ゲームクリア感想284_The Pathless(PS5版)
このゲームの説明が難しすぎて文量が多くなったため、単体記事としました(本来なら次のまとめに含むつもりだった)。
相棒の鷲と共に広大な大自然を攻略していくアドベンチャー。2020年11月12日のPS5発売と同時に出たローンチソフトで、当時PS5が買えなかったので見送るしかありませんでしたが3年半経った今ようやくクリアできました。
ちなみに人気作「ABZU」と同メーカー(Giant Squid)です。私はは未プレイなのでこのメーカーは本作が初クリアとなりました。
実は購入してから今まで「事前情報を見てもどういうゲームなのか想像しづらいから」という理由で積んでおり、いざクリアしても説明が難しいため、自分の整理がてらゲーム自体の大まかな流れを書いておきます。
オープンワールドのエリアが5つ(チュートリアルエリア1つと本エリア4つ)あり、基本的に攻略は自由。ただし各エリアには零落したかつての土地神が邪悪なエネルギー嵐を伴って闊歩しており、まずは各エリア3つの塔の頂上にある仕掛けに必要数の「光の石」をはめ込んで動きを止める必要があります(この時点では勝てず「嵐」に巻き込まれ、だるまさんが転んだの要領でステルスモードが始まる)。
視界に入っている状態で動くと失敗だがトロフィー条件以外特にペナルティはない |
全部の塔の仕掛けを作動させて動きを止めたらエネルギー嵐内に飛び込んで、数フェーズに分かれたボス戦に突入し、勝てばエリア全体が平和になり能力もアンロックされ、次のエリアに向かう準備が整う…というのが大まかな流れです。
このボス戦以外の戦闘は存在せず、またボス戦でも探索でもゲームオーバーは一切ありません。ボス戦で致命傷を数回喰らっても戦闘エリア外に飛ばされるだけですぐに復帰できますし、探索でうっかり高所から落ちても生還します。そしてオートエイムなのでエイム力もほぼ不要。いわゆるゲーム体験に専念できる設計とでも言いましょうか……
全体としてはこのような感じです。いわゆるAAAオープンワールドの探索部分に焦点を当てて移動システムや世界観に特徴を加えた内容……が近いような気がします。
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.2.0.0難易度 設定なし
クリア時間 約 18 時間
トロフィー取得率 100%(プラチナ)
【良かった点】
◎程よいゲーム体験
探索:パズル:ボス戦の割合が6:3:1くらいで、実際遊んでみるとそのバランス感覚が満足感ある体験に繋がっていると感じました。
ボス戦が良いアクセントになっているのが大きいと感じます。エリア到着時点でどこから攻略しても自由ですが、「まず光の石を3~6つ集めてボスの動きを封じる→ボス戦クリア」という目標が提示されるため、広大なオープンワールドを前にして億劫さを感じにくい。実際ボス戦を先にこなすことで能力アンロックと完全フリーな環境が手に入るのでモチベーションも高く臨めます。
そして「光の石」は塔の仕掛けに使う以外にも数があり、ボス戦後の戦闘エリアに出現した仕掛けに残りすべての「光の石」をはめ込むと新たな能力がアンロックされると同時に真エンディングのフラグも立つので、ボス戦後すぐに次のエリアへいかず、みっちり探索するのが定石になります。ファストトラベルがないので、取りこぼすと少し面倒です。
巨大な骨の環境ストーリーテリング |
探索に関しては、ボス戦を挟んでオープンワールド探索を二段階に分ける(分けなくてもOK)という配分が巧いです。収集目標が同じアイテムだとしてもタイミングを小分けにするだけでダレを感じづらくなるのはなるほどと思いました。
そして遺跡・遺構にあるパズルも程よい難易度でした。弓矢と相棒の鷲を駆使したパズルで、位置や角度を調整してすべての器に火を灯したり、相棒の鷲に矢を反射する鏡を動かしてもらって的に矢をくぐらせたりなど、適度に頭を使いつつもそこまで理不尽なものはない印象です。終盤の一部アクション操作を要求されるパズルこそ苦戦しましたが、それを含めても解決に何時間もかかるような面倒なものはなかったです。
ボス戦に関してはゲームオーバーがないのをいいことに、この手のゲームには珍しくアクションRPG風の操作で新鮮でした。フェーズ分けされているので、場外に吹き飛ばされてやり直しになっても状況がリセットされることはない安心設計です。ここは好みが分かれるとは思いますがバトル主体のゲームではないので、適度に盛り上がって適度に緊張感のある調整で適度に楽しめました。
と、あらゆる要素が優等生的にまとまっており、PS5ローンチソフトとしてはピッタリな内容です。リアルタイムで遊べていたら絶賛していたかも。今となってはあまり物珍しさもなく、優等生的であるという感想に収まりますが……
◎ダイナミックな世界の探索
予想よりもずっと広大かつ壮大な世界で、探索が楽しかったです。
オープンワールドの惹句でよくある「見えるところはほぼすべて行ける」が達成されています。背景かと見紛うような遥か高くの山頂にも行けます。
人間の文明の名残りである遺構から謎の大型遺跡、洞窟の奥深くや無重力空間一歩手前の空の果てまでかなり広く行けるのでなかなか感動します。
縦方向の移動が強い |
各所には「光の石」を入手できる遺構や遺跡のほかに、石版的なものや死者の青白い魂的なものからパズルのヒントやかつて何が起こったかの言い伝えメッセージを知ることができます。世界観はビジュアルイメージから想像するよりシビアで、想像力が働きます。
そしてオープンワールドにふさわしいガイド機能もしっかり存在し、アサシンクリードでいうところのタカの目に当たる「霊視」で未クリアおよびクリア済の場所が判別できます。未クリアの場所は赤く表示されるため、これを追って順繰りにクリアしていくのが探索の主な流れとなります。
赤く光っている箇所が未クリアの場所 |
あと、このゲームの特徴である「お守り」を射ちながらのオートエイム高速移動もクセになる感覚です。お守りを射るとダッシュゲージが回復するので、草原を駆け抜けながら射ってはダッシュを繰り返して高速移動をつなげていく操作感はほかのゲームだとそうそう味わえません。といっても平地以外だとあまり堪能できず、また探索中はちょこちょこ立ち止まったりするので、これが存分に活かされていたのはボス戦の第一フェーズ(追跡)でした。
オープンワールドゲームのタスク潰しが巷間で言われているほど嫌いではない自分には向いているゲームでした。
時限が1つ(ステルス3回成功)、面倒なのが2つか3つといった感じで、しっかり探索しつつ進めていけばクリア時に90%前後は獲得できるようになっています。面倒なのは通常プレイだとまず気にしない条件のやつなので、攻略情報を解禁してクリア後に集めました。以下、手間取ったやつの情報です。
・スキルショットマスター
お守りフルゲージで必中のところ、50%程度で狙って射るのを10回連続です。黄金色のエフェクトが出たら成功で、青っぽいエフェクトなら失敗。これが一番苦戦しました。
・森にささやく者
野生動物に近づいて走ると並走してくれるので、1匹成功したら散らないうちにそのまま6匹集めます。キラキラエフェクトが出れば成功だがさりげなくて見逃しやすいので、追ってくるかどうかで判別しました。
・パスファインダーの物語
トロフィー説明通り「先導者」に関連する言い伝えを魂と石版からすべて得るのが条件です。大変そうですが4つの各エリアのそれぞれ一ヶ所にまとまっているので魂から「先導者」というワードが出たら周辺の探索をくまなく行うのがコツになりそうです。
私は最初のエリアの、刑務所跡地の左路地奥の魂だけ見逃していることに全エリア再訪後気づきました。この刑務所だけ見逃しやすく、ほかの3ヶ所は霊視を駆使すれば割とコンプリートできると思います。
【気になった点】
△単調さが否めない
どのエリアでも基本やることが変わらず、ひたすら淡々と未開放の遺構や遺跡を回っていくのがゲームの大部分を占めるため、さすがに途中で単調さを自覚しました。エリアごとの環境の差異もそこまで大きくなく、最後のエリアが雪景色で目新しいくらい。
AAAオープンワールドゲームの探索要素だけを抜き出した感じなので、人を選ぶなと感じます。
△ストーリーの薄さ
あってないようなもの、とまでは言わないものの、一切の捻りがない超王道展開で単調さを助長していました。世界観を楽しむゲームと言われればその通りだし、そもそもストーリーは各地の石版や魂から断片的に把握する形を取っていますが、そこのテキスト自体は読み応えがあるのでメインの薄さがより際立つように感じたというか(そこもバランス感覚の発露なのかも)。
【まとめ】
すべてが過不足なくまとまった良作でした。「過不足なく」という言葉がここまで相応しいゲームもそうそうないでしょう。
強いて言えばストーリー面だけやや物足りなかったものの、結局は語り方の問題なのでこれはこれでという感じです。
ただ、やはりPS5ローンチ時に遊ぶのが最適だったんだろうなと感じる内容で、ハードパワーを活かしたゲームが続々出ている今になって遊ぶのはちょっと寂しいところもありました。これまでの経験から死て、ローンチソフトはライブサービスでもないのにライブ属性が付与される、という宿命があるように感じます。それでも楽しめたので結果としては満足です。
そして記事作成時にメーカーのホームページにアクセスしたら新作情報(動画)が掲載されていたのでさっそく視聴したところ、これってもしかして同一世界観では? と思える要素が複数あったので、こちらも楽しみにしています。
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