ゲームクリア感想161_バイオハザードヴィレッジ Version:Z(PS4版)

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 結論から申し上げますと、傑作です。


 7発売時に購入して以来、すっかり購入予定リスト常連になったバイオハザードシリーズ。
もっとも、ナンバリングだけでも0・4・5・6は未だ手を付けていないので、まだまだ遡って楽しめそうです。


バージョン 1.0.1
難易度 Standard(一周目) Hardcore(二周目)
クリア時間 11:07:40(一周目) 08:28:07(二周目)
トロフィー取得率 52%


【良かった点】


◎探索が面白い


 各攻略エリアを繋ぐハブとしての村があり、ひとつの攻略エリアが完了したらそれに伴って村の新エリアも解放され…という流れで、オープンワールドではないにせよ探索の自由度は高めです。財宝や時限出現の中ボス格も存在するので、思った以上に駆け回りました。
 私は探索に合わせて村のオブジェクトを観察したり、天井や木にぶら下がっている鳥かご(落とすアイテム入手)を落としたり、魔除けの山羊(コレクタブル)を探したりとかなりじっくり回ったので、そこそこのプレイ時間になりました。

 プレイ感としては(バイオ繋がりの)バイオショックやファークライの各シリーズに近いと感じました。バイオハザードである一方で、ストーリー要素強めのシングルFPSに近い感覚。もっともそれら程にはキビキビ動けない上にリソースも乏しいので、そこはホラーとして差別化されています。

 前作7の時はシリーズ仕切り直し一発目だったのもあって、ボリューム面で若干物足りなさがあったのですが、今回は体感ボリュームが2倍くらいで、探索フェチとしては満足しました。
 「7かREのフォーマットで今以上に探索メインのバイオハザードが欲しい! 」という需要に応えて頂いたという思いです。
 かといって戦闘がつまらない訳でもなく、むしろ前作7よりも立ち回りが楽しいです。7のじわじわ追い詰められる感じも好きですが……


◎二周目でもなお怖いホラー


 7の悪趣味な方向性に対して、どちらかというとエンターテイメント性のあるホラーになった印象ではありますが、そうなったらそうなったでシンプルに怖いです。一周目など、最初のドミトレスク城どころか村の段階で忍び足で進んでました。家に入ると不穏な環境音がするのが不気味。

 もう城ですら足音や暗闇に怯えていたのに、次のエリアときたら……
隠れポイントの配置からしてなんとなく察したものの、察したところで本物が想像の何百倍も怖ければ予防線にもならず、エリア敵と遭遇後はしばらく安全地帯で震えていました。
 想像がつくから怖くないというのは誤りで、今後の展開が想像に難くないからこそ、その恐怖がじんわり続いてしまうんだよなぁ…と考えながら、半ばヤケになって脱出口に急ぎました。二周目でも少しマシになっただけで、相変わらず焦りまくりました。

 また、ホラーゲームは終盤エリアはそこまで怖くない傾向にあると思いますが(研究所などのネタバレ施設多め)、本作は終盤エリアもしっかり怖かったです。

 とにかく、安全地帯のあるホラーゲーム特有の「怖すぎてセーフルームから出られない」はバッチリ健在なので、出られなさすぎて無駄に周囲のオブジェクトを細かく観察してしまう方、ドアを半分だけ開けて様子を伺い、うっかり出すぎて敵の発見ボイスが轟きわたり慌てて逃げ帰りがちな方、何だかんだこの感覚が癖になっている方、などには安心のクオリティです。


◎おなじみの使いやすいマップ


 RE:2から何度経験しても本当に使いやすくて感動します。アイテム・オブジェクト調べ残し防止の色分け勿論、一度調べれば、あとはマップ上のアイコンにカーソルを合わせるだけで必要アイテム名まで表示してくれる親切さ。あまり冒険せず、このままの仕様でいて欲しい……


◎周回引き継ぎ要素の充実


 これには本当に助けられました。これと武器ごとの弾薬無限化(全アップグレード&全アタッチメントで解放)がなければ、最高難易度のVillage of ShadowsどころかHardcoreですらクリアが危うかったです。
 このシリーズをやり込んだ経験が乏しい身でも、今回は高難易度に挑戦する気力が湧きました。

 武器のアップグレードなどでお金が、新武器解放などでCPがどれだけあっても足りなくなるので、周回のモチベーションも比較的維持できます。

 あと細かい点を言うと、セーブスロットに周回数が記録されるのが有り難かったです。
ゲーム側ではあまり記録してくれないことが多いので。


○ストーリー


 発売初日から何度かネタバレを踏み、30%くらい既知の状態でクリアしたにもかかわらず、シリーズではトップクラスに楽しめました。良いストーリーを見届けた直後に特有の、あの一時間弱くらい他のことをやる気がしない感覚があると思うのですが、それをバイオハザードで体験することになるとは思いませんでした。

 実のところ、発売前の公式のストーリー推しを「でもバイオハザードだし過度な期待はお門違いだよな」と、どこか警戒して迎えていたのですが、私が誤っていました。
 公式の言う通り、一人の男の物語の完結作でした。前作からの伏線、そしてシリーズの重要な伏線を回収しつつ、次の物語に向けて新たな伏線も用意され、なかなか贅沢なストーリーでした。

 周回でなお楽しめるのも利点です。
一周目は驚きと興奮と今後の期待をもって終え、二周目は伏線を確認しながら理解を深めて、それぞれ違う形で堪能できました。二周目でもカットシーンはほとんどSkipしませんでした。

 ナンバリングすら全作遊んでいないので、シリーズで一番面白いとまでは断言できないものの、これまで私が遊んだシリーズではトップです。カットシーン・ファイル・各セリフなどの分量・散りばめ方も良く、想像力を程よく喚起させられました。

 実世界でも疫病が大流行している今、それがもたらす不幸について考えてしまう、図らずもタイムリーな内容と言えなくもないですね……もっとも25年前から変わらずメッセージを発してきたシリーズだと思うと、去年辺りからようやくプレイヤー側の理解が追いついたのかも知れません(実際、去年のRE:3発売時には結びつける記事があった)。



【気になった点】

※正直ないに等しいです。


△若干のローディング


 メインメニューからゲームに入る時や、(裏で読み込みを進めていると思われる)長いエレベータなどが、強いて言えばちょっと気になるかも知れないです。恐らくPS4だから長めなのでしょう。
 あくまで敷いて言えば程度で、休憩タイムと思えばどうということはないです。



【まとめ】


 カプコンはゲームを作るのが巧すぎる。7がシリーズ復活なら8は現役復帰大成功という感じです。

 あとプロモーションも見事で、SNSのバズりの勢いを保ったまま発売に漕ぎ着けたのも巧かったですね。プロモーション動画自体もクオリティが高かったし、更にゲーム本編は傑作なので、ほぼほぼ失速せずに大ヒットした印象です。とある疑惑(※ネタバレ注意!)も浮上しており、順風満帆とは言えませんが……

 ゲーム自体はその完成度の高さゆえに理不尽な点がほぼ無く、失敗はすべて自分のせいになるので、これといった不満点も思いつかないです。
 全体的に納得感が高く、動作も安定しているので安心して操作に向き合える感触です。

 次は三周目、最高難易度のVillage of Shadowsに挑戦する予定です。
バイオハザードシリーズの最高難易度をクリアした経験が一度もないので、今回でそれを打ち破れることを目標にしています。詰んだら詰んだで諦めます。

 ストーリー自体は綺麗に完結したので、DLCの補完などはなくても構わないと思うものの、7みたいに大型のストーリーDLCがふたつくらいあると嬉しいところです。
 本作の大好評ぶりを見るに、なにか新展開がありそうな予感がします。ナンバリング新作はまた3~4年後になりそうなので、引き続きシリーズ自体も新旧問わず追っていきたいです。

 

 

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