ゲームクリア感想151_ウォッチドッグス レギオン(PS4版)

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ゾンビUアサシンクリードシンジケートに続く、3番目のUBI製ロンドン。
シリーズとしては約3年11ヶ月ぶりでしょうか。

 延期になった時は本気で落胆しましたが、ロンドン中のほぼ全員を仲間にできるという野心作ということで、それなりの開発期間が必要になるだろうと自分を納得させていたのは昔のこと。予約開始とともにゴールドエディションをダウンロード版で即予約しました。
 8~10月の間は諸事情で大作ゲームに注げる時間が少なく、久々のオープンワールドという意味でも楽しみでした。このシネマティックトレーラーを何度も観返したりして。

 固定主人公不在がどう影響するかの不安はありましたが、実際にはそこまで気にならなかったです。


バージョン 1.06
難易度 ノーマル
クリア時間 約4565時間(全メイン&サイドクエスト達成)
トロフィー取得率 75%


【良かった点】


◎リクルートシステム


 新感覚で面白かったです。ゾンビUの死亡交代システムを大進化させたような感じです。
これが予想以上の作り込みで、ただの自動生成NPCかと思ったら、ロンドン中のほぼ全員に一日の行動パターンが設定されているというこだわりように度肝を抜きました。
 いっそ声なしでもいいくらいなのに、なんとボイスパターンごとに全セリフが存在して、更には仲間同士の会話まで用意されているという、作業量を考えただけで気が遠くなる仕様です。

 また、このシステムで、これまで小金稼ぎやフレーバーの趣が強かった、クエストに関係ない一般人ハッキングにスカウト候補収集という目的が生じたのも大きいです。フレーバーが本システムに進化したイメージで捉えています。

 「ロンドン中のほぼ全員スカウト可能」というのは誇張ではなく、敵幹部や一部NPCを除けば、最初はこちら側に悪印象を抱いている人物でも、採用ミッションさえ達成すれば味方にできます。

 どう育成するか、ではなく、どういう組織を組み立てるか、という視点で遊ぶのが楽しいです。一次創作というか「うちの子創作」文化というか、そういうのに親しみを持っていると入りやすい気がします。


◎着せ替えが楽しい


 予想外にハマりました。
シリーズで一番スキンが豊富で、店先で色々な組み合わせを試すのについ没頭してしまいます。固定主人公でないからこそ、ロールプレイ的な意味でも「どういう装いをするか」は大事になってくると思うので、そこがしっかり充実しているのは好印象です。
 性別で着られない服は(おそらく)存在しないです。最初はパッとしない服装の人物も、着せ替え次第でガラッとオシャレになるので、洋服にハマる人たちの気持ちがわかりました。


◎豊富かつ内容充実の収集要素


 音声やテキストで世界観を補完するお馴染みのスタイル。
これがいずれも内容が充実していて、関連トロフィー取得後もコンプリートを目指すモチベーションになりました。

 あと、新規入手を示すアイコンが選択した段階ではまだ消えず、そこからカーソルを動かした段階で消えるという仕様なのも感心しました。これで見逃すことがかなり減ったので、細かいながらも快適。


◎攻略の多様化


 初代から思い描いていたものがやっと結実したように感じます。

 まず、強制戦闘が減ったのが嬉しいです。ミッションのごく一部にしかなく、ガジェットが有用なのもあって難易度はかなり下がっています。
 これまでの旧作は攻略が多様に見えて、実際はそこまででもなかったのが体感なのですが、3作目の本作でいよいよ多様化に成功したイメージです。

 初代のように生身で潜入しても、2のように生身+ガジェットで潜入してもいいし、警戒区域外からスパイダーボットだけでミッション達成してもOK。とにかく今作は血を見ずにクリアできることが多いです。
 
 もちろんその気になれば銃撃戦も可能。マジシャンの特殊スキルを駆使して同士討ちさせてもいいし、ハッカーでハッキング対象を増幅させて混乱に陥れるのも有効。
 特定のスキル・職業が強いというゲームおなじみの問題からは解放されていないものの、他が極めて弱いというわけではないので、自分の思い描いた戦法で進められます。


○快適な操作性


 乗り越えられそうな段差で引っかかることがある程度で、人もドローンも乗り物も特に気になる点はなかったです。ゲームの規模を考えるとスムーズな部類。


○熱いストーリー


 クリアした今、このゲームが「3」ではなく「ウォッチドッグス レギオン」というタイトルでなければならなかったと確信しています。
 現実の時代背景もあって、こういうレジスタンスものにはどうしてもときめきを感じます。メインミッションでちょっとしたホラー要素もあるのが好みでした。

 ただ、レジスタンスものとして熱いからこそ、終盤のあの展開は極力避けて欲しかったですね。折角話を積み重ねてきたのに、最後の最後で矮小化してしまったように思いました。一度は予想する展開が悪い意味で当たってしまいました。ここに一工夫あれば……

 とはいえ、全体としては萎えることなく進められました。ボリュームもちょうど良かったです。


○諧謔心あふれるテキストや台詞


 メタデータの短いテキストのノリが好きです。
「国勢調査の宗教を精霊信仰と記入した」「アップした動画:「鋭い小便は岩をも貫く」「馬の世話ゲームのプレイに3100時間以上費やした」など、ツボに入るものも多いです。



【気になった点】


×強制終了エラーが多発


 PS4環境ですが、バージョンを重ねた今でも強制終了します。
ゲームを始めた当初はそれこそ4時間に1回くらいの頻度で強制終了しており、外付けHDDが原因という説を見て、本体にデータ移動したらある程度マシになりました。

 エラーになりやすい状況としては、

・ファストトラベル直後(駅を出てそのまま街中全力ダッシュすると危険)
・チームを開く(素早く切り替えていると危険)
・混戦中(上2つほどではないが起きる)

などが多いですが、あくまで傾向でこの限りではありません。
色々と複雑な作りになっているのは想像しますが、あまりに多発するので、品質管理に疑問です。この状況で、今後オンラインが実装されることに不安です。


×トロフィー関連


 取得条件を満たしているはずなのに一向に取得できないものがあり、アップデート待ちです。説明文が誤っているのか説明不足なのか、不具合なのか判断できないので……
 「プロの殺し屋」で「ステルステイクダウン」をしているつもりなのですが、なぜ?


△写真撮影周りがチュートリアル不足


 「ゲーム中に要求される写真撮影」と「フォトモード」は別です.
前者は十字キーの武器・ガジェット選択画面から□ボタン、後者はL3とR3同時押しです。

 チュートリアルを読み返してもこの辺りの説明がわかりにくく、危うく詰みかけました。


△生身の移動中に音楽が聴けなくなったetc.


 これがそこそこショックでした。特に速度の遅い貨物ドローンでの移動中はほぼ無音でかなり寂しいです。
 前2作のスマートフォンモチーフのメニューUIが廃止された影響なのでしょうか。特殊車両以外の乗り物に乗れば音楽もラジオも聴けますが、今作は貨物ドローンが便利すぎて、そこまで乗り物を利用することがなく、影が薄いです。

 他にも、動物との触れ合いや犯罪歴書き換えハッキングなど、前作であったものが幾つか削除されていて寂しいです。なんか今回は漁夫の利作戦し辛いなと思っていたら、犯罪歴書き換えがなくなっていたというオチ。


△攻略が多様化したものの……


 貨物ドローンとスパイダーボットが強すぎます。

 特にスパイダーボットは一匹で生身の人間とほぼ同等の活躍をするため、ガジェット欄はほぼこれ固定でした。潜入型に至っては、テイクダウンまでこなしてしまうのはやりすぎなレベルです。
 テイクダウンのボタン表示がわかりにくく、出来るようになったのに気づかなかった時期があったのですが、今思うとそれくらいでも良かった気がします。あるいは回数制限をかけるか。

 貨物ドローンはゼノブレイドクロスの「ドール入手後の探索が単調化する」問題とほぼ同じで、空中移動系はバランス取りが難しいなと改めて思いました。移動が遅いというデメリットをものともしない有用さ。

 また、バランスで言うと有用な職業とそうでない職業との差がかなりあるような気がします。こだわらない限りは、大体下記の職種で十分です。

・建設作業員(貨物ドローンいつでも呼び出し。探索担当になりがち)
・警察・アルヴィオン関係者(制服着用アクセス・戦闘系スキル)
・クラン・ケリー関係者(同上)
・スパイ(ガジェットやスキルが強い)
・プロの殺し屋(同上)

 私はこれらに加えて、

・養蜂家(リキャストの早い遠距離攻撃)
・ドライバー(運転が必要になる時に)
・医療関係者(制服着用アクセス・負傷時間短縮)

 を適宜起用していました。負傷時間や拘留時間もそこまで長くないので、そのへんのスキル持ちの優先度は低いです。医療・法律関係者がいたほうが組織が安定するだろうというロールプレイのために加入させていましたが……

 普通に遊んでいると自然と偏るので、自分でなにかルールを設けておいたほうが、飽きが少ないかなと思います。


【まとめ】


 シリーズで最も人を選ぶ作品になっています。
まず固定主人公がいない時点で、前2作のキャラクターのファン層はモチベーションが下がっていそうですし、誰でもスカウトできるシステムと言われてもピンと来ないと思われます。
 実際、あまり評価も芳しくなく、多発するエラーやゲームバランスの偏りなどの課題もあります。

 それでも私は非常に楽しめました。
ゾンビUのあの交代システムは発展されれば絶対面白くなる! と当時から思っていたので、こうして進化して帰ってきたことからして嬉しいですし、ゲーム自体もシリーズの雰囲気は失っていませんし、組織の立て直しから始まるストーリーにも没頭しました。

 ひとまず、固定主人公不在な件が気になる方は、DLCで初代のエイデンと2のレンチが追加される予定なので、そのタイミングで始めても良いと思います。ミッション中でも他キャラと変わりなく起用できるとのことです、

 ごくごく個人的な見解を言うと、このゲームは何者でもない"パンピー"が主役だから意義のある作品だと思っているので、DLCとはいえど旧作キャラ実装はやめて欲しかったのですが、それを望むファンも多いでしょうし。

 ただ、せめてDLCまでに強制終了エラーの問題は改善されて欲しいところです。本当に深刻でモチベーションに多大な影響を及ぼしているので。

 今はアサシンクリードヴァルハラの事件が大きくて、ウォッチドッグスにどこまでリソースが割かれるか不明ですが、良いゲームなのでせめて安定して遊べるようになってほしいものです。

 それにしても、UBISOFTも、ゴーストリコンBPの騒動(現在はアップデートで改善されているとのこと)あたりから今の今まで良いニュースがないですね。このシリーズも次があるかどうか……公式サイトを見る限りはYEAR制(?)を採用しているので、しばらくはアップデートが続きそうですね。また初代のような気軽なオンライン侵入をやってみたいです。



 

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