ゲームクリア感想185_ダイイングライト2 ステイ ヒューマン(PS4版)
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 4
バージョン 1.05
難易度 ノーマル
クリア時間 81:02:21
トロフィー取得率 42%
【良かった点】
◎全体的に遊びやすくなった
前作よりも難易度が低めで操作もサクサクなので、ほぼ詰まることなく進められました。
◎ナラティブ面強化
デッドアイランドからの弱点だったストーリーや演出がかなり強化されました。ようやくという気持ちです。
とはいえ、会話の展開が急でキャラクターが情緒不安定だったり、ゲーム内の能力とカットシーンの能力が一致していなかったりなど詰めの甘さもあると言えばあります。そのあたりは今作から導入された分岐要素も関わっていると思いますが、細かい点はボリュームでカバーされているということで……
とにかく誰も彼も余裕がない世界なので、親切心から選択した結果逆恨みされるなど日常茶飯事。大団円で終わるクエストは少ないです。また、誇張ではなく、キャラクターの口から(裏表ない)褒め言葉が放たれることはごくごく稀。仕事をこなしたら労いも早々に次の仕事を押し付けられるだけで、人間不信が加速します。
◎待望の日本語吹き替え
前作と異なり、デッドアイランドと同じくスパイク・チュンソフトがローカライズしているので高クオリティなのも良いです。前作もテキスト訳自体に不満はないのですが、やや耳寂しさがあったし、吹き替えがあればエモーショナルなイベントになっただろうなという場面もあったので、ようやく叶った感があります。
◎上下に拡がったダイナミックな探索
とにかくパラグライダーです。これを入手してから移動可能範囲やルートがグワッと広がり、探索が楽しくなりました。どう観察しても上がれそうにない高層ビルの屋上でも、より高いビルから思い切って滑空するとあっさり着地できたり、低いビルからでも上手く地形を使って足場まで飛んだりと、スケール感溢れる探索が新鮮でした。
そもそも序盤のオールド・ヴィレドー(低めの建物が並ぶ旧市街)をパルクールで駆け回るだけでもそこそこ楽しいのに、ビル街に行くと迫力が段違いで感動しました。よくぞここまで正当進化してくれた……
○あまりロードに悩まされない
ボリュームからして長いロード時間を覚悟していたので助かりました。
【気になった点】
×音声の不具合
本当にこれが痛い……これと自分の確認不足が合わさり、終盤裏切ったつもりがないのに裏切り者扱いになりました。
主に会話シーンの音声が再生されないと言う不具合で、発生頻度がかなり高いです。
悲しい別れのシーンも勇猛な決意のシーンも口パク状態なので台無しです。スキップボタンを押すと一瞬だけ字幕が表示されるので、それとジャーナルの説明文で把握するしかないです。
しかも回避が困難で、それまで普通に会話が再生されていたのに急に発生する始末。
公式では再起動を推奨しており、実際に再起動直後は安定します。ただ、そのまま進めると間違いなくどこかでこの不具合に遭遇します。
加えて毎回読み込みの長い再起動をするのは面倒かつ負担です。しかもオープニングムービー中に読み込みを行っているのか、起動のたびに15秒程度見ないとスキップできない仕様。
現状の回避方法としては、メインクエストなど会話を見逃したくないクエストの前では、公式に従い、一度再起動するのが一番です。
あとは、会話を始める前にその場で少し棒立ちする(読み込みを進める)と比較的発生率が下がる気がします。この不具合、単純に読み込みが追いついていないのかも知れませんが詳細は不明です。
ちなみに自分はサイドクエストで発生したら諦めてそのまま進めています。そのたびに再起動していたらキリがない頻度のため。
選択肢を導入しているストーリーで会話の強制スキップはかなり体験を損なうと思いますが、発売から一ヶ月経ちそうな今もバリバリ発生中です。
×動作の不安定さ
上の音声不具合に限らず、全体的に動作が不安定です。これは発売前の懸念が的中してしまいました。
まず強制終了がそれなりに発生しました。音声やオブジェクトが込み入った屋外エリアにダッシュで入ったり、ファストトラベル直後に急いで街に出たりすると発生しやすいです。そのため、ファストトラベル直後は目に見える限りの読み込みが終わるまで棒立ちして、外に出る時は急ぎすぎないようにしています。屋内攻略中はほぼ発生しないのが救い。
△メインメニューの重さ・既視感
このストレスが最初から最後まで地味に効きます。頻繁に開くのにもかかわらず重く、かと言って開かない訳にもいかず。
重さに加え、全体のUIレイアウトまでもが近年アサシンクリードそっくりで、別の不安がよぎります。現代オープンワールドゲームのメニューUIの最適解なんでしょうか。
■前作から雰囲気が変わった
夜が怖くなさすぎる。もはや昼。
完全に好みの問題で恐縮ですが、ゲームとしては遊びやすくなった一方で、前作にあった夜間の絶望感・孤独感がごっそり失われてしまったと感じます。暗闇の中こそこそ飛び回りながら進み、安全地帯の小さい灯りに飛び込んで、かすかに「日常」が残るそこの窓や屋上から感染者の様子を伺いながらぼんやり夜の空気を味わう、あの唯一無二の体験(大げさ)が……あゝ……
告白すると、外から人とも感染者ともつかぬ悍ましい声が響く中寝袋にくるまり朝を待つあの雰囲気に一時期多大な影響を受け、寝る前に電気を消した部屋から外を伺うダイイングライトごっこをしていたくらいあの雰囲気が好きでした。いやこうして文章にすると不審ですし今はしていませんが……
そもそものゲームコンセプトや設定が異なるので仕方ないと理解してはいる一方で、あの雰囲気が薄れてしまったのはやはり寂しいものがあります。今作はそもそも夜空が明るいので、安全地帯の安全地帯感が相対的に薄まったと申しますか、前作の真っ暗闇とかすかな光の対比が効いてないと申しますか……
ヴォラタイルも弱めだしチェイスの緊張感もさほどなく、そもそもクリーチャーのデザインが似通っているので、強めの一般感染者かと思って倒したらヴォラタイルだったというのもありがち。その他は全力ダッシュ(感染直後のやつ)・毒吐き・仲間呼び・巨体・自爆・GREアノーマリー(エリア小ボス)・ボルター(逃げるやつ)しか識別できていません。
今作はある程度文明が発展しているので、パンデミック直後の日常の空気が残る雑然さとは別の世界観を打ち出しているのでしょう。ただ、前作のスラム街タワマンに夜中帰ってきた時の、あのほんのりリアルな雰囲気がふとした瞬間に懐かしくなります。
一方で、今作の世界観はこれはこれで好きです。屋上文明には新鮮さがあったし、イギリス舞台なのでほんのりファンタジー気味なのも良いです。
前作に戻りたければ手元のソフトを起動するだけなので、あくまで好みの問題ですね。
あとこれはマイナス点ではないのですが、感染者よりも人間との争いが増えるというゾンビものの続編お馴染みの展開からはダイイングライトでも逃れられなかったという感慨があります。
【まとめ】
2月も終わりに差し掛かり、ようやく今年はじめての新作クリアとなりました。
なんだかんだ言ってハマりました。前作から正当進化して、ストーリーや難易度などもしっかりケアして、全体的に完成度の高いゲームになったと思います。それでいてボリュームも純増。
特殊能力ではなく、生身とツールで高所を攻略・探索するのがまた緊張感とワクワク感がありますね。
ストーリーの分岐も、誰にも味方したくないからこそ逆に悩ましかったです。実はあまり期待してなかったのですが、予想よりもずっと選択に悩みました。
一人称の激しいアクションに抵抗がない(酔わない)、オープンワールドゲームは移動がダルくて飽きてしまう、前作を詰んだなどの理由をお持ちの方にはおすすめです。
前作経験者にもおすすめではあるのですが、前作にホラーやその他謎の思い入れがある場合はその限りではないかも。良くも悪くも世界観が異なるのもあって、夜の怖さやパンデミックの雰囲気は薄れたため、人を選ぶポイントです。
とは言えこれはこれで興味深い世界観ですし、薄れたとは言え夕方の寂寞感、夜間の孤独感みたいな雰囲気は残っているので、警戒しすぎる必要はないと思います。動かせば楽しいので。
それより警戒すべきは不具合の多さ。
ちょうど本日のアップデートで主だった不具合はある程度直りましたが、始めるタイミングに迷っているなら、まだもう少し修正を待ってからでも遅くない気がします。恐らく、エルデンリングやホライゾンFWを一通りクリアした頃合いにはちょうど良い感じになっているのではないかと……公式としても今後5年間はサポートを続けるらしいので、いつかはマシになるでしょう(希望的観測)。
あとは注意喚起として、ストーリー展開によっては終盤でいくつかのサイドクエストがクリア不可になる可能性があります。自分も後回しにしていたものが2つクリア不可になりました(マップ上にアイコンだけ残り、報酬に×マークがついている)。
続編希望ですが、上記の通り今後5年間は更新を続けるとのことなので、仮にあったとしても相当先だろうしあまり期待はしていません。前作同様にライブサービス重視のスタンスになりそうです。
マップを見るとかなり余白があるので、DLCで新地域を追加しようと思えばいくらでも出来る感じはあります。もちろんよその新天地でもOK。いずれにせよ、前作DLCみたいにクリアしないほうがマシの結末に終わらないことを願います。
以下ネタバレ注意!
備忘録件参考として、自分の主だった状況を覚えている限りメモします。分岐とは無関係なものも混じっていたり漏れがあったりすると思います。
完全にネタバレなので、未クリアの方は閲覧にご注意ください。
(以下文字反転)
- アイトールに協力
- タンゴ・モーテルに行かない(アイトールに協力)
- ヴィンセンツォのところに行かずトンネル直行
- ホーコンを生かす
- アイトール救出
- ホアンの提案を断る
- VNCタワーの通信機をジャック・マットに任せる
- ジャック・マットにひたすら協力
- ウィリアムズを生かす
- ラワン救出に向かう
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