ゲームクリア感想174_The Suicide of Rachel Foster(Switch版)
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↑これに加え、何よりも舞台設定が好みだったので配信日に購入しました。
手をつけるのは二週間ほど遅れてしまいましたが……
そこまで探索要素が大きくなかったので、思ったより速くクリアしました。
プレイ感として一番近いのはFirewatchです。謎解きは頭を使うというよりも、地図を参照して隠し扉を見抜く探索力が重要されます。
地図に現在地が表示されない硬派な作りですが、そこまで詰まることはないはず。というかFirewatchの記事を書いたのが約3年半前!?
【主なプレイ環境】
ハード Nintendo Switch
バージョン 1.0難易度 設定なし
クリア時間 約7時間
【良かった点】
◎重苦しいストーリー
「まぁこういう感じの話になるんだろうな」と想像していたものの、予想以上に真相が重く、エンディング後は(良質なストーリーを堪能したあとに特有の)心地よい虚脱感に襲われました。役者さんの迫真の演技もあって、かなり心に来ました……
これまで主人公に一切好感を抱いていなかったものの、エンディングはのめりこんでしまいました。最後の選択は直感で選んでしまいましたが、あれは選択肢が出てから悩むのではなく、これまでの過程を踏まえてどちらを選ぶか? ということだったのでしょう。
◎ホテルの雰囲気
雪山のホテルを独り占め! という垂涎のシチュエーション。
Switchだけどグラフィックもなかなか綺麗で、かなり雰囲気が出ています。公式スクリーンショットから察せるように、某有名作品のオマージュも窺えます。
◎想像よりもホラー色強め
公式にはあまりホラー要素を推してないものの、ホテル内を移動していると出所不明の足音や声が不規則かつ頻繁に響いて、外が明るくても結構不気味です。ジャンプスケアもほぼないので、個人的には心臓に優しい部類だと感じます。そのぶんジワジワと不気味さが増してくるのですが……
そしてこの音声の処理がすごい。ヘッドフォンを装着しているのに、ヘッドフォンの外から囁き声や足音などのSEが響いて、リアルの音と区別がつかなかったです。
そうした異音に主人公はいちいち反応しないので、プレイヤーの自分だけが怖がっているという孤独な感覚がホテルに一人というシチュエーションとリンクして、没入感が高まりました。
【気になった点】
×序盤の主人公が不快すぎる
開始一時間はこれが原因でゲーム自体を止めようと思いました。
操作キャラクターがここまで不快なゲームは久しぶりで、逆に新鮮でした。
とにかく四六時中イライラしてるし、発言の8割が嫌味が逆ギレ。自分の失態は失態と思わず、ひたすら他責思考で、好感を抱くとは程遠い人物。
中盤辺りからやや態度が軟化するものの、余裕がなくなったらまたすぐに他人を罵倒しはじめるので、本当に辟易させられました。
これは翻訳の都合ではなく、原語からして不快なので完全に製作者サイドの加減ミス。
ストーリー内容を振り返ると、あえてそういう性格付けをしている可能性も高いですが、結末を迎える前に序盤で挫折するレベルの嫌な奴だったら本末転倒ではと思います。
△操作性の悪さ
視点の揺れや移動速度がリアル志向で、それはいいとしてもゲームとして操作するとストレスが勝ります。プレイ時間の多くは移動なのに、走り速度ですら遅いので、ホテル内をじっくり見回ろうという気持ちが削がれがちでした。
とは言えストーリー上でエリアの8割は回れるし、会話しながら移動することも多いので足の遅さもそこまで致命的ではないし、そもそものゲームボリューム自体も少なめなので、ゲーム進行を断念するほどではないです。個人的にはもう少しゲームゲームした操作でも良かったというだけで。
△さほど探索が楽しくない
これは残念ながら期待はずれポイントでした。
干渉できるオブジェクトがあっても、360度回転して眺められるか、未翻訳のテキストを読めるかくらいしかなくて、この手のゲームに付き物のサブテキスト類は皆無に近いです。
雪に閉ざされたホテル、という最高のシチュエーションで、ストーリーの盛り上げに一役買いそうなオブジェクトもあるのに、かなり勿体ない気がします。
【まとめ】
ホラー＆ミステリー風味ウォーキングシミュレーターで、かなりストーリー主導のゲームでした。謎解きや探索には期待しないほうが良いでしょう。その分と言ってはなんですがストーリー自体はなかなか印象深く、ホテルも(構造のリアリティはともかく)雰囲気が出ていて、冬の間はこういうところを独り占めして生活したい! と思いました。
操作する主人公自体がホテルに大した思い入れがないので、折角作った舞台が活かしきれなかった感はあります。
今から始める方は序盤の主人公にムカつくと思いますが、序盤過ぎて真相追求フェーズに入ったら多少態度が軟化しますので、それまで耐えてください。真相を知る頃にはその不快感も吹き飛ぶと思うのでご安心を……
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