2018年6月18日月曜日

ゲームクリア(?)感想103:FLOOR KIDS(Switch版)

公式サイトはこちら(重めです)
公式サイト(任天堂)はこちら

日本ローカライズ担当企業による紹介動画(解りやすいです)

1ヶ月に3つも記事を更新という、このブログにしては異例の事態です。
今年もべっとり張り付いたE3の影響でゲーム意欲が高まっているのでしょう。

約3ヶ月ぶりのSwitch起動となりました。
ブレイクダンスを題材にした音ゲーという珍しい内容に惹かれて、Switch版配信当時に購入しました。Switch自体をそんなに起動していなかったので、復帰にはちょうどいい機会でした。

上の動画にもありますが、ゲームの流れはこんな感じです。

1.まず主人公を一人選択する。
2.チュートリアルを行う。
3.全8エリアあり、1つのエリアに3曲あるので、まずは最初のエリアを遊ぶ。
4.クラウン3つ以上のスコアでクリアすると「キャラクターカード」を一枚入手できる。
同キャラクターを4枚集めると、そのキャラクターが解放される。
5.クラウンの累積数によって新エリアが解放されるので、次々に遊んでゆく。


私の腕の問題でエンディングは見られなかったのですが、全キャラクターおよび全ステージ解放したので、クリアにカウントしました。スタッフロールはゲーム内の「EXTRA」から観ました。

バージョン 1.12.2
クリア時間 約5時間

ちなみに、8人中で一番使用率の高いキャラクターはRUCKUSでした。
攻略に関しては、全ステージクラウン3つ以上が限界でした……

【良かった点】

◎自由度の高さと加点方式の評価

新基軸……なのかどうかは音ゲーに明るくないのでなんとも言えませんが、画面表示に合わせてボタンを押すようなタイプしか知らなかった身としては、自由度の高さが新鮮でした。

何しろ、ペナルティやゲームオーバーが一切ありません
曲(約2分)のリズムに合わせて適当に踊っているだけでもそれなりに点数が入り、途中でゲームオーバーになることもありません。フィーリングで好きな技を好きに繋げてOKです。
また、曲の途中で二回ほど目押しとボタン連打が要求されますが、どちらも慣れれば簡単なうえ失敗してもペナルティ無し。ミスしてブーイングされたりといった演出もないので、下手でも「なんとなく」で遊べてしまいます。HIPHOPの事前知識も特に不要です。

音ゲーといえば内臓がキリキリとするような緊張感のある目押しで、この「何となく遊べる」からは程遠いジャンルだというイメージがあったのを、本作が払拭してくれました。
極めようと思えば極められ、そこそこで遊びたければそこそこのままで遊べる良いバランスだと思います。


◎アニメーションとアートワーク

いずれも一人で全部描いたと知って度肝を抜かれました。独特なアナログタッチの絵が非常に細かく動いており、その手間と技術に思いを馳せると感動を禁じえません。
そして、アートワークも可愛さとクールさが同居したとっつきやすさがあり、HIPHOPに縁遠い人間にもそれが伝わるキャッチーさがあります。


◎サウンド全般(楽曲・SE)の良さ

自分の場合、楽曲の良さがゲームを続けるモチベーションの多くを占めるのですが、この曲で何度でも踊りたくなる、この曲で上達したくなると思えるような良い曲ばかりでした。

加えて凝ったSEも聴き逃がせません。カーソルを動かしているだけで一曲演奏できてしまう。


○チュートリアルモードの充実

ゲーム開始時のチュートリアルも「TUTORIAL」から何度でもやり直せる上、自由練習をしたいときは「INFINITY MODE」からいくらでも練習できます。
これは印象論かつ他ジャンルの話ですが、大手のゲームほどチュートリアルが不親切だったりするので、こういう配慮は嬉しいです。


○(日本語版のみ)世界観を損なわないローカライズ

テキストが多いゲームではないものの、各エリア初挑戦時のコミック風イベントでは日本語でも韻を踏んだりしていて、なかなか凝ったローカライズになっています。

また、何もかもを翻訳するのではなく、英語のままな箇所も多くあります。雰囲気を損なわないそうした匙加減の上手さに好感を抱きました。


【気になった点】

△やや動作不安定

ローディング画面でのフリーズが短いプレイ時間の中で1回、フリーズしかけたことが1回ありました。割と細かいロードが多いのでちょっと不安になりました。と言ってもこちらの環境もあるので、実際には気にするまでもないレベルだと思います。


△自由度の高さと噛み合っていないスコア計算

正直なところ、私は本作をやり込む気が湧きませんでした。というのも、高スコアを狙おうと思うと「コンボ」がほぼ必須になるからです。
一人につき四つの「コンボ」があり、それを覚えて実行したり、オーディエンスのリクエストに応じたりしないとクラウン5つに達する高いスコアが稼げず、好きなように踊っているとクラウンは3つ前後が関の山となります。全ステージクリアだけならそれでも何とかなりますが、それ以上を狙うとなると面倒さが勝ってしまいました。好きなように踊れるのが楽しかったのに……という気分になります。

この「コンボ」は、起点となる技を使うとコンボルートが表示され、それに従って技を繋げていくと高得点が入ります。

例えばRUCKUSの"Rush Hour Traffic"(一番簡単なコンボ)なら

1.RUSHIN'STEP(左スティック↑+Xボタン)

2.RUNSTEP(左スティック↓+Bボタン)

3.AROUND THE WORLD(左スティック↓+Yボタン)

の順に入力すると発動します。2回目から入手スコアが減っていくので、より多くのコンボを発動するのが高得点のコツとなります。

そして、私はこのコンボを記憶するのがちょっと辛く、割と入力しやすいのを2つ覚えるので精一杯でした。習熟すればよいのでしょうが、そこまで頑張る気力が湧きませんでした。全種類紙にメモしたものの、成功させられるかはまた別の話で……

コンボは細かい技別ではなく、4つある技のジャンル別にして括りを広くすれば多少は気楽だったかも、と思いましたが、そうなるとゲーム自体が散漫になってしまうだろうし、素人考えですね。何より、本作が伝えたいブレイクダンスの魅力を損なってしまうので、自分がついていけなかったのが悪いのでしょう。


【まとめ】

新鮮なプレイ感覚を味わえました。
一切の減点はなく、全て加点評価されるのが好印象です。
精緻なアニメーションにより「なんとなく」でも様になるのがクールで魅力です。

ただ、初心者向けかというと微妙です。イメージよりも直感的には遊べず、いつどういうタイミングで技を出すか、コンボを繋げるかを考えながら踊らないといけないので、そのストレスが後半につれて大きくなってしまいました。
かといってコンボを成功させて爽快感があるかというとそうでもないので、ゲーム的なカタルシスには欠けるように思います。

HIPHOPの事前知識は不要と書きましたが、ある程度の興味がないと続かない気がします。私もやり込むレベルまでは達せず、時間を置いてなんとなくまた遊びたくなったとき、3曲ほどフラッと踊って終わる、みたいなプレイスタイルになりそうです。何しろ、肩の力を抜いて遊ぶにはぴったりなので……

ちなみに、PS4版、XBOX ONE版も準備中とのことなので、興味のある方はそれまで待ってみてもいいのではないでしょうか。


もしこれから始める方は、以下↓の2点に注意すると少しだけ楽になるかも知れません。

A.お気に入りのキャラクターをまず一人決めて、そのキャラクターのコンボを少しずつマスターしていったほうが良いです。一気に複数人に手を出すとコンボが覚えきれないです。

B.目押しのターンは肩の力を抜いて、ちょん押しでOKです。また視覚よりも聴覚を当てにしたほうが成功しやすいように感じます。






2018年6月12日火曜日

ゲームクリア感想102:ライフイズストレンジ:ビフォアザストーム(PS4版)

公式サイト

前作のブログ記事はこちら

前作の前日譚となります。
日本で出るか微妙なところでしたが、要望が集まった甲斐あってか無事発売(しかもパッケージ版まで)されましたね。それだけ前作が良いゲームで、ファンの熱量も高かったのだと思います。私もこのシリーズの濃いファンには及びませんが、2年と2ヶ月前にクリアした時のなんとも言えない感情が忘れられません。
ということで、今回も発売日に買ってきました。

【クリア時情報】
バージョン:1.00
クリア時間:約7時間
トロフィー取得率:100%(プラチナ取得)

特典ボーナスエピソードもクリア済です。


【良かった点】

◎音楽の良さをたっぷり引き出した一部イベント演出

今回もこの辺は外していません。ネタバレを避けるため簡潔に言うと、とてもエモーショナルでグッと来るものがありました。各章後半のムービーが好きです。
ただ、各所の演出は良いのですが、多くの会話シーンでは無音なことと、肝心のストーリーがちょっと弱かったように感じました(後述)。


◎世界観と利便性を併せ持ったUI・システム

小目標表示からして左手に直接書いたメモ(L2ボタン長押しで表示)という徹底ぶりです。本編において、各種テキストやセリフはほとんど主人公のクロエ視点で語られ、第3者の言葉が表示されるのは各章序盤のチュートリアルくらいです。
メニュー画面に当たる「日記」は、前作同様凝った作りになっていますが、特に見づらいなどの不便は感じませんでした。
また、この種のゲームにしては意外なことに大抵の場面で小走り、あるいはダッシュできるので、移動のストレスも無かったです。前作よりも行動範囲が狭いのでそう感じるのかも知れませんが……
 
そもそもが短い作品で、不満を覚える前にゲームが終わってしまうという側面もあるかもしれませんが、インターフェイス・操作周りは良好でした。
という訳で「この手の非戦闘アドベンチャーゲームって操作面がダルいんだよな。演出で歩きを強制させられたりそもそもの移動速度が遅すぎたりするし」という危惧は不要です。ただダッシュするとオブジェクトを見逃しやすいかも?


◎非常にプラチナトロフィーが取得しやすい

これも前作同様です。観察力が高い人なら、初周で取得できてしまうかもしれません。
私は前作と違い、ノーヒントでの回収は諦めてしまいましたが、オブジェクトと選択肢の出現を見逃さなければノーヒントでも余裕だと思います。
イベントを進める前に虱潰しに探索するのは基本で、一度調べた場所をもう一度調べたり、イベントが終わって操作可能になったらそのまま先に進まずに振り返ってみるなど注意深く行動すれば気が付きやすいです。
同じオブジェクトでも「落書きする」コマンドがさりげなく増えていたりするので、それが意外と見逃しやすいです。その他はゲームを進めていれば集まります。


◎(日本語版のみ)高品質で敬意を感じるローカライズ

もはやキャラクターやテキストを一から再構築したレベルで高品質です。
日記などのテキストはもちろん、吹き替え声優の演技が素晴らしく、本作のストーリーのレベルを演技だけで数段押し上げていると感じました。演技のことは何一つ解らないですが、日本語吹き替えは他の人が思い浮かばないです。


◎親切なクリア後の仕様

引き続き、メインメニューから、映画のチャプター選択と同じ要領で各エピソード、各チャプターからやり直せます。また、チャプターからやり直した場合、初周の選択が上書きされることはなく、あくまでパラレルとして進むので話が崩れる心配もありません。

チャプターごとに達成できる「落書き」(前作の写真に当たるトロフィー取得条件)の数も右上に明記されているので手際よく取得できます。


【気になった点】

△前作ほど魅力のないキャラクターと単調なストーリー

単調直入に言うと今作のヒロインに全く魅力を感じず、しかしストーリーはヒロイン側に寄って進んでいくので、まずその意味でフラストレーションが溜まりました。

この人物が前作のクロエ以上に身勝手かつ短気で(その理由はゲーム内で説明されますが、それで済むなら何でも済むだろ! みたいな理由です)、もう行動を共にしたくないし、この人のために犯罪したくないなと思いながら進めていました。
好感を抱けないキャラクターとツボが解らない会話(文化の違いもありますが)をして、好感を抱けないキャラクターのために敵対したくない相手と敵対して……そういう愚かさや虚しさを表現しているのは解りますが……

他のキャラクターも、前作から続投のキャラクター以外はさほど好感を抱けないままで終わりました。

そもそもストーリー自体が単調に感じました。ゲームの前日譚というよりもキャラクターの前日譚という趣が強く、行動範囲が前作ほど広くないのが原因かも知れません。ほとんどの会話にBGMがなくて長い会話に眠くなる(特にTRPGは長すぎ)、ロケーションの半分くらいが既出などの原因も手伝って余計に単調さが強調されます。
前作のゲーム性を失った割に、それを補えるほどのキャラクターやストーリーではないと感じました。
良いシーンもちゃんとあるし、こういうヒロインが好きな人もいると思うのですが、私は無理でした。

特典ボーナスエピソードはラストシーンだけ良かったです。


△新システムがあまり機能していない

前作の時間巻き戻し能力の代わりに「バックトーク」と呼ばれる時間制限ありの選択肢システムがあります。
主人公クロエが口論を仕掛けるもので、相手の言葉尻をうまく捉えてやり込め、巧みに事を運ぶ……という感じのシステムなのですが、システムとして機能していないのでは? と疑問です。

クロエ自身もともと口が悪いので、平素の選択肢と違いがよくわからない上に、相手の直前の発言から単語を拾って言い返す、というルールがピンとこないです。いずれのバックトークもなんとなく選んでいるだけであっさり勝ててしまい、このシステムには釈然としないままでした。


【まとめ】

前作の大型DLCのような内容でした。
あくまでスピンオフ作品なので過度な期待はしていませんでしたが、一部キャラクターやストーリーが自分に合わず、ちょっと今一つでした。
一方で、ストーリー以外は前作の良いところをそのまま継承しているのは好感触でした。
前日譚の本作から手を出すのもアリだと思います。ゲームとしては前作のほうが圧倒的に完成度が高いのでおすすめです。

興味のある方は下記の点にご注意ください。

・前作と異なって犯罪行為に手を染めるシーンが多いので人によっては抵抗が生じること
・パッケージ版の場合、特典ボーナスエピソードは引き換えコード式なのでオンライン必須なこと

今となっては楽にプラチナトロフィーを取れた上、もう一度ライフイズストレンジの世界に戻れたので、なんとか満足といった感じです。



2018年6月9日土曜日

ゲームクリア感想101: Detroit: Become Human

公式サイトはこちら

(同制作会社の)前作のブログ記事はこちら


いきなり大文字で失礼します。

Quantic Dream超見直した。

同開発会社のヘビーレインもビヨンドも楽しんでクリアしましたが、ゲームとしてみると二作とも物足りないものがあり、本作もその系譜に連なる新作として、さほど期待せず購入しました。今年はまだあまり新作ゲームを遊べていないので、それを埋めるための繋ぎといったノリでした。
ただ、好みの設定だったので、前情報での期待度は本作が一番大きかったです。

そしてクリアした今、自分の中では驚くべきことに、2018年度上半期新作においてのトップに躍り出ています。まさかここまで進化したとは思わず、制作陣を侮っていたことを今は申し訳なく思います。これは本当に遊んで良かったと思えるゲームです。

【クリア時情報】
バージョン:1.02
クリア時間:約10時間
難易度:EXPERIENCED(ノーマルに該当)
トロフィー取得率:50%

エンディングに関しては、主人公3人中マーカスとコナーが良い感じに終わり、カーラが悔いの残る展開で終わりました。
今は二周目を始めるか迷っています。


【良かった点】

◎「フローチャート」の導入

導入して大正解です。よくあるシステムですが、これがあるだけでゲームとしての強度が高まったと思います。

また、今作から一気に分岐の数が増えたので、それを可視化して管理できるというだけで快適です。あと、ビヨンドのように、各選択ごとに世界中のプレイヤーの選択率が見られるのも面白いです。全世界1桁のレア選択肢に辿り着けた時は嬉しくなってしまいます。そういう選択は大抵辛い展開なので喜んでばかりもいられませんが…

更に、チェックポイントからロードできる、進行状況をセーブして再開するかしないで再開するかを選べる(後者を選ぶとトロフィー取得やフローチャート更新が出来なくなるので注意)という、前作からは考えられない親切設計です。

おそらく、全ルートが見えてしまうと一周目からコンプリートを目指すプレイヤーが現れて、本来の推奨プレイスタイルであるノンストップ進行プレイの醍醐味が損なわれてしまう、という判断でこれまでの二作では無かったと思うのですが、今作は細かく分岐するストーリーの作り込みだけでプレイヤーを引き込んでくるので、よほどルートコンプの強い意志および気力がない限りはそんな心配も杞憂に終わります。
実際、私はストーリーに引き込まれすぎて、終盤少し前まで「スタート画面に戻る」という発想が生まれませんでした。


◎プレイ中ほぼローディングなし

読み込み時間があるのはゲーム起動とストーリー再開のタイミングくらいで、ゲーム本編中は一切なしです。次のチャプターへ移るときでさえ、即ムービーが再生されてゲームが始まります。
この仕様が没入感を高めるのに一役買っており、ストーリーメインのゲームでは非常に有効だと感じました。

不具合も強制終了が一回あったくらいで、動作面もほぼ問題なしです。


◎ストーリー

ヘビーレインのような鼻につく露悪も、ビヨンドのようなピンとこない独りよがりも影を潜め、近未来におけるアンドロイドと人間の物語、という古典的なまでの設定に真摯に向き合ったストーリーで、プレイ中は主人公たちに感情移入して没頭していました。

過去作に比べて万人向けになったように思えて、痛々しい展開や悩む選択は健在です。それどころか数が増えて「人生は選択の連続である」という名言を完全にゲームに落とし込んでいます。
一周目では多くのプレイヤーが、チャプタークリア後に表示されるフローチャートの広さに唖然、あるいは愕然とすると思われます。それくらいのボリュームがあります。

一部の展開がやや強引だったり、感情がある=素晴らしいという人間サイドの価値観からは脱却しきれていないと感じることもありましたが、そんな私の好みを置いても夢中になれる内容でした。カーラのエンディングでは案の定泣いてしまいました。
ボリューム面でも過去最高の量ではないでしょうか? イメージしていたよりも話が長くて驚くするプレイヤーが大半だと思います。
 

◎スタート画面のとある演出

今から始める予定の方は「こまめにスタート画面に戻るとちょっとした展開がある」ということを頭の隅に置いて頂ければと思います。
 ゲームを起動すると、とあるアンドロイドがこちらを見て挨拶し、その後も放置していると語りかけてくるという演出がなされています。ゲームの展開に従ってコメントしてくれたり、アンケート(選択回答式で、満足度アンケートのような内容ではなくゲームの世界観に従った内容)の回答を促してきたり、関係ない話を始めたりと色々な展開があります。

 この演出は画面の向こうからこちらの部屋を見ているという設定らしく、部屋のインテリアについていきなり褒められた時にはギョッとしました。
 本編ではストーリーの選択で問いかけられ、スタート画面では双方向性の演出で問いかけられることになり、生身の人間とコミュニケーションしているときの緊張感に似た感覚を味わえます。
 VR対応しなくとも双方向性は演出できる、ということを示せただけでも大きい功績ではと思います。
 

◎(日本語版のみ)高品質なローカライズ

特に日本語吹替え声優陣が素晴らしいです。メインキャラクターからモブに至るまで全員ピッタリで、丁寧さが伝わってきます。
 ここまでローカライズに注力した海外ゲームもそうそう出てこないでしょう。

ゲーム内で読める雑誌やモブの会話、TVのニュース番組までちゃんと訳されており、オプションで字幕ONにすれば字幕も付きます。


○洗練されたQTE

ビヨンドまでのような判りにくい操作がなくなり、直感的になりました。
QTEが好きか嫌いかと問われれば「作品によるがどちらかといえば嫌い」なのですが、
今作のQTEはかなり遊びやすくなっていて、悪印象は一切ありませんでした。

批判に晒され続けてゲーム業界では下火になった感のあるQTEですが、作り続けていれば何事も洗練されていくのだと思い、QTE自体への印象も改まりました。


○細かいモーション

「床に置かれた冊子を跨ぐ」というモーションが実装されているゲームを初めて体験しました。確かに他のゲームでガンガン踏みつけるのは気になっていましたが、まさかここまで作り込むとは……


○高精細極まるグラフィック 

2018年もまだ半分手前ですが、今年最高峰では? というレベルです。


【気になった点】

△相変わらずスキップ・早送り不可

この開発陣はそもそも周回を想定していない、あるいは優先事項ではないのでしょう。
スキップとは言わないまでも、そろそろムービーや会話の早送りくらいはしたいです。強制終了や中断などで同じシーンをやり直すときにやっぱりそう感じてしまいました。


△一部操作性

狭い場所で左スティックを回して方向転換しようとすると、その場でグルグル回ってしまうことが割と発生しました。

また、この際二周目限定、屋外限定でもいいので任意ダッシュが欲しいと思うときもありました。ゲームの演出に影響するので難しいのは理解しているのですが、リアルでももうちょっとキビキビ歩けるだろうと感じてしまいます。
リアリティを出すためだとしても、ピンチの局面で時間制限のある展開になっても小走りにすらならない主人公たちは逆に不自然でした。


【まとめ】

Quantic Dreamの最高傑作
PS4で高品質なゲーム体験をしたいなら、Detroit: Become Humanを購入リストに書き留めておくべきでしょう。購入前予想の3倍は良作で、これまでのマイナス点にも極力改善が施されており、ここまで進化するのかと本当に驚きました。

「毎日疲れてガッツリしたゲームは出来ないけどPS4でゲームはしたい」という方にぴったりです。
何しろ「ゲームオーバーが存在しない」に留まらず「ゲームの腕が不足してクリアできない」ということもまず発生しません。
難しい操作や謎解きもなく、QTEが難しければ難易度を下げられます。そして、日々に追われる大人にも耐えうるストーリー展開で、しかもボリュームは長すぎず短すぎず、それでいてクリアの満足感があります。

ヘビーレインやビヨンドの系譜ではあるものの、ゲーム性でもストーリーでも先祖たちを大きく上回っています。この2つが合わなかった方でも、三度目の正直のつもりで始めるといつの間にか夢中になれると思います。会社設立以来最大の成功を収めたのも頷ける出来です。

今回はベタ褒めですが、ゲームとしては物足りなさが残るのも確かなので、次回作はその辺りをカバーしてくれれば良いと思います。もっとも、カバーされてなくても購入します。

二周目は始めるかどうか迷い続けています。もはやプラチナトロフィー取得は念頭になく、選択の果てに辿り着いた結末が台無しになってしまうような気がして……無さそうですが、DLCが配信されてからでも遅くないかなと考え始めています。

とにかく、本当に遊んで良かったと思えるゲームでした。




 




Quantic Dream

2018年5月22日火曜日

ゲームクリア感想100:ファークライ5(PS4版)

公式サイト

3の記事はこちら
4の記事はこちら

私事で恐縮ですが、このゲームクリア感想記事も今回で遂に100回目を迎えました。
何事も続けていればそれなりに達成感を得られるものだと思いました。特に何があるわけでもないシンプルなブログですが、こんな辺境にたどり着いて記事を読んで頂いた皆様に感謝しております。今後もこれまでと変わらず細々と更新していく予定ですので、よろしくお願いいたします。

そしてファークライ5ですが、衝撃の大名作(上の記事だとそこまでテンションが高くないですね)ことファークライ3から約5年間の付き合いとなるシリーズなので、今回もバッチリクリアしました。
毎年、GWは大作ゲームを優先して進めるようにしているのですが、今年はこれになりました。健康に悪いとわかっていても、やはり休みの時間をたっぷりゲームに注ぎこむのは快感ですね。

全体的な評価としてはかなり高いです。今年の新作では現時点でトップです。
今年はあまり新作自体を遊べていないですが……


バージョン    1.05
クリア時間    58:53:00
トロフィー取得率 70%
難易度      Normal

※アーケードはほぼ未プレイです。


【良かった点】

◎ストレスのなくなった製作・育成・所持品システム

痒いところに手が届きました。

あまり狩猟に興味が湧かない身としては、狩りで動物の毛皮を集めて銃弾バッグなどの道具を作るシステムがストレスだったので、今作は撤廃されていて有難かったです。今作での狩りは一部のサイドクエストかチャレンジ達成条件、あるいは金稼ぎの方法でしかないので、手を付けなくても問題ありません。

では、その代わりにどうやって銃弾や道具の所持数なりを増やすのかというと、それらはPERK式の育成システムに一本化されました。PERKポイントは、雑誌を拾ったり条件の緩いチャレンジを達成するだけでモリモリと手に入るので、ポイント稼ぎなどの行為は一切不要。ただゲームを進めていくだけで自然と強くなっていきます。
記憶では、3や4はこの育成ポイントがキツめでなかなか新しいスキルを覚えられなかったので、かなり遊びやすくなったと思いました。
特にチャレンジは「特定の武器で××体倒す」みたいな簡単な条件のものが大半なわりにリターンが大きくて助かりました。

所持品は「全体の所持上限」が撤廃されて各道具ごとの上限のみとなり、4のようにアイテム整理で煩わされることがなくなりました。
また金余りもなくなり、各種ビークルや装備品など金の使いみちが増えました。

オープンワールドの場合、所持品整理に費やす時間も馬鹿にならないので、この辺をスッキリさせた改善に感謝しています。


◎操作のスピード感向上

ハシゴの高速昇降には感動しました。他のゲームだとハシゴの昇降時間のダルさが必ずストレス源になるので、リアリティを犠牲にしても操作性を取った判断を支持します。
グラップリングフックや車の運転など、操作性自体も良くなったと感じます。
相変わらずウイングスーツは難しいですが。

ただ、同時にバトルスピードも全体的に速まって、モタモタしてるとあっという間に警報を鳴らされて増援を呼ばれ、戦場のど真ん中でちょっとでも立ち止まると集中砲火されるので、これまで以上にとっさの判断力が必要になったように感じました。
今回は空からの増援も豊富なのでなおさら位置取りが重要な印象です。


◎ガン(ファング)フォーハイヤーシステム

バトルスピードが速まって戦闘の難易度が上がった……と感じるのは序盤だけでした。ゲームを進めて「ガンフォーハイヤー(動物はファングフォーハイヤー)」と呼ばれる仲間が増えると、エイムが心許ない自分の代わりにサクサク狙撃してくれたり、ひっそりステルスで敵の頭数を減らしてくれたり、空爆してくれたり、犬(かわいい)であることを活かして堂々と敵地を走って索敵してくれたりと活躍してくれます。

もし途中で倒れても、制限時間内に助け起こせば戦線復帰してくれる頼もしい仲間です。自分が倒れても、制限時間内に間に合えば助け起こしてくれます(実際はなかなか発生しませんが)。
仮に蘇生が間に合わなくても、昔のファイアーエムブレムのようなキャラクターロストはなく、一定時間後に使用可能となります。

このシリーズは呆気なく死ぬ割にロード時間が長めなので、腕に自信がない自分には粘れる手段が増えただけでもありがたいです。

また、自動運転があるのであまり使いませんでしたが、ビークルの運転席以外に乗ると運転を代行してくれたり、車に載せ忘れてもその辺の車を拾って追いついてくれる(そうでなくても距離が離れるとリスポーンされる)ので、AIながらもほぼプレイヤーみたいな挙動です。
たまに射線に入って邪魔になったり、いつの間にか転落死していたり、敵に特攻して案の定やられたりもしますがそれはそれ。


◎探索の楽しさが高まった

生活感を感じられるロケーションが増えたのもあって、探索がより面白く感じました。これまでファークライの民家や町はとってつけたような感じだったのですが、今作は本当にありそうな作り込みがされており、ゲームの家探しフェチとしては満足でした。

中でも面白いのは「プレッパーの宝」で、世界終末に備えて建造されたシェルターなり秘密の洞窟なりを探索して宝探しをするミニクエストです。これが一人称アクションだったりホラーだったりミステリーだったりでテイストが違い、楽しめました。

シェルターは雰囲気が出ていて、よくスクリーンショットを撮影しています。


◎隅々まで設定されたキャラクターの会話

NPCのセリフだけでも大量なのに、ガンフォーハイヤーたちはもっと凄いです。戦闘などのよく聞くセリフの他に(動物を除く)6人分に、膨大な各ロケーションごと(!?)の一言セリフが用意されているというこだわりようで、また仲間の組み合わせでも掛け合い会話が発生します。このゲームで全てのボイスを聴くのは不可能ではないかと思えるほどです。しかも、どれもだいたい面白いというおまけ付き。CERO Zなので際どい会話もあります。

スターオーシャンやゼノブレイドばりの会話量に圧倒されました。


◎リスポーンの仕様

大抵のゲームのリスポーンは「設定された地点から徒歩の状態で再開」だと思うのですが、このゲームは数分前の自分のプレイ状況を呼び出してくれます(例外あり)。つまり、ヘリコプターに乗って敵地に近付いてうっかり撃墜されたら、ちゃんとヘリコプターに乗った状態から再開されます。

 同じ仕様のゲームは他にあるのでしょうが、私は初体験だったのでなかなか衝撃でした。ぜひ他のゲームも採用して欲しい。


◎音楽

シリーズ中最高だと思います。
版権曲の使い方も良いのですが、戦闘曲が好きです。
ジャンル分けに困る不思議な曲調で、底知れぬカルト教団との戦いというシチュエーションにぴったりでした。
この記事を更新しながらオリジナルサウンドトラックを視聴していたのですが、我慢ならず購入しました。


◯ほか細かい点

・オプションが細かく設定できる
・手動セーブが項目選んでボタン一押し(未だにセーブが仰々しいゲームは見習って)
・サイドミッションがそれなりに作り込まれている
・(日本版のみ)日本語声優の演技が良い


【気になった点】

×探索を阻害する高エンカウント率と本編演出

探索自体は楽しいですが、それを邪魔する要素が多くてストレスでした。

まず一つは敵エンカウント率の異常な高さ。
主に道路ですが、エリア解放しない限り、3や4の比ではないレベルで敵と遭遇します。
道路を走っていると対向車線から敵の車両が走ってきて、仕方なく戦っている間に別の車両に見つかり、戦いが長引いている内にまた別の車両やら近くの敵やら動物やら、最悪はヘリや飛行機まで参戦してくる始末。
なんとか猛攻を凌げたとしても、ちょっと車を走らせたらまたすぐにエンカウントします。下手に車を走らせるより、徒歩で森を隠れながら進んだほうが目的地へ速く着く時もあるくらいです。

加えて、どのエリアもレジスタンスポイントが一定量溜まるに従い敵の戦力が強化され、最終フェーズに入ると飛行機まで飛ばしてきて、どんな僻地にいても見つけて上空からしつこく攻撃してきます。飛行機には地上からは攻撃を当てづらく、対処に時間がかかるのもまたストレス。私はニック(飛行機乗りのガンフォーハイヤー)に任せるか、ファストトラベルと車で逃げ回っていました。

もう一つがメインストーリーの強制突入。
レジスタンスポイントが一定量溜まると、敵の特殊攻撃や場所を問わないイベント開始なので、どこに居ても強制的にメインに突入します。

イベントだけならまだしも、半分くらいは戦闘を伴います。
最悪なのがジェイコブの地区のメインで、時間制限ミッションを複数回やらされます。人によってはここで詰みかねないと思うのですが、その辺をどう考えているのか気になります。私も時間制限戦闘が苦手なので、これが来るたびに溜息をついていました。加えてこの地区はストーリー展開も胸クソが悪いという始末。

こんな調子なので、せっかくの楽しい探索をしょっちゅう台無しにされていました。
探索はメインを進めてエリア解放してから! ということなのでしょうが、ちょっと強引ではないかと。


×一部不具合

・フラグが作動せずサイドミッションが進まない(2回遭遇しました)
・リスポーン即ヘリの空中衝突で即死
など


△本編ストーリー

クリアした今思うのは、この手の「プレイヤーに善悪を問うストーリー 」も古くなってきたなということです。

自分がクリアした中だと、パッと思いつく限りではSPEC OPS:THE LINEUNDERTALE、そしてファークライ3なんかがそういうノリだと思うのですが、これらが発売された数年前ならともかく、2018年にもなると食傷気味かつ「考えさせてやろう」というあざとさが鼻についた、というのが正直な受け止め方です。

肝心のカルト教団にあまり宗教団体らしさを感じず、キリスト教っぽいものを信仰している武装集団のイメージが強かったのも、ストーリーが上滑りしているように感じた原因かも知れません。
口を開けばカルトのクソ共を殺すと喜々として語り、暴力でしか解決しないと信じ切っている味方勢力のほうがよっぽど宗教臭かったし、どんな武器も車もヘリも飛行機も初見で扱えて、一切の自己主張も許されず何百人も殺して回る超人主人公のほうが怖かったです。

……というように感じさせたかったのだろうし実際そう感じましたが、今となってはだからどうした? という感じなんですよね。
こちら側としてはゲームを進めるにはカルト教団と敵対するしかないし、そもそもゲス極まりない犯罪行為を重ねて自分たちだけシェルターで生き残ろうとしている卑怯者たちに従う義理もないし……

何より、ゲーム開始時点ではこちら側が戦力面で圧倒的に不利で、そもそもの条件が平等でないのに、それを同じ天秤に乗せて善悪を測られても困りますね。

先に大多数で武力行使しているのはカルト教団側だし、善とか悪とか以前にこっちは圧倒的不利で、かつ自分や同僚の命が懸かってるんだからそりゃ抵抗して当然だろうと。

ちょっと脱線しますが「善か悪か線引きはできない」みたいな言説自体が悠長に過ぎるというか、もう皆それを理解した上で自分なりの善を模索しながら生きていると思うんですね。確かに2015年頃までならゲームで善悪を問うストーリーも新鮮でしたが、もう今は線引きできないならどうやって尊重しあっていけるか」という実働のフェーズに入っているんじゃないかと……

脱線してしまいましたが、とにかくストーリーのあざとさ、押し付けがましさが気になりました。
善悪を問えるのはお互いが同じ条件の時だけだと思います。

オープニングとエンディングの演出は良かったので×ではなく△にしました。


【まとめ】

ゲーム面ではシリーズ史上最高の内容で、この手のストーリー主導FPSに興味がある人ならクリアまで十分に楽しめます。クエストも短すぎず長すぎず、育成や戦闘もスピーディーに進むので、イメージよりもプレイ時間はかさばらないです。
ただ、メインストーリーとその仕様が人を選ぶので、自分のペース第一で遊びたい人はちょっと許容の心が必要になるかも。

メインストーリーの不満点を長々と書いてしまいましたが、作品を重ねてゲーム自体の基盤がしっかりしているので、探索だけでも十分に楽しんでいます。

3種のDLCが発表されていますが、ストーリーとは独立した内容なので、私はちょっと見送ろうと思います。予想よりも高評価であれば手を出すかも知れません。
このシリーズはDLCがピンとこないのが玉に瑕ですね。


2018年4月26日木曜日

ゲームクリア感想99:聖剣伝説2 シークレットオブマナ(PS4版)

公式サイト


早々に結論を申し上げますと、駄作の部類でした。

原作プレイ済の方→サウンドトラックだけ買えば充分です。
原作未プレイの方→要検討です。今急いで買う必要はまったくないです。
それ以外の方→スルーして下さい。


ここまで言うならなぜクリアまで続けたのかという話になりますが、私はこの作品に心残りがあり、それを解消するために購入しました。

もうずっと子供の頃、有名なボス戦セレクトバグに泣きながらも、スーパーファミコンで一度クリアし、二周目を進めていた時のことです。
どういう訳か、何度やり直してもクリスタルフォレストのボス、オチューフェイスを倒してから先へ進めなくなり、セレクトボタンを押さないように注意して再挑戦してもやはりゲーム進行不能になってしまいました。
 
そうして諦め、ソフトを箱にしまってしばらくしたら、いつの間にか家から無くなっていました。恐らく他のゲームソフトを売りに行く時に一緒に持っていったのでしょうが、その頃には続編の聖剣伝説3や初代スターオーシャン、アークザラッドなどのRPGに夢中だったため、聖剣伝説2の存在は私の中で小さなものになっていました。

それでも、理不尽な理由で挫折してしまったという記憶だけはずっと心に残っていました。バーチャルコンソールや携帯アプリ版、Switchのコレクションなどで名前を見かける度にやり直すチャンスを見出していたのですが、そのたびに今更旧作を1からやり直すのもだるいという気持ちが勝り、PS4/PS VITAでのリメイクが発売された今の今まで手付かずでいました。

無事にクリアして、この作品に対する心残りがようやく解消されました。
それと同時に、もう「聖剣伝説2」を再び遊ぶことはないだろうと確信しました。

バージョン 1.02
クリア時間 17:21:05
トロフィー取得率 59%


【良かった点】

◎楽曲アレンジ

賛否両論ですが、個人的には全曲がオリジナルより良くなっていると思います。
原作者のセルフアレンジ含むアレンジャー複数形態で、昔よく出ていたアレンジアルバムの「SQシリーズ」みたいな感じです(アレンジャーも数名被っています)。

もちろん、全ての曲が肝心のゲームに馴染んでいるとは言い難く、賛否両論も致し方ないですが、楽曲として繰り返し聴くならアレンジのほうかなと思います。

曲別に言うと「いつもいっしょ」「遠雷」「君は海を見たか」「危機」「伝説」「予感」「八点鐘」「愛に時間を」「呪術師」そしておなじみ「子午線の祀り」が好きです。

「いつもいっしょ」は、操作可能になってから最初に流れる曲で、現代的なアレンジにほとんどの原作経験者がここでまず驚くと思います。

「遠雷」「愛に時間を」はコーラスが加わって新鮮でした。

「君は海を見たか」は原曲から更にテンションの上がるアレンジになっていて必聴です。
エリニース城で初めて流れた時は「うおお! 」となりました。

超超超超超大人気楽曲「危機」のアレンジも好きです。原曲の聴くだけで一汗かくようなテンションから少しだけクールになったものの、楽曲として聴きやすくなっている印象です。原曲のいかにも「ボス戦」感が今はややキツくなってしまったので…

「伝説」「予感」は原曲だとあまりピンときていなかったのですが、アレンジでより聴き応えが増しました。

「八点鐘」は元から好きな曲なので、あるだけで満足です。

そして「呪術師」そして「子午線の祀り」はまさに完成形という感じで、ラスト二連戦に相応しい正統進化なアレンジでした。2018年に蘇ったこの二曲をちゃんとゲーム内で聴けただけで感動があります。

ちなみに、オプションで原曲と切り替えて遊べるのですが、私は一度も切り替えずにエンディングまで進めました。それだけ楽曲のアレンジには満足しています。

あと、SFC版のサウンドトラック未収録だったセーブ画面の曲も、今作のサウンドトラックではしっかり収録されていて凄く安心しました(「世界への扉」という曲です)。


◎オートセーブ採用

もうあって当たり前とはいえ、無いのを覚悟していたので一安心でした。
割と細かくセーブされるのも嬉しいです。


◎魔法の発動でゲームが止まらなくなった

魔法の発動中も他のキャラにサクサク切り替えて攻撃できる上、同時に魔法も唱えられるので、戦闘のテンポは多少向上しました。


◯宝箱のドロップ内容が良くなった(気がする)

もう記憶も曖昧ですが、SFC版では最新装備がドロップしたということは覚えている限りなかったと思うので、小さいながらも改善かなと思います。ただ体感ドロップ率は低いです。


◯地形引っかかり問題の解決法がある

リングコマンドを開いて閉じると、離れてしまった仲間が集合するようになりました。
そもそも引っかからないで動いてくれるのが一番ですが……


【気になった点】

×強制終了の多さ

何を差し置いてもこれです。ゲーム開始からクリアまで、最低でも6回は強制終了を迎えました。アップデートしてもこの始末です。
エリア切り替え直後や、敵複数と混戦状態の時になりがちなのですが、いずれも回避しようがないので、単純に興冷め極まりなかったです。
回収レベルとはいかなくても、アップデートを重ねて最優先で対応が必要なレベルだと思うのですが、前回のアップデートからひと月が過ぎても音沙汰なしなので、もはやこれ以上は望めないのでしょう。

ゲーム自体の短さとオートセーブが細かいのだけが救いです。


×更につまらなくなった戦闘

原作からして爽快感やアクションの楽しさとは無縁だった戦闘が、信じられないことにリメイクで一層つまらなくなりました。

何がつまらないかというと武器命中率の異常な低さで、序盤を少し過ぎるとこちらの攻撃がまったくと言っていいほど当たらなくなります。
頑張って必殺技ゲージを貯めても空振りするなど日常茶飯事で、その間も敵はバンバン攻撃を当ててきます。
ハッキリ言ってゲージを貯めるよりも、100%のゲージなし通常攻撃を数撃ちゃ当たるで繰り返したほうが早いです。原作ではゲージ貯め攻撃がデフォルトだったのですが、今作では徒労に終わることのほうが圧倒的に多いです。どうしてこうなった。

ではどうやって敵を倒すのかというと、魔法です。
お金に余裕ができたら魔法のクルミを大量に買い込んで、ポポイの魔法を連発して、合間に残り二人が運任せで攻撃を振るう味気ないスタイルに固まってゆきます。マップも狭く、レベルアップするとHPMPともに全回復するので、そうそうMP切れも起きないです。
リキャストの概念もないので一方的に唱え放題。

ゲーム後半、プリムが「エナジーボール」というクリティカル率上昇の魔法を覚えてから、ようやく武器攻撃にも春が巡ってきますが、それでも外れる時は外れます。
流石にラスボス戦では武器がメインとなりますが、見せ場はそれくらいです。

アクションRPGなのに、アクションの爽快感は0です。それどころかストレス源になります。
本当にびっくりするくらいのつまらなさで、これでOKが出てしまう開発体制が心配です。


×悲しくなるほどの追加要素の乏しさ

「この作品ならでは」のコンテンツが、宿屋の仲間会話とフルボイスくらいしかなく、追加ダンジョンや追加ボスや追加マップ、その他リメイク作品によくある追加要素はなんと皆無です。

皆無、というのは文字通り捉えて頂いて構いません。
本当に、何もないのです。最悪な意味で原作そのままです。

今となっては古臭いテキストの改善も読んだ限りでは見当たらず、豪華声優が陳腐なセリフを演じているのに虚しささえ覚えます。掘り下げ不足のサブキャラクターなどを掘り下げる最後のチャンスだったのに、追加イベントなども当然なし。

更に言えば、ダウンロード販売するならゲーム内の操作チュートリアルくらい追加すべきだと思うのですが、それも原作に準じて一切なし。必殺技ゲージの貯め方(ボタン押しっぱなし)を知らないままクリアしてしまうプレイヤーがそこそこいると思います。

予算や納期の問題があったという想像はつきますが、それは想像でしかなく、そこで忖度する気はまったく起きないです。
ただ、熱意のない「お仕事」の結果がそこにあるだけという感じです。


×それどころか改悪されたUI

まずゲームを始めてするべきことが2つあります。
オプションでアイテムの所持数上限を最大の「12」にすることと、決定ボタンを「×」から「◯」に統一することです。

何故なら、前者はデフォルトでなぜか最小の「4」になっており、これに気づかないと単に損するだけになってしまうからです。
 そして後者は、買い物や宿泊画面では「◯」ボタン決定で固定なため、デフォルトの「×」ボタン決定だと入力ミスを誘発するからです。

説明して悲しくなってきました。なぜ数十年前のSFC版から取り回しが劣化するのか。


×イベントシーンのどうしようもない手抜き感

イベントシーンでスキップボタンを押すと、確認メッセージも何もなく全スキップされる徹底した不親切ぶりです。見る価値のあるイベントは終盤の2つくらいとはいえ。

更に、2018年にもなって3Dモデルのキャラクターがリップシンクしないので、古臭いテキストと相まって凄くチープです。これならノベルゲームのように差分あり2D絵の方がマシだったのではと思わされます。


【まとめ】

シンプルに、酷く残念な出来です。
爽快感の増した戦闘と少しの追加要素があれば私としては満足だったのですが、それは高望みだったようです。

私のように、聖剣伝説2という作品に何か思い残すことがあるという方以外は遊ばなくてもいいと思います。
他にも遊ぶべき面白いゲームは山ほどありますし、私ですら、中盤から攻略本片手に義務感だけで進めていたので、何も思い入れがないと単なるつまらないRPGです。それよりも有意義なことをしましょう。

またトロフィーに関しても、完全オフラインでプラチナを取得できるものの、時限要素やランダムドロップが絡むので精神衛生上おすすめできないです。

仮に聖剣伝説3がリメイクされても、恐らくサウンドトラックだけ購入して終わりにする可能性が高いです。よほど改善されているならともかく……

それでも、このリメイク作品には感謝しています。
私の中の「聖剣伝説2」を数十年越しに、家庭用ゲーム機でのリメイクという綺麗な形で終わらせてくれました。エンディングはその感慨もあってちょっと浸ってしまいました。


おやすみ、聖剣伝説2……


  







2018年3月25日日曜日

ゲームクリア感想98:Firewatch(PS4版)

メーカー公式サイトはこちら

日本語版が配信されるというので、2月の配信日にとりあえず購入してみました。
複雑なシステムや長大なオープンワールドが連続すると疲弊するので、箸休めにこういったウォーキングシミュレーターを遊びたかったのもあります。

所謂「積みゲー」が増えると、こういうスケジュールの合間を縫って遊べる小作品がかなり重宝します。


バージョン 1.08
クリア時間 約7時間
トロフィー取得率 84%(本編は100%)


【良かった点】

◎ダレることのないテンポの良さ

 他の同ジャンル作品と差をつけているのがこの点だと思っています。
難解だったり面倒な謎解きは一切なく、フィールドも狭すぎず広すぎず、ちょうどいい塩梅に抑えられているので、よほどの飽き性でもない限り、スムーズにクリアできます。
 ちょうどダレそうになる寸前の絶妙なタイミングで新展開が訪れるので、気分を切り替えて探索が続けられます。

 ただフィールドとストーリーだけ用意して投げ出されるタイプの作品ではなく、この辺を意識したフレンドリーな作り込みが魅力です。

 ゲームによくある「鍵の暗証番号を探せ!」みたいな要素を序盤から早々に否定してくれるので、本当に野山を歩き回って探索するだけで話が進みます。
 「探索」という言葉を使いましたが、クリアするだけならローラー作戦みたいな細かい探索は一切不要で、地図や無線のガイドに従うだけで必要行動を取れます。先へ進むために必要なオブジェクトも指示されたロケーション内にしかないので、脱線せずに目標を追いかけるだけでOKです。収集要素も殆どありません。

 強いていうならば、地図とコンパスを手に探索してゆくタイプのゲームなので、極度の方向音痴な方はやや厳しいかもしれません。私も序盤は迷いましたが、フィールドが想像よりも狭いことに気づいてからは楽になりました。
 理不尽な経路もないので、ちょくちょく地図を開きつつ、広い道を辿っていけば大抵何とかなります。


◎移動スピードが早い

 ウォークしか出来ないウォーキングシミュレーターもあるので、しっかりダッシュできるだけで感動でした。特に息切れなども起こさないので、スムーズに進めます。


◎(日本語版のみ)ローカライズが素晴らしい

 不自然な翻訳文体がなく、すらすらと読めます。ちゃんとその場のノリやキャラクターに合わせた文章になっており、没入感もしっかりあります。
 いかにもな洋ゲーですが、丁寧なローカライズにより英語力が必要とされる場面は一切ないので、私のように英語がろくに喋れない人間でも安心して遊べました。


◯先の気になるストーリー

 中盤辺りからの不穏な展開は本当にハラハラしました。もうちょっと何とかなったかなという点こそ残るものの、全体を振り返ってみると短編小説のような静かな読後感があります。「ひとつの物語」として完結しているのでその点も好感触です。
 忘れられない衝撃的展開! さあ震えるがいい! といったノリではなく、淡々と低空飛行してそっと着地するイメージです。

 不穏さを増すストーリーの一方で、何も変わらない大自然との動と静との対比がリアリティを増しているように感じました。この点、単なる背景グラフィックではなく、背景でもしっかりストーリーを演出しているのが良いです。

 また、ストーリーの肝になる上司との無線会話が面白くて読み応えがあり、選択肢も細かく分かれているので、大抵は自分の価値観と同期を取った返事ができます。その点で没入感も確保できていると思いました。


【気になった点】

△移動時のカクつき

 ダッシュすると背景の描画が間に合わないのか、カクつきが発生します。ゲームが停止したなどの不具合は一切起きませんでしたが、カクつかないに越したことはないので……


△オブジェクトの見つけにくさ

 一部、背景に同化していて、見つけにくいものがありましたが、慣れれば特に問題ないです。


△乱暴なオブジェクトの扱い

 一度拾ったら元の場所に戻せるオブジェクトと投げ捨てるしかないオブジェクトがあり、後者のほうが多いです。誰かの貴重品を投げ捨てるのはちょっと忍びないので、全部のオブジェクトを現状回復できると良かったです。
 気にならないプレイヤーの方が大多数だと思いますが……

 余談ですが、欧米圏のコンテンツで一番文化の違いを感じるのがこの「モノの扱い」で、普通に置けばいいものを(特に怒っているわけでもないのに)乱暴に投げ捨てるシーンがゲームでも映画でも必ずといっていいほどあり、そこは普通に置けばよくない? と毎回思います(勿論、これこそ乱暴な括りで、最終的には個人によります)。


【まとめ】

色々と受賞しているのも頷ける、確かな良作です。
 ただ、この手のゲームに思うところがある人でないと、ボリュームに対して割高に感じると思います。
(ウォーキングシミュレーターの記事を作成するたびに同じ事を言っていないか?)

「号泣しました!」「もう目が離せなくて…」「Firewatch、最高〜〜〜〜〜〜!!!!(スクリーンの前で演者と観客がコール)」みたいなノリはなく、本当に淡々と進んでいくので、ちょっと体験として弱いかもしれません。
 個人的には「ひと夏の切なくも思い出深い体験」という感じで好きです。

・多忙なので短時間で終わるゲームがしたい

・大作の繋ぎにちょっとしたゲームをクリアしたい

・「森林火災監視員」という主人公の設定が面白そう

・アニメっぽいノリや露悪的なコンテンツに疲れた

・楽にトロフィーを収集したい(プラチナは無いですが、本編だけならクリアするだけで100%です)

 などの人にはオススメです。もっとも一人称視点に耐性があるのが大前提です。

 選択肢の回収や追加トロフィーの収集などが残っていますが、私はひとまず一周クリアして満足しました。
 








2018年3月11日日曜日

ゲームクリア感想97:ゼノブレイド2

公式サイトはこちら
シリーズ前作(ゼノブレイドクロス)の記事はこちら


Nintendo Switch本体と同時購入し、約一ヶ月半かけてようやくクリアしました。
シリーズ前作への不満点と、発売前情報のパッとしなさでかなり不安でしたが、クリアした今は達成感に満ちています。良くも悪くも感情を揺さぶられる体験ができたので、損な買い物ではありませんでした。

バージョン 1.3.0(130時間くらいは1.2.0で進めました)
クリア時間 157:59:25(出来る限りの寄り道をして)


【良かった点】

◎異常なほど盛り上がる秀逸な戦闘システム

 これは心底凄すぎると思いました。人間がこんな複雑なシステムを思いつき、あまつさえ実装できるものなのかと感動さえ覚えます。
 と言っても、ゲーム序盤は不慣れなのと、そもそも戦闘の基本要素が全開放されていないのが相まって、正直なところ今ひとつでした。チュートリアルが不十分(後述します)なのもあり、雰囲気で戦闘をしている状況がそこそこ長く続きました。
 
 しかし、システムにも慣れて戦闘の基本要素が全開放される中盤あたりからは嘘のように面白くなります。特にドライバーコンボをようやく安定して繋げるようになってからは、地味に硬かったザコ敵もサクサク倒せるようになり、ひたすらに敵が硬かったゼノブレイドクロスから改善されています。

 戦闘システムに関しては、多くの攻略サイトの記事が画像つきで解りやすく説明していますが、私はこんな感じです(画像は公式サイトやゲーム本編などでご確認下さい)


──────────────────────────────────────
 1.事前準備として、参戦ドライバーごとにブレイドのタイプをなるべく固める。
  (主人公は攻撃ブレイド3体、仲間Aは回復ブレイド3体、仲間Bは防御ブレイドといった風に。ブレイド同調の運もあるので、揃うまではなるべくで良い)

 2.なるべく有利な位置から先制攻撃。落下死しない場所やダメージ床の範囲外、敵の背後など。

 3.「ドライバーコンボ」を繋ぐ(ブレイク→ダウン→ライジング→スマッシュ)。

 ※ドライバーコンボは画面右下のスキルから発生。画面左右に表示されるのはブレイドコンボ。
 ※最後まで繋げなくてもあまりこだわらない。そもそも序盤は繋げない。

 4.それに合わせて「ブレイドコンボ」を繋ぐ。画面右上に表示されるコンボルート表に従って、属性別に三段階の必殺技を繋げていく。仲間の段階は「画面左右に表示されるコンボ申請の顔アイコンの周囲をグルグル回る光球の数」で把握する。

   5.上記の「ドライバーコンボ」発生中にこの「ブレイドコンボ」を発動すると「フュージョンコンボ」となり、コンボ受付時間増加や「パーティーゲージ」増加などの効果が発生する。

 ※「フュージョンコンボ」はあんまりこだわらずとも良い。序盤はまずブレイク→ダウンの「ドライバーコンボ」および「ブレイドコンボ」を繋ぐのに慣れるだけで十分。

 6.「ブレイドコンボ」を3段階フルで繋ぐと、3段階目の属性の色をした「属性玉」が敵の周囲を回り始める。なるべく多くの「属性玉」を繋ぐため、様々なコンボルートでブレイドコンボを繋いでゆく。

 7.こうしてコンボを繋いでいる内に、画面左上の「パーティーゲージ」が満タンになるので(雑)、機をみてコントローラーの+ボタンから「チェインアタック」を発動!
 
 ※ユニークモンスターなどはHPが一定以上減ると強力になるので、なるべくチェインアタックですっきり倒せるようにする。

 8.画面中央上に、敵に付着させた「属性玉」が表示されるので、その「反属性」の必殺技を使って属性玉を割ってゆく。反属性なら2回、それ以外の属性だと3回必殺技を当てることで属性玉が割れる。反属性以外だと割れる石がランダム(?)なので、何が何でも反属性を使う。「チェインアタック」中は時間が止まるので、じっくり選べる。

 ※最大9体参戦できるブレイドの1体でも「属性玉一撃破壊」などのアシストコアを装備させておくとかなり楽になる。

 9.「属性玉」破壊一つにつき「チェインアタック」の周回が追加されるので、どんどん破壊してゆく。周回数に応じてダメージ倍率も急上昇!

 ※「チェインアタック」一周で「属性玉」を一つも割れなくても「属性玉」は消えないので、また「パーティーゲージ」を溜めて再チャレンジ可能。

10.「チェインアタック」中に右上のゲージが満タンになると、究極の攻撃「フルバーストチェイン」が発動する。

 ※後半にならないとなかなか発動できないのでこだわらずとも良い。

11.リザルト画面(下画像)が表示され終了

自分のTwitterから流用

──────────────────────────────────────
 
 この説明ですが、未プレイの方は意味不明だと思います。私も序盤は意味が解らず、せっかく発動したチェインアタックも属性玉と同じ属性を使って台無しにしていました。

 しかし、やる気さえあれば必ず覚えられます。何しろ大ボリュームのゲームゆえに実践のタイミングは山ほどあるので、ゲームを続けてくうちにいつの間にか出来るようになっています。ご安心下さい。

 やり込む際はもっと色々あるのでしょうが、私はクリアまでこんな感じでヌルく通しました。アクション操作でもないのにめちゃくちゃ白熱する戦闘システムは本当に素晴らしいです。
 楽しくなるまでが長いですが、とにかく一度体験するとこの盛り上がりに病みつきになります。もうこの先15年くらいはこれを超えるRPGの戦闘システムは出てこないのではないかとすら思います。それだけ凄い。


◎安心と信頼の音楽

 凄まじい力の入れようで、初代の路線を継承しつつもインパクトと聴き応えは初代の曲と同じくらいです。まだサウンドトラックの発売は先(2018/5/23)ですが、パッとしない曲が一曲もなく、冒険の楽しさを何倍にも増幅しています。
 この点の期待を裏切ることはないのが流石ですね。どの曲が好きかというと「全体的に好き」としか言えません。


◎モーション、セリフの病的な多さ

 仲間キャラそれぞれに武器種別のモーションが用意され、それがサクサク切り替わるので、基本コマンド戦闘ながらも戦闘がスタイリッシュです。
 セリフの多さに関してはシリーズ名物ですが今作も相変わらずで、敵の種類に応じて特殊なセリフであったり(虫が苦手なブレイドなら叫んだりとか)、果ては特定のブレイドから特定のブレイドにチェンジするときにまで専用のセリフがあるのを聞いた時には、その細かさに放心しました(例:ザクロ→イダテンへのチェンジ)。

 あと、モーションに関連してですが、攻撃のヒット感が改善されているように感じました。前2作はややもっさり感があったので。


◯街の発展要素

 基本的にお金で解決できてしまうのが寂しいですが、発展レベルに伴って店の商品が変わったり、新たな傭兵団クエストを受注できたりするのが楽しかったです。

 傭兵団システム自体はよくある派遣システムなので、これといった感想はないです。
(悪名高いナナコオリのやつはそもそも手を付けなかった)

◯グラフィックやモデリングの向上

 正統進化していますね。よく槍玉に挙げられた前作もさほど気にならなかったのですが、進化するに越したことはないと感じました。


◯ストーリー終盤からエンディングの展開

 加齢臭漂うギャグと下ネタにイライラするばかりだった中盤までに比べて、終盤からエンディングにかけてはなかなかに良い展開が続き、エンディングでは涙ぐんでしまいました。初代プレイヤーとしても感動しました。
 それ故に、ストーリーの掴みで人を選んでいるのが惜しいです(これも後述します)。


【気になった点】
 各所のレビューなどで既に散々指摘されていますが、これが本当に多いです。私も例に漏れず、かなり厳しい感想を抱いています。

 その多くが「ゼノブレイドクロスからの不満点から改善が見られない」もので、割と本気で失望しました。電ファミニコゲーマーの対談企画で製作人数の少ない開発環境について語られているのですが、それを踏まえてもゲーム体験が酷く損なわれるものだったので列挙します。
 こうして吐き出さないと気持ちの整理がつかないので……


×フィールドスキルという悪意の塊

 もうゲーム中何度キレかけたことか(物に当たったりはしないですが)……
悪意と障害を誤認しているとしか思えないストレス源で、序盤から終盤までずっと不快にさせられっぱなしでした。

 何が酷いかというと「対応フィールドスキルを持っているブレイドにいちいち付け替える必要がある」点に尽きます。
 その度に快適とは程遠いUIからお目当てのブレイドを探し出して付け替え、用が済んだらまたお馴染みの組み合わせに戻す、という、昭和の日本企業みたいな虚無作業をやらされるので、馬鹿馬鹿しさの極みです。

 多少ロード時間が長くなってもいいので「所持ブレイド全員のレベル合計」が最適だったと思います。ロード時間短縮のために付け替え式にしたのかもしれませんが、付け替えに費やす無為な時間があるなら同じことです。あるいは手が塞がらないぶんロード時間のほうがマシです。

 確か前作のデータプローブ設置の時も似たような感情を抱いたのですが、なんでこう、手間を掛けさせることを是としているのか本当に意味がわからない。

 本当に「なんで? 」と思います。なんでこんな意地悪をするの?


×呆れ果てる酷いユーザーインターフェイス

 ゲーム中何千何万回と開かされるメインメニュー画面にしろ他にしろ、とにかく非直感的なボタン配置と必要な情報にたどり着くまでの遠さに心底うんざりしました。

 とにかく全体的に酷いとしか言えません。全体的に酷いので具体例をパッと思いつかないくらいです。 
 初代からずっと指摘されてきたアイテム周りはソート機能の改善で多少良くなり、クロスの時にあったメニュー画面の重さも改善されましたが、良くなったのはそのくらいです。
 
 中でも最悪なのがフィールドマップで、立体的なフィールドに対して平面一枚のマップしかなくて頼りにならず、トラベルスキップアイコンは寸部違わずカーソルをぴったり重ねないと反応せず、アイコンが重なった場所はいちいち片方のアイコンをオフにしないと片方の情報を見られないという出来。

 次に悪いのがブレイドのキズナリングで、条件を達成してレベルアップの通知がされたら、わざわざキズナリング画面を開かないとレベルアップしないという意味不明さ。
 こういうのって今はどこも通知と同時にレベルアップして、メニューを開く手間を省かせているものだと思っていたのですが……

 シリーズ3作続けてUIに目覚ましい改善がないのは流石に呆れました。


×チュートリアルが見返せないしそもそも不十分

 文体を馴れ馴れしくするのがユーザーへの親切と勘違いしているらしいチュートリアルですが、現状ゲーム内では見返せません。説明書もないので、公式サイトの動画を見るか、非公式の攻略サイトの解説を読むのが一番手っ取り早いです。

 このゲームでは、チュートリアルを街の情報屋からお金で買えます。買ったら二行足らずの簡易な説明文が読めます。唖然としました。

 ただでさえシステムが複雑なゲームで、ゲーム中にまともなルールの説明が無いのは異常事態だと思います。
 頑張って作ったストーリーも戦闘も、ユーザーの「なんかよく解らない(から序盤でやめて売ってきた)」の前には無意味だということを認識されているのでしょうか?

 これは被害妄想と言われるのを承知で申し上げますが「システムも把握できないライトユーザーはやらなくていい。"解るヤツ"だけ遊べばいい」と割と本気で考えているっぽいノリをゲームから感じ取ってしまいました。


×探索の楽しさが著しく減少。不便さは上昇

・上述のフィールドスキルやUIの酷い仕様で探索意欲がゴリゴリ削がれる
・フィールド自体が前2作に比べてパッとしない
・キズナグラムや敵図鑑がないのでやり甲斐が薄れた

 などの理由で、前2作では夢中になって進めた探索が淡白なものになりました。
このシリーズに期待していた要素だったので残念です。
 
 特にキズナグラムが無いと知った時は本当にガッカリしました。
クロスにあった敵図鑑も削除されたので、キズナリング達成条件の「特定のモンスターを◯体倒す」を、広いフィールドの中から対象モンスターを探し出すところから始めなければならず、面倒極まりないです。

 図鑑さえあれば登録するために積極的に戦闘するようになったのに、実際には非アクティブのザコ敵はほとんどスルーしていました。


×ガチャ

 ブレイド同調のことです。1.2.0までは一体引くたびに飛ばせない小さな演出が入って最悪のテンポでした。1.3.0ではそれを飛ばせるようになったのですが、プレイヤーが求めていたのはソーシャルアプリお馴染みのサクサク引ける10連ガチャとかそういうのだと思います。

 ブレイドを引いた時の演出にやたら力を入れており、頑張って作ったので凄く見てもらいたいという気持ちは伝わりますが、そういう押し付けがましさがこのシリーズの難点です。

 そもそもオフラインRPGで、課金に繋がって次回作の開発資金が潤うわけでもない単なるくじ引きなので、虚無そのものです。
 しかもこの虚無ときたら演出だけは凝っていて、力の入れ加減を誤っているこのゲームの象徴となっています。

 またストーリーでは「ブレイドとドライバーの絆の大切さ」を説かれるのですが、有用なスキルを持たない低レアブレイドは速攻でリリースされるガチャシステムとの齟齬が生じています。
 とあるブレイドのクエストで、敵のチンピラにその点を突かれた主人公一行は本当にみっともなかったです。


×一部ブレイドの育成にミニゲーム必須

 この問題を「(仲間が入れ替え可能になってから)そのブレイドを一切スタメンにしない」という方法で解決しました。その後強制使用バトルとかは無かったので、それだけ助かりました。
 そのミニゲームが面白ければ話は別ですが、特に面白いわけでもなく。


×サブクエストの仕様がストレスフル

 一つのクエストに複数のクエストを詰め込んだようなものばかりで、目下の条件を達成して報告したら、報告したその場で次のお使いを頼まれ、それも達成したらまた次のお使いを頼まれ……というキレの悪い大便のような仕様です。

 達成条件も、序盤から高いフィールドスキルレベルを要求されたり、ろくなヒントがなく虱潰しにフィールドを回るしかなかったり、嫌がらせみたいなものばかりです。
 私は面倒くさいクエストは早々に見切りをつけて放置しました。クリアにおいて何も困らなかったのが唯一の救いです。


×魅力的なキャラクターが少ない

 仲間もブレイドも敵も、全員既視感のあるテンプレートなオタク向けキャラクター設定で新鮮さ0でした。魅力の無さを声優の素晴らしい演技力でカバーしている状態です。多くの萌え系女キャラと、最低限申し訳が立つレベルの男キャラで構成されており、男女比にうへぇとなります。

 これが顕著なのがブレイドで、男女比が2:8くらい。しかもイラストが微妙だったり、声がキツい萌え系だったりして、なんというか90年代〜ゼロ年代の古さが漂っており、2018年の今やると厳しいものがありました。
 このゲームに限らず、日本RPGゲーム業界の「萌えキャラ」像って一昔前で、これは時代に取り残されるのも必然だなぁと感じます。

 改めて振り返っても、愛着が湧いたのは自操作していた主人公とお付きのじっちゃんくらいでしたね。


×ストーリー全般
 
 発売前に4Gamerのインタビュー記事を読んで「なろう系を引き合いに出して感じ悪いなぁ」というのが正直な感想だったのですが、クリアした今なら言えます。

は?

 序盤から超常的な力を手に入れて、これといった努力の描写もなく、都合よく周囲の大人(ほぼ全員)に認められ、美少女にモテて……あまり詳しくないのですが、これはまさにインタビューで引き合いに出していたようなストーリーでは?

 恐らく強制敗北イベントや、終盤のあのイベントやあのイベント(ネタバレ防止)がそうしたストーリーとの違いなのだと思いますが、それにしても取ってつけたようで、ストーリーを振り返るとやっぱり都合のいい話だなという感想です。

 そして都合の良さ以上にイライラしたのが、クソしょうもないギャグや加齢臭のする萌え、下ネタです。これが序盤の、しかもメインストーリーにあるから手に負えません。しかもその一部を担当したのが前作のライター(リンク先ややネタバレ注意)という始末。

 有名な「かめあたま」発言はセクハラ一歩手前だし「JS・JK・JD」も略語違いで言い訳していますが危ういし、こういう話に誰も「待った」をかけられないのは会社としても心配です。

 あと、ストーリーやボイスの端々に「男は男らしく、女は女らしく」みたいなライターの思想が反映されていて、この時代に会社としてその認識ならかなりまずいと思います。任天堂は任天堂でこの辺をチェックした方が良かったのではとも思います(トモダチコレクションやFEifの同性婚問題もあったし)。
 キャラクターデザインも鑑みると、あえてそういう政治的正しさから距離を置いてやりたいこをやったのかも知れませんが……

 前作クロスのリンとタツの寒い掛け合いですらうんざりしたのに、あのノリがもっと悪化しているのに心底絶望しました。何処かで読んだ「クリエイターよりもユーザーが先に大人になってしまった」みたいな話を思い出します。

 ゼノブレイド初代だけが特異点で、ゼノサーガやゼノブレイドクロスみたいなオタクのノリがシリーズの本来だというのは認識していたつもりだったのですが、それらはそれなりに締める所は締めていたので、今作の異様なノリを見抜けませんでした。


△リスポーン地点が遠い

 このゲームには一部を除いてゲームオーバーが存在せず、いつどこでどのように死んでも最後に訪れたランドマークから復活できるのですが、フィールドが広くランドマークも離れているので、思った以上にリスポーンが遠いという場合がありました。


△ゲームが頻繁に中断される強制敗北・ムービーの多さ

 メインストーリーでは、苦労して敵を倒したのに次のイベントでは苦境に陥っているという日本のRPGあるあるな強制敗北が多く、正直萎えます。一回や二回ではなく何回もあるので、盛り上がるはずのメインストーリーの戦闘が台無しです。
 
 また序盤と終盤は、少し歩いて細切れにムービーが挿入される展開が多くて少しイライラしました。いっそ繋げて……


△トレジャーが散らばる

 散らばる必要なし。
時間経過で消えるのはともかく、崖下や雲海に落ちていくのは擁護できない。当然、落ちたらレアリティ問わず入手不可です。
 高レアリティのドロップだけは自動入手でも良かったのでは?


【まとめ】

 イメージに反して「自由度」とは程遠いRPGでした。
とにかく「スタッフが倒れるまで働いて頑張ったのだから実装した要素は余すことなく遊んで下さい! いや遊べ! 」
という押し付けがましいゲームデザインで、
その割にルールの説明も不十分で
快適に遊べるUIでもなく、
共感できるストーリーやキャラクターでもないので、

プレイヤーが感じるのは押し付けがましさと内輪ノリに対する疎外感

という結果に終わります。これらを許容できるプレイヤーは楽しめると思いますが、私はどうしても初代の完成度を懐かしく感じてしまい、本作を好意一辺倒で捉えるのは無理でした。

 確かにこれだけのゲームを作れる技術力は凄いと思いますが、ずっと言われ続けている不満点が3作目になっても改善の兆しを見せていないので、そういう製作方針なのでしょう。「これがうちのゲームだ。嫌ならやるな」と言われたらすごすご引き下がるしかないですが、幾らなんでも今回は突き放しすぎです。

 この押し付けがましさと変な内輪ノリの原因は上層部のクリエイター陣にあると思うので、一度総入れ替えをするとかした方がいいのでは?と思いますが、今作に対する失望により、そこまで肩入れするシリーズでもなくなりました。私はともかく、これまで全肯定してきたようなシリーズファン層からも苦言が上がっているのを制作陣は真面目に受け止めたほうが良いのではないでしょうか。

 ゼノシリーズに限らず、昔そこそこヒットしていた国内中堅RPGは軒並みキャラクターのセンスやゲームデザインの古さ、何よりクリエイターの独りよがりが目につくようになり、国内中堅RPGを応援しようという気持ちもいつの間にか薄れてしまいました。
 次回作でも同じようなノリなら、ハードごと買ってまで遊ぶことはないでしょう。


 今から始める人は、とにかく序盤を乗り越えられるかが勝負です。

 しょうもないギャグで話の腰を折ってくるムービーは、限界だと思ったらスキップして問題ないです。観る価値のあるムービーは敵陣営のと、中盤以降のややシリアスになってきてからのやつだけです。序盤の仲間たちは大した話をしてません。

 戦闘に関しても、基本要素がある程度解放されるまでザコ敵は無視しても大丈夫です。襲い掛かってくるのと、サクサク勝てそうなのだけ戦えば十分です。戦闘だけは中盤から確実に面白くなるので、それまで我慢です。

 使い勝手最悪なUIは慣れである程度カバーできますが、アップデートで改善されない限りは終盤まで細かいイライラが溜まると思いますので、適度にゲームを休んで息抜きしながら続けるのが良いと思います。

 その他、サブクエストやキズナリングなど、少しでも面倒に感じた要素はバンバン無視して取捨選択した方が精神衛生上良いです。クリアするだけならまったく困りません。
 ゲーム側が押し付けてくるものは容赦なく無視して下さい。制作陣が快適に遊ぶ環境の構築を怠っているので、変な義理を通す必要は一切ありません。
  
 それでも無理だと思ったら、もう止めてしまって構わないと思います。
戦闘システムとBGMはとても良かったですが、今作に対する最終的な結論はここに落ち着きました。
 5月に発売するサウンドトラックを買ったら、もうこのゲームとの縁は切れるかなという感じです。
 いざ一度ハマりさえすれば、不満点も許容できるようになり夢中で遊べるのですが、その境地にたどり着くまでが長く、この意味でも人を選びます。レベル100超のユニークモンスター討伐などに未練はありますが、そこまでやり込むモチベーションが湧かず、ひとまず撤退することにしました。
 またいずれ遊びたくなるかもしれないので、ソフトは一応手元に残しておくつもりです。

 今となっては初代だけでなく、あれだけ不満があったゼノブレイドクロスですら懐かしく思います。