ゲームクリア感想不定期まとめ(2024年⑤ 299〜303)
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今年最後の不定期まとめになる予定です。前回のまとめ(9月末更新)では「連日の酷暑のせいで〜」とか書いていましたが一気に寒くなりましたね。年末を飾るにふさわしく、今回は量多めです。しかも全部今年発売の新作。
299_ドラえもんのどら焼き屋さん物語
【主なプレイ環境】
ハード iOS
バージョン ver.1.14難易度 設定なし
クリア時間 約 30 時間?
カイロソフト初(多分)の版権もので、ドラえもんのみならず藤子・F・不二雄作品オールスターが登場する経営ゲーム。ゲームの土台はいつものカイロソフト作品でガワだけ異なる感じ。
結論から言うとカイロソフト最高傑作でした。中毒性がすごすぎる。一気に2024年GoTY候補へと大躍進しました。
ゲームへの集中力低下が近年の悩みでしたが、久々にすべてを忘れて5時間没頭するレベルのゲームに出会えました。休日だから良かったものの、平日朝に始めようものなら定時に出勤できた自信がないです。常にタスクに追われるいつものカイロソフト作品がもっと忙しくなり、次の操作に移る前に次のタスクが舞い込んできてアクションゲームばりの忙しなさ。やることがないという状況がほぼ起こり得ないです。流石にクリア後あたりは落ち着いてきますが、今度はエンドコンテンツのやりこみが待ち構えており、相変わらず起動しっぱなし。
採用作品もドラえもん(恐竜〜ねじ巻き都市冒険記までの大長編含む)やキテレツ大百科など有名どころはもちろん、濃厚なファンでないと辿り着けなさそうなマイナー作品まで。私はせいぜいドラえもんとその大長編、T・Pぼん、短編集くらいしか追えていないので、このゲームで始めて知った作品も沢山あります。
不満点はないです。実際の商品スペックとは別に、好きな食器やマットで飾り付けられるコスメティックモードみたいなのがあると良いかもと思いましたが、クリア後、コンテスト1位や商品ごとのステータス全999などのやりこみを達成してしまえばあとは心置きなく好きなように設定できることに気づいたので、やはり不満点はないです。
強いて言えばコンプリートの際に作中のミニゲームがネックになるくらいですが、それですらそこそこ遊べるクオリティなので本当に隙がない。
カイロソフト作品を楽しめればまず誰でも楽しめるので、感想を漁るよりも思い切って購入するのを強くおすすめします。
難易度も低めで、経営シミュレーションが苦手でもよほどのことがなければ詰んだりしないです。それよりも熱中による電車の乗り過ごしや用事の失念が問題になってくるのでご注意ください。
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戦略完全無視の自由設計 |
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この商品設定(皿やマットの選定)が楽しい |
300_女鬼橋二 釈魂路
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.2.0難易度 設定なし
クリア時間 約 16 時間(一周クリアだけなら約12時間)
トロフィー取得率 100%(プラチナ)
大学構内を舞台にした一人称ホラー。同じく大学が舞台(場所は別)の前作がかなりの良作だったので、続編発売を知ってから購入意欲ゲージが即FULLになりました。
ゲームとしては前作と同じく大変手堅い完成度。新規性には欠けるものの、謎解きやステルス、探索のバランスすべてが程よくまとまっている優等生感があります。とはいえただ優秀なだけでなく、チャプター2ラストのバレエ発表会の仕掛けはゲームプレイとホラー演出が見事に噛み合っていて感心しました。
前作からさらにグラフィック向上(これは画面が暗すぎるけど) |
また親切設計なのも好感。チャプター選択画面からさらに細分化してパートを選べるし、そのパートごとに収集物の数もカウントして表示してくれるのでトロフィー取得もかなり気が楽でした。プラチナトロフィーも取得しやすい方。
強いて言えばイベントスキップができない(自分が見逃してなければ)のだけ惜しい。とはいえ上記の通り細かくパート分けされているのでそこまで時間もかからないし、イベント自体もモーションや表情が細かくてストーリー解釈が捗る側面もあるので、マイナス点とまではいかない感じです。
あとはストーリーやキャラクターが前作に比べると弱いかも。前作の大学生メンツはそれぞれキャラが立っていて群像劇としても面白かったのに対し、今作では操作キャラも4人に減った上にそこまで人間関係も拗れていないので、その方面での魅力は弱まったというのが正直なところです。大半のプレイヤーの感想と同じく、敵か味方かわからない鬼教官が一番魅力的でした。
ステルス行動中。左下のランプで幽霊を一時足止めできる |
総括すると、ゲームとしては優等生的にまとまっている一方、それ以外の要素が前作よりは印象が薄まったという感じです。ストーリーやキャラクターもそうですが、個人的に前作のほうがずっと怖かった(怖くて一時間くらい動けないこともあった)し、前作の生活感あふれる学生寮ステージに比べるとどこも無機質で探索もそこまでテンションが上がらず。動物たちが可愛いのが救いです。メインストーリーが展開する場所でネットミームを採用していたりして興醒めしてしまったことも。
こう書き連ねると不満が多いゲームに思えますが、前作が尖っていただけで今作もちゃんと面白かったです。
301_8番のりば
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.001難易度 設定なし
クリア時間 約 6 時間(一周クリアだけなら約2時間)
トロフィー取得率 100%
※ゲームの仕様によりスクリーンショットはなし
一大ジャンルを構築したと言っても過言ではない前作の続編(の家庭用板)。今回は地下鉄構内の異変を見つけたら引き返すのではなく、地下鉄の車内で発生する異変を打開して次の車両に移るというルールとなっています。
いざ遊んでみたら前作からホラー度が格段に上がっていて好みな方向性でした。基本的に異変が発生したらそれを打開しないと進めない(ただの演出で終わる異変もある)ので、いくつか謎解きに悩むこともありましたが、大抵はよく観察すれば突破できた印象です。そう言いつつも何回もゲームオーバーになったので、初クリア前に全異変に遭遇する結果となり、見事条件を満たして初クリアにしてグッドエンディングにたどり着きました。
一方で、 ヒントと解法が釈然としなかったり(894のやつとか)、異変の打開に微妙な待ち時間が発生したり(助けを求める声のやつとか)と気になるところもありました。特に後者はなかなかもどかしさがあって、このタイプの異変を引くと面倒さを感じました。とはいえこれはこれでハラハラしたので、ホラーゲームとしてはあり。
前作のシンプルで美しいルールはやはり秀逸だったとは思うものの、それはそれとして、本作は本作で十分楽しめました。
302_Neon Blood
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.0難易度 設定なし
クリア時間 約 6 時間
トロフィー取得率 100%(プラチナ)
サイバーパンク世界の探偵となって殺人事件の真相を追うADV+RPG。PS Storeの日本語説明には「サイバーパンクRPGアドベンチャー」と記載されており、実際、この手のゲームには珍しくコマンド戦闘があるのが特徴です。
世界観としては売り文句の通りパブリックイメージとしてのサイバーパンクそのままで、まさに期待通りといった感じです。ストーリーは意外にも正統派で、大体予想がつくもののテキスト回しの軽妙さもあってそこまで退屈はしなかったです。
「こういうのでいいんだよ」という声が聞こえてきそうな画面 |
サイバーパンクは郊外も重要 |
ただそれ以外の要素が軒並み残念。まず動作面では地形ハマりがかなり発生しやすく、ゲーム自体のフリーズも一回発生。会話ウィンドウや戦闘画面のUIもPCでのプレイ前提(それにしたって見づらいと思う)でやたら文字が小さい。特に会話ウィンドウは会話相手の画面からの立ち位置にしたがってサイズが変動するため、奥の方にいるキャラクターの発言はかなり読みにくいです。
戦闘にしてもダイスロール(TRPGに明るくないのでこの言い方で良いのか自信ない)の概念を採用しており、負けるときは相手のクリティカルであっさり負けるので、コマンド戦闘に伴う数手先を見た戦略みたいなのは希薄です。勝つにしても負けるにしても釈然としなさが残ります。
加えて日本語ローカライズのクオリティにもばらつきがあり、最序盤などはしっかり訳されている一方で中盤から他言語や口調違いが多発します。
duolingoでは中国語と英語をやっていますが↑は読めないです |
はっきり言ってしまうと、ゲーム面でのストレスを上回る魅力に乏しく、期待を下回る内容でした。これで終わってしまうのも申し訳ないので付言すると、プラチナトロフィー取得がかなり楽なのは美点です。ひとつだけ少し面倒だったので、そのトロフィーの取得方法を下記にメモします(ネタバレなので文字反転)。
- リッパーのクリニックに行ったら壁掛けの医師免許証を調べる
- 手術
- スキャン機能を使えるようになったら壁の近くでスキャンを発動し、再度医師免許証調べる
注:1.の手順は必要ないかも
303_Loretta
【主なプレイ環境】ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.001難易度 設定なし
クリア時間 約 7 時間
トロフィー取得率 100%(プラチナ)
背景の麦畑と主人公の髪色をほぼ同色にして服や建物を際立たせる画面づくり、巧い |
2D横スクロールで操作するサイコスリラー。一面の麦畑以外になにもない田舎で仲の悪い夫と暮らす主人公がふとしたきっかけで人生の主導権を取り戻すチャンスを得て……といった始まり。一周のボリュームは2時間程度と短いものの、マルチエンディングを採用しているのでコンプリートを目指せばそこそこでした。テキストADVではなく、合間合間にミニゲームが挟まります。
ストーリーが予想以上に先が見えず面白かったです。広大なのに閉塞感しかない一面の麦の地獄から抜け出すはずが、これまで知る由もなかった夫の秘密に触れることになり……と。マルチエンディングはメジャーなのが5つ、マイナーなの(テキストADVでよくある選択ミスで戻されるようなやつ)が3つか4つくらいでしょうか。終始ギスギスとした展開ですが、それ故に、一番人道的なエンディングの僅かな救いが染みます。
キャラクターもいわゆる善人がほぼおらず、親族や店の店員に至るまで全員に余裕がなく、今の人生や仕事や隣人にたっぷりの不満を抱えており、貧すれば鈍するを体現する感じの悪いキャラクターが勢揃い。だからこそ、そんな連中相手に臆さず堂々と立ち向かう主人公にどこか爽快さすら覚えます。もっともこの主人公も大概なのですが……
画面に不穏な要素しかない |
しかし、リプレイ性の低さ、動作面の問題とゲームとしては残念な点もあります。
マルチエンディングでリプレイ性の低さはなかなか辛いです。合間に挟まるミニゲームはただでさえつまらない上にチャプター選択非使用だと操作を飛ばせないし、会話スキップ機能はあるものの大半の会話に選択肢が挟まる関係で(おそらく)あまり活用できないし、手紙など別画面を呼び出す系は表示終了まで妙に時間がかかるしでもどかしい時間が多い。
動作面に関しては、セーブデータ消失の重篤なものが一回、特定の選択肢を選ぶとフリーズが一回(エンディング分岐の重要な局面だったので、その周の条件では先のシーンが存在しなかったと予想)ありました。
あと一部のミニゲームはルールや意図がわかりづらい内容のものがあり、下手すると積むプレイヤーも出てくると思います。写真のパズルなんかよくわからないうちにゲームオーバーになって章初めにグンと戻されて唖然としたし(不具合としか思えない)、解錠のミニゲームはヒントらしきものに従ってもスイートスポットがわかりづらくて苦戦。
とはいえ、ボリューム少なめなので不満が言語化できるくらいにまとまった時にはほぼゲーム自体をコンプリートしていると思います。全体的には満足な体験でした。
【まとめ】
この中だったらやはりどら焼き屋さん物語に尽きます。不満らしい不満は一切なし。用事を忘れて何時間も没頭できてしまうので、久々に自制が必要なゲームをやった気がします。
単純な完成度だったら女鬼橋2と8番のりば、そこから少し距離が離れて、ストーリーだったらLoretta、世界観だったらNeon Bloodという感じです。いずれにせよ、滑り込みの形で2024年発の新作をそこそこ堪能できて安心しました。しかもPS5で遊んだ4作は全部トロフィー取得率100%(うちプラチナトロフィー3つ)を自力達成したので満足感も高いです。
今年、そして来年にかけては後回しにしていた大作群に着手します。毎年言ってなかなか実行できていませんが、今のところ来年の新作は予定薄めなので絶好の機会。
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