ゲームクリア感想不定期まとめ(2024年② 279~283)

● 前回のまとめ



今年2回目のまとめです。
丸2ヶ月ほどFF7リバースにかかりきりでしたが、気分転換がてらちょくちょく短めな他のゲームも遊んでいたので、そろそろまとめる頃合いかと思い更新しました。
ほぼ全ハードかつ5作中4作が新作(8番出口はPC版が昨年発売)という管理栄養士が推薦するようなバランス。
(以下余談:栄養と言えば、実を言うと子供の頃よりも食生活が貧困になり果てたため、三角食べが成立しない時があります)



279_The Cub (PS5版)【新作】

280_Open Roads (XGP版)【新作】

281_8番出口 (Switch版)【新作】
公式サイト(Steam)

282_Ministry of Broadcast (Switch版)

283_Highwater (PS5版) 【新作】
公式サイト (ここに掲載されているアートワークが好き)


279_The Cub

【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン 1.001
難易度 設定なし
クリア時間 約 12時間
トロフィー取得率  75%




2D横スクロールアクション。ポストアポカリプスな世界を野生児がパルクールを駆使しながら駆け抜けます。少し探索要素もあり。

これ単体でも惹かれるものがありましたが、今年3/14配信でこの記事にもある「Highwater」と同一の世界観ということを知り、配信が2週間ほどしか違わないとはいえ先に出たほうから遊ぼうと手をつけました。
厳密にいうと「ゴルフクラブ・ノスタルジア」から続く3部作で、本作にも前作の要素があります。前作未プレイなので詳細は把握していませんが……

ゲームとしては手堅い内容。いかにも2Dアクションといった画面作りではあるものの、全体的にはちゃんと遊びやすく現代ナイズされているように感じます。
自分の腕だと序盤から難易度高めでしたが、リトライが爆速なので気になりませんでした。死亡演出もあっさりで、ちょっとしたアニメで戯画的に表現されるのでストレスも軽減されています。

あと、サウンドデザインが凝っていて素晴らしい。
主人公が被るヘルメットからは火星(地球人が滅びゆく地球を見捨ててロケットで火星へ移住したという世界観)のラジオが流れ、水に潜ったりすると音量が小さくなり、電波の届かない地下に行ったりすると聞こえなくなったりとインタラクティブな使い方がされています。

一番好きなのは、主人公と同じヘルメットを被った対火星人パートの際は、火星人に接近すると二人合わさってラジオの音量が増幅され、自然とRPGのボス戦チックな盛り上がりになるところです。ボス戦曲としてアグレッシブな曲を配置するのではなく、自然にそうなるという盛り上げ方は凄い。


ここ音楽の使い方に感銘を受けた


コレクタブルもあり。下の文字はラジオの字幕


ただ後半はやたら面倒なパートが重なり、何度かゲームを断念しかけました。
急にSTGパートが3回くらい挟まったり、動物の群れ飛び移りや時間制限トランポリンなどコツを掴めないと全く打破できないパートが続いたり……それがゲームではあるのですが、せっかく中盤くらいまでアクションと世界観が程よいバランスだったのに急に高難易度志向になって、個人的には残念でした。

本作、この種のゲームの御多分に漏れずチュートリアルが挟まるのは最序盤くらい。以降は試行錯誤しつつ画面を観察しつつ各パートを打破していくのは良いとして、せめてトランポリンの操作にはチュートリアルが欲しかったです。
ボタン長押しで高く跳ねられるのですが、トランポリンの軽快さとボタン長押しから想像される「溜め」の概念とで齟齬が生じ、直感的な操作でなくなっているように感じます。
他のゲームだと跳ね上がったタイミングで二段ジャンプよろしくジャンプボタンをもう一回、みたいな操作が多いので、自力で発見するまで最終章の時間制限パートを無限にやり直しました。

あと、章選択の画面などにコレクタブルの章ごとの入手数が表記されているとより良かったです。
コレクタブルに関しては意識的にしっかり探索していれば85%くらいは集まるので、上のSTGやトランポリンに比べれば楽ですが……

色々大変な思いをしつつも、アクションゲームの腕を少しばかり上達させてくれたので感謝しています。「必要な時に必要な操作をする」が鉄則と理解。


280_Open Roads

【主なプレイ環境】

ハード Xbox Series S
バージョン 2.0.2
難易度 設定なし
クリア時間 9時間27分(実質約6時間くらい)
実績取得数  11/16


インディーではおなじみの一人称ADV。祖母の遺品整理を終えた母娘がひょんなことから祖母の秘密を見つけ、真相を確かめるために懐かしの土地を車で巡っていくロードトリップものです。

謎解きやミニゲームはほぼなく、あっても鍵や足場を探すシンプルな内容。この手のゲームの中でもかなり淡々としており、環境音のなか探索と平熱な会話を重ねていくので、疲れて帰宅した夜中にまったり遊ぶのが適していました。日本語ローカライズもバッチリ。




ただ肝心の内容が今ひとつ面白くないです。あまりにも常識的に過ぎて特筆する要素がない。ストーリーの真相もそりゃそうだろうなという感じで驚きも感動もないし、キャラクターの会話やテキストもこの手のゲームにしてはつまらないものが多いし、人間関係も設定もぜんぶどこかで見たような内容だし、ボリュームも控えめなので物足りなさを覚えたままスタッフロールを迎えてしまいました。今回はXbox GamePassで遊びましたが、これを定価で購入していたら正直損したと感じます。

個人的には、こういうストーリー内容ならウエットさ盛り盛りでちょうどいいと思うのですが、プレイヤー置き去りのまま理性と家族愛でひと段落しまうので、やや決定打に欠ける印象です。事前情報から感じるエモさを過剰に期待しないほうがいいかも知れません。




そうは言っても、妙な露悪に頼らず、善意・理性・家族愛で人生を前に進めるという誠実なストーリーなのは良いと思います。あとは旅行中の口論の雰囲気がリアルな点もあるあるでした。母親が悪役を引き受けがちになってしまうの、子供の頃は気がつけなかったなとしみじみしました。

ゲームとしてはカタルシスに欠け全体的に物足りなさが否めないものの、現実やSNSの露悪およびそれを追認・迎合するような露悪コンテンツに疲弊した身に沁みるものはありました。善意や理性はつまらないけどその下支えがないとなにも楽しめないのも確かだなぁと……


281_8番出口

【主なプレイ環境】

ハード Nintendo Switch
バージョン 1.0.2
難易度 設定なし
クリア時間 1時間15分(異変全発見)




2023年の超話題作インディー。もう改めて付記することはないですね。
ジャンルとしてはもうこのタイトル自体がジャンルみたいなもので、すでに「8番ライク」という公認名称がありフォロワーゲームが続々出ています。強いて言えば「P.T.」のような、ワンシチュエーションで閉所ループを打破する系です。

いざ自分で遊んでみたら、なるほどこれはヒットする訳だと思いました。
まず最初にルールをバッチリ示され、そこから新たなルールの追加はないのでとっつきやすい。そして一部の異変から逃げる以外に時間制限もなく、異変自体もパズル的な頭の体操はないので観察力と根気とわずかなホラー耐性さえあればクリアにたどり着ける内容。
プレイ時間はクリアだけなら30分〜60分程度ですが、ゲーム自体の完成度が高いので満足度は充分。

あと、ホラー要素に関しては意外と怖かったです。人気のない地下通路という、比較的身近なリミナルスペースを舞台にしているので没入もしやすく、そこで発生する異変のほとんどが静かでさりげないのも妙にリアリティがあって不気味。いわゆる洒落怖とかSCP的なフレーバーも感じました。
ジャンプスケアは少しだけあるものの、基本おどろおどろしいボイスや効果音を多用せずとも充分怖く仕上がっていて感心しました。

一部の異変は近づいて観察しないと判別しづらく、異変だと気が付いたら時には急接近しているあたりもホラーとしてうまいです。妙にダンディなおじさんの表情がよく見たら変わっている異変は気がついた時ゾッとしました。
もっとも、過剰にホラーホラーしたゲームではない上にボリュームも控えめで、また異変の対処法も引き返すだけという明確かつ直感的なものなので、怖い系が苦手でもクリアできると思います。

わかりやすいゲームルールと、ホラーやパズルに偏重しないバランス感覚、馴染み深い世界観。ひとりで遊んでも楽しく、複数人でワイワイやっても楽しいこと請け合い。
正直、ゲームとしてより「8番出口ライク」という新ジャンルのオリジンを確かめたいというモチベーションで手を出したのですが、これはもう支持が集まって当然だなという内容でした。

これまで私自身、インディーゲームというと洋ゲーのイメージが強く、最近はそのふたつをうっかり同一視しつつあったのですが「午前五時にピアノを弾く」や「奇天烈相談ダイヤル」など日本発のものも注目すべきだと認識を改めました。


282_ Ministry of Broadcast

【主なプレイ環境】

ハード Nintendo Switch
バージョン 1.0.1
難易度 簡単および普通(3ヶ所ほどeasy相当の「簡単」に変更)
クリア時間 約9時間30分


ピクセル2Dアクション。名著『1984年』的なディストピア世界を舞台に、主人公は家族と再会するため悪趣味なTVショーに出演する、という筋書きです。
購入自体は2年前くらいに済ませていたものの、遊ぶのが遅れてしまいました。


アクションに大苦戦してスクリーンショットもろくに撮れず


ゲームとしてはいかにも高難易度そうでクリアできるか不安だったのですが、案の定大苦戦して何ヶ所かは難易度を下げました。とはいえそのお陰でクリアまで辿り着けました。
また、基本いついかなる時でもボタンひと押しで直近のリトライポイントから爆速再開できるため、テンポ良く再チャレンジが可能。変なところに行って戻れなくなったりなど詰みの心配もほぼありません。

操作性が独特で、漫然と操作しているとダッシュ後のスリップで足場から転落したり、目測を誤って着地失敗したりが多発。ついでにチュートリアルらしいチュートリアルもないので、試行錯誤の中で自力で適切な操作に気づかないと後半苦戦します。
自分の場合、ダッシュジャンプに頼りきりで、足場の端でスティックを倒せばその場で掴み下りできることや、足場端での通常ジャンプの有用性や、凍結した足場はダッシュしたまま踏み入れれば滑ることができるのに気づくのが遅れ、不要な苦戦をしてしまいました。着地がうまくいかない時はダッシュジャンプから通常ジャンプに切り替えたり、掴み下りで軟着陸したりするとうまくいくことが多かったです。

ストーリーはオープニングからエンディングまでブラックかつ悪趣味。信頼のおけるキャラクターがひとりもおらず、せっかくの善意は裏目に出るばかり。到底愉快な気分にはなれないですが、軽妙な日本語に訳されたテキストが巧みに胸糞分を中和しており、ストーリー自体よりもテキストを楽しみに進めていました。ただ、難解なアクションを必死で乗り越えた果てにある結末はシビアな内容で、フィクションでも胸糞展開が年々耐えがたくなっている身には少々堪えました。


正しく為されることがなにもない世界


気になる点としては、リトライ地点が遠かったり、ちょっとした会話をスキップできないことが一番煩わしかったです。また、単純に足場とそうでないオブジェクトの区別がつき辛かったりするのにも悩まされました。

まとめると、アクションゲームとしてのやり甲斐もボリュームも満足な一方で、難易度やストーリーがシビアで人を選ぶという感じです。心身に余裕がある時向け。


283_ Highwater

【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン 1.0.0
難易度 設定なし
クリア時間 約14時間
トロフィー取得率  72% 




水没ポストアポカリプス世界からの脱出を目指すターン制バトルADV。この手の雰囲気では珍しいシミュレーションバトルなので発表当時から気になっていました。上で出てきた「The Cub」および、まだ私が未プレイの「ゴルフクラブ・ノスタルジア」というゲームと同一世界観です(ストーリーはそれぞれ独立)。

実際に遊んで真っ先に気になったのはカメラワークがリバース固定なことと、ゲームテンポの悪さ、思ったより探索が楽しくないことです。

とはいえ、上2つは軽減できました。カメラワークは慣れで、ゲームテンポの悪さはSRPG風の戦闘を◯ボタンで早送りすることで多少マシになりました。もっとも早送りに気がついたのはクリア後でしたが……

探索に関しては、同じ水没ポストアポカリプスのSubmerged:Hidden Depthsには及んでいないなという感想です。サブ要素としては、ほぼ一本道の海路に時たま小島があってアイテムやコレクタブルを拾えるくらいで、基本的にひたすらメインストーリーを追う形になります。
そして、世界観自体も今となってはよく見るポストアポカリプスで、あまり新鮮味がありませんでした。せっかく美味しい設定なのに、水没した前世界があまりフィーチャーされておらず(潜水要素もない)、新たに生まれた水上文明と上級管理社会が世界観の主軸なので、廃墟探検などの要素には乏しいです。


こっちは人は賑やかだが探索要素がさびしい


加えて言うとチュートリアルも不足しています。上の戦闘早送りも設定に記載が見当たらなかったし、インベントリ画面の装備/ブースター(アイテム)の切り替えを□ボタンで行えることも同様に記載がなく、終盤になって偶然発見しました。ラストバトルに温存できたので結果オーライではあります。
あと、終盤の時間制限バトルは、背景の時計が環境オブジェクトだと思っていたら00:00になった瞬間失敗イベントが始まって唖然としました。こうなるとチャプター頭から最大5連戦がやり直しとなります(時間制限は緩いので二度目は楽だと思います)。ここでもFF7リバースと同種の洗礼が。

と、色々気になる点が多いゲームではあるものの、ストーリーはシンプルながらも良かったです。ゲーム序盤は水没世界の日常、中盤は目的に向けて仲間と行動、終盤は大詰めという流れで、エンディングは残された人たちの心情や、関連作に繋がる壮大さに思いを馳せて感動しました。

戦闘もステータスのやり取りよりはパズル系統で、行動順ひとつで戦況がガラッと変わるのが面白かったです。敵にとどめを刺すと再行動できる「戦闘狂」を繋げて無限にこちらのターンを展開するのが楽しかったです。ターンベースで再行動回数に制限のないゲーム、かなり珍しい気がします。

ゲームとしては「The Cub」のほうがうまくまとまっていると感じますが、これはこれで個人的に親しみ深いターンベースとポストアポカリプスものが合わさった自分好みの内容で、楽しめました(逆に言うと、両方に興味が薄いと厳しいかも)。佳作という趣。


SRPGでおなじみ防衛戦もあり


【まとめ】

評判通りの完成度だったのは「8番出口」、個人的に学びがあったのは「The Cub」という感じです。FF7リバースとThe CubとMinistry of Broadcastでゲームの腕が鍛えられた実感のある2ヶ月でした。Open RoadsやHighwaterのような時間に急かされないゲームで息抜きできたのも大きいと思います。
3月~4月は公私ともに多忙だったにもかかわらず、なんだかんだで5作もクリアできたのは感慨深いです。

今は腕を鈍らせたくない一心で、このブログを更新する前にFF7リメイク(インターグレード)を再ダウンロードし、未回収トロフィーを集めプラチナトロフィーを取りました。4年かかりましたが、今なら前はできなかったことができる予感がしてそれに従ったら大正解。このままの勢いでユフィDLCの難易度Hardクリアも検討しています。
「必要なときに必要な行動をする」鉄則を忘れずにいきたいと思います。








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