ゲームクリア感想177_Road 96(Switch版)
【主なプレイ環境】
難易度 設定なし
クリア時間 約12時間(2周)
【良かった点】
◎旅情と一期一会のストーリー
名なし顔なしの若者となり、未来のない国を出るため国境を超える、というのが最終目標で、それまでの道のりは自由です。ヒッチハイクでもバスでも徒歩でも、残金や体力と相談して好きな方法を選べます。自動生成の技術を用いているらしく、どの移動手段を選んでも同じイベントが被ることは滅多にないので(イベント全消化したあとの汎用イベントっぽいのは除く)、ゲーム内のヘルプメッセージで表示される通り一期一会の新鮮な道中になります。この技術、素人がどう想像しても複雑の極みで、製作は相当大変だっただろうなということだけが理解できます。
そして素晴らしいのが良く再現された「一人旅感」です。
車内での会話が途絶え、車の走行音とカセットテープの音楽だけが響く中でぼんやり夕暮れの車窓を眺めたり、それに飽きたら休んで、目が覚めたら少し景色が変わっていたり……グラフィックは最先端といかずとも、旅の雰囲気は十分すぎるほど。リアルで旅行したくなりました。
と言っても最終目的は国境突破なので、展開によっては緊張感ある流れになります。
お約束の警官による免許証確認もあり、カーチェイスあり、ヤバい奴に絡まれるのもあり……それも自分の選択次第である程度展開が左右されるので、没入感があります。
エンディングがあっさり気味なのがやや盛り上がりに欠けるとは言え、何か大事を為すのが目的ではないので、過程を重視する意味でもこれで良い気がします。
◎過去の足跡が記録されるシステム
操作キャラクターごとに出発地点はバラバラで、そこから各々が国境を目指します。
国境越えの成功失敗問わず、前回の操作キャラクターの足跡が記録されるので、旅の記録がリセットされず、蓄積の果てに結末がある……という流れが掴みやすいですし、何よりも達成感があります。
こんな感じ |
あと白眉だと思うのが、基本的にNPCキャラクターとの出会いが一期一会なので、後々の人間関係などを懸念することなく選択肢を選べる点です。選択は大きな流れに反映されはするものの、操作キャラクター個人にはそこまで影響はないので、少し心の痛む選択肢でもそこまで気に病まずに選べるのが良いです。選択がストーリーに反映されるゲームは数あれど、こういうタイプはありそうでなかったというので新しく感じました。
◎BGM
良曲ばかりで楽しく進められました。高品質なグラフィックのかわりに雰囲気作りを支える存在だったと思います。
○QTE・ミニゲームがダルくない
ストーリーの流れに自然と採り入れられているためか、不思議とそこまで作業感がなく、退屈さはなかったです。
一部のミニゲームはルール説明不足なのはありますが、やたら高難易度だったり、失敗即ゲームオーバーのものはなかったです。タクシー運転手との会話に注意が必要なくらい。
TIPS:タクシー運転手に謎のゲームを持ちかけられたらトランクに行けばOK。
【気になった点】
△日本語訳
プレイ中に一番引っかかるのがこれ。
翻訳の口調自体は自然なのですが、話者の性別と口調の不一致、敬語と非敬語の混在などが頻繁に発生して、キャラクターが情緒不安定になっているのは勿体ないなと思います。
誤字脱字も多少あり。ストーリーが良いぶん余計に惜しい。
△周回の味気なさ
一周目だと回収しきれないイベントや選ばなかった選択肢といった楽しみは残っています。
ただ、やはり大半は既出のイベントをミニゲーム含めてもう一周ということになるので、ちょっと物足りないかも。自動生成なので、未発見のイベントだけ選んで体験することも難しいですし。
エンディングのパターンからして、少なくとも2~3周は楽しみが残っているのでかなりマシな部類ですが、自分は2周で各キャラクターの全イベントを見られたので満足です。エンディングも正直そこまで激変があるわけでもないので、ワンルートくらいは見なくてもそこまで後ろ髪を引かれることはなく。
△ステータス画面のスクロールバーが使いにくい
カーソルをわざわざスクロールバーに合わせないと動かせないので中々遣い勝手が悪いです。もっとも、入手したカセットテープの「コレクション」一覧および「設定」の項目くらいでしか使わず、実際困るのは何かしら楽曲を再生したいときくらいなので、そこまで気になるものではないです。
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