ゲームクリア感想不定期まとめ(2025年① 313〜315)

 ● 前回のまとめ



なんと前回の不定期まとめから8ヶ月も間が空いてしまいました。ここ数年、気になるゲームに興味の赴くまま手を出していたらブログ更新の負担が重くなったということで短時間クリア可能なゲームはまとめて更新するシステムを採用したのですが、今度はクリアまで長時間かかる(であろう)大作ゲームが後回しになりがち、という弊害が発生したため、今年(2025年)に突入してからはそちらを優先するよう意識しておりました。
もちろん小規模ゲームのことを忘れたわけではなく、大作の合間に可能な限り進めておりました。最近はむやみやたらにライブラリの肥やしを増やすことは自制しているため、今ある積みゲーにひと段落ついたらこの不定期まとめの頻度も減るかもしれません。元を辿れば可処分時間のなさが問題なので、キビキビ動ける体力を取り戻したい……

それはそうとして、今回はこの夏にふさわしく全部ホラーゲームです。


313_ Fear the Spotlight (PS5版)

314_AMONG ASHES (PS5版)

315_SIREN(PS5版)
公式サイト(PS Storeページ)


313_ Fear the Spotlight

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.000.003
クリア時間 約 7時間
トロフィー取得率  77%

初代サイレントヒル風味のローポリホラーで、戦闘はほぼない探索型です(2名の超小規模開発らしいです)。といっても謎解き難度も低めでエリアも狭く、ゲームとして凝縮されている感じ。

実のところローポリ・デメイクものは「当時の操作性まで再現されているとキツい」「懐古趣味的でちょっと好みとは外れる」という理由で優先度が低く滅多に手を出さないのですが、このゲームは比較的評価が安定していたので購入しました。


実際には操作性は良好で、懐古というよりも基本に忠実なホラーで体験としては楽しめました。ストーリーはやや物足りなさが残らなくもないですが構成の妙でカバーしている印象で、特段なにかマイナス点はないです。主人公がインド系と日系の高校生2名というのも珍しい。ホラーとしてはそこまで怖くないかな、という感じですが第二章はそこそこ肝が冷えました。
6〜8時間程度で終わるので、PS1時代を懐かしみたくなった忙しい現代人におすすめです。

昔ながらの謎解き。どういう意図でこのスクショを採用したのか思い出せない

314_ AMONG ASHES

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.1.4
クリア時間 約 16 時間(二周トロフィーコンプ)
トロフィー取得率100 %(プラチナ)

事前情報はなく、PS storeでトレーラーを観て「何か」ありそうだと直感したホラーゲーム。とはいえなかなか冒険する勇気が出ず、知ってから購入まで半年くらいかかってしまいました。このゲームも上のFear the Spotlightと似たところがあり、超小規模開発でローポリホラー要素があります。

このゲームの一番の特色は、ゲーム内でゲームを遊ぶ入れ子構造。ゲーム内で主人公が暮らすワンシチュエーションの自宅と、ゲーム内ゲームとして遊ぶレトロ風味なゲーム群を切り替えて探索や謎解きや演出に活用しているのが面白いです。
メインで遊ぶのはPS1ごろを彷彿とさせる一人称視点のローポリホラーゲームですが、FPSや2Dアクションなど何種類かのゲーム内ゲームがあります。
もちろんホラーなので、ゲームを遊んでいくなかでゲーム内でも現実世界でも異変が発生し、やがて境目が曖昧になっていきます。零〜刺青の聲〜の現実パートが近いかも。

現実世界の部屋。もちろんここでも異変が発生する


ゲーム中唯一頼りになる親友。日本語訳も雰囲気が出ている


メインゲームの画面。やはり安定の洋館


ゲーム自体はオーソドックスな一人称ホラーで、打撃武器とハンドガン、ショットガンが武器として入手できます。敵はローポリながらもおぞましい容貌・所作で接敵するとなかなか驚きますが、割と回復アイテムや銃弾が多めに入手できるのもあり、戦闘自体の難易度はそこまで高くないです。チュートリアルとボス戦以外全スルーも可能です。謎解きはほどほどの難易度で、一部わかりにくいものがあるくらい(後述)。
ストーリーは語りすぎず匂わせすぎずのあっさりという感じ。どちらかというとシチューエションがメインだと思います。

難点は操作形態がやや独特なこと。ライトが左スティックに当てはめられているので、慌てた時にダッシュと間違えて押して消してしまい更に慌てたり、立ち上がって現実に戻るボタンが右スティックなので、ピンチの時に焦って触れてしょっちゅう席を立ち上がってしまったり……

あとは謎解きの一部にわかりにくい点があること。最序盤は右下にウィンドウが表示されたら画面を切り替え、メッセ画面でメッセージを打つことで先に進むのですが、メッセージを入力できるのが否かが画面からだと若干わかりにくく、最初しばらく気付かなかったです。
後半の強制チェイス迷路もヒント不足に感じます。このゲームで再び詰みかけたのがここで、PS5本体から見られる公式ニュースの動画(The best horror is waiting!と題された動画)にたどり着いてようやく解法を察して先に進めました。

ちなみにプラチナトロフィーがかなり取りやすいです。ノーヒントならおそらく2周することになると思いますが、1周が5時間程度なのでそこまで負担ではなかったです。面倒な条件としては難易度HARD(敵強化・一部謎解きの正答が変化する)と雑魚敵不殺(チュートリアルやミニゲーム除く)の2つとなり、同時に取得するのが効率的でした。雑魚敵は障害物に過ぎないうえ復活するので、スルーできるなら相手にしないのが得策です。
ちなみに雑魚敵不殺は中盤の館の外が、難易度HARDはゲーム内ゲーム(アクション)が鬼門でした。前者は植物園裏手への誘導が有効で、後者は離れた場所や壁越しからでも攻撃が届くことに気づけば少し楽になりました。


315_ SIREN

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.000.000
クリア時間 約 8 時間
トロフィー取得率  100%(プラチナ)


自分の人生に多大な影響を及ぼしたゲームが数本あり、そのうちの一作です。正直、このゲームに関して語るなら単独記事を設けたいところですが、あまりに思い入れが強すぎて、かつ過去に言及しすぎて何から語ればいいのか皆目見当もつかず、また、下手に言語化してしまうことに抵抗があります。それくらい自分のなかでは偉大で衝撃的な一作です。

今なおPS2・PS3実機を手放せないのですが、理由の大半はこのSIRENシリーズを遊ぶためです。もちろん続編やリメイク、リマスターは長らく熱望しておりましたが、諸事情で絶望的となり、唯一救いとなった一報が2024年10月の本作のPSゲームカタログおよびPSクラシックスカタログ追加でした。しかもクラシックスカタログのため単体購入して所有可能のため、喜び勇んで購入しました。

世界観が凝縮された画面。実機より降雨がはっきり見える(気がする)


ただ、購入してすぐにインストールして遊ぶまでにはなれませんでした。ゲームとしてのSIREN本体にようやく大きな動きがあったのが喜ばしいというのが購入のモチベーションで、何百時間と遊んだゲームを今あらためて遊ぼうと思うと腰が重かったのが正直なところです。最後にPS2本体をモニターに繋いだのすらいつだったか、SIRENから離れている間にすっかり現代ゲームに順応してしまい、すっかり操作を忘れて衰えた腕を自覚してしまうのも怖かったという情けない理由です。しかし、ライブラリでアイコンを見かけるたびに心残りではあり、久々に羽生蛇村を再訪する頃合いだと思い至ってインストールしました。



結果としては、22年経った今なお通用するゲームでした。もう遊び尽くしたかと思いきや今なお全然ワクワクします。いつ書いたかも思い出せない自作の攻略メモと『SIRENマニアックス』を片手に昔を懐かしみつつ進めました。
しかし案の定操作を完全に忘れており、すっかりDUALSHOCKの操作に順応した両手があらぬボタンを押しまくって最初のステージで早速ゲームオーバー。カンを取り戻すまでがこれまでで一番長かったです。
その時助けになったのが、PS Plusの機能として(クラシックスカタログ作品に)存在する巻き戻しやセーブ&ロード。これを活用するとちょうど現代のゲームに近いプレイ感覚・難易度となり、苦手なステージもそうでないステージも大活躍でした。邪道かも知れませんがゲームの進化として受容しました。
1~2秒で指定のシーンまで巻き戻るのが新鮮かつ便利だし、動画サイトやSNSから本作を知った新規プレイヤーのモチベーションを継続させる意味でも有用な機能だと思います。慣れたら封印すれば良いし、このゲームは攻略ルートを確立させるまでが長い一方で、それを確立してしまえばステージでの途中セーブがなくても困らないどころかクリア後のタイムアタックやりこみでは不要となるので、支持します。
もちろん実機版のチェックポイントから容赦なくやり直しになる鬼仕様も尊重しています。何度も半泣きでやり直すあの絶望とループを無数に繰り返すストーリー設定がリンクしているのが体験として重要で、そこは抑えています。

あと新機能に加えて最新ハードの恩恵を多大に受けていると思ったのが音響関係。PS2実機では籠もっていて聞き取りづらかったボイスが割と明瞭に聞き取れるようになり、声の機微もよりわかりやすくなってストーリー理解の一助となりました。宮田初日07:00のステージ開始ムービーで宮田司郎の「私も美奈さんを(以下略)」のあとに恩田理沙が「はい……」と返事をしていたのを初めて知りました。また画質も良くなっています。

暗闇から迫りくる恐怖、今なお新鮮

ゲーム自体に関しては改めて付記することがありません。最高です。2003年末ごろ、わずかしか存在しなかった攻略サイトをプリントアウトして父や弟とあれこれ言いながら攻略したり、怖くて何時間もスタート地点から動けなかったり、猟銃がうまく操作できず(今でもできない)何百回とゲームオーバーを繰り返しては引退を決意し、翌日復帰するループを繰り返していた日々が懐かしく思い出されると同時に、2025年夏の今やってもそれらの思い出が毀損されることなく、ただ変わらない面白さを改めて体験できました。

あとトロフィーシステムに対応しているのも嬉しい点ですね。やっぱり記録として残るのは大きいです。本編が十分高難易度だと判断されたのか、取得条件自体は緩めなのも良いバランス。

【まとめ】


はからずも懐古的ホラーゲームが揃いました。もっとも、ここで言う「懐古」というワードにマイナスの意味はなく、前2作はガワこそ古いもののゲームとしては現代にチューニングされており、SIRENは発売から22年経過してなお古びない底力の強さがあります。

今年も残り4ヶ月半、公私ともに多忙になるのですが、その前に過去を振り返れたのはとても良かったと思います。といっても前2作はしっかり現代の新作として遊べるので、懐古趣味はなくても短めのホラーゲームをやりたいならおすすめです。両作ともそうそう詰むこともなく、トロフィーがわりかし集めやすいという特典もついてきます。

SIRENに関しては、もちろん今でもゲームでの(重要)新展開を望んでいますが以前ほどの熱はないです。もう流石に望み薄だろうという思いもありますが、SIREN的なコンセプトやシステムは堕辰子を食す村人たちのごとく他のゲームに血肉を分けて継承されたという認識もあり、どうしても新展開が無理なら無理で仕方ないかなという思いです。
もちろん諦めたくないですし、せめて未だに実機でしか遊べないSIREN2をPSクラシックスカタログあたりに入れてから幕を下ろしてほしいとは思っています。ただ、逆に言えば今願うのはそれくらいです。PS3発売で現在最新作(といっても17年前)のSIREN : New Translationも、まだリマスターでギリギリ通用するだろうと思いますがゲームの評価的には2より更に厳しそうですし。

こうして最新ハードで遊べる環境となっただけでも以前では考えられないくらいの待遇で、下手するとゲーム媒体では最初で最後の展開でしょう。グッズ類の展開は続くでしょうがそれもやがて落ち着くでしょうし。サイレントヒルなんて2年連続で3作も新作展開予定で、未定の新作がひとつ、更にはとうとう初代のリメイクまで決定するという好待遇ですが、それと比べても寂しくなるだけ。

と暗い話になりましたが、アストロボットで屍人が採用されたのは嬉しかったです。ゲスト出演やグッズ、SNS展開には前向きだけどいざゲームとなると厳しい、というのがこのシリーズの現状なんですよね。それは理解するものの、1ファンとしてはやはり寂しいので、興味のある人はこの機会に購入することをおすすめします。
今なら上の項目に書いた通りPS Plusの機能で巻き戻しやセーブ&ロードがいくらでも活用できるので、その気になればいつかクリアできると思います。あとこのゲームに関しては攻略情報の交換が設計思想にあるので、詰まったら遠慮なく見ていいと思います。自分も実機で遊んだ当時はそうしました。
また、仮に断念してもそもそもが安価(単体だと定価1,100円、PSプレミアム加入なら追加支払なし)なのでダメージも少ないです。意外とボリュームのあるゲームなのでハマれば相当なコストパフォーマンスで楽しめるし、SNSなどのファンコミュニティにもついていきやすくなるのではないでしょうか。それより何より、動画を見るよりも実際に操作したほうが段違いの色濃い体験になります。怖いのも難しいのも当然なのでそこは気にせず大丈夫です。今は先述のPS Plusの機能でSRPGみたいにトライ&エラーを無制限に繰り返せるので気楽なものです。最悪一歩進むごとにセーブしながらでもいずれはクリアできるでしょう。

そもそも今SIRENを新しく知る人の多くが動画サイトやSNSだと思うので、中途半端なカムバック勢(自分のことです)よりもそうした人たちのほうが攻略に詳しい可能性すらある状況。
それでも、大したやりこみも考察もできずコミュニティには寄与していないファンとしては原作ゲームを勧める以外にできることがないので、何度でもそうしようと思います。

数多のゲームが過去のものになるなか、こうして今なお話題に上るだけでも相当恵まれているし、その根っこにはファンの高い熱意とゲーム自体の褪せない魅力があるんだなぁとつくづく思います。つまらない結論ですが心からそう思います。



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