。
  • 「オートリカバー」で、ボタン1,2押しで全回復。しかも控えメンバーから優先的にSP消費するので安心。
  • MOTHER2システム(?)が導入され、格下の敵は、背後を突けば戦闘画面に遷移せず一撃で倒せる上にペルソナも必ず入手できる。
  • 授業で一部の問題が図示されるようになった。更に、ネットワーク機能で他プレイヤーが選んだ答えを見られるようになったので、実質外すことがなくなった。流石にテストの際は見られませんが…

 などなど、要求と時代に合わせてかなり遊びやすくなっており、ストレスを溜めることが殆どありませんでした。


◎心を揺さぶられるストーリー


 良い齢になってゲームに勇気づけられました。あと、何回か泣きそうになり、エンディングの一連の流れでは常に半泣きでした。

 何ていうか、我慢に我慢を重ねて人々が疲れ切っている現代に必要だった話だと思いました。
 ただ日々の疲れを慰撫するだけの萌えに走らず(萌え要素自体はありますが)、世間の理不尽に正面から「怒り」でぶつかる展開が最高でした。

 また、ネタバレなので詳述はできませんが、ペルソナ含め、いわゆるメガテン系列のRPGは、終盤からエンディングにかけてが相変わらず最高すぎる。
 多少のご都合主義感と唐突感はありますが、終盤の展開からのエンディングを迎えた頃には余裕で許容できました。

 また、続編やDLC前提の要素はなく、これ一作で話が綺麗に完結するので安心です。
旧作の知識も不要で、キャラも名前と画像が僅かに出る程度なので、Web広告にもある通り、むしろシリーズ初心者向き。

 私のことなんですが、ペルソナ4の「仲間最高! みんな仲良し! 間違いない! それ以外の奴らは皆最悪! 」なノリが合わなかった人ほど、5をやってほしいと思います。
 もっとも、そう言いながらも4は4でしっかり感動しました。


◎コープの充実と重要性


 前作までの所謂「コミュ」に当たるものですが、かなり内容が充実したと思います。
まず話が面白く、全員早くMAXにしたい! という気にさせられます。
 また、コミュMAXにすると、メインストーリー終盤からエンディングにかけても出番が増えるので、3や4以上にコンプリート欲が高まります。

 次に「コープアビリティ」の存在が大きいです。
これは今回本当に重要で、特に非参戦キャラのコープはいずれも有用なので、仲間より優先的に上げてました。
 ちなみに、仲間のコープアビリティは従来通りのやつです(食いしばりなど)。


◎相変わらずの引き継ぎ要素充実


 本当に他のゲームに見習って欲しいです。二周目を始める大きなモチベーションになるので。


◎安定した動作


 ゲーム内では一度もフリーズ無しでした。マップの読み込みでカクつくのがたまにあったくらい。
 ATLUSのRPGはデバッグがしっかりしているのか、不具合に見舞われた記憶がこれまでも殆どないです。


◎長さと密度を兼ね備えた凄まじいボリューム


 歴代最長ではないでしょうか。しかも長いだけではなくしっかりと密度もあるので、ポケモン金銀でクリア後にカントー全土に行けることを知った時並の衝撃を感じました。
 普通のRPGならここで終わるだろうなという辺りからも、まだまだ続きます。
コストパフォーマンスで言うなら相当良いです。

◎声優の演技力の高さ


 メインでは、詳しくない私ですら顔と名前を思い出せるような有名声優が勢揃いしていますが、ガヤの熱演も面白かったです。
 メインもサブも演技自体が面白くかつ熱いので、ボイススキップするのが勿体無いくらいでした。特にモルガナは、可愛さと格好良さをあの声で両立しているのが凄すぎる。

 また、今回から雑魚敵も戦闘中に話すようになったのですが、見た目に反してやたらと美声で、その違和感がまた人ならざるもの感を醸し出していて良かったです。


(2016/10/11)本記事を作成中に、金城役の田中一成さんの訃報が流れました。
心よりお悔やみ申し上げます。


◯街もダンジョンも探索が楽しくなった


 街は行ける場所が格段に拡がり、メインストーリーのダンジョンは固定式になり、高低差やオブジェクト破壊(換金アイテムが入手できる)を取り入れて、ようやく探索が楽しくなりました。
 好きな方には申し訳ないのですが、自動生成ダンジョンの記録の残らない感じが苦手だったので、ダンジョンが固定式になったのは嬉しかったです。
 (自動生成ダンジョン自体はちゃんとあります)

 何気に幻影異聞録#FEと同じ場所(渋谷など)が出てくるので、少し懐かしい気持ちになりました。


◯金策が楽になった


 上記換金アイテムの存在と交換レートの高さで、珍しくペルソナでお金に困りませんでした。旧作まではスタメンの装備を揃えるだけでカツカツだったのに対し、かなり余裕が出来ました。
 装備自体もダンジョンでそれなりの性能のものが入手できるので、さほど頻繁な買い替えも不要。


◯各演出の細かさ


 キャラに合わせたモーションが細かいです。
個人的には、外にいるジュスティーヌがバインダーを両の掌で挟んで回しているやつが好きです。 


◯悪魔交渉が予想よりもスピーディー


 発売前にかなり危惧していたのがこれでした。実を言うと、私は悪魔交渉できるメガテンに疎く(PSPのリメイクペルソナ2罪くらい)、交渉復活は良いけど、戦闘のテンポが悪くなったら嫌だなという点を心配していました。

 結論から言うと完全に杞憂でした。交渉するのは主人公だけで、しかも相手の性格に合わせて3択の会話を2回選ぶだけ、しかも特定のコープアビリティを覚えれば一発で済む場合もあるという親切設計なので、特にテンポを削がれたと感じることもありませんでした。


◯雰囲気は変わったがやはり良いBGM


 これも発売前は不安視していました。発売前時点で出ていた楽曲はどれもピンとこなくて、今回はちょっとなと思っていました。

 実際は、ボーカルが抑え気味で、キャッチーさよりも雰囲気重視の曲調になっただけで、特にクオリティが衰えたということは無かったです。
 特にボス戦曲はシチュエーションも相まって高まります。



【気になった点】


△戦闘後の読み込み


 △ボタン長押しでリザルト表示の早送りは出来ますが、問題はリザルト表示後の数秒の読み込みで、基本的には許容範囲内なのですが、積み重なるとかなり気になります。
 PS4版なのでこれでも速い方だと思いますが、贅沢を言うと何とかなって欲しかった。


△細かく挟まる演出と飛ばせない会話


 宝箱を開ける際にわざわざカットシーンが挟まるのと、ベルベットルームに入る際に台詞と演出が挟まるのは、正直鬱陶しかったです。
 前作までは無かったので、余計に気になります。特にベルベットルームは立ち寄る頻度が高いので、従来通りサクサク入りたかった。

 あと、コープの関係で、人間ステータスを一定値まで上げないと、武器屋で買い物をするたびに長めな会話が始まるのも鬱陶しかったです。
 このせいで「度胸」だけ最優先で上げました。


△スペシャルセットDLCが割高


 他作品のコスチュームとバトルBGM&ジングルのセットなのですが、800円はちょっと割高でした。公式サイトに一覧が出ています。
 私は気分転換になるかと思い曲目当てに購入しましたが、勝利ジングル合わせて2曲だけしかなく(中ボス戦曲も変わると勝手に思い込んでいた)、素晴らしいRPGを完成させた制作陣へのお布施として、認知を改めました。

 わがままを言うと、曲だけの詰め合わせが欲しいです。


【まとめ】

(良作揃いの)今年の新作
今まで遊んだPS4ソフト
今まで遊んだペルソナシリーズ

以上全てのカテゴリ内で一番でした。

 「気になった点」で挙げたものはいずれも細かいことで、プレイを止めるほど深刻なものは一つもありません。むしろこれくらい気を抜いても仕方ないかな、と思ってしまうくらいに本編が面白いので。

 システム、ストーリー、演出、世界観など、あらゆる要素が有機的に絡み合っており、無駄になる行動というのがほとんどなく、日常のちょっとした行動の積み重ねが終盤の感動を呼ぶという展開が本当に良かったです。3も4もそんな感じですが、今作はそれがパワーアップしていました。
 ここまで練られた作品はなかなか無いので、まだ国産RPGに希望は残っているんだと感じました。

 また、上から目線で恐縮ですが、まだATLUSにこんな力が残っているのかと驚くと同時に、ATLUSを侮っていた自分にも気が付きました。
 というか、ただでさえ良作なペルソナ4ザ・ゴールデンを超えられるとは予想もしてなかったので、心底驚きました。
 延期を繰り返すソフトに良作なしという思い込みは前に捨てたつもりでいましたが、いつの間にか視野が狭くなっていたようです。
 
 今は二周目を遊ぶつもりですが、あのエンディングを迎えた直後にスタートに逆戻りするのがなんとなく辛く、もう少し余韻に浸ってからにしようと思います。
 今日は一日中エンディングを思い返して、時折半泣きになりながら過ごしました。

 本当に遊んでよかった……






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