2018年3月25日日曜日

ゲームクリア感想98:Firewatch(PS4版)

メーカー公式サイトはこちら

日本語版が配信されるというので、2月の配信日にとりあえず購入してみました。
複雑なシステムや長大なオープンワールドが連続すると疲弊するので、箸休めにこういったウォーキングシミュレーターを遊びたかったのもあります。

所謂「積みゲー」が増えると、こういうスケジュールの合間を縫って遊べる小作品がかなり重宝します。


バージョン 1.08
クリア時間 約7時間
トロフィー取得率 84%(本編は100%)


【良かった点】

◎ダレることのないテンポの良さ

 他の同ジャンル作品と差をつけているのがこの点だと思っています。
難解だったり面倒な謎解きは一切なく、フィールドも狭すぎず広すぎず、ちょうどいい塩梅に抑えられているので、よほどの飽き性でもない限り、スムーズにクリアできます。
 ちょうどダレそうになる寸前の絶妙なタイミングで新展開が訪れるので、気分を切り替えて探索が続けられます。

 ただフィールドとストーリーだけ用意して投げ出されるタイプの作品ではなく、この辺を意識したフレンドリーな作り込みが魅力です。

 ゲームによくある「鍵の暗証番号を探せ!」みたいな要素を序盤から早々に否定してくれるので、本当に野山を歩き回って探索するだけで話が進みます。
 「探索」という言葉を使いましたが、クリアするだけならローラー作戦みたいな細かい探索は一切不要で、地図や無線のガイドに従うだけで必要行動を取れます。先へ進むために必要なオブジェクトも指示されたロケーション内にしかないので、脱線せずに目標を追いかけるだけでOKです。収集要素も殆どありません。

 強いていうならば、地図とコンパスを手に探索してゆくタイプのゲームなので、極度の方向音痴な方はやや厳しいかもしれません。私も序盤は迷いましたが、フィールドが想像よりも狭いことに気づいてからは楽になりました。
 理不尽な経路もないので、ちょくちょく地図を開きつつ、広い道を辿っていけば大抵何とかなります。


◎移動スピードが早い

 ウォークしか出来ないウォーキングシミュレーターもあるので、しっかりダッシュできるだけで感動でした。特に息切れなども起こさないので、スムーズに進めます。


◎(日本語版のみ)ローカライズが素晴らしい

 不自然な翻訳文体がなく、すらすらと読めます。ちゃんとその場のノリやキャラクターに合わせた文章になっており、没入感もしっかりあります。
 いかにもな洋ゲーですが、丁寧なローカライズにより英語力が必要とされる場面は一切ないので、私のように英語がろくに喋れない人間でも安心して遊べました。


◯先の気になるストーリー

 中盤辺りからの不穏な展開は本当にハラハラしました。もうちょっと何とかなったかなという点こそ残るものの、全体を振り返ってみると短編小説のような静かな読後感があります。「ひとつの物語」として完結しているのでその点も好感触です。
 忘れられない衝撃的展開! さあ震えるがいい! といったノリではなく、淡々と低空飛行してそっと着地するイメージです。

 不穏さを増すストーリーの一方で、何も変わらない大自然との動と静との対比がリアリティを増しているように感じました。この点、単なる背景グラフィックではなく、背景でもしっかりストーリーを演出しているのが良いです。

 また、ストーリーの肝になる上司との無線会話が面白くて読み応えがあり、選択肢も細かく分かれているので、大抵は自分の価値観と同期を取った返事ができます。その点で没入感も確保できていると思いました。


【気になった点】

△移動時のカクつき

 ダッシュすると背景の描画が間に合わないのか、カクつきが発生します。ゲームが停止したなどの不具合は一切起きませんでしたが、カクつかないに越したことはないので……


△オブジェクトの見つけにくさ

 一部、背景に同化していて、見つけにくいものがありましたが、慣れれば特に問題ないです。


△乱暴なオブジェクトの扱い

 一度拾ったら元の場所に戻せるオブジェクトと投げ捨てるしかないオブジェクトがあり、後者のほうが多いです。誰かの貴重品を投げ捨てるのはちょっと忍びないので、全部のオブジェクトを現状回復できると良かったです。
 気にならないプレイヤーの方が大多数だと思いますが……

 余談ですが、欧米圏のコンテンツで一番文化の違いを感じるのがこの「モノの扱い」で、普通に置けばいいものを(特に怒っているわけでもないのに)乱暴に投げ捨てるシーンがゲームでも映画でも必ずといっていいほどあり、そこは普通に置けばよくない? と毎回思います(勿論、これこそ乱暴な括りで、最終的には個人によります)。


【まとめ】

色々と受賞しているのも頷ける、確かな良作です。
 ただ、この手のゲームに思うところがある人でないと、ボリュームに対して割高に感じると思います。
(ウォーキングシミュレーターの記事を作成するたびに同じ事を言っていないか?)

「号泣しました!」「もう目が離せなくて…」「Firewatch、最高〜〜〜〜〜〜!!!!(スクリーンの前で演者と観客がコール)」みたいなノリはなく、本当に淡々と進んでいくので、ちょっと体験として弱いかもしれません。
 個人的には「ひと夏の切なくも思い出深い体験」という感じで好きです。

・多忙なので短時間で終わるゲームがしたい

・大作の繋ぎにちょっとしたゲームをクリアしたい

・「森林火災監視員」という主人公の設定が面白そう

・アニメっぽいノリや露悪的なコンテンツに疲れた

・楽にトロフィーを収集したい(プラチナは無いですが、本編だけならクリアするだけで100%です)

 などの人にはオススメです。もっとも一人称視点に耐性があるのが大前提です。

 選択肢の回収や追加トロフィーの収集などが残っていますが、私はひとまず一周クリアして満足しました。
 








2018年3月11日日曜日

ゲームクリア感想97:ゼノブレイド2

公式サイトはこちら
シリーズ前作(ゼノブレイドクロス)の記事はこちら


Nintendo Switch本体と同時購入し、約一ヶ月半かけてようやくクリアしました。
シリーズ前作への不満点と、発売前情報のパッとしなさでかなり不安でしたが、クリアした今は達成感に満ちています。良くも悪くも感情を揺さぶられる体験ができたので、損な買い物ではありませんでした。

バージョン 1.3.0(130時間くらいは1.2.0で進めました)
クリア時間 157:59:25(出来る限りの寄り道をして)


【良かった点】

◎異常なほど盛り上がる秀逸な戦闘システム

 これは心底凄すぎると思いました。人間がこんな複雑なシステムを思いつき、あまつさえ実装できるものなのかと感動さえ覚えます。
 と言っても、ゲーム序盤は不慣れなのと、そもそも戦闘の基本要素が全開放されていないのが相まって、正直なところ今ひとつでした。チュートリアルが不十分(後述します)なのもあり、雰囲気で戦闘をしている状況がそこそこ長く続きました。
 
 しかし、システムにも慣れて戦闘の基本要素が全開放される中盤あたりからは嘘のように面白くなります。特にドライバーコンボをようやく安定して繋げるようになってからは、地味に硬かったザコ敵もサクサク倒せるようになり、ひたすらに敵が硬かったゼノブレイドクロスから改善されています。

 戦闘システムに関しては、多くの攻略サイトの記事が画像つきで解りやすく説明していますが、私はこんな感じです(画像は公式サイトやゲーム本編などでご確認下さい)


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 1.事前準備として、参戦ドライバーごとにブレイドのタイプをなるべく固める。
  (主人公は攻撃ブレイド3体、仲間Aは回復ブレイド3体、仲間Bは防御ブレイドといった風に。ブレイド同調の運もあるので、揃うまではなるべくで良い)

 2.なるべく有利な位置から先制攻撃。落下死しない場所やダメージ床の範囲外、敵の背後など。

 3.「ドライバーコンボ」を繋ぐ(ブレイク→ダウン→ライジング→スマッシュ)。

 ※ドライバーコンボは画面右下のスキルから発生。画面左右に表示されるのはブレイドコンボ。
 ※最後まで繋げなくてもあまりこだわらない。そもそも序盤は繋げない。

 4.それに合わせて「ブレイドコンボ」を繋ぐ。画面右上に表示されるコンボルート表に従って、属性別に三段階の必殺技を繋げていく。仲間の段階は「画面左右に表示されるコンボ申請の顔アイコンの周囲をグルグル回る光球の数」で把握する。

   5.上記の「ドライバーコンボ」発生中にこの「ブレイドコンボ」を発動すると「フュージョンコンボ」となり、コンボ受付時間増加や「パーティーゲージ」増加などの効果が発生する。

 ※「フュージョンコンボ」はあんまりこだわらずとも良い。序盤はまずブレイク→ダウンの「ドライバーコンボ」および「ブレイドコンボ」を繋ぐのに慣れるだけで十分。

 6.「ブレイドコンボ」を3段階フルで繋ぐと、3段階目の属性の色をした「属性玉」が敵の周囲を回り始める。なるべく多くの「属性玉」を繋ぐため、様々なコンボルートでブレイドコンボを繋いでゆく。

 7.こうしてコンボを繋いでいる内に、画面左上の「パーティーゲージ」が満タンになるので(雑)、機をみてコントローラーの+ボタンから「チェインアタック」を発動!
 
 ※ユニークモンスターなどはHPが一定以上減ると強力になるので、なるべくチェインアタックですっきり倒せるようにする。

 8.画面中央上に、敵に付着させた「属性玉」が表示されるので、その「反属性」の必殺技を使って属性玉を割ってゆく。反属性なら2回、それ以外の属性だと3回必殺技を当てることで属性玉が割れる。反属性以外だと割れる石がランダム(?)なので、何が何でも反属性を使う。「チェインアタック」中は時間が止まるので、じっくり選べる。

 ※最大9体参戦できるブレイドの1体でも「属性玉一撃破壊」などのアシストコアを装備させておくとかなり楽になる。

 9.「属性玉」破壊一つにつき「チェインアタック」の周回が追加されるので、どんどん破壊してゆく。周回数に応じてダメージ倍率も急上昇!

 ※「チェインアタック」一周で「属性玉」を一つも割れなくても「属性玉」は消えないので、また「パーティーゲージ」を溜めて再チャレンジ可能。

10.「チェインアタック」中に右上のゲージが満タンになると、究極の攻撃「フルバーストチェイン」が発動する。

 ※後半にならないとなかなか発動できないのでこだわらずとも良い。

11.リザルト画面(下画像)が表示され終了

自分のTwitterから流用

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 この説明ですが、未プレイの方は意味不明だと思います。私も序盤は意味が解らず、せっかく発動したチェインアタックも属性玉と同じ属性を使って台無しにしていました。

 しかし、やる気さえあれば必ず覚えられます。何しろ大ボリュームのゲームゆえに実践のタイミングは山ほどあるので、ゲームを続けてくうちにいつの間にか出来るようになっています。ご安心下さい。

 やり込む際はもっと色々あるのでしょうが、私はクリアまでこんな感じでヌルく通しました。アクション操作でもないのにめちゃくちゃ白熱する戦闘システムは本当に素晴らしいです。
 楽しくなるまでが長いですが、とにかく一度体験するとこの盛り上がりに病みつきになります。もうこの先15年くらいはこれを超えるRPGの戦闘システムは出てこないのではないかとすら思います。それだけ凄い。


◎安心と信頼の音楽

 凄まじい力の入れようで、初代の路線を継承しつつもインパクトと聴き応えは初代の曲と同じくらいです。まだサウンドトラックの発売は先(2018/5/23)ですが、パッとしない曲が一曲もなく、冒険の楽しさを何倍にも増幅しています。
 この点の期待を裏切ることはないのが流石ですね。どの曲が好きかというと「全体的に好き」としか言えません。


◎モーション、セリフの病的な多さ

 仲間キャラそれぞれに武器種別のモーションが用意され、それがサクサク切り替わるので、基本コマンド戦闘ながらも戦闘がスタイリッシュです。
 セリフの多さに関してはシリーズ名物ですが今作も相変わらずで、敵の種類に応じて特殊なセリフであったり(虫が苦手なブレイドなら叫んだりとか)、果ては特定のブレイドから特定のブレイドにチェンジするときにまで専用のセリフがあるのを聞いた時には、その細かさに放心しました(例:ザクロ→イダテンへのチェンジ)。

 あと、モーションに関連してですが、攻撃のヒット感が改善されているように感じました。前2作はややもっさり感があったので。


◯街の発展要素

 基本的にお金で解決できてしまうのが寂しいですが、発展レベルに伴って店の商品が変わったり、新たな傭兵団クエストを受注できたりするのが楽しかったです。

 傭兵団システム自体はよくある派遣システムなので、これといった感想はないです。
(悪名高いナナコオリのやつはそもそも手を付けなかった)

◯グラフィックやモデリングの向上

 正統進化していますね。よく槍玉に挙げられた前作もさほど気にならなかったのですが、進化するに越したことはないと感じました。


◯ストーリー終盤からエンディングの展開

 加齢臭漂うギャグと下ネタにイライラするばかりだった中盤までに比べて、終盤からエンディングにかけてはなかなかに良い展開が続き、エンディングでは涙ぐんでしまいました。初代プレイヤーとしても感動しました。
 それ故に、ストーリーの掴みで人を選んでいるのが惜しいです(これも後述します)。


【気になった点】
 各所のレビューなどで既に散々指摘されていますが、これが本当に多いです。私も例に漏れず、かなり厳しい感想を抱いています。

 その多くが「ゼノブレイドクロスからの不満点から改善が見られない」もので、割と本気で失望しました。電ファミニコゲーマーの対談企画で製作人数の少ない開発環境について語られているのですが、それを踏まえてもゲーム体験が酷く損なわれるものだったので列挙します。
 こうして吐き出さないと気持ちの整理がつかないので……


×フィールドスキルという悪意の塊

 もうゲーム中何度キレかけたことか(物に当たったりはしないですが)……
悪意と障害を誤認しているとしか思えないストレス源で、序盤から終盤までずっと不快にさせられっぱなしでした。

 何が酷いかというと「対応フィールドスキルを持っているブレイドにいちいち付け替える必要がある」点に尽きます。
 その度に快適とは程遠いUIからお目当てのブレイドを探し出して付け替え、用が済んだらまたお馴染みの組み合わせに戻す、という、昭和の日本企業みたいな虚無作業をやらされるので、馬鹿馬鹿しさの極みです。

 多少ロード時間が長くなってもいいので「所持ブレイド全員のレベル合計」が最適だったと思います。ロード時間短縮のために付け替え式にしたのかもしれませんが、付け替えに費やす無為な時間があるなら同じことです。あるいは手が塞がらないぶんロード時間のほうがマシです。

 確か前作のデータプローブ設置の時も似たような感情を抱いたのですが、なんでこう、手間を掛けさせることを是としているのか本当に意味がわからない。

 本当に「なんで? 」と思います。なんでこんな意地悪をするの?


×呆れ果てる酷いユーザーインターフェイス

 ゲーム中何千何万回と開かされるメインメニュー画面にしろ他にしろ、とにかく非直感的なボタン配置と必要な情報にたどり着くまでの遠さに心底うんざりしました。

 とにかく全体的に酷いとしか言えません。全体的に酷いので具体例をパッと思いつかないくらいです。 
 初代からずっと指摘されてきたアイテム周りはソート機能の改善で多少良くなり、クロスの時にあったメニュー画面の重さも改善されましたが、良くなったのはそのくらいです。
 
 中でも最悪なのがフィールドマップで、立体的なフィールドに対して平面一枚のマップしかなくて頼りにならず、トラベルスキップアイコンは寸部違わずカーソルをぴったり重ねないと反応せず、アイコンが重なった場所はいちいち片方のアイコンをオフにしないと片方の情報を見られないという出来。

 次に悪いのがブレイドのキズナリングで、条件を達成してレベルアップの通知がされたら、わざわざキズナリング画面を開かないとレベルアップしないという意味不明さ。
 こういうのって今はどこも通知と同時にレベルアップして、メニューを開く手間を省かせているものだと思っていたのですが……

 シリーズ3作続けてUIに目覚ましい改善がないのは流石に呆れました。


×チュートリアルが見返せないしそもそも不十分

 文体を馴れ馴れしくするのがユーザーへの親切と勘違いしているらしいチュートリアルですが、現状ゲーム内では見返せません。説明書もないので、公式サイトの動画を見るか、非公式の攻略サイトの解説を読むのが一番手っ取り早いです。

 このゲームでは、チュートリアルを街の情報屋からお金で買えます。買ったら二行足らずの簡易な説明文が読めます。唖然としました。

 ただでさえシステムが複雑なゲームで、ゲーム中にまともなルールの説明が無いのは異常事態だと思います。
 頑張って作ったストーリーも戦闘も、ユーザーの「なんかよく解らない(から序盤でやめて売ってきた)」の前には無意味だということを認識されているのでしょうか?

 これは被害妄想と言われるのを承知で申し上げますが「システムも把握できないライトユーザーはやらなくていい。"解るヤツ"だけ遊べばいい」と割と本気で考えているっぽいノリをゲームから感じ取ってしまいました。


×探索の楽しさが著しく減少。不便さは上昇

・上述のフィールドスキルやUIの酷い仕様で探索意欲がゴリゴリ削がれる
・フィールド自体が前2作に比べてパッとしない
・キズナグラムや敵図鑑がないのでやり甲斐が薄れた

 などの理由で、前2作では夢中になって進めた探索が淡白なものになりました。
このシリーズに期待していた要素だったので残念です。
 
 特にキズナグラムが無いと知った時は本当にガッカリしました。
クロスにあった敵図鑑も削除されたので、キズナリング達成条件の「特定のモンスターを◯体倒す」を、広いフィールドの中から対象モンスターを探し出すところから始めなければならず、面倒極まりないです。

 図鑑さえあれば登録するために積極的に戦闘するようになったのに、実際には非アクティブのザコ敵はほとんどスルーしていました。


×ガチャ

 ブレイド同調のことです。1.2.0までは一体引くたびに飛ばせない小さな演出が入って最悪のテンポでした。1.3.0ではそれを飛ばせるようになったのですが、プレイヤーが求めていたのはソーシャルアプリお馴染みのサクサク引ける10連ガチャとかそういうのだと思います。

 ブレイドを引いた時の演出にやたら力を入れており、頑張って作ったので凄く見てもらいたいという気持ちは伝わりますが、そういう押し付けがましさがこのシリーズの難点です。

 そもそもオフラインRPGで、課金に繋がって次回作の開発資金が潤うわけでもない単なるくじ引きなので、虚無そのものです。
 しかもこの虚無ときたら演出だけは凝っていて、力の入れ加減を誤っているこのゲームの象徴となっています。

 またストーリーでは「ブレイドとドライバーの絆の大切さ」を説かれるのですが、有用なスキルを持たない低レアブレイドは速攻でリリースされるガチャシステムとの齟齬が生じています。
 とあるブレイドのクエストで、敵のチンピラにその点を突かれた主人公一行は本当にみっともなかったです。


×一部ブレイドの育成にミニゲーム必須

 この問題を「(仲間が入れ替え可能になってから)そのブレイドを一切スタメンにしない」という方法で解決しました。その後強制使用バトルとかは無かったので、それだけ助かりました。
 そのミニゲームが面白ければ話は別ですが、特に面白いわけでもなく。


×サブクエストの仕様がストレスフル

 一つのクエストに複数のクエストを詰め込んだようなものばかりで、目下の条件を達成して報告したら、報告したその場で次のお使いを頼まれ、それも達成したらまた次のお使いを頼まれ……というキレの悪い大便のような仕様です。

 達成条件も、序盤から高いフィールドスキルレベルを要求されたり、ろくなヒントがなく虱潰しにフィールドを回るしかなかったり、嫌がらせみたいなものばかりです。
 私は面倒くさいクエストは早々に見切りをつけて放置しました。クリアにおいて何も困らなかったのが唯一の救いです。


×魅力的なキャラクターが少ない

 仲間もブレイドも敵も、全員既視感のあるテンプレートなオタク向けキャラクター設定で新鮮さ0でした。魅力の無さを声優の素晴らしい演技力でカバーしている状態です。多くの萌え系女キャラと、最低限申し訳が立つレベルの男キャラで構成されており、男女比にうへぇとなります。

 これが顕著なのがブレイドで、男女比が2:8くらい。しかもイラストが微妙だったり、声がキツい萌え系だったりして、なんというか90年代〜ゼロ年代の古さが漂っており、2018年の今やると厳しいものがありました。
 このゲームに限らず、日本RPGゲーム業界の「萌えキャラ」像って一昔前で、これは時代に取り残されるのも必然だなぁと感じます。

 改めて振り返っても、愛着が湧いたのは自操作していた主人公とお付きのじっちゃんくらいでしたね。


×ストーリー全般
 
 発売前に4Gamerのインタビュー記事を読んで「なろう系を引き合いに出して感じ悪いなぁ」というのが正直な感想だったのですが、クリアした今なら言えます。

は?

 序盤から超常的な力を手に入れて、これといった努力の描写もなく、都合よく周囲の大人(ほぼ全員)に認められ、美少女にモテて……あまり詳しくないのですが、これはまさにインタビューで引き合いに出していたようなストーリーでは?

 恐らく強制敗北イベントや、終盤のあのイベントやあのイベント(ネタバレ防止)がそうしたストーリーとの違いなのだと思いますが、それにしても取ってつけたようで、ストーリーを振り返るとやっぱり都合のいい話だなという感想です。

 そして都合の良さ以上にイライラしたのが、クソしょうもないギャグや加齢臭のする萌え、下ネタです。これが序盤の、しかもメインストーリーにあるから手に負えません。しかもその一部を担当したのが前作のライター(リンク先ややネタバレ注意)という始末。

 有名な「かめあたま」発言はセクハラ一歩手前だし「JS・JK・JD」も略語違いで言い訳していますが危ういし、こういう話に誰も「待った」をかけられないのは会社としても心配です。

 あと、ストーリーやボイスの端々に「男は男らしく、女は女らしく」みたいなライターの思想が反映されていて、この時代に会社としてその認識ならかなりまずいと思います。任天堂は任天堂でこの辺をチェックした方が良かったのではとも思います(トモダチコレクションやFEifの同性婚問題もあったし)。
 キャラクターデザインも鑑みると、あえてそういう政治的正しさから距離を置いてやりたいこをやったのかも知れませんが……

 前作クロスのリンとタツの寒い掛け合いですらうんざりしたのに、あのノリがもっと悪化しているのに心底絶望しました。何処かで読んだ「クリエイターよりもユーザーが先に大人になってしまった」みたいな話を思い出します。

 ゼノブレイド初代だけが特異点で、ゼノサーガやゼノブレイドクロスみたいなオタクのノリがシリーズの本来だというのは認識していたつもりだったのですが、それらはそれなりに締める所は締めていたので、今作の異様なノリを見抜けませんでした。


△リスポーン地点が遠い

 このゲームには一部を除いてゲームオーバーが存在せず、いつどこでどのように死んでも最後に訪れたランドマークから復活できるのですが、フィールドが広くランドマークも離れているので、思った以上にリスポーンが遠いという場合がありました。


△ゲームが頻繁に中断される強制敗北・ムービーの多さ

 メインストーリーでは、苦労して敵を倒したのに次のイベントでは苦境に陥っているという日本のRPGあるあるな強制敗北が多く、正直萎えます。一回や二回ではなく何回もあるので、盛り上がるはずのメインストーリーの戦闘が台無しです。
 
 また序盤と終盤は、少し歩いて細切れにムービーが挿入される展開が多くて少しイライラしました。いっそ繋げて……


△トレジャーが散らばる

 散らばる必要なし。
時間経過で消えるのはともかく、崖下や雲海に落ちていくのは擁護できない。当然、落ちたらレアリティ問わず入手不可です。
 高レアリティのドロップだけは自動入手でも良かったのでは?


【まとめ】

 イメージに反して「自由度」とは程遠いRPGでした。
とにかく「スタッフが倒れるまで働いて頑張ったのだから実装した要素は余すことなく遊んで下さい! いや遊べ! 」
という押し付けがましいゲームデザインで、
その割にルールの説明も不十分で
快適に遊べるUIでもなく、
共感できるストーリーやキャラクターでもないので、

プレイヤーが感じるのは押し付けがましさと内輪ノリに対する疎外感

という結果に終わります。これらを許容できるプレイヤーは楽しめると思いますが、私はどうしても初代の完成度を懐かしく感じてしまい、本作を好意一辺倒で捉えるのは無理でした。

 確かにこれだけのゲームを作れる技術力は凄いと思いますが、ずっと言われ続けている不満点が3作目になっても改善の兆しを見せていないので、そういう製作方針なのでしょう。「これがうちのゲームだ。嫌ならやるな」と言われたらすごすご引き下がるしかないですが、幾らなんでも今回は突き放しすぎです。

 この押し付けがましさと変な内輪ノリの原因は上層部のクリエイター陣にあると思うので、一度総入れ替えをするとかした方がいいのでは?と思いますが、今作に対する失望により、そこまで肩入れするシリーズでもなくなりました。私はともかく、これまで全肯定してきたようなシリーズファン層からも苦言が上がっているのを制作陣は真面目に受け止めたほうが良いのではないでしょうか。

 ゼノシリーズに限らず、昔そこそこヒットしていた国内中堅RPGは軒並みキャラクターのセンスやゲームデザインの古さ、何よりクリエイターの独りよがりが目につくようになり、国内中堅RPGを応援しようという気持ちもいつの間にか薄れてしまいました。
 次回作でも同じようなノリなら、ハードごと買ってまで遊ぶことはないでしょう。


 今から始める人は、とにかく序盤を乗り越えられるかが勝負です。

 しょうもないギャグで話の腰を折ってくるムービーは、限界だと思ったらスキップして問題ないです。観る価値のあるムービーは敵陣営のと、中盤以降のややシリアスになってきてからのやつだけです。序盤の仲間たちは大した話をしてません。

 戦闘に関しても、基本要素がある程度解放されるまでザコ敵は無視しても大丈夫です。襲い掛かってくるのと、サクサク勝てそうなのだけ戦えば十分です。戦闘だけは中盤から確実に面白くなるので、それまで我慢です。

 使い勝手最悪なUIは慣れである程度カバーできますが、アップデートで改善されない限りは終盤まで細かいイライラが溜まると思いますので、適度にゲームを休んで息抜きしながら続けるのが良いと思います。

 その他、サブクエストやキズナリングなど、少しでも面倒に感じた要素はバンバン無視して取捨選択した方が精神衛生上良いです。クリアするだけならまったく困りません。
 ゲーム側が押し付けてくるものは容赦なく無視して下さい。制作陣が快適に遊ぶ環境の構築を怠っているので、変な義理を通す必要は一切ありません。
  
 それでも無理だと思ったら、もう止めてしまって構わないと思います。
戦闘システムとBGMはとても良かったですが、今作に対する最終的な結論はここに落ち着きました。
 5月に発売するサウンドトラックを買ったら、もうこのゲームとの縁は切れるかなという感じです。
 いざ一度ハマりさえすれば、不満点も許容できるようになり夢中で遊べるのですが、その境地にたどり着くまでが長く、この意味でも人を選びます。レベル100超のユニークモンスター討伐などに未練はありますが、そこまでやり込むモチベーションが湧かず、ひとまず撤退することにしました。
 またいずれ遊びたくなるかもしれないので、ソフトは一応手元に残しておくつもりです。

 今となっては初代だけでなく、あれだけ不満があったゼノブレイドクロスですら懐かしく思います。