ゲームクリア感想163_Desert Child 砂漠の子(PS4版)

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 141MBという、下手するとこのブログ開設以来最小容量のインディーゲームです。
そこそこゲーム情報をチェックしているつもりだったのですが、まだアンテナが低かったらしく、今年になって初めて知りました。レースゲームという点に一抹の不安がよぎったものの、やはり設定や雰囲気の魅力が大きく、クリアできると信じて即購入。

 良く言えばアーケードライクな懐かしの突き放しっぷりや個性的なUIに悩まされ、序盤は一度投げ出したものの、やはり心残りでコツコツと続けていたらいつの間にかハマり、今ではお気に入りのゲームになりました。


バージョン 1.04
クリア時間 約10時間
トロフィー取得率 100%(プラチナ取得)



【良かった点】


◎程よくシンプルなレース


 レースゲームがそこまで得意ではないので、正直クリアできるか懸念していました。ですが心配しすぎでした。
 本格的というよりも比較的シンプルで、そこまで技量が問われなかったからです。

 ルールとしては1対1で、道中どれだけリードを奪われても最終的に1着でゴールすれば勝利というもので、(他レビューでも言及されている通り)クロノトリガーのレースを想像してもらえれば一番近いです。また、シューティング要素やパーツ強化要素があります。
 レース後にスコアが表示されるものの、クリアするだけならスコアは無関係です。

 コツを掴むまでは負け続きでしたが、積極的にTVを破壊する・ブーストのタイミングを温存するなどで一度コツを掴んでしまえば、比較的安定して勝てるようになりました。
 中盤以降、パーツが揃うようになってきたら更に安定し、最終レースこそ苦戦したものの、パーツを見直せば無事突破できました。

 これ以上に技量が問われる本格はレースゲームだったらクリアできていたか怪しいです。
ピザ配達のアルバイトや新型武器テストなど、低リスクでレースに慣れる環境が充実しているのも助かりました。
 特にビーチの新型武器テストは、隔日とはいえバイト代の実入りもよく、本番環境とほぼ同じなので重宝しました。


◎BGM


 濃いめのHIPHOPを中心に、金策の繰り返しでダレがちになるゲームを盛り上げてくれます。BGMが良かったからこそ続けられたというのも確実にあります。


○金策が容易


 無事にチュートリアルの地球ステージを終えて火星に到着すると、火星行きチケットとは桁違いの金額を要求されて面食らいました。いざレースやアルバイトを初めてもそこまでガッツリとは稼げず、食費やマシンのメンテナンス代の出費もバカにならず……

 ですがその問題はとある一施設で解決します。
銀行です。銀行に全額預け、その利息を着実に増やしていくのです。アルバイトなどで稼いだ金を日々こまめに預け、自分は最低限だけ持ち歩いて火星での日々を過ごします。単調ですが、預けるたびに増えていく金額が支えになるはずです。
 ちょうどゲームに慣れた頃には必要な額に達しています。最終章まで行けばレースで勝っても負けても桁違いの大金が手に入るようになるので、堪能し終えたら早々に突入しても良いです。
 
 レースで勝つコツを探していたら見つけた、各種攻略を記事にされているこちらのサイト様には心より感謝しております。(プラチナトロフィー取得にも活用させて頂きました)
 


【気になった点】


×機能性に乏しいUI・UX


 このゲームで一番困らされたのがこれです。
パッと見だと何が何を意図しているデザインなのか掴みづらく、かなり慣れが必要です。自分で色々操作を試してみる好奇心がないとわずかながら損をするかも知れません。

 単なるあしらいかと思っていたパーツ装着画面の+−が、パワーセル着脱機能だというのに気がついたのは最終レース直前でした(配置したパワーセルの数のぶん、対応パーツの強化ができる)。

 あとは最初のチュートリアルで、レースに再出場できなくて戸惑いました。
一レース終わるごとにラーメン屋で食事することで先へ進めたのですが、いくら店先に矢印のガイドが出ているとはいえ、必要行動なのか単なるガイドなのかは区別できないので、惜しいなと感じました。
 恐らく意図的であろう突き放しっぷりも相まって、この段階で脱落するプレイヤーもいるんじゃないかと……実際、自分もチュートリアルは乗り越えたものの、先が見えず序盤で一度脱落したので。
 これは最新の大作ゲームに甘やかされている自分の問題でもありますが、実のところ、私はせいぜいSFCがデビューで、不親切な時代への懐古が希薄なのもあるかなと自己分析しています。SFCから遡ることもしていませんし……


×クリア後強制ニューゲーム


 セーブスロットがひとつしかなく、一度クリアするとオートセーブされて「コンティニュー」をしても二周目突入となってしまいます。
 所持金などは引き継がれないので、一周目クリア直後のデータで自由探索できればより良かったです。


△ダッシュできない


 街がそこまで広くない、歩くリズムとBGMが合わなくなって雰囲気を損なうなどの理由で、今となってはダッシュがなくても正解、だとは思うのですが、ただでさえゲームプレイが単調になりがちなので、やっぱり余計に気になるというのが正直なところです。



【まとめ】


 決しておすすめはできないです。
意図的な不親切さや、パターン化してマンネリになりがちなゲーム進行など、ちょっと寛容さや尊重が必要です。ストーリーもあって無いようなもの。
 ただ、一度慣れさえすれば不満点もそこまでのものではなく、長くても10時間くらいで終わるので、過剰な警戒は不要です。レースも可能な限りのパーツ強化とその他環境を万全にしておけば、いずれクリアできます。

 コツとしては「とにかく急がない」。気乗りしないことは無理してやらないでダラダラ進めるのが一番モチベーションに繋がりました。

 レコード屋でお気に入りの曲を買って、レースでもしようかと思ったけど気がのらないので曲を聞きながら休んで、ビーチでアルバイトでもしようかと思ったらその日は休みだったので、銀行で野暮用を済ませたらピザ配達のバイトをそこそこにこなして一日を終える……

といった風に、世界観に浸ってゆったりと進めるのが心地よかったです。
 そもそもダッシュすらできませんし、プラチナトロフィーを目指すとなるとそれなりの日数滞在する必要もあり(トロフィーも興味なかったら無視していい)、平日夜、寝る前にまったりとコントローラーを握って過ごすにはぴったりです。

 そこまで火星感がない火星の世界観も気にはなるものの、このゲームではそういう発展を遂げたということで……
 一通り遊び尽くしたのですが、またあの世界に浸るためにクリア直前のセーブデータを残しているので、また気が向いた時にでも起動しようかなと思います。

 もし興味がある方に向けていくつか助言をすると下記の通りです。


・所持金は基本全額預金
・アルバイトはピザ配達とビーチの新型武器テスト。裏稼業は余裕ができてから
・パーツ泥棒はリスクも難易度も低いので抵抗なければ積極的に
・無闇にブーストを吹かさない
・パワーセル装着を忘れない
(+−の画面)。装着すると性能の上がり幅がデカい
・パーツ全種類揃ったら店ではもう買わない
(パワーセルが一個買えるだけで割りに合わない)
・プラチナトロフィー狙いならガムは絶対買わない

という感じです。ガム以外は全部自分が引っかかったヤツです。

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