ゲームクリア感想152_アサシンクリードヴァルハラ(PS4版)
※初代〜リベレーションまではプレイ当時ブログを始めていなかったのでありません。
3
4
レディリバティHD
ユニティ
ローグ
シンジケート
クロニクルチャイナ
クロニクルインディア
クロニクルロシア
オリジンズ
例年ならば、昨年秋あたりの発売時期にクリアして同時期に本ブログも更新していたはずのシリーズ記事ですが、今年は珍しく年を跨ぎました。
理由としては、ウォッチドッグスレギオンが同時期に発売され、そちらに時間を割いていたからです。
そうこうしている内にゲーム自体が騒動に発展したのですが、もうDL版の事前予約も済ませていたので、指摘されていた不具合を覚悟して購入しました。
しかし覚悟したところで不具合がなくなる訳でもなく、何回か泣かされながらも、たっぷり2ヶ月かけてようやくクリアと相成りました。
バージョン 2.10
難易度
バトル→ヴァイキング(NORMAL相当)
ステルス→アサシン
トロフィー取得率 73%
※プレイ時間の長大化を見越して、一撃暗殺のオプションはON。
しかし大した短縮にはなりませんでした(すぐ見つかるので)。
【良かった点】
◎ネタバレ厳禁のストーリー
今作はシリーズの中でもストーリーの比重が大きく、なにかと多発する不具合を乗り越えてでも結末を知りたくなる引力がありました。
といっても、序盤のノルウェーからイングランド到着直後あたりはパッとしなかったです。
エンジンがかかってきたのは、推奨戦闘力順に従って進めたイースト・アングリア篇からで、そこからは地域別のクオリティの差こそあれど、楽しくストーリーを進められました。
そして終盤、満を持してとんでもなくワクワクする展開となり、ストーリーに関しては多大な満足感を得ることができました。
不要論が喧しいなか、初代から連綿と続くシリーズの芯として、本来のコンセプトとして現代篇は必要と考えているので、しっかりとストーリーとして展開して安心しました。
強いて言えば、終盤に展開が集中しすぎな感じもありますが、そこに至るまでの各地域ごとのストーリーもそこそこ面白かったです。
地域ごとにクオリティの差こそあれど、RPG的な王道の熱い展開があったり、悩ましい選択を要求されたり、証拠集めからの暗殺に至る初代みたいなプレイ感の展開があったり、苦い終わり方をしたりといずれも飽きることなく進められました。長大ボリュームに対してダレることはほぼなかったです。
あと個人的には、評価も扱いも不遇な3の要素がいくつかあって、それも懐かしくもあり嬉しくもありでした。考えてみると3と本作は、シリーズ内シリーズ(?)完結篇に相応しくストーリーが面白い一方で不具合で評価が下がっているという共通点がありますね……
ストーリー展開に関してはこれ以上何も言えませんが、とにかく期待を上回る内容でした。
◎シリーズ要素全部入り
初代から前作までの設定や特徴的なシステムが、気づいた限りではシリーズの全作品から採用されています。シリーズファンなら大体気付けると思います。
私が気づいた限りでは 、
・初代→ソーシャルステルス・一部暗殺ターゲットの設定オマージュ・おなじみ暗殺後の謎空間
・エツィオサーガ→中世の世界観・アニムスパズル
・3→発展させられる本拠地・とあるストーリー展開
・4→宝の地図(他シリーズにもあるけど)・イギリス舞台
・ユニティ→特に思い浮かばず
・ローグ→冷たい海を泳ぐとスリップダメージ
・シンジケート→イギリス舞台
・オリジンズ・オデッセイ→古代3部作として同路線。
といった感じでまさに総決算でした。
特に初代〜3のオマージュが顕著で、否が応でもあれこれ(初代リメイクなど)期待してしまいますが、それは一旦忘れます。
とにかく、ここまで過去作要素があるとは思っていなかったので、嬉しい誤算でした。
また、オリジンズ・オデッセイから続く暗殺ターゲット組織図&正体特定が引き続き存在していたのが安心しました。
システムとしてはオデッセイのほうが正体を暴くワクワク感が強かったものの、やっぱり一番暗殺者らしいシステムなので、今後の新作でも引き継がれて欲しいものです。
◎サブクエストの改善
よくあるクエスト受託から、「ワールドイベント」と称される履歴の残らない形式に変更されました。
一応、エリア毎に用意されたイベント達成数としては数えられますが、名称付きのクエスト履歴としては残らないです。
それに伴って内容も簡素化され、大体「発生した場所の近辺」で完結する作りとなり、サブクエストのために遠出する必要はなくなりました。
前作のオデッセイは大ボリューム過ぎて、クエストをこなしにいった先の土地で新たなクエストを請け負って、永遠にタスクが積み重なった状態が当たり前だったので、個人的には気が楽になりました。長ければ面白いというものでもないですし、今作はメインストーリーだけで十分に面白いので、サブクエストは軽めでちょうどいい按配です。
ただ、基本的にノーヒントなのでドツボにはまるとそれなりに時間がかかったりもしますが、達成度さえ気にしなければ無理にクリアする必要もないので……
○我々が期待する中世そのものなロケーション
「昔々、王子さまとお姫さまが……」「森の怪しい魔女が……」のあの世界です。
ゲーム序盤こそ雪深いノルウェーから始まりますが、そこからイングランドに到達したときの風光明媚さには感動しました。
私達が日本のRPGなどを通して知っている典型的な「THE・中世」で、このシリーズだとそれが逆に新鮮というか懐かしくというか。ゲームを通じての故郷というと大げさですが、ある意味馴染み深いロケーションでたっぷり遊べる満足感があります。
時代や地域が比較的近いのもあって、最先端技術で蘇ったエツィオサーガといった側面もあるように思えます。
○海戦がほぼ消滅
船こそ登場するものの、基本は移動手段となり、前作や過去シリーズのような大々的な海戦はなくなりました。船上で弓を射るか船の近くで戦闘するかした時だけ追随してくれるくらい。
バイキングと言えば海のイメージなのでかなり警戒していたのですが、ひとまず安心できました。
海戦システム自体を嫌悪してはいませんが、これが設定と噛み合って面白かったのは4とローグくらいで、あんまりこの要素にリソースを割かれてもなぁ…というのが本音です。そういえば、海戦要素だけを独立させたUBISOFTのスカルアンドボーンズはどうなったのだろうと調べてみたら、一応生きているようです。
【気になった点】
×不具合祭り
文頭で触れた通り、昨年12月に話題になった規制問題も不誠実ですが、ゲーム中一番気になったのが不具合の異様な多さです。
多すぎて書ききれないのですが、現バージョンの2.10になって主だった不具合は改善されました。
一応書き記しておくと、下記のような不具合がありました。
※解決済み不具合
・カットシーンに入る・またはカットシーン終了直後に強制終了
・カットシーン中に主人公のグラフィックが消滅・NPCのテクスチャ貼り遅れ
・レイヴンズソープのクエストクリア後にファストトラベルできなくなる(ロングハウスで宴を催すと直った)
・ファストトラベルすると移動せず、異空間に飛ぶ(何度やり直しても同じ)
・音声がブチブチ途切れる
・よそにいっても特定のBGMが流れっぱなしになる
・矢の所持数アップグレードが反映されない
・メインストーリー中に着用した衣装が脱げなくなる
・↑ついでにその地域のメインストーリーを達成するまでファストトラベルできなくなる
※現在進行系の不具合
・オーログにインタラクトできなくなる(再起動で直る)
・カットシーン終了直後? ファストトラベルできなくなる(特定の地域から離れると解決する)
・うっかりインタラクトできない地点まで動かした障害物がリセットされず、宝箱が開けられない
こんなところです。
また、これに加えて、シリーズおなじみの地形ハマりも健在です。
宝箱は低ランクかつ自業自得なのでもう諦めてます。
地味に影響したのが矢の所持数で、プレイ時間のうち約150時間ほどは所持数アップグレードが反映されなかったので、戦闘はほぼ近接一択でした。
もっとも、前2作で弓矢が強すぎた反省か今作では弱体化しているので、どちらにせよあまり使わなかったでしょうが……
もともと動作が不安定なシリーズですが、今作は歴代最悪と断言して問題ないでしょう。
恐らく、昨年の開発上層部スキャンダル退職と昨今のコロナ禍(リモートワーク移行)が重なって、従来のように開発が進められなかったのが原因と邪推します。
上の文章だとあっさり列挙しているように見えますが、昨年など酷いときは30分ごとに手動セーブを残していました。
なぜならオートセーブすら信用ならなかったので……(私は遭遇しませんでしたが、当時不具合が起きていました)
とにかく、カットシーン・レイヴンズソープ・ファストトラベル・音声あたりは不具合が起きやすいので、今から始める方はご注意ください。
×不誠実な国内対応
各ゲームメディアで取り上げられ、外部機関(CERO)まで巻き込む大事になった本作の規制事件。詳細は各メディアのほうが正確ですので、そちらをご参照ください。
この件で私が気になったのはただ一点で「どうして正確な事前告知をしなかったのか? 」という至極シンプルなものです。
私見ですが、シリーズファンの大半は血腥いグロテスク描写やエロ描写そのものが目的なわけではなく、キャラクターなりストーリーなり世界観なりシステムなりに魅力を感じているファンが多いと思います(私もです)。
だから、表現規制があったところで、本来ならここまでの騒ぎにはならなかったでしょう。少なくとも過去作ではそこまで荒れなかったと記憶しています。
問題は規制それ自体よりも「嘘をつかれた(信頼を裏切られた)」という点が大きいのではないでしょうか? 別に正直に言えば(落胆の声はあるだろうけど)大半のユーザーは仕方ないかと納得するのに、運営サイドがわざわざ不正確な告知をしてしまい、結局は信用されていなかったことが露呈して、その落胆や失望がこの大炎上を招いたのだと思います。
断言しますが、ありのままを告知してさえすればこんなことにはならず、少なくともCEROにまで話は広がらなかったでしょう。UBIDAYにも何度か足を運んだ身としては、小さいながらもそれなりに楽しくやっていたあれは何だったの? とは思いました。あれが積み重ねてきた信頼というやつだったのでは?
アサシンと銘打っているもののそこまでグロテスクさを売りにしているでもなく、そもそも3やユニティで炎上の前科があるアサシンクリードシリーズをヴァルハラくんだりまで追っているようなファン層ですから、規制なんて今更な話だった筈です。
SNSで話題だった天穂のサクナヒメやら、全世界待望のサイバーパンク2077を差し置いて、この古びたシリーズを選んだのですから……
会社を代表する人気シリーズで売上的に失敗できなかったというのはなんとなく想像できますし、本社からも要求なりがあったと思うので日本法人だけを責める気はないです。上で言及した歴代最悪の不具合といい、結局は会社の体質や状況に起因するのでしょう。
一連の騒動や、コロナ禍による発売延期なども重なって、しばらくは国内展開も冬が続きそうですね。
本作もウォッチドッグスレギオンも評価が芳しくないので……自業自得ですが……
余談:オタク界隈では公式への不満を「お気持ち」と揶揄する向きがありますが、お気持ちのひとつも表明できないのは大人としてもオタクとしても情けないと常々思っています。こんな揶揄や冷笑に負けずお気持ち表明しているオタクを応援しますし、かつ自分もそうありたいものです。
△苦痛なアクティビティがいくつかある
色々なアクティビティが存在する中で、率直に言って壊滅的につまらないものがいくつかあります。
酒飲み対決・積み石の2つが代表例です。
前者はQTEで、もうそれだけでもマイナスな印象なのに、酒が苦手な身にとっては吐きそうになっている主人公を見て気分が悪くなるし、後者は物理演算そのまんまというかシステムとして練られておらず、風景を眺めながらひたすら理不尽と格闘してゆく修行です。序盤はまだ簡単ですが、中盤からは完全に苦行。
そしていずれも大した報酬は得られないので、私は途中から完全に放置しました。
酒飲みに至ってはストーリー上強制されるものを除けば2回くらいしかやっていません。
あと、悪名高い「近づくと飛んでゆく紙集め」が復活したのも勘弁して欲しかったです。
旧作に比べれば緩くはなっていますが……
△前作ほどではない戦闘・ステルス
164時間以上遊んでも、戦闘に関しては前作オデッセイのほうが楽しかったという見解は変わりませんでした。
まずテンポが悪く感じます。原因としては、マップの広大化と弓兵の多さの2点があると思っています。
マップは修道院襲撃に顕著で、広いマップを宝を探しながら駆け回るため、戦闘行為に集中できず襲撃のスピード感に欠けます。道を探してウロウロしている様は牧歌的ですらある。
弓兵は砦などに多く、弓兵が体感で敵の4~5割を占めているのでほとんどの敵に距離を取られ、こっちからチマチマと各個撃破して回ることになりがちでダレます。
ステルスに関しては、敵の警戒解除までの時間が長く、またやたらと視力もいいのでしょっちゅう失敗します。
なによりも、高難易度でもない限りステルス攻略は自己満足・ロールプレイの域で、突撃して倒したほうが速いです。
前作は、戦闘は近距離も遠距離もサクサク動いてデカいダメージがバンバン出てなかなか爽快だったのに、今作ではそういうのが薄れて、リアルに根ざした感じになりました。それも嫌いではないですが、ゲームとして捉えると前作のサクサク加減を懐かしく思います。
△時代を逆戻りしたかのような操作性
これも前作が良すぎたかな〜と思います。エツィオサーガ時代の癖のある操作感に戻った印象。
判定が全体的に曖昧でインタラクトし辛いし(距離が悪いのか不具合で表示されないのかの区別も不明)、ちょこちょこ地形に引っかかるし、いかにも登攀できそうな地形を掴めないしで、操作まわりのストレスが少なくありませんでした。
相変わらず小さい段差に弱かったり、窓から侵入し辛かったりとおなじみのイライラも健在で、ブラッシュアップの時間が不足していたように感じました。
△神話の世界篇、そこまで楽しくない説
オリジンズやオデッセイのDLCにあった神話世界が、今作では初めから実装されています。
前2作も奇抜なロケーションの割に代わり映えしなくて微妙でしたが、今作の神話世界はそれに加えて面倒な要素ばかりが増えて、ダレることが多かったです。
今作の神話世界は、段差がやたら激しくて移動が面倒だったり、特定の地点を通ると地形が変わったり、敵が硬かったりととにかく面倒で、初来訪の時点でワクワクよりも辟易が勝っていました。ストーリー自体も感情移入できるような内容ではなく、他人事みたいな感じで終始進むので、まだ前2作のほうが見るものはあったと思います。ご当地供物集めもやたら時間がかかって面倒。
△細かい気の利かなさ
ファストトラベル直後の向きでシンクロ地点から飛ぶと、なぜか下に藁がなくて転落死or大ダメージというのが多いです。
これも近年の作では解決したはずですが、そこまで気が回らなかったのが丸わかりです。
また、買い物の際、毎回定型文会話が挟まってテンポが悪いです。旧作の場合は、いずれも話しかけたら即買い物画面に移行していたので、余計気になります。
そしてこれも相変わらず、各地で読めるテキストは基本現地でしか読めません。
せっかく「ジャーナル」の項目があるのだから、今回こそまとめて読み返せるようにして欲しかったですね。特に今作は重要文書が多いので。
もっとも、一部の重要文書はレイヴンズソープでいつでも読み返せるようになったので、一応はマシになったようです。
△日本語ローカライズの質がやや低下
3ほど目立たないにせよそれなりにテキストの誤字脱字がありました。
それだけならともかく、地味に辛かったのが一部日本語吹き替えの声優の拙い演技力です。
キャラクターも多いし、そうそうコストを費やせないのは解りますが、演技以前に舌もうまく回っていない端役が多く、少々体験を損ねているように感じます。
主役級は流石に安定しているので、気にしなければそこまでの問題でもないですが、明らかに予算が減らされたのが伝わってきて、今後が不安になりました。
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