ゲームクリア感想305_Alone in the dark(PS5版)



2024年最後の更新です。年間まとめは諸事情あって年明けになる予定です。

ホラーゲーム好きと言いながらサバイバルホラーの源流とも言えるこのシリーズに触れていなかったので、好機とばかりに予約購入しました。やたら短い体験版もやりました。といっても発売時期が2023年10月→2024年1月→同年3月と変遷し、自分が本編を起動したのが2024年12月なので、購入してからかなり期間が空いてしまいましたが……。
どうしても年内にクリアしたいという機運が高まったので、2024年も残り少ないなか滑り込みクリア。すべてがほどよくまとまっていて適温という感じのゲームでした。新鮮味には欠けたとしても、こういう「安定」が欲しい時もあるなとつくづく。


【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.05
難易度 スタンダード(一周目)、ニューゲーム+(二周目。最初から全武器開放される代わりに難化)
クリア時間 約 42:33(二周ぶん)
トロフィー取得率 47%


【良かった点】


◎敵に煩わされず楽しめる探索


個人的にここが美点でした。ゲーム進行は基本一本道ですが少々捻りがあり、最初に主人公たちが訪問する「デルセト屋敷」を拠点にしてストーリーや謎解きを進め、そこから精神世界的な世界に移動しそしてまた戻る、を繰り返す形式になります。一部の幻覚(?)などを除けばほとんどの敵は精神世界にしか出現しないので、デルセト屋敷ではゆったりと探索を楽しめます。もちろんホラー演出はありますが、存外屋外ロケーションが多かったりしてホラーゲームとしてはそこまで怖くなく(本気でビビった演出が2回ある程度)、ホラー風味アクションアドベンチャーという趣のほうが強いので、屋敷はほぼほぼ探索と謎解きに集中できました。
屋敷自体は慣れてくるとそこまで広くないものの、エリア開放が段階的に行われることやチャプターごとのアイテムの再配置などの工夫が功を奏して飽きも感じず。また環境変化のダイナミズムも目を惹くので、一本道にこだわらずこういう構成にしたのは大正解だと思います。

屋敷は装飾が精緻で見ごたえある

この環境変化好き。主人公ごとにタイミングや内容が異なったりする芸の細かさも


手すりの近くに立つと手すりを掴んだりする細かさも



◎日本語吹替


翻訳調のセリフ回しにはぎこちなさが残るものの、日本語フルボイス吹替という好待遇。ありがたいことにコレクタブルのテキストまでフルボイス吹替されているので、長めの手紙などはながら聞きできるのが大変良かったです。そもそものテキスト自体が読み応えあるものが多く、内容とテキストを聴覚だけで把握できるのが想像以上に快適でした。


◯周回で深みが増すストーリー


一周目クリア時点ではどうにも印象に残らない物語だったな……と感じながらスタッフロールを眺めていましたが、本番は別主人公での二周目にありました。ダブル主人公システムが思っていたより本格的で、主人公ごとにイベントの発生タイミングや内容、演出、なんなら入手アイテムにも差異があり、二周目なのに周回のダルさを感じずストーリーを楽しめました。
同じ種類のイベントでも主人公ごとに話の内容や演出が変わるため、一度もスキップしませんでした。
ライターはかの名作ホラーゲーム「SOMA」と同じ人らしく、流石に「SOMA」ほどのエグみはないにせよ、クトゥルフ神話モチーフの世界で断片的なテキストや示唆に富む会話から真相に迫っていくストーリー体験は想像以上によかったです(毎回あらすじを読んでくれる女性の正体を察したときはなるほど! と思った)。ストーリーの評判があまり良くなかったので警戒していましたが、いざやってみればなかなかでした。
しかし美点ばかりではなく、会話のつながりが急だったり発言のテンションが場にそぐわなかったりと作りが甘いと感じることもありました。あらすじや収集物のテキストが良いだけにちょっと惜しかったかも。


(2025/1/1追加)主人公ごとに異なる世界も



ちなみに二周目はニューゲーム+で遊びました。これを選ぶと最初から全武器が解禁される代わりに難易度も向上するのですが、ある程度ゴリ押しが効くのでラスボス以外苦戦することはありませんでした。なんなら敵の強化と出現数増加に伴いスニークの有効性が高まってゲームに幅が出ています。



◯何はともあれオーソドックスな作り


操作・戦闘・ステルス・探索など、良くも悪くも主要素には新鮮さがない代わりに、この手の
三人称視点サバイバルホラーに期待する要素は一通り揃っています。アランウェイクラストオブアスサイコブレイクあたりの界隈でおなじみのプレイ感なのですぐに順応しました。
序盤はカメラの揺れや、エリアの狭さと主人公の移動速度の齟齬で目が痛くなりましたがそれも慣れ。


このUI、この画面の感じ



【気になった点】


△マップやアイテムの拡大・縮小不可


自分が見逃していなければこの操作ができなくてびっくりしました。特にマップは確認する機会が多いので、地形はともかく部屋の主や部屋の用途が解りづらい状況はストレスでした。ある程度地形を把握するまでは確認のたびにモニターに近づいていました。

海外製ゲーム、前から思うのですがメジャー・インディー問わずPCでのモニタ接近プレイを前提とし過ぎではないか? 



△スニークがあまり機能していない


システムとして一応できるけど、このゲームはこちら側の武力が潤沢なので、敵の動きをじっくり観察してコソコソ動き回るよりかは先に仕掛けた方が早いです。なんなら戦闘に持ち込まなくても、全力ダッシュや回避ボタン連打などでのゴリ押しが結構通用してしまうので、ますます使いませんでした。もっとも高難易度では一部のパートで活用しましたが……



このサイレントヒル感あるエリアがスニーク地点だったが結局ゴリ押しした



【まとめ】

 
巷の評価よりかは楽しめました。オリジナリティの不足はゲーム自体の安定した完成度
が上回るし、探索も楽しいし、周回する意義もあるのでストーリーも二周ぶんお得に楽しめた実感です。あまりジャンルに明るくないけど南部ゴシックの雰囲気も好き。謎解き難易度も低めでボリュームも程々なため、地味ながらRTAや配信受けもしそうです。欠点としては、上で上げた拡縮不可が一番大きいです。ほかは地形ハマりや音量差など、動作面でやや不安がある程度。

ただゲームとして良くも悪くも安定しすぎており、良作ではあれど今年一番! というテンションには達しないというのも正直なところです。面白いけど翌年に記憶を持ち越すまでではないというポジション。

この路線で次回作が欲しいところではありますが、なんと開発会社が閉鎖してしまったらしく……本作じたいが芳しい評価を得ている様子もないので、次に繋がる可能性は低そうです。


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