ゲームクリア感想177_Road 96(Switch版)

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2021年のINDIE Live Expo Awards大賞受賞作品。

 今年8月頃、Switch版配信前の紹介記事で内容に惹かれて体験版プレイからの購入。
と言っても実際に製品版に手を付けられたのは約3ヶ月後の今になってしまいました。

 積みゲー崩しは来年初頭までまだまだ続く予定ですが、 正直なところ、自分の筆力不足でブログ記事自体がマンネリに堕していると感じており、何とかしたいなと思っています。
もうちょっと物語的な文体にしても良いのでは? と何年も前から考えています。しかしながら、やたら衒学的だったり詩的だったりする文章は「自分で読み返したときに恥ずかしい」という理由でなかなか手を出せず、結局報告書じみた文字通りのログを蓄積させてゆく一方。
 しかし、元はと言えば自分の記録を取るために始めたので、深く考えずこのままで良い気もします。
 感想記事だけではなく、なにかコンセプトに沿った記事を作成するのもアリとは思いますが、その作成時間をゲームプレイに充てたいのが率直なところで、ひとまず基本方針はログ取り、というスタイルで続けていこうかと考えています。


【主なプレイ環境】

ハード Nintendo Switch
バージョン 1.03
難易度 設定なし
クリア時間 約12時間(2周)


【良かった点】


◎旅情と一期一会のストーリー


 名なし顔なしの若者となり、未来のない国を出るため国境を超える、というのが最終目標で、それまでの道のりは自由です。ヒッチハイクでもバスでも徒歩でも、残金や体力と相談して好きな方法を選べます。自動生成の技術を用いているらしく、どの移動手段を選んでも同じイベントが被ることは滅多にないので(イベント全消化したあとの汎用イベントっぽいのは除く)、ゲーム内のヘルプメッセージで表示される通り一期一会の新鮮な道中になります。この技術、素人がどう想像しても複雑の極みで、製作は相当大変だっただろうなということだけが理解できます。


 そして素晴らしいのが良く再現された「一人旅感」です。

車内での会話が途絶え、車の走行音とカセットテープの音楽だけが響く中でぼんやり夕暮れの車窓を眺めたり、それに飽きたら休んで、目が覚めたら少し景色が変わっていたり……グラフィックは最先端といかずとも、旅の雰囲気は十分すぎるほど。リアルで旅行したくなりました。


 と言っても最終目的は国境突破なので、展開によっては緊張感ある流れになります。

お約束の警官による免許証確認もあり、カーチェイスあり、ヤバい奴に絡まれるのもあり……それも自分の選択次第である程度展開が左右されるので、没入感があります。


 エンディングがあっさり気味なのがやや盛り上がりに欠けるとは言え、何か大事を為すのが目的ではないので、過程を重視する意味でもこれで良い気がします。



◎過去の足跡が記録されるシステム


 操作キャラクターごとに出発地点はバラバラで、そこから各々が国境を目指します。

国境越えの成功失敗問わず、前回の操作キャラクターの足跡が記録されるので、旅の記録がリセットされず、蓄積の果てに結末がある……という流れが掴みやすいですし、何よりも達成感があります。



こんな感じ



 あと白眉だと思うのが、基本的にNPCキャラクターとの出会いが一期一会なので、後々の人間関係などを懸念することなく選択肢を選べる点です。選択は大きな流れに反映されはするものの、操作キャラクター個人にはそこまで影響はないので、少し心の痛む選択肢でもそこまで気に病まずに選べるのが良いです。選択がストーリーに反映されるゲームは数あれど、こういうタイプはありそうでなかったというので新しく感じました。



◎BGM


 良曲ばかりで楽しく進められました。高品質なグラフィックのかわりに雰囲気作りを支える存在だったと思います。



○QTE・ミニゲームがダルくない


 ストーリーの流れに自然と採り入れられているためか、不思議とそこまで作業感がなく、退屈さはなかったです。

 一部のミニゲームはルール説明不足なのはありますが、やたら高難易度だったり、失敗即ゲームオーバーのものはなかったです。タクシー運転手との会話に注意が必要なくらい。


 TIPS:タクシー運転手に謎のゲームを持ちかけられたらトランクに行けばOK。




【気になった点】


△日本語訳


 プレイ中に一番引っかかるのがこれ。 

翻訳の口調自体は自然なのですが、話者の性別と口調の不一致、敬語と非敬語の混在などが頻繁に発生して、キャラクターが情緒不安定になっているのは勿体ないなと思います。

誤字脱字も多少あり。ストーリーが良いぶん余計に惜しい。



△周回の味気なさ


 一周目だと回収しきれないイベントや選ばなかった選択肢といった楽しみは残っています。

ただ、やはり大半は既出のイベントをミニゲーム含めてもう一周ということになるので、ちょっと物足りないかも。自動生成なので、未発見のイベントだけ選んで体験することも難しいですし。

 エンディングのパターンからして、少なくとも2~3周は楽しみが残っているのでかなりマシな部類ですが、自分は2周で各キャラクターの全イベントを見られたので満足です。エンディングも正直そこまで激変があるわけでもないので、ワンルートくらいは見なくてもそこまで後ろ髪を引かれることはなく。



△ステータス画面のスクロールバーが使いにくい


 カーソルをわざわざスクロールバーに合わせないと動かせないので中々遣い勝手が悪いです。もっとも、入手したカセットテープの「コレクション」一覧および「設定」の項目くらいでしか使わず、実際困るのは何かしら楽曲を再生したいときくらいなので、そこまで気になるものではないです。




【まとめ】


 大賞受賞も納得の良作でした。他ではなかなか味わえない新鮮な体験で大満足です。
ゲームを始めると、不安定な日本語訳とやや心もとない3Dグラフィックに一抹の不安を覚えるかも知れませんが、初めて国境を越える頃にはそこまで気にならなくなるので大丈夫です。動作も比較的安定しており、不具合もなし。

 強いて言えば、自分の選択がもう少し大局に反映された描写があると達成感に繋がった気がしないでもない……といったところですが、主人公たちの最終目標は国の脱出にあるので、そこは主眼ではないということで納得しています。
 それよりも、一部ミニゲームの説明不足のほうがゲーム進行に影響しました。

 この自動生成システムが一作で終わるのも勿体ないので、もし続編計画があるなら応援したいです。





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