ゲームクリア感想215_OMORI(XSS版)

 公式サイトはこちら (すごく凝った作り……)


高評価で有名なインディーRPG(ホラー要素あり)をXBOX Game Passにて遊びました。
今年の6月17日に満を持して配信されてから半年近く経過してしまったので、近いうちにGame Pass適用が終了する可能性を考えて年内クリアしました。予想以上のボリュームがあり、先の見えない展開にハラハラしながら進めて、なんとかグッドエンディングを迎えられました。

白背景が同化している


ビジュアルは一見MOTHERシリーズやUndertaleを彷彿とさせ、実際にそれらの影響も窺えるものの、体感としてはホラー色が強かったです。RPGに分類するよりかは、サイレントヒルあたりのホラーゲームの流れにあるかなという感じ。もっともそちらの方が自分好みなので好都合でした。


【主なプレイ環境】
ハード XBOX Series S(Xbox Game Pass)
バージョン ver.1.8.0
クリア時間 約 27:29:24(最終セーブ時点)
実績取得数 16/41


【良かった点】


◎世界観・ストーリー


画面の端から端まで独創性に満ちていて非常に刺激的でした。
なんというか「MOTHER的」「Undertale的」ではあるかも知れないけど、主に根底のストーリー面でしっかりオリジナルなものを確立しているので、先達の影響はさほど気になりませんでした。先達と違ってテキストは意外にも真面目で、そのぶんユーモアは動きとか環境、選択で表現されていることが多かったと思います。趣味なのもありますが、ツボに入るものもありました。
一方でホラー演出もあります。メインとなる「ヘッドスペース」探索中にも、忘れた頃に不意打ちで挿入されるので案外ビビります。

また、ストーリー進行とは無関係のちょっとした場所も多く、探索にそこそこやりがいがあります。リスクとリターンが整備された最近のゲームに慣れていると、こういう「無駄のある」ゲームを久しぶりに遊んだ手応えがあります。完全な一本道でもなく、序盤から比較的広い範囲に行けます。

ストーリー内容に関してはなかなか深刻で、IARCレーティングがR18+なのも頷けました。
エンディングは二種類(グッドとバッド)見ましたが、グッドの方が「この先」を想像する余韻があって好きですね。終盤で伝えられるメッセージにもふさわしい結果だし、先のことは描写されないにしても、親友たちの繋がりを強く感じるエンディングでした。

こういう「ただ同じ時を過ごすだけの場所」がある


Twitterのオタク構文を感じるショット


◎キャラクター


6人の親友たちをはじめとしたキャラクターの魅力が、エンディングまでの強いモチベーションでした。
作中のアルバムに負けじとスクリーンショットを何枚も撮影しました。



お友達、大事にしなければ



◎さほど単調さを感じないコマンド戦闘


この手のストーリーメインインディーRPGだと、戦闘システムは一般的なコマンド戦闘というイメージが強かったのですが、それらとは一線を画していると感じました。

敵味方ともにバフ/デバフに相当する「感情」があり、例えば「いらいら」なら攻撃力は高まるが防御力は下がり、「しょんぼり」なら防御力は高まるが速さは下がる(ついでに与ダメージの数割がMPに当たる「ジュース」に割かれるようになる)などのメリットとデメリットがあります。これに「にこにこ」を加えた3すくみになっていて、特にボス戦などでは重要な要素になります。こちら側はデフォルトだと「ふつう」で、戦闘のたびに状態はリセットされます。

慣れるまでは少し時間がかかったものの、リスクの取捨選択がメリハリを生んでなかなかやりごたえがある。

あと、戦闘画面が非常に表情豊かで、微妙に動いていたり、敵も味方も感情変化に伴って表情がコロコロ変わったりするので飽きないです。のっぺりとしたコマンド戦闘画面らしからぬ躍動感があります。このタッチのビジュアルを動かすの大変そう。

何度見てもこのアニメーションは感動する


◎超ハイクオリティローカライズ


もうこれ以上は望めないのではというくらい。日本語版の発売まで時間を要しただけあって非常に丁寧でした。雑な語りになってしまいますが、日本語になると往年のフリーゲーム感すら生じてより味が出ているように思えます。


○多めのゲームボリューム


ゲームの雰囲気からして10~15時間くらいあればクリアできるだろう、と見込んでいましたが、その倍近く費やせました。インディーとはいえ中堅RPGばりのボリュームがあります。
基本的には嬉しいのですが、システムの快適さがボリュームに伴っているかと言うと……個人的には惜しかったです。


【気になった点】


△ストーリー進行のテンポ


終盤に突入するまでは思わせぶりな展開が続くので、若干中だるみを感じたというのが正直なところです。迂遠な表現で何らかを匂わされているのは理解できるものの、それが少々しつこくて無理やり足止めされている感覚。イベントの移動パートが結構長めだったり、似たようなイベント戦が繰り返されたりと、メインのストーリーラインに関してはもう少し取捨選択があっても良かったのではという気になります。

とは言え、そういうのもまたこのゲームの魅力であり、クリアする頃には吹き飛ぶ不満なので些細なことですね。



△良くも悪くも往年の……


という印象をメニューUI/UX周りに感じました。コマンドRPGではお馴染みのレイアウトですが、最新のゲームに慣れると細かい点で煩雑さが残ります。

スキルの並び替えがやや手間、ヒロの回復系スキルは装備してないとバトル外で使えない、アイテムの種類が多く目的のものを探し辛い、アイテム入手時に何の種類のものかパッと見でわからないなど……


アイテム入手時に関しては色分けで種類を判別できますが、装備品もアイテムも基本は日用品の名称を用いているので、慣れるまでは迷いました。


もっとも、カーソル位置の記憶など整うところは整っているので、細かい手間を除けばそこまで気にする点ではないものの、ゲームボリュームが多めなので細かい手間が余計に煩雑に感じるというのはあります。


ちなみに、ゲーム中で一番気になったのはファストトラベルの行き先の少なさと毎回挟まる小芝居でした。一部のキャラクターに話しかける判定がわかりにくいなどもありますね。

更に付言すると、周回引き継ぎ要素がなにか欲しかったところ(ストーリーにも関わってくると思われるので難しい設定ですが)。



【まとめ】

まさに評判通りの名作で、本当にうっかりネタバレを踏んでしまう前にクリアできて良かったと思います。独創性もBGMもストーリーのテーマも素晴らしく、このゲームに救われるユーザーは多いだろうなと思います。私も、ストーリーが刺さるとともに希望も見いだせました。大人になってからだと、どんな感情でもぶつけあえるような人間関係は構築しづらいので、主人公たちが眩しいです。

また、戦闘に至ってはインディーの枠を超えてコマンド戦闘の中でも上位のシステムではと思います。ファストトラベルやアイテム周りの古風さがやや惜しいくらいで、RPGとしてもホラーゲームとしてもたっぷり楽しめました。
もっとも、繊細な人は現実世界でも尾を引いてしまいかねないストーリーなので、勧める人は選びますが……

今はスケジュール的にも厳しく、もう少しクリアの余韻を味わっていたいので、別ルートはかなり後になってから手を付けようかと思います。
その頃にはGame Pass適用から外れていると思うので、そうしたら改めて購入します。

主人公の顔はこれが一番好き





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