2017年6月23日金曜日

ゲームクリア感想87:アンティルドーン〜惨劇の山荘〜


今年の3月頃のPS Storeのセールで買いました。100円で。
発売当時は評判の悪さでスルーしていたのですが、この値段ならということで。

機種:Playstation 4
クリア時間:約10時間
トロフィー取得率:70%


【良かった点】

◯ローディング待ち時間がない

 イベントやムービーが多く、移動速度も遅いのでローディング時間を十分に確保できたのだと思いますが、ただでさえ操作時間が少ないゲームなので、可能な限り非操作時間を減らそうとした工夫が窺えました。

◯臨場感ある雪山の描写

 ゲームにおいて雪山というと処理オチ常連のイメージがありました。
しかし本作では処理オチもなく、なかなか高精細なグラフィックで再現された雪山を歩けるので臨場感がありました。
 個人的には、明け方のほのかに不穏さを残した雰囲気が好きです。夜中のロッジの窓から差し込む月光も捨てがたい。

◯出演俳優と日本語吹替の良さ

 正直なところ、話自体は序盤で読めてしまいました。
かといって先が気にならなくなった訳でもなくエンディングまで楽しめましたが、この悪くもなければ特別良いという気もしないストーリーを盛り上げたのは、俳優と日本語吹替声優陣の名演、それに翻訳スタッフの腕によるところがかなり大きいと思います。

 日本語吹替は本当にピッタリで、ローカライズの質は高いです。主要登場人物の8人がまた自分勝手な若者集団で、自分たちが招いた事態に何の反省もなく、ただ悪態をついて廻るだけというホラーにありがちな輩(マシなのが数人いるだけ)なんですが、演技の巧みさもあって、本当に隣で喚かれているようなイライラすら感じました。



【気になった点】

×嫌がらせに近い周回プレイのしずらさ

 ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(溜息)

 本作のレビューで散々指摘される不満点と言えば、国内版の暗転規制(後述)ですが、暗転の何倍もこっちの方に呆れ果てました。
 問題点としては、

・ダッシュできない。
早歩きは出来るが歩きとさほど変わらない速度で、周回プレイの際は最後までこれがストレスになる(仲間が命の危険に晒されているときですら走れない)。

・マニュアルセーブが無い。
オートセーブ一つだけ。意地悪をするな。

・一周目クリア後エピソード選択で遊べるが、進行状況(選択の結果やキャラの生死など)は一周目のそれで固定
 そこから変化させたい場合、変えたい選択肢があるエピソードから最終エピソードまで、一回たりともエピソード選択を選ばずにエンディングまでぶっ通しでコンティニューしないといけない(途中、QTEのミスなどでやり直した場合、それまで進めていた進行状況ではなく一周目の進行状況で再開されるため、それまでの進行は消失するという悲しい事態になる)

・あらゆるイベント・ムービーがスキップ不可。QTEがある訳でもない見るだけのイベントですらスキップ不可。
 スタッフロールの途中で、思い出したように「◯スキップ」の表示が出て来た時には溜息が出た。

・この仕様のせいでトロフィー取得がかなりかったるい

 「バタフライエフェクトシステム」を謳っているのだから、さぞ周回プレイで色々な選択を試してみてね、というゲーム内容かと思ったらこの有様で、本当に「操作できる映像作品」と揶揄されても反論できないような出来です。実際そのつもりで作ったのかも知れませんが、映画を繰り返し見るのと同じようにゲームも繰り返し遊ぶ訳で、そのことを制作陣は少しでも考えたのか疑問です。

×劣悪な操作性

 上記のダッシュできない点に加え、個人的に勘弁してほしかった要素が一点あります。
本作は固定カメラで、いわゆる「ラジコン操作」を採用しています。ホラー演出の上では確かに固定カメラは効果的でしたが、この操作が苦手な私は、恐怖心より操作面のストレスが勝りました。しつこくて恐縮ですがダッシュ出来ないので、ちょっとした方向転換にもモタモタ……
 この操作に何の思い入れもなく、旧時代の不親切で非直感的な操作という感想しか持っていないので、これも悪印象でした。

×ご存知暗転規制(日本語版のみ)

 もはやこのゲームの代名詞となってしまった、日本語版の暗転規制。
しかし、ホラーは好きなもののグロテスク表現はさほど興味がない身としては、ゲームのこうしたグロテスク表現規制に怒るゲーマーといつも温度差を感じていました。
 初期は規制で血が緑色だったダイイングライトですら全く気にならず(そういう設定かと思っていた)楽しんでいた呑気な人間なので……

 しかし、今回やっと理解できた気がします。
プレイする前は「暗転規制と言っても、グロいのが数カット暗くなるだけだろうし気にすることもないな」と考えていたのですが、これが想像以上の雑さでした。
 規制対象のシーンはごっそり暗転し、セリフだけが垂れ流しになる状態で実質ラジオドラマでした。何よりも敵の怖さがほとんど伝わらないので、緊張感がごっそり削がれてしまっているのが痛いです。
 他のゲームのように差し替える余裕がなかったのでしょうが、ホラー要素の有るゲームでこの雑な規制は流石に擁護しようもないですね。

△脅かし方がワンパターン

 最初こそ驚かされましたが、ババーン!キャーが真顔で何十回も繰り返されるので、段々制作陣の正気を疑い始めました。
黒幕の陳腐を皮肉った演出とも捉えられるのですが、黒幕が関係ない所の演出もこの調子なので、単にワンパターンなのでしょう。
 本作に限らず、この手のびっくり系は二周目以降の寒々しさが辛くなるのも弱点ですね。


【まとめ】

 久々にマイナス面が目立つ記事を書いた気がします。4年半ぶりくらいでしょうか?
目新しい要素もなく、ストーリーやキャラクターが突出して魅力的でもなく、ゲーム性は希薄。ホラーとしても微妙だし規制で更に微妙に。グラフィックとローディング、演技の3つくらいしか良い所が思い浮かびませんでした。

 あとは、初回プレイを親しい人とワイワイしながら遊ぶと楽しめるのではないかと想像します。電子お化け屋敷みたいな内容だし、規制のお陰でグロテスクなのが苦手な友人とも遊べそうです。
 
 あと「映画の代替品」という誹りを免れない内容なのもちょっとなぁと思いました。
特典のメイキング映像などを観ていると、映画業界人を雇い、並みに手間と金がかかっていそうなのですが、それなら映画でまとめたら? に対する反論を思いつきません。
 違いは操作できるというインタラクティブ性にあるとはいえ、その操作が楽しくないし、さして操作時間が多いわけでもないので……

 制作陣はどうもゲームファンの忍耐力を見誤ったような印象です。
「操作できない」「見たくないシーンを飛ばせない」といったのを何よりも嫌う部族なので、映画ファンの忍耐力を前提に「この程度の妥協なら許容範囲内だろ」として世に出したらレビューが振るわずという結果になったのではないかと妄想しています。
 私としては、100円足らずで購入できたというのを差し引いても、ストレスの多いゲーム体験となってしまいました。ダッシュとマニュアルセーブの2つさえあれば良作になり得たのが惜しいです。






2017年6月18日日曜日

ゲームクリア感想86:PREY(PS4版)


 暗い書き出しで申し訳ありません。
開発はArkene Studiosということで、少々の不安を抱きながら購入しました。

 と言うのも、私は同開発元の代表作、ディスオナードが見事に合わなくて、今作の世界観やゲーム性に魅力を感じながらも、店頭でもちょっと悩んでからレジに持っていきました。

 そして、最終的にはお気に入りの一作となりました。
私がディスオナードに感じていた「自由度が高すぎる故の単調さ」みたいなものは無く、一周目はダレること無くエンディングまで到達できました。そして、トロフィーと別エンディングのため、すぐに二周目を開始し、思った以上に楽しめたゲームとなりました。
勿論不満な点もありますが……(後述)

機種:Playstation 4
クリア時間:(一周目)40時間21分 (2周目)21時間29分
※ゲーム内「キャンペーン合計時間」では(一周目)14時間8分 (二周目)4時間22分。
因みに一周目は人間の能力中心に習得、二周目はティフォンの能力のみ習得しました。

難易度:(一周目)ノーマル (二周目)イージー
トロフィー取得率:68%


【良かった点】

◎収集すればするほど有利になるゲーム性

 探索厨としては非常に嬉しい仕様でした。
紙くずからハンドガンまで、ゲーム内で拾える(イベントアイテム除く)ほぼ全てのアイテムが漏れなく素材にリサイクル可能なので、無駄なアイテムというのが存在しません。
Fallout4に一番近いですが、あれをもっと簡潔に解りやすくした感じです。

 リサイクルは特定の場所にある「リサイクラー」でリサイクル可能。
そうして得た素材は「分子成形機」という機械で、設計図を入手済みの各種アイテムに換えられます。
この2つは大抵近い場所に位置しているので「リサイクラー」で不用品を素材にして「分子成形機」でアイテムに換える、というのがアイテム入手の基本となります。

 これをこまめに行うだけで、ゲームがグッと有利になります。
と言うのも、なんとゲーム内で「ニューロモッドの設計図」が手に入るからです。
この「ニューロモッド」はスキルを習得するために必要なアイテムで、素材さえ足りていれば、なんとこれを中盤あたりから大量生産できてしまいます!!!!!

 私は、難易度ノーマルの初回プレイこそ回復アイテムや弾薬を優先して作成していたため、さほど生産しませんでしたが、2周目では難易度をイージーに下げたこと、ニューロモッドの入手場所をある程度把握していることなどが功を奏し、バンバン作って一気にスキルを覚えて強化しました。
 難易度低下が危惧されるところですが、本作自体なかなか手応えのある難易度なので、私の腕では大量生産してちょうど良いくらいでした。
 なので、こだわりが無ければ遠慮なく大量生産した方がストレス無く楽しめると思います。

 また、アイテム生産だけでなく、メモや音声ログから部屋や金庫のパスワードの情報が得られたりするので、探索に飽きるということもありませんでした。

 探索すればするだけ強くなれる、この手の3Dアドベンチャーゲームとしては大正解な仕様ですが、他社のゲームも是非参考にして欲しいと思いました。まずは同じ発売元のベセスダのゲームから……

 いやぁこれは本当に良かった。こういうタイプのゲームが好きな層の探索偏重なプレイ傾向をよく理解していらっしゃる。


◎インベントリ管理の快適さ

 上の項目に合わせて絶賛したいのがこれです。
インベントリやアイテム周辺はどのゲームでも軽視されがちに感じるのですが、本作はノーストレスでした。

・ボタン長押しで(近くに転がった)他のアイテムをまとめて拾える!
・自動ソートがサイズ・名前・タイプの3種類で出来て便利!
・リサイクラーに投入する際、素材アイテムをボタン長押しでまとめて投入できる!
またリサイクラー画面でもソート可能なので、インベントリ画面を小刻みに呼び出してソートし直す必要なし!
・メニュー画面を開いても再生途中の音声ログが途切れない! ログを聴きながらマップを見たりインベントリ整理が出来て効率的!

 など、素晴らしく快適です。探索を売りにしている割にインベントリ管理が貧弱なゲームとは一線を画しています。


◎セーブ及び死亡後リトライの快適さ

まずオートセーブがかなり細かいので、何時間分も巻き戻されることはないです。ついでに手動セーブも「クィックセーブ」というのが別に用意されているので、手早く済みます。
 それに加え、敵にやられてもリトライのローディングが短めなので、イライラはかなり軽減されました。一方でエリア切り替えのローディングは長いのですが……


◎回復システム

各種回復アイテムはインベントリ画面を呼び出さずとも、△押しのメニューからボタン一つで使えます。メニューを開いている間は時間が止まるので安心。

 また、飲食物(少量回復)も同じ仕様ですが、何十種類もある飲食物は一元管理されるので、少量回復のためにわざわざ種類を選んで使わずとも、使用ボタンを連打するだけでサクサク飲み食いしてくれます。


◎死体運びのしやすさ

死体運びが実装されているゲームは、必ずと言っていいほど理不尽に操作が途切れて死体を捨ててしまう現象が多発するのに、どのゲームもなかなか改善されないのが長年不満でした。死体に触れたくないというのが当然の心理ですが、ちょっとの段差ですぐ手を離してしまうのはやはりストレスでした。
 
 その不満は今作で解消されました。ちょっと荒れた道を通っても死体を捨ててしまうことなく、しっかりと掴んでくれて非常に頼もしいです。
 文章にしてしまうとそれだけ? という感じですが、それだけでも感動しました。
ここを改善しているゲームは初めてだったので……


◯簡易なボタン配置

他のFPSでも体験したようなオーソドックスな配置で、この手のゲームが好きな人もあんまり遊ばない人も、操作自体には早めに慣れると思います。奇を衒った操作はないので、かなり時間を空けて再開しても勘を取り戻すのが早そう。


◯ゲーム性と組み合わさったストーリー

周回すると味の出る秀逸なオープニングから始まり、各端末で読めるメールやデスクの上のメモ、死体の傍に落ちている音声ログなどから情報収集して、それらをつなぎ合わせて想像するタイプの「いかにも」なゲームですが、終盤まで自分を含め誰が正しいのか解らない語り方で、常に自分の意思を試されるような話でした。
 自由度の高いゲーム性としっかり組み合わさっていて、違和感もありません。

 世界観も良かったです。個人的には乗員区画が探索しがいがあって好きです。


【気になった点】

×エリア切り替えローディングの長さ

 やはりこれでしょう。行ける所が限られている序盤はさほど気になりませんが、サブクエストと行ける場所が増えた中盤からこれに悩まされ始めます。時間にすると一分弱?
 宇宙ステーションという閉鎖空間が舞台で、一エリア自体の広さはさほどでも無いのですが、作り込みがかなり細かいので、その分時間がかかるのでしょうか。

 そして、クエストのToDo達成順によっては、さっき行ったばかりの所にまた舞い戻ることになって、そうなるとその移動時間はほぼローディングで占められてしまいます。仕方ないので、私は目の休憩、トイレ、水分補給、スマホアプリのスタミナ消化などに充てていましたが、出来ればゲームに集中して遊びたかったですね。
 探索厨歓喜の内容ですが、下地になるマップの読み込みまでは如何ともしがたかったとして納得しています。


×二周目引き継ぎなし

 同難易度限定でもいいので欲しかったです。
というのも、サブクエスト含めると意外と長丁場なので、全部一から集め直しというのはやっぱり抵抗がありました。
 海外のゲームは完全コンプ最強データ! みたいなものに日本ほどこだわらないですね(ゲームによる)。


△無重力空間の操作性

極力リアルに再現したらこうなるのは仕方ないのでしょう。
酸素ボンベが途切れないだけマシです。ただ、この操作パートで詰むプレイヤー(特にFPSに不慣れな人)は確実に存在すると思うと、もうちょっと浮遊感抑えめでも良かったかなと……敵は通常重力とほぼ変わりない動きで攻撃してくるので、その意味でも厄介なパートになってしまっています。

 そう言えば、何気に宇宙遊泳が出来るゲームは珍しいですね。
ステーション周辺に限られますが、アイテムや死体などもしっかり配置されていて、ちゃんと探索がいのあるマップになっています。私は熱心にやりませんでしたが……


△(日本語版のみ)一部日本語吹き替えが今ひとつ

一周目は女主人公で進めたので気付きませんでしたが、二周目を男主人公で始めた時は悪い意味で驚いてしましました。
 男主人公の方は声質は格好いいものの、ちょっと棒読みが過ぎると思います。
吹き替えがあるだけありがたいという気持ちを上回るレベルの棒読みで、もう少し適任がいらしたのでは?
 脇役の吹き替えも上手い人と拙い人がはっきり分かれていて、贅沢は言えないけどモヤモヤが残りました。


△動作面の不安定さ(PS4・ディスク版)

 二周する間に4回強制終了しました。エリアローディングの際にフリーズというあるあるパターンが多かったです。また、何気なく本体を触ってみたら滅茶苦茶発熱していたので、動作面で配慮が必要かもしれません。特にこの季節(6月後半)は……



【まとめ】

アイテムは全て懐に入れないと気が済まない探索家向け。思った以上の良作でした。
この手のジャンルに付きものな不満も可能な限り改善されており、ゲームのイメージに反して遊びやすくなっています。難易度こそ高めですが、トロフィーなどのデメリットは皆無なので、堂々とイージーで進めるのがオススメです。
 ボリュームが多かったり、ヒントが少な目だったりするのもあって、予想より長く楽しめること請け合い。
 ほぼ全ての戦闘は避けられ、オートセーブも細かいので地形ハマりもさほど怖くなく、これといった詰みポイントは無いです。無重力空間くらいでしょうか。
(6/19追記)因みにホラー要素もありますが、擬態して脅かしてくる敵は事前に見分ける手段があり、敵のデザインも怖いというより寧ろ格好いい部類なので、個人的にはそこまで心配しなくてもいいかなと思います。あとは人気のない雰囲気に慣れさえすれば……
 
 2017年も半分終わろうとしている現時点では、TPSならホライゾンゼロドーン、FPSなら本作といった所です。両作ともこれまでから一段階進化した、ひたすら快適なゲーム性で、これに慣れたら以前のゲームが辛くなってしまいそうですね。

 実はPS Storeのセール(2017年6月18日まで。リンク先重いです)でまた3本ほどソフトを増やしてしまったので、引き続きPS4を酷使することになりそうです。