ゲームクリア感想82:ホライゾン ゼロドーン
再び一大事です。
この「作品」は「事件」です。
ペルソナ5の記事と似た書き出しとなりましたが、それだけ絶賛せねばならない使命感を抱えながらこの文章を書いています。
これもペルソナ5と同じで、発表時こそ即購入決定レベルの強い期待を寄せていたものの、情報が公開されるにつれ「自分向きではないかもしれない」という不安ばかりが高まってしまい、発売日を迎えてもまだ購入を迷っていました。
翌日、購入を決意して店に寄ったら売り切れており(洋ゲーが売り切れていたのを初めて見た)、それによりますます購入意欲が煽られ、その日のうちにダウンロード版を購入しました。結果的には大正解でした。
そしてクリアした今、こんな良作を世に出した制作陣への感謝が溢れて止まりません。
Guerrilla Gamesのソフトはキルゾーン2の体験版を開始3分で詰んだだけの経験しかなかったのですが、今作でファンになりました。
機種: PS4(ダウンロード版)
クリア時間: 約70時間?(サブクエストや収集要素一通りクリア)
トロフィー収集率:84%(プラチナトロフィー獲得目指し中)
難易度: ノーマル
【良かった点】
◎◎一段階進化したオープンワールド
これは私の中で画期的なのですが、オープンワールドに感じる「面倒臭さ」がほとんど無いです。これまでの同系統のゲームでは、面白くても移動やロードが長いなどを受け容れた上で楽しんでいたのですが、今作ではほぼ全ての要素が快適かつ面白かったです。移動…超快適です。走るのも速い上にスタミナ切れなしで、乗り物に乗らなくても全く困りません。崖登りもスイスイ登れて、この手のゲームの中では最速レベルです。その割にモーションが自然なのであんまり違和感がないです。
ファストトラベルも特定のアイテム購入まではアイテム制ですが、豊富に手に入るのでこちらも困りませんでした。安価で買えるので実質無制限みたいなものです。
ロード…ダウンロード版なのもあるかも知れませんが、そんなに長く感じたことはないです。フィールドも街もダンジョンも全てシームレスなので、イベントとコンティニュー以外でロードに煩わされることはありませんでした。
その他快適な面…
☆スキル取得や売買などは、誤操作防止の為「選択してからボタン長押し」で決定となり、この長押しの時にコントローラが振動するので解りやすい。
☆レアアイテム入手時にはコントローラから音が鳴って知らせてくれる。
☆戦闘中でも武器選択画面で矢弾作成可能(スローがかかる)。
など、ゲーム進行が中断されることがないように意識された作りなので、エンディングまで夢中になって楽しめました。
とにかく「手触りの快適さ」に尽きます。これまでなかなか成し遂げられなかった改善を成し遂げたと思うので、これだけ書いても自分の筆力じゃ褒めきった気にならないですね。
◎充実したコレクタブルによる探索の楽しさ
このゲームはノーヒントの収集物が非常に充実しており、数が多いだけではなく中身も充実しているのが他とは一線を画しています。メインのストーリーはキャラクター間のやりとりを中心に進むので、世界観の補完などを収集テキストや音声でしていきますが、一つ一つが凝った作りで集めがいがあります。この「収集物が充実しているので探索にやりがいがある」という点は、個人的にかなり推しです(数と内容を両立させたゲームは少ないので)。
◎圧巻のグラフィックと緻密な世界観、それに伴うスクリーンショット撮影の楽しさ
グラフィックは、この先2,3年はこれを超えるものは出てこないのではないかというレベルで綺麗です。誰に見せても綺麗だと感じるのではないでしょうか。とにかく夜景がとても幻想的で、初めて見た時は息を呑むほど感動しました。綺麗なだけではなく、滅びた文明と繁茂する自然が調和した世界自体が緻密に作られているからこそ、どのシーンを切り取っても映えます。滅びた文明とか、遺跡と呼ばれている文明建造物とかに惹かれるタイプの人は満足すること請け合いです。
また、このゲームを語る上で忘れてはならないのが、ゲーム内のフォトモードの存在です。グラフィック自体が綺麗すぎてスクリーンショット撮影自体が一つのゲーム性を帯びているのを初めて体験しました。制作陣も意識していたのか、フォトモードはかなり細かく設定できるので、お気に入りの一枚を撮ろうと四苦八苦するのが楽しかったです。
これも一種の「ゲームはグラフィックじゃ語れない」に対するアンサーなのかも知れないと思いました。
◎メインストーリー
オープニングから引き込まれました。ここ何年かで遊んだ中で一番オープニングが良かったです。オープニングから本格的に旅立ちするまでの導入部は、話としてもチュートリアルとしても非常によく出来ているので、戸惑うことなくゲームに入れました。途中で少々「?」となる展開もありますが、終盤は見慣れたRPGっぽい展開になり、それはそれで熱かったです。そしてエンディングは目が潤みました。
全体的にツボは抑えた作りで、主人公の物語としてもしっかり完結したと思います。
◎思った以上に手軽でスピーディーな戦闘
購入を躊躇していた一番の理由がこれでした。私はアクション操作が下手なゆえに所謂「狩りゲー」が大の苦手で、今作でも難しい操作を要求されて詰んだらどうしようという不安がありました。動画を見ても、回避や弓の照準合わせなど苦手な操作ばかりで……しかし蓋を開けてみたら杞憂でした。幸いなことに狩りゲーではなくRPGで(ここ超重要)、回復アイテムが豊富に手に入る上に、スキルと装備をそれなりに整えておけば下手でもちゃんと複数相手に勝てました。ザコ敵なら索敵能力も低いので、草むらからのステルス暗殺でサクサク頭数を減らせますし、オーバーライドや穢れの武器で同士討ちを誘ったり、弱点属性でひたすら連射したりと、ちゃんと考えて挑めば強敵相手でも程よい緊張感で勝てました。
そして、緊張感だけでなく、爽快感もしっかり兼ね合わせているので「この手の洋ゲーは戦闘がちょっと…」という不安もしっかり解消されました。トリプルショット(矢を3つ同時に射るスキル)に慣れた頃には、狙撃でも中距離戦でもバリバリ戦えます。
また、メイン武器は弓なので照準合わせが要求されるのを危惧していましたが、最序盤で一定時間スローになるスキルを習得できるので、それを活用すればそんなに困りませんでした。
狙いをつけなくても、武器の操作性を改造アイテムで高めて(弓ならサクサク連射できるようになる)、回避と回復をしながら弱点属性の攻撃をひたすら連射するだけでもある程度は倒せるので、戦闘面での過剰な心配は不要だということを伝えたいです。それでも不安が残る方のために、ちゃんと難易度イージーもあります(トロフィー取得にも影響しないので安心)。
◎音楽が良い
メインテーマとそのアレンジのフィールド曲(序盤の土地で流れる)が好きです。民族音楽風の戦闘曲も良いですが、戦闘中は慌ただしくてじっくり聴けないのが難点。
余談ですが、最近は洋ゲーも音楽面が強化されており、ゲーム音楽と言えば日本一強という私の中の固定観念が崩れてきています。
◎ローカライズの細かさ
これは本当に感心しました。ただ訳するだけではなく、ニュアンスも汲み取って日本受けするように訳されているので(「禍ツ機」「天照」など)、世界観に入り込みやすかったです。収集物や村人の会話なども余さず日本語訳されているので、英語力は不要です。この労力に恐れ入りました。 ◎トロフィーが取得しやすい
少々面倒だったり腕を必要とするものが数個ありますが、それ以外はメインシナリオとサブクエスト及び収集物をしっかりこなしておけば自然に取れるものばかりです。難易度限定などは一切ありません。私もプラチナトロフィーを目指して頑張ろうと思います。◯便利な回復システム
作業になりがちな採集に意義を与えた素晴らしいシステムだと思いました。回復薬とは別に、回復用の植物さえ採取しておけば(十字キー上)一押しで回復できる手段があり、是非他のゲームにも真似してもらいたいです。
これは数さえ溜まっていれば体力ゲージ全回復なので、何度も助けられました。不足すればその辺の植物を採集するだけなので、補充も容易。
【気になった点】
×物を預けられない
収納を最大までアップグレードしても、資源があっという間に満杯になります。容量を今(100)の倍にするか、或いはセーブポイントでも家だけでもいいので、ものを預けられる場所が欲しいです。強敵のドロップアイテムなどは記念に取っておきたいので……
というか拠点となる場所が欲しかったです。序盤の実家なんて、イベントシーンでは内装まで細かく出来ているのに一切入れなくなるので、勿体ないし寂しいです。
△騎乗が期待外れ
一部の機械はオーバーライド(メインシナリオで習得)することによって騎乗して移動できますが、生身と操作が違うので混乱するし、走りに比べて大して速くないし、何よりも乗りながらアイテムが拾えないので、ほとんど使いませんでした。ロマン要素と割り切っていますが、もう少しとっつきやすく出来た気がしてなりません。
△敵のクールダウンが微妙に長い
近くにいるとなかなか警戒を解いてくれないことが多々あり、ちょっと焦れったいです。倒せばいい話なのでさほどマイナスではないものの。△ボイスが飛ばされてしまう
ゲームあるあるですが、今流れているボイスに別のボイスが被ると、前のボイスがスキップされてしまうので、何度か聴き逃しました。このゲームは走るのが速いので、意識的に立ち止まらないとフルで聴けないボイスがあるのがやや残念。【まとめ】
オープンワールドを一段階進化させた作品です。「広すぎてだるい」「戦闘が単調で退屈」あるいは「メインの話がつまらない」などの、これまで他作品でなされた批判を丁寧に一つずつ検証していって、取捨選択の果てに遊びやすく仕上げた印象です。
戦闘中に矢弾を作成できてしまうのはやりすぎな気もしますが、取捨選択を突き詰めてリアリティより戦闘のテンポを取ったと考えれば納得です。実際この仕様のお陰で戦闘はスピーディーに展開しますし。
また、良質なストーリーや世界観にしっかりゲームシステムが組み込まれているので「雰囲気ゲー」で落ち着くこともなく、ゲームとしてエンディングまで楽しめるのも良い点です。
加えて、オフライン専用にしたのは断固支持します。オンライン要素があっても楽しめる可能性を十分に有しているとは思いますが、オフライン専用でなければここまでストーリーや世界観に力を割けなかったと考えているので、あくまでオフラインとしてこだわり抜いた制作陣の選択は大正解でした。
とにかく、語りたくなる良作を体験できて良かったです。同じオープンワールドならファークライ3、アサシンクリード4やダイイングライト、RPGとしてなら(最近では)ペルソナ5の完成度と同じ衝撃を覚えました。
「今PS4本体と一緒に買うなら、ペルソナ5かホライゾンゼロドーン」というのを今後の指標にするつもりです。
本作を体験した後では、これ以前の同ジャンルのゲームに耐えられるか新たな不安が生まれるほどです。
今は拡張パックの開発に取り組んでいるとのことで、そちらも非常に楽しみです。
そして、もし可能なら是非続編を遊びたいです。
ホライゾンゼロドーン、推します。推せます。
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