ゲームクリア感想160_ゴーストオブツシマ

公式サイトはこちら(少々重いです)


 心の底から良いゲームでした。


 昨年7月17日の発売日から遊ぶつもり満々だったのですが、当時は今後のキャリアアップを目標とした習い事が佳境に入っており、ゲームを優先するわけにもいかず、泣く泣く発売時期リアルタイムという得難い経験を逃した苦い思い出があります。ネタバレ防止のためにレビューなどもあまり漁らず、約半年後にどこかのセールのタイミングでようやく購入に至りました。

 また記事更新に併せて、同開発会社のインファマスシリーズの記事を読み直したのですが、7年前の自分がやたらセカンドサンに対して当たりが強い筆致で謎でした。
 今となっては良作のカテゴリに収納されているものの、当時は思うところがあったのでしょう……ゲームとしては2のほうが好みな一方で、今でも思い出す印象深いシーンはセカンドサンのほうが多いですね。初代のなんとも言えない荒涼とした雰囲気もたまに懐かしく思います。



バージョン 1.20
難易度 普通
クリア時間 91:53
トロフィー取得率 100%(プラチナ)


【良かった点】


◎安心と信頼のローディングの速さ


 インファマスシリーズ同様、驚異のローディング速度が相変わらずで感動しました。オープンワールドかつPS4でファストトラベル約5秒は画期的。近場だともっと速くて2~3秒くらいの時も。相当な苦労と技術が注がれているんだろうなぁ…と想像しますが、お陰でめちゃくちゃ快適でした。


◎程よい按配のボリューム


 実のところ、年々ゲームに対する集中力低下を自覚しており、昔よりも休憩を多めに挟まないと長大なオープンワールドに取り組めないです。もっとも若い頃が集中しすぎで、休憩をこまめに挟む現状の方が推奨されるプレイスタイルなのですが……どうにも「ゲームに没頭する」という感覚が日々遠いものになっているのに少々の寂しさがあります。

 そんな私でも(ドキュメンタリーCM風の転換)、本作は比較的集中して最後まで遊べました!
何しろオープンワールドのボリュームが理想的なまでに程よく、思ったより短くて物足りなさを感じることも、長すぎてダレることもなく、久しぶりに没頭できた感覚があります (それでも昔ほどではないですが)。
 更に細かく言うと、一通りのアクティビティを達成して、ダレを感じ始めた頃にピッタリ最終ステージを迎えたというのが体感です。

 もっとも、重厚長大な世界もオープンワールドに触れ始めたときは魅力的でした。ただ今となっては、世界が多少狭くても、取捨選択してコンセプトを貫いているスタンスのほうに惹かれます。


◎先人たちの良い所取りと反省を活かしたシステム


 お馴染みアサシンクリードシリーズやホライゾンゼロドーン、その他諸々の、所謂「AAA」の好評かつメジャーなシステムが一通り盛り込まれていて、相当遊びやすいです。

 そもそも「対馬」というローカルな舞台のオープンワールド、という時点で十分に独創性が確保されているので、システムであまり冒険しないのは良いバランス感覚に思えます。
 正直、自分が生きている間に対馬が舞台のゲームが発売されるとはまったく想像していませんでした。しかも超大作。

 良い所取りだけではなく、先発ゲームの不満点も細かく解消しています。
思いつくのを挙げてみると

・敵の死体が(基本)ずり落ちないのでアイテム回収やステルス状態維持がしやすい
・逃げ出した敵がその場にアイテムを落としていく
・敵の頭数が僅少になると「残りの敵を集める」ことができて敵探しの手間が省ける
・必須アイテムやストーリー進行が必要な場所に近づくとメッセージ表示される
・ゲストキャラと並走する時に移動速度が合うので見失うことが少ない
・地図上のアイコンにカーソル合わせただけで、店の購入・アップグレード状況一覧が表示される

 などなど、痒い所に手が届きます。先発のゲームで既に存在するものもありますが、とにかく無駄足や二度手間がほとんどないので実に快適でした。
これに加えてローディングも速いので最高です。

 あと敵拠点奪取のリターンが大きめなのも好感持てます。単なるアイコン潰しになりがちなUBIあたりと違って……


◎ストーリー


 ラストはストレートに泣きました。
序盤からなんとなく予想がついていたものの、ストーリーを進めた果てにあの場にたどり着くと、想像していた以上に心が動かされました。
インファマスシリーズの善悪ルート分岐が(ほぼ)なくなったことで、より力強く印象深いストーリーになったと感じます。浮世草(サブクエスト)も内容濃いめでやりごたえがありました。

 あと、敵役のコトゥン・ハーンが近年ゲーム業界でもまれに見る悪辣さで、それも良かったですね。一歩歩むごとに一人の人生を台無しにするレベル。
外見や戦闘スタイルは肉体派な一方で、めちゃくちゃに頭が回るしこちら側の人間が何度も論破されかけるので、イベントを眺めているだけでも追い詰められました。こんなのとリアルで対峙するだけで平伏必至だし、侵略の恐怖を体感できました。


◎比較的容易なプラチナトロフィーの取得


 本編はじめとした各クエストや拠点奪取を一通り終えて7〜8割、あとは「誘い風」などを活用して収集物などを集めてプラチナ取得、という感じでした。戦闘関連のトロフィーは自然に取れました。

 私はノーヒントでどうしても取れないものがいくつかあったので攻略情報に頼ってしまいましたが、人によってはノーヒントでも取得できる範囲です。

 序盤で訪れる日吉の湯の短歌チュートリアルは誘い風が機能しないらしいので、今から始める方は初来訪時に終わらせておいたほうが良いです。日吉の湯はアイコンが複数重なって進捗がわかりにくいので、ちょっと念入りに探索したほうがいい気がします。


○顧客が望んでいた世界観


 史実からすれば誤りのほうが多いと思われますが、これはこれが長年求められていた世界観に思えます。AAAの技術力で楽しめる時代劇(歴史ではない)オープンワールド、を実現させただけでも十分で、実際に遊ぶと、綺麗な風景に感動しました。いざ実現すると本当にこんな風になるんだ……という。



【気になった点】


×地図が見づらい


 文字色とアイコンが白色なので、地図の白背景などに同化してしまって判別しづらいことが多々ありました。特に海外線沿いや島にあるアイコンは頻繁に見逃しました。設定でもピンポイントに解決できなかったので……

 あと、一つの場所にアイコンが重なって不便な時もあり。


△戦闘中のカメラワークで困る時がある


 なんだかキャラクターがオブジェクトに隠れがちな気がします。敵の攻勢が激しくてカメラワークを弄る余裕もないときは、相手も自分もよく見えないまま戦ってました。

 また一騎打ちの際、倒れ込む一番手の体に隠れて、次に襲ってくる二番手が振りかぶるモーションが見えなくて失敗することがあり、それもうまい具合になんとかなればなぁと感じます。


△雑魚集団とのエンカウント率が微妙に高い


 クエストや探索に集中したい時に遭遇します。ひとまず全滅させて気を取り直しいざ目的地へ、と移動していくと目的地付近を巡回していたりで、地味ながら煩わしいです。
 街道を外れて移動することである程度は緩和されるものの、かなり目が良いので離れた距離からでも警戒される上、馬で逃げてもそこそこしつこく追ってくるので辟易します。

 戦闘システム自体が面白いので、戦闘突入してもそこまでの苦痛ではないのが救いです。


△地形吸着力の弱さ


 地形の吸いつき力が心なしか弱いように感じます。
高所からの転落死もそこそこありますし、梁やロープから滑り落ちてステルス失敗も多発。
 もちろん自分の操作が下手だからと言われれば頷くしかないですが……他の同ジャンルゲームの吸着力に甘やかされてきたのでしょうか。


△起きハメがある


 気力を消費して復活→起き上がりモーション中に近くの敵や弓兵に倒されて行動不能→再復活→何度かループして末に気力を使い果たし終了

 もちろん自分の操作が下手だからと言われれば(略)
贅沢は承知の上で、起き上がりモーション中に無敵時間があると戦闘も捗りました。



【まとめ】


 巷の評価通り、大傑作でした。本当にリアルタイムで遊びたかった……
もっとも一通りのアップデートが終わって、より快適な状態で通して遊べたのは良かったです。

 アクション・戦闘・システム・ストーリー・UIすべて良しで、PS4の代表作を選出しろと言われたら真っ先に候補に挙がります。もうPS+フリープレイで安売りして欲しくないレベル(いずれ来るでしょうが)。

 それにしても、対馬というマイナーな舞台でこれだけの大作にゴーサインを出すだけでも相当リスキーだろうに、それが通って、かつ高水準な完成度で発売されたのは奇跡的、いや関係者の情熱と努力の結果なのでしょう。しかもコロナ禍まで半年くらい挟まっていますし。

 また、このゲームがSIE最後の良作にならないことを願います。
SIE組織再編により、もう日本からはめぼしい新作は出ないのが実質確定したので、それこそ本作のスタッフの続編に期待しています。

 続編……もう対馬はやらないだろうし、日本国内や他の国から別の舞台を選ぶ、というのも個人的にはあまりピンとこないし、なんだか次は完全新作になりそうな気がします。



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