ゲームクリア感想261_アランウェイク2(PS5版)
今回は都会もあり |
【主なプレイ環境】
難易度 Normal
クリア時間 約 37 時間
【良かった点】
◎光と闇が際立つ世界観
このシリーズと言えば光と闇の表現。これに関しては公式トレーラーなどビジュアルで確認した方が早いですが、実機で遊ぶとより一層臨場感があります。フォトモードが未実装(公式サイトFAQによると後日追加)なのが惜しいほど。
こんなに美しいのに敵が出るエリアど真ん中 |
光源にあるコーヒーボトルがセーブポイント。熱々でおいしそう |
このシリーズの基本を物語る一枚。光が見えたときの安心感たるや |
夜のダイナー。外に出るとわずかな街灯と闇 |
◎時限要素がほとんどない
実質探索専用エリアの貸別荘地、あってはいけないはずの人気があって好き |
◎センス炸裂の実写採用演出
ゲーム内で短編映画を丸ごと観たのは、恐らくこのゲームが初です。なんか映像が流れてると思って観続けたら全然終わらず、しばらく観て劇中劇の映画になっていると気が付きました。
画面を占領しないスマートなUI(たまにスマートすぎて見逃す) |
◎ホラーとアドベンチャーの良いところどり進化
良くも悪くも独自路線だった前作からかなり雰囲気を変え、シリアス寄りのサバイバルホラーにジャンルを移した印象です。前作のバリーのような明るいキャラクターの登場は控えめで、複数人行動が減りほとんど単独行動になったので孤独感が強いです。
サーガ編にあるこの推理システム、序盤は地味で退屈で、このシリーズに無個性な推理要素は期待していないのだが…というスタンスだったのですが、なにかと込みいったストーリーの情報整理にはぴったりで、かつ収集要素も兼ねているため気がついたら項目を埋めるのにハマっていました。
そもそも前作の記憶があやふやなので、プレイヤー目線で情報を整理してくれる新キャラクターと新要素があって入り込みやすかったです。
◎日本語吹替対応
13年前の前作がチャンスに恵まれていただけで、仮に続編が出ても厳しいと思っていたのでサプライズでした。前作の吹替は文句のつけようがないほど良かったので、続投キャラクターのキャスト変更も(知る限りでは)なしで安心しました。
◯音楽の良さ
【気になった点】
△音声周りの不具合
日本語吹き替えは嬉しいのですが、やっぱりリソース不足なのか目が行き届かなかったのか綻びが目立ちました。
散々言われている、突如として英語音声に切り替わったり日本語音声に戻ったりする不具合もそうですし、日本語音声でも会話の途中で話が途切れたり、おそらく音声が前後したりする状態が何度かありました。傾向として、移動しながら発生する会話(最近これを指す専門用語を知ったのにど忘れしました)で多発する印象です。
そもそも、元からして音声周りが不安定な気もします。基本的にキャラクターに近づけば住民などのランダム会話が聞けるのですが、会話が終わる前に同じ会話が頭から始まって輪唱状態になったりするし。
もっとも発売直後のダイイングライト2ほどではなく、ゲームプレイに大きな支障はないです。サブ要素の謎解きもテキストや環境ベースなので、音声聞き逃しによる不都合はなかったです。ブツ切れ会話や急な英語化で雰囲気が壊れ、損した気分になるだけ(悲しい)。
△敵リスポーン間隔の短さ
期待していた探索がそこまで楽しくないな〜と感じており、その一要因にこれがあると見ています。敵を全滅させていざ探索しようとちょっとエリアを離れたらすぐに湧いて出てくるので、案外じっくり探索できません。
しかも隠し物資やそのヒントがあるエリアに限って出やすいので、ひとつの物資を開けるために2,3回戦闘したことも。
自分がControlを投げ出した理由のひとつもこの異様なリスポーン間隔の短さなので、Remedyとしてはこれがデフォルトの間隔なのかも知れません。
そうは言っても比較的銃弾が貴重なこのゲームでそうそう何度も戦ってられないので、エリアから離れて考えられそうなヒントならメモして安全地帯で考えてから回収だけ速攻で行うようにしました。蛍光塗料でヒントが示されているなどエリア依存かつライト点灯が必要なパターンが厄介で、ライトを点けるから無限湧きする敵からもすぐに察しされ……あぁ……
△一部誘導・説明不足
野暮な説明などしないスマートでハイセンスな世界観が魅力とはいえ、それ故にちょっと分かりにくさがあったかなと思います。
まずサーガ編はステージの多くが森や山道なのでかなり迷いました。とにかく行けるところと行けないところ、上り下りできるところとできないところがリアルに分かりづらく、誘導となる光源も空模様や角度によっては見逃すし、設定的に人の出入りがあってもおかしくないのに道には草が繁茂して大自然と区別がつきにくいし……またゲーム進行に伴って空も暗くなっていくので、コレクタブル系全回収狙いなら特定のチャーム(重要地点やアイテムに近づくと地図にマッピングしてくれる)が必須です。
とはいえそこまでマップが広くないのもあり、ホラーとしてのリアル志向ということで納得はしているのですが、問題はアラン編。リアルな世界観が土台となっているサーガ編に対し、Remedyお得意の超演出が炸裂しているパートなので、ただでさえ説明不足なギミックの理解を誤り変な方向にこじらせるとドツボにハマります。
自分が苦戦したのは「天使のランプ」です。
これは「特定の光源の光をランプに移してチャージできる」「チャージした光を特定の照明器具に移せば周囲の環境を変えられる」というアイテムで、後者の機能しか備えてないと勘違いしてしまい序盤の地下鉄駅で小一時間詰みました。
解法としては単純で、光をチャージしたら駅で1つ目の環境変化を起こし、もう1回別の場所で光をチャージしてさっきよりも先の場所で2つ目の環境変化を起こすというだけでした。
もちろん、勘違いしたのは自分なのでお恥ずかしい限りですが、言わせてもらえるなら誤認を起こしやすい条件が整ってないか? と思います。
初入手のチュートリアルがさりげないので環境変化のインパクトに負けて記憶に残らない、そもそも画面の主人公のアニメーションから「光をチャージしている」と解釈できず、単に環境変化に驚いているのだと思っていた、右下のUIにチャージアイコンらしきものが出るものの何を意味しているのかわからない、など……
確かControlのときも謎解きで似たようなドツボのハマり方をしてモチベーション激下がりになったので、自分の勘の鈍さとRemedyの謎解きとの相性が悪いのかもしれません。
それはともかく、チュートリアルを開けばどの要素も動画付きでしっかり示されているので、多少野暮ったくなってもせっかくのチュートリアルをもっと表示させたほうがいいと思いました。
△全体的な調整不足感
なんかこう……予算なり時間なりがもう少し必要だったんだろうなというのがそこかしこにうかがえなくもなく。
前作の名物だったエピソード終わりのBGMも、スクリーンセーバーみたいなモヤモヤ動画の上に歌詞が流れるだけであっさりしたものだし、再開したら前回の振り返りムービーなんかはなくそのまま続きの操作パートから始まるので驚きました。これに関しては海外ドラマ風のノリを採用しなかったのもあると思いますが……
主人公ごとで言うと、サーガ編はNPCの雑さが気になりました。自分が設定を読み違えていなければ、いくら街灯が灯っているとはいえ街中でも暗闇にいるのは危険だと思うのですが、夜間になってもNPCが平気で外に突っ立っていたり、配置ミスかと思うような町外れの車道の真ん中に突っ立っていたりで最初敵かと思いました。しかも大雨。これに限らず、真っ暗闇の屋内で普段と変わらず過ごしているNPCもおり、前作だったら状況に応じて配置していただろうなと思いました。
アラン編は全編通して調整が雑ではと思います。
敵がみんな真っ黒な人型なのもそうだし、序盤こそブツブツ呟いているだけでそこまでアクティブに仕掛けてこないのに中盤から急にアグレッシブになったり、雑に頭数が増えたり(設定上そういう仕様な可能性はあります)。
地形やオブジェクトの使い回しも、設定的に不自然ではないにせよ目立った印象です。
△そこまで驚きがないストーリー
中盤からだんだん話が見えてきて、特に驚きらしい驚きはないまま終わりました。良かったなぁと思う展開は前作と似たようなシチュエーションだったし、ラストシーンにしてもまたそういう引きか……と感じたのが正直な感想です。
何ヶ所か衝撃だったり意外なキャラクターの登場に引き込まれたものの、一事が万事思わせぶりで感情的なキャラクターたちに「あなた方のそういう思わせぶりで誤解を生むコミュニケーションがこの事態を招いた一要因では?」と感じてあまり好感も持てず。
前作でも思いましたが、悪役にピンとこないんですよね。危険なのはわかるけどそこまで大物にも思えないし、なんなら今回で格が下がったまである。個の悪役というよりももっと大きな超自然的存在が控えているのでしょうが……
【まとめ】
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