2018年6月18日月曜日

ゲームクリア(?)感想103:FLOOR KIDS(Switch版)

公式サイトはこちら(重めです)
公式サイト(任天堂)はこちら

日本ローカライズ担当企業による紹介動画(解りやすいです)

1ヶ月に3つも記事を更新という、このブログにしては異例の事態です。
今年もべっとり張り付いたE3の影響でゲーム意欲が高まっているのでしょう。

約3ヶ月ぶりのSwitch起動となりました。
ブレイクダンスを題材にした音ゲーという珍しい内容に惹かれて、Switch版配信当時に購入しました。Switch自体をそんなに起動していなかったので、復帰にはちょうどいい機会でした。

上の動画にもありますが、ゲームの流れはこんな感じです。

1.まず主人公を一人選択する。
2.チュートリアルを行う。
3.全8エリアあり、1つのエリアに3曲あるので、まずは最初のエリアを遊ぶ。
4.クラウン3つ以上のスコアでクリアすると「キャラクターカード」を一枚入手できる。
同キャラクターを4枚集めると、そのキャラクターが解放される。
5.クラウンの累積数によって新エリアが解放されるので、次々に遊んでゆく。


私の腕の問題でエンディングは見られなかったのですが、全キャラクターおよび全ステージ解放したので、クリアにカウントしました。スタッフロールはゲーム内の「EXTRA」から観ました。

バージョン 1.12.2
クリア時間 約5時間

ちなみに、8人中で一番使用率の高いキャラクターはRUCKUSでした。
攻略に関しては、全ステージクラウン3つ以上が限界でした……

【良かった点】

◎自由度の高さと加点方式の評価

新基軸……なのかどうかは音ゲーに明るくないのでなんとも言えませんが、画面表示に合わせてボタンを押すようなタイプしか知らなかった身としては、自由度の高さが新鮮でした。

何しろ、ペナルティやゲームオーバーが一切ありません
曲(約2分)のリズムに合わせて適当に踊っているだけでもそれなりに点数が入り、途中でゲームオーバーになることもありません。フィーリングで好きな技を好きに繋げてOKです。
また、曲の途中で二回ほど目押しとボタン連打が要求されますが、どちらも慣れれば簡単なうえ失敗してもペナルティ無し。ミスしてブーイングされたりといった演出もないので、下手でも「なんとなく」で遊べてしまいます。HIPHOPの事前知識も特に不要です。

音ゲーといえば内臓がキリキリとするような緊張感のある目押しで、この「何となく遊べる」からは程遠いジャンルだというイメージがあったのを、本作が払拭してくれました。
極めようと思えば極められ、そこそこで遊びたければそこそこのままで遊べる良いバランスだと思います。


◎アニメーションとアートワーク

いずれも一人で全部描いたと知って度肝を抜かれました。独特なアナログタッチの絵が非常に細かく動いており、その手間と技術に思いを馳せると感動を禁じえません。
そして、アートワークも可愛さとクールさが同居したとっつきやすさがあり、HIPHOPに縁遠い人間にもそれが伝わるキャッチーさがあります。


◎サウンド全般(楽曲・SE)の良さ

自分の場合、楽曲の良さがゲームを続けるモチベーションの多くを占めるのですが、この曲で何度でも踊りたくなる、この曲で上達したくなると思えるような良い曲ばかりでした。

加えて凝ったSEも聴き逃がせません。カーソルを動かしているだけで一曲演奏できてしまう。


○チュートリアルモードの充実

ゲーム開始時のチュートリアルも「TUTORIAL」から何度でもやり直せる上、自由練習をしたいときは「INFINITY MODE」からいくらでも練習できます。
これは印象論かつ他ジャンルの話ですが、大手のゲームほどチュートリアルが不親切だったりするので、こういう配慮は嬉しいです。


○(日本語版のみ)世界観を損なわないローカライズ

テキストが多いゲームではないものの、各エリア初挑戦時のコミック風イベントでは日本語でも韻を踏んだりしていて、なかなか凝ったローカライズになっています。

また、何もかもを翻訳するのではなく、英語のままな箇所も多くあります。雰囲気を損なわないそうした匙加減の上手さに好感を抱きました。


【気になった点】

△やや動作不安定

ローディング画面でのフリーズが短いプレイ時間の中で1回、フリーズしかけたことが1回ありました。割と細かいロードが多いのでちょっと不安になりました。と言ってもこちらの環境もあるので、実際には気にするまでもないレベルだと思います。


△自由度の高さと噛み合っていないスコア計算

正直なところ、私は本作をやり込む気が湧きませんでした。というのも、高スコアを狙おうと思うと「コンボ」がほぼ必須になるからです。
一人につき四つの「コンボ」があり、それを覚えて実行したり、オーディエンスのリクエストに応じたりしないとクラウン5つに達する高いスコアが稼げず、好きなように踊っているとクラウンは3つ前後が関の山となります。全ステージクリアだけならそれでも何とかなりますが、それ以上を狙うとなると面倒さが勝ってしまいました。好きなように踊れるのが楽しかったのに……という気分になります。

この「コンボ」は、起点となる技を使うとコンボルートが表示され、それに従って技を繋げていくと高得点が入ります。

例えばRUCKUSの"Rush Hour Traffic"(一番簡単なコンボ)なら

1.RUSHIN'STEP(左スティック↑+Xボタン)

2.RUNSTEP(左スティック↓+Bボタン)

3.AROUND THE WORLD(左スティック↓+Yボタン)

の順に入力すると発動します。2回目から入手スコアが減っていくので、より多くのコンボを発動するのが高得点のコツとなります。

そして、私はこのコンボを記憶するのがちょっと辛く、割と入力しやすいのを2つ覚えるので精一杯でした。習熟すればよいのでしょうが、そこまで頑張る気力が湧きませんでした。全種類紙にメモしたものの、成功させられるかはまた別の話で……

コンボは細かい技別ではなく、4つある技のジャンル別にして括りを広くすれば多少は気楽だったかも、と思いましたが、そうなるとゲーム自体が散漫になってしまうだろうし、素人考えですね。何より、本作が伝えたいブレイクダンスの魅力を損なってしまうので、自分がついていけなかったのが悪いのでしょう。


【まとめ】

新鮮なプレイ感覚を味わえました。
一切の減点はなく、全て加点評価されるのが好印象です。
精緻なアニメーションにより「なんとなく」でも様になるのがクールで魅力です。

ただ、初心者向けかというと微妙です。イメージよりも直感的には遊べず、いつどういうタイミングで技を出すか、コンボを繋げるかを考えながら踊らないといけないので、そのストレスが後半につれて大きくなってしまいました。
かといってコンボを成功させて爽快感があるかというとそうでもないので、ゲーム的なカタルシスには欠けるように思います。

HIPHOPの事前知識は不要と書きましたが、ある程度の興味がないと続かない気がします。私もやり込むレベルまでは達せず、時間を置いてなんとなくまた遊びたくなったとき、3曲ほどフラッと踊って終わる、みたいなプレイスタイルになりそうです。何しろ、肩の力を抜いて遊ぶにはぴったりなので……

ちなみに、PS4版、XBOX ONE版も準備中とのことなので、興味のある方はそれまで待ってみてもいいのではないでしょうか。


もしこれから始める方は、以下↓の2点に注意すると少しだけ楽になるかも知れません。

A.お気に入りのキャラクターをまず一人決めて、そのキャラクターのコンボを少しずつマスターしていったほうが良いです。一気に複数人に手を出すとコンボが覚えきれないです。

B.目押しのターンは肩の力を抜いて、ちょん押しでOKです。また視覚よりも聴覚を当てにしたほうが成功しやすいように感じます。






2018年6月12日火曜日

ゲームクリア感想102:ライフイズストレンジ:ビフォアザストーム(PS4版)

公式サイト

前作のブログ記事はこちら

前作の前日譚となります。
日本で出るか微妙なところでしたが、要望が集まった甲斐あってか無事発売(しかもパッケージ版まで)されましたね。それだけ前作が良いゲームで、ファンの熱量も高かったのだと思います。私もこのシリーズの濃いファンには及びませんが、2年と2ヶ月前にクリアした時のなんとも言えない感情が忘れられません。
ということで、今回も発売日に買ってきました。

【クリア時情報】
バージョン:1.00
クリア時間:約7時間
トロフィー取得率:100%(プラチナ取得)

特典ボーナスエピソードもクリア済です。


【良かった点】

◎音楽の良さをたっぷり引き出した一部イベント演出

今回もこの辺は外していません。ネタバレを避けるため簡潔に言うと、とてもエモーショナルでグッと来るものがありました。各章後半のムービーが好きです。
ただ、各所の演出は良いのですが、多くの会話シーンでは無音なことと、肝心のストーリーがちょっと弱かったように感じました(後述)。


◎世界観と利便性を併せ持ったUI・システム

小目標表示からして左手に直接書いたメモ(L2ボタン長押しで表示)という徹底ぶりです。本編において、各種テキストやセリフはほとんど主人公のクロエ視点で語られ、第3者の言葉が表示されるのは各章序盤のチュートリアルくらいです。
メニュー画面に当たる「日記」は、前作同様凝った作りになっていますが、特に見づらいなどの不便は感じませんでした。
また、この種のゲームにしては意外なことに大抵の場面で小走り、あるいはダッシュできるので、移動のストレスも無かったです。前作よりも行動範囲が狭いのでそう感じるのかも知れませんが……
 
そもそもが短い作品で、不満を覚える前にゲームが終わってしまうという側面もあるかもしれませんが、インターフェイス・操作周りは良好でした。
という訳で「この手の非戦闘アドベンチャーゲームって操作面がダルいんだよな。演出で歩きを強制させられたりそもそもの移動速度が遅すぎたりするし」という危惧は不要です。ただダッシュするとオブジェクトを見逃しやすいかも?


◎非常にプラチナトロフィーが取得しやすい

これも前作同様です。観察力が高い人なら、初周で取得できてしまうかもしれません。
私は前作と違い、ノーヒントでの回収は諦めてしまいましたが、オブジェクトと選択肢の出現を見逃さなければノーヒントでも余裕だと思います。
イベントを進める前に虱潰しに探索するのは基本で、一度調べた場所をもう一度調べたり、イベントが終わって操作可能になったらそのまま先に進まずに振り返ってみるなど注意深く行動すれば気が付きやすいです。
同じオブジェクトでも「落書きする」コマンドがさりげなく増えていたりするので、それが意外と見逃しやすいです。その他はゲームを進めていれば集まります。


◎(日本語版のみ)高品質で敬意を感じるローカライズ

もはやキャラクターやテキストを一から再構築したレベルで高品質です。
日記などのテキストはもちろん、吹き替え声優の演技が素晴らしく、本作のストーリーのレベルを演技だけで数段押し上げていると感じました。演技のことは何一つ解らないですが、日本語吹き替えは他の人が思い浮かばないです。


◎親切なクリア後の仕様

引き続き、メインメニューから、映画のチャプター選択と同じ要領で各エピソード、各チャプターからやり直せます。また、チャプターからやり直した場合、初周の選択が上書きされることはなく、あくまでパラレルとして進むので話が崩れる心配もありません。

チャプターごとに達成できる「落書き」(前作の写真に当たるトロフィー取得条件)の数も右上に明記されているので手際よく取得できます。


【気になった点】

△前作ほど魅力のないキャラクターと単調なストーリー

単調直入に言うと今作のヒロインに全く魅力を感じず、しかしストーリーはヒロイン側に寄って進んでいくので、まずその意味でフラストレーションが溜まりました。

この人物が前作のクロエ以上に身勝手かつ短気で(その理由はゲーム内で説明されますが、それで済むなら何でも済むだろ! みたいな理由です)、もう行動を共にしたくないし、この人のために犯罪したくないなと思いながら進めていました。
好感を抱けないキャラクターとツボが解らない会話(文化の違いもありますが)をして、好感を抱けないキャラクターのために敵対したくない相手と敵対して……そういう愚かさや虚しさを表現しているのは解りますが……

他のキャラクターも、前作から続投のキャラクター以外はさほど好感を抱けないままで終わりました。

そもそもストーリー自体が単調に感じました。ゲームの前日譚というよりもキャラクターの前日譚という趣が強く、行動範囲が前作ほど広くないのが原因かも知れません。ほとんどの会話にBGMがなくて長い会話に眠くなる(特にTRPGは長すぎ)、ロケーションの半分くらいが既出などの原因も手伝って余計に単調さが強調されます。
前作のゲーム性を失った割に、それを補えるほどのキャラクターやストーリーではないと感じました。
良いシーンもちゃんとあるし、こういうヒロインが好きな人もいると思うのですが、私は無理でした。

特典ボーナスエピソードはラストシーンだけ良かったです。


△新システムがあまり機能していない

前作の時間巻き戻し能力の代わりに「バックトーク」と呼ばれる時間制限ありの選択肢システムがあります。
主人公クロエが口論を仕掛けるもので、相手の言葉尻をうまく捉えてやり込め、巧みに事を運ぶ……という感じのシステムなのですが、システムとして機能していないのでは? と疑問です。

クロエ自身もともと口が悪いので、平素の選択肢と違いがよくわからない上に、相手の直前の発言から単語を拾って言い返す、というルールがピンとこないです。いずれのバックトークもなんとなく選んでいるだけであっさり勝ててしまい、このシステムには釈然としないままでした。


【まとめ】

前作の大型DLCのような内容でした。
あくまでスピンオフ作品なので過度な期待はしていませんでしたが、一部キャラクターやストーリーが自分に合わず、ちょっと今一つでした。
一方で、ストーリー以外は前作の良いところをそのまま継承しているのは好感触でした。
前日譚の本作から手を出すのもアリだと思います。ゲームとしては前作のほうが圧倒的に完成度が高いのでおすすめです。

興味のある方は下記の点にご注意ください。

・前作と異なって犯罪行為に手を染めるシーンが多いので人によっては抵抗が生じること
・パッケージ版の場合、特典ボーナスエピソードは引き換えコード式なのでオンライン必須なこと

今となっては楽にプラチナトロフィーを取れた上、もう一度ライフイズストレンジの世界に戻れたので、なんとか満足といった感じです。



2018年6月9日土曜日

ゲームクリア感想101: Detroit: Become Human

公式サイトはこちら

(同制作会社の)前作のブログ記事はこちら


いきなり大文字で失礼します。

Quantic Dream超見直した。

同開発会社のヘビーレインもビヨンドも楽しんでクリアしましたが、ゲームとしてみると二作とも物足りないものがあり、本作もその系譜に連なる新作として、さほど期待せず購入しました。今年はまだあまり新作ゲームを遊べていないので、それを埋めるための繋ぎといったノリでした。
ただ、好みの設定だったので、前情報での期待度は本作が一番大きかったです。

そしてクリアした今、自分の中では驚くべきことに、2018年度上半期新作においてのトップに躍り出ています。まさかここまで進化したとは思わず、制作陣を侮っていたことを今は申し訳なく思います。これは本当に遊んで良かったと思えるゲームです。

【クリア時情報】
バージョン:1.02
クリア時間:約10時間
難易度:EXPERIENCED(ノーマルに該当)
トロフィー取得率:50%

エンディングに関しては、主人公3人中マーカスとコナーが良い感じに終わり、カーラが悔いの残る展開で終わりました。
今は二周目を始めるか迷っています。


【良かった点】

◎「フローチャート」の導入

導入して大正解です。よくあるシステムですが、これがあるだけでゲームとしての強度が高まったと思います。

また、今作から一気に分岐の数が増えたので、それを可視化して管理できるというだけで快適です。あと、ビヨンドのように、各選択ごとに世界中のプレイヤーの選択率が見られるのも面白いです。全世界1桁のレア選択肢に辿り着けた時は嬉しくなってしまいます。そういう選択は大抵辛い展開なので喜んでばかりもいられませんが…

更に、チェックポイントからロードできる、進行状況をセーブして再開するかしないで再開するかを選べる(後者を選ぶとトロフィー取得やフローチャート更新が出来なくなるので注意)という、前作からは考えられない親切設計です。

おそらく、全ルートが見えてしまうと一周目からコンプリートを目指すプレイヤーが現れて、本来の推奨プレイスタイルであるノンストップ進行プレイの醍醐味が損なわれてしまう、という判断でこれまでの二作では無かったと思うのですが、今作は細かく分岐するストーリーの作り込みだけでプレイヤーを引き込んでくるので、よほどルートコンプの強い意志および気力がない限りはそんな心配も杞憂に終わります。
実際、私はストーリーに引き込まれすぎて、終盤少し前まで「スタート画面に戻る」という発想が生まれませんでした。


◎プレイ中ほぼローディングなし

読み込み時間があるのはゲーム起動とストーリー再開のタイミングくらいで、ゲーム本編中は一切なしです。次のチャプターへ移るときでさえ、即ムービーが再生されてゲームが始まります。
この仕様が没入感を高めるのに一役買っており、ストーリーメインのゲームでは非常に有効だと感じました。

不具合も強制終了が一回あったくらいで、動作面もほぼ問題なしです。


◎ストーリー

ヘビーレインのような鼻につく露悪も、ビヨンドのようなピンとこない独りよがりも影を潜め、近未来におけるアンドロイドと人間の物語、という古典的なまでの設定に真摯に向き合ったストーリーで、プレイ中は主人公たちに感情移入して没頭していました。

過去作に比べて万人向けになったように思えて、痛々しい展開や悩む選択は健在です。それどころか数が増えて「人生は選択の連続である」という名言を完全にゲームに落とし込んでいます。
一周目では多くのプレイヤーが、チャプタークリア後に表示されるフローチャートの広さに唖然、あるいは愕然とすると思われます。それくらいのボリュームがあります。

一部の展開がやや強引だったり、感情がある=素晴らしいという人間サイドの価値観からは脱却しきれていないと感じることもありましたが、そんな私の好みを置いても夢中になれる内容でした。カーラのエンディングでは案の定泣いてしまいました。
ボリューム面でも過去最高の量ではないでしょうか? イメージしていたよりも話が長くて驚くするプレイヤーが大半だと思います。
 

◎スタート画面のとある演出

今から始める予定の方は「こまめにスタート画面に戻るとちょっとした展開がある」ということを頭の隅に置いて頂ければと思います。
 ゲームを起動すると、とあるアンドロイドがこちらを見て挨拶し、その後も放置していると語りかけてくるという演出がなされています。ゲームの展開に従ってコメントしてくれたり、アンケート(選択回答式で、満足度アンケートのような内容ではなくゲームの世界観に従った内容)の回答を促してきたり、関係ない話を始めたりと色々な展開があります。

 この演出は画面の向こうからこちらの部屋を見ているという設定らしく、部屋のインテリアについていきなり褒められた時にはギョッとしました。
 本編ではストーリーの選択で問いかけられ、スタート画面では双方向性の演出で問いかけられることになり、生身の人間とコミュニケーションしているときの緊張感に似た感覚を味わえます。
 VR対応しなくとも双方向性は演出できる、ということを示せただけでも大きい功績ではと思います。
 

◎(日本語版のみ)高品質なローカライズ

特に日本語吹替え声優陣が素晴らしいです。メインキャラクターからモブに至るまで全員ピッタリで、丁寧さが伝わってきます。
 ここまでローカライズに注力した海外ゲームもそうそう出てこないでしょう。

ゲーム内で読める雑誌やモブの会話、TVのニュース番組までちゃんと訳されており、オプションで字幕ONにすれば字幕も付きます。


○洗練されたQTE

ビヨンドまでのような判りにくい操作がなくなり、直感的になりました。
QTEが好きか嫌いかと問われれば「作品によるがどちらかといえば嫌い」なのですが、
今作のQTEはかなり遊びやすくなっていて、悪印象は一切ありませんでした。

批判に晒され続けてゲーム業界では下火になった感のあるQTEですが、作り続けていれば何事も洗練されていくのだと思い、QTE自体への印象も改まりました。


○細かいモーション

「床に置かれた冊子を跨ぐ」というモーションが実装されているゲームを初めて体験しました。確かに他のゲームでガンガン踏みつけるのは気になっていましたが、まさかここまで作り込むとは……


○高精細極まるグラフィック 

2018年もまだ半分手前ですが、今年最高峰では? というレベルです。


【気になった点】

△相変わらずスキップ・早送り不可

この開発陣はそもそも周回を想定していない、あるいは優先事項ではないのでしょう。
スキップとは言わないまでも、そろそろムービーや会話の早送りくらいはしたいです。強制終了や中断などで同じシーンをやり直すときにやっぱりそう感じてしまいました。


△一部操作性

狭い場所で左スティックを回して方向転換しようとすると、その場でグルグル回ってしまうことが割と発生しました。

また、この際二周目限定、屋外限定でもいいので任意ダッシュが欲しいと思うときもありました。ゲームの演出に影響するので難しいのは理解しているのですが、リアルでももうちょっとキビキビ歩けるだろうと感じてしまいます。
リアリティを出すためだとしても、ピンチの局面で時間制限のある展開になっても小走りにすらならない主人公たちは逆に不自然でした。


【まとめ】

Quantic Dreamの最高傑作
PS4で高品質なゲーム体験をしたいなら、Detroit: Become Humanを購入リストに書き留めておくべきでしょう。購入前予想の3倍は良作で、これまでのマイナス点にも極力改善が施されており、ここまで進化するのかと本当に驚きました。

「毎日疲れてガッツリしたゲームは出来ないけどPS4でゲームはしたい」という方にぴったりです。
何しろ「ゲームオーバーが存在しない」に留まらず「ゲームの腕が不足してクリアできない」ということもまず発生しません。
難しい操作や謎解きもなく、QTEが難しければ難易度を下げられます。そして、日々に追われる大人にも耐えうるストーリー展開で、しかもボリュームは長すぎず短すぎず、それでいてクリアの満足感があります。

ヘビーレインやビヨンドの系譜ではあるものの、ゲーム性でもストーリーでも先祖たちを大きく上回っています。この2つが合わなかった方でも、三度目の正直のつもりで始めるといつの間にか夢中になれると思います。会社設立以来最大の成功を収めたのも頷ける出来です。

今回はベタ褒めですが、ゲームとしては物足りなさが残るのも確かなので、次回作はその辺りをカバーしてくれれば良いと思います。もっとも、カバーされてなくても購入します。

二周目は始めるかどうか迷い続けています。もはやプラチナトロフィー取得は念頭になく、選択の果てに辿り着いた結末が台無しになってしまうような気がして……無さそうですが、DLCが配信されてからでも遅くないかなと考え始めています。

とにかく、本当に遊んで良かったと思えるゲームでした。




 




Quantic Dream