ゲームクリア感想98:Firewatch(PS4版)
メーカー公式サイトはこちら
日本語版が配信されるというので、2月の配信日にとりあえず購入してみました。
複雑なシステムや長大なオープンワールドが連続すると疲弊するので、箸休めにこういったウォーキングシミュレーターを遊びたかったのもあります。
所謂「積みゲー」が増えると、こういうスケジュールの合間を縫って遊べる小作品がかなり重宝します。
バージョン 1.08
クリア時間 約7時間
トロフィー取得率 84%(本編は100%)
他の同ジャンル作品と差をつけているのがこの点だと思っています。
難解だったり面倒な謎解きは一切なく、フィールドも狭すぎず広すぎず、ちょうどいい塩梅に抑えられているので、よほどの飽き性でもない限り、スムーズにクリアできます。
ちょうどダレそうになる寸前の絶妙なタイミングで新展開が訪れるので、気分を切り替えて探索が続けられます。
ただフィールドとストーリーだけ用意して投げ出されるタイプの作品ではなく、この辺を意識したフレンドリーな作り込みが魅力です。
ゲームによくある「鍵の暗証番号を探せ!」みたいな要素を序盤から早々に否定してくれるので、本当に野山を歩き回って探索するだけで話が進みます。
「探索」という言葉を使いましたが、クリアするだけならローラー作戦みたいな細かい探索は一切不要で、地図や無線のガイドに従うだけで必要行動を取れます。先へ進むために必要なオブジェクトも指示されたロケーション内にしかないので、脱線せずに目標を追いかけるだけでOKです。収集要素も殆どありません。
強いていうならば、地図とコンパスを手に探索してゆくタイプのゲームなので、極度の方向音痴な方はやや厳しいかもしれません。私も序盤は迷いましたが、フィールドが想像よりも狭いことに気づいてからは楽になりました。
理不尽な経路もないので、ちょくちょく地図を開きつつ、広い道を辿っていけば大抵何とかなります。
◎移動スピードが早い
ウォークしか出来ないウォーキングシミュレーターもあるので、しっかりダッシュできるだけで感動でした。特に息切れなども起こさないので、スムーズに進めます。
◎(日本語版のみ)ローカライズが素晴らしい
不自然な翻訳文体がなく、すらすらと読めます。ちゃんとその場のノリやキャラクターに合わせた文章になっており、没入感もしっかりあります。
いかにもな洋ゲーですが、丁寧なローカライズにより英語力が必要とされる場面は一切ないので、私のように英語がろくに喋れない人間でも安心して遊べました。
◯先の気になるストーリー
中盤辺りからの不穏な展開は本当にハラハラしました。もうちょっと何とかなったかなという点こそ残るものの、全体を振り返ってみると短編小説のような静かな読後感があります。「ひとつの物語」として完結しているのでその点も好感触です。
忘れられない衝撃的展開! さあ震えるがいい! といったノリではなく、淡々と低空飛行してそっと着地するイメージです。
不穏さを増すストーリーの一方で、何も変わらない大自然との動と静との対比がリアリティを増しているように感じました。この点、単なる背景グラフィックではなく、背景でもしっかりストーリーを演出しているのが良いです。
また、ストーリーの肝になる上司との無線会話が面白くて読み応えがあり、選択肢も細かく分かれているので、大抵は自分の価値観と同期を取った返事ができます。その点で没入感も確保できていると思いました。
ダッシュすると背景の描画が間に合わないのか、カクつきが発生します。ゲームが停止したなどの不具合は一切起きませんでしたが、カクつかないに越したことはないので……
△オブジェクトの見つけにくさ
一部、背景に同化していて、見つけにくいものがありましたが、慣れれば特に問題ないです。
△乱暴なオブジェクトの扱い
一度拾ったら元の場所に戻せるオブジェクトと投げ捨てるしかないオブジェクトがあり、後者のほうが多いです。誰かの貴重品を投げ捨てるのはちょっと忍びないので、全部のオブジェクトを現状回復できると良かったです。
気にならないプレイヤーの方が大多数だと思いますが……
余談ですが、欧米圏のコンテンツで一番文化の違いを感じるのがこの「モノの扱い」で、普通に置けばいいものを(特に怒っているわけでもないのに)乱暴に投げ捨てるシーンがゲームでも映画でも必ずといっていいほどあり、そこは普通に置けばよくない? と毎回思います(勿論、これこそ乱暴な括りで、最終的には個人によります)。
ただ、この手のゲームに思うところがある人でないと、ボリュームに対して割高に感じると思います。
(ウォーキングシミュレーターの記事を作成するたびに同じ事を言っていないか?)
「号泣しました!」「もう目が離せなくて…」「Firewatch、最高〜〜〜〜〜〜!!!!(スクリーンの前で演者と観客がコール)」みたいなノリはなく、本当に淡々と進んでいくので、ちょっと体験として弱いかもしれません。
個人的には「ひと夏の切なくも思い出深い体験」という感じで好きです。
・多忙なので短時間で終わるゲームがしたい
・大作の繋ぎにちょっとしたゲームをクリアしたい
・「森林火災監視員」という主人公の設定が面白そう
・アニメっぽいノリや露悪的なコンテンツに疲れた
・楽にトロフィーを収集したい(プラチナは無いですが、本編だけならクリアするだけで100%です)
などの人にはオススメです。もっとも一人称視点に耐性があるのが大前提です。
選択肢の回収や追加トロフィーの収集などが残っていますが、私はひとまず一周クリアして満足しました。
日本語版が配信されるというので、2月の配信日にとりあえず購入してみました。
複雑なシステムや長大なオープンワールドが連続すると疲弊するので、箸休めにこういったウォーキングシミュレーターを遊びたかったのもあります。
所謂「積みゲー」が増えると、こういうスケジュールの合間を縫って遊べる小作品がかなり重宝します。
バージョン 1.08
クリア時間 約7時間
トロフィー取得率 84%(本編は100%)
【良かった点】
◎ダレることのないテンポの良さ他の同ジャンル作品と差をつけているのがこの点だと思っています。
難解だったり面倒な謎解きは一切なく、フィールドも狭すぎず広すぎず、ちょうどいい塩梅に抑えられているので、よほどの飽き性でもない限り、スムーズにクリアできます。
ちょうどダレそうになる寸前の絶妙なタイミングで新展開が訪れるので、気分を切り替えて探索が続けられます。
ただフィールドとストーリーだけ用意して投げ出されるタイプの作品ではなく、この辺を意識したフレンドリーな作り込みが魅力です。
ゲームによくある「鍵の暗証番号を探せ!」みたいな要素を序盤から早々に否定してくれるので、本当に野山を歩き回って探索するだけで話が進みます。
「探索」という言葉を使いましたが、クリアするだけならローラー作戦みたいな細かい探索は一切不要で、地図や無線のガイドに従うだけで必要行動を取れます。先へ進むために必要なオブジェクトも指示されたロケーション内にしかないので、脱線せずに目標を追いかけるだけでOKです。収集要素も殆どありません。
強いていうならば、地図とコンパスを手に探索してゆくタイプのゲームなので、極度の方向音痴な方はやや厳しいかもしれません。私も序盤は迷いましたが、フィールドが想像よりも狭いことに気づいてからは楽になりました。
理不尽な経路もないので、ちょくちょく地図を開きつつ、広い道を辿っていけば大抵何とかなります。
◎移動スピードが早い
ウォークしか出来ないウォーキングシミュレーターもあるので、しっかりダッシュできるだけで感動でした。特に息切れなども起こさないので、スムーズに進めます。
◎(日本語版のみ)ローカライズが素晴らしい
不自然な翻訳文体がなく、すらすらと読めます。ちゃんとその場のノリやキャラクターに合わせた文章になっており、没入感もしっかりあります。
いかにもな洋ゲーですが、丁寧なローカライズにより英語力が必要とされる場面は一切ないので、私のように英語がろくに喋れない人間でも安心して遊べました。
◯先の気になるストーリー
中盤辺りからの不穏な展開は本当にハラハラしました。もうちょっと何とかなったかなという点こそ残るものの、全体を振り返ってみると短編小説のような静かな読後感があります。「ひとつの物語」として完結しているのでその点も好感触です。
忘れられない衝撃的展開! さあ震えるがいい! といったノリではなく、淡々と低空飛行してそっと着地するイメージです。
不穏さを増すストーリーの一方で、何も変わらない大自然との動と静との対比がリアリティを増しているように感じました。この点、単なる背景グラフィックではなく、背景でもしっかりストーリーを演出しているのが良いです。
また、ストーリーの肝になる上司との無線会話が面白くて読み応えがあり、選択肢も細かく分かれているので、大抵は自分の価値観と同期を取った返事ができます。その点で没入感も確保できていると思いました。
【気になった点】
△移動時のカクつきダッシュすると背景の描画が間に合わないのか、カクつきが発生します。ゲームが停止したなどの不具合は一切起きませんでしたが、カクつかないに越したことはないので……
△オブジェクトの見つけにくさ
一部、背景に同化していて、見つけにくいものがありましたが、慣れれば特に問題ないです。
△乱暴なオブジェクトの扱い
一度拾ったら元の場所に戻せるオブジェクトと投げ捨てるしかないオブジェクトがあり、後者のほうが多いです。誰かの貴重品を投げ捨てるのはちょっと忍びないので、全部のオブジェクトを現状回復できると良かったです。
気にならないプレイヤーの方が大多数だと思いますが……
余談ですが、欧米圏のコンテンツで一番文化の違いを感じるのがこの「モノの扱い」で、普通に置けばいいものを(特に怒っているわけでもないのに)乱暴に投げ捨てるシーンがゲームでも映画でも必ずといっていいほどあり、そこは普通に置けばよくない? と毎回思います(勿論、これこそ乱暴な括りで、最終的には個人によります)。
【まとめ】
色々と受賞しているのも頷ける、確かな良作です。ただ、この手のゲームに思うところがある人でないと、ボリュームに対して割高に感じると思います。
(ウォーキングシミュレーターの記事を作成するたびに同じ事を言っていないか?)
「号泣しました!」「もう目が離せなくて…」「Firewatch、最高〜〜〜〜〜〜!!!!(スクリーンの前で演者と観客がコール)」みたいなノリはなく、本当に淡々と進んでいくので、ちょっと体験として弱いかもしれません。
個人的には「ひと夏の切なくも思い出深い体験」という感じで好きです。
・多忙なので短時間で終わるゲームがしたい
・大作の繋ぎにちょっとしたゲームをクリアしたい
・「森林火災監視員」という主人公の設定が面白そう
・アニメっぽいノリや露悪的なコンテンツに疲れた
・楽にトロフィーを収集したい(プラチナは無いですが、本編だけならクリアするだけで100%です)
などの人にはオススメです。もっとも一人称視点に耐性があるのが大前提です。
選択肢の回収や追加トロフィーの収集などが残っていますが、私はひとまず一周クリアして満足しました。
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