ゲームクリア感想268_デリバー・アス・マーズ(PS5版)


前作の記事はこちら

前作をクリアしたので、今年2月発売の続編もクリアしておこうと思いました。まだ年内という新作扱いの範疇にあるうちに。

ゲームボリューム的に単記事にするかは微妙なラインでしたが、予想外に楽しめる内容でしたし、また今後しばらくは大作ゲームに集中する予定なので、単記事としました。


サムネイル用。本作はフォトモードがあります



【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン ver.2.0
難易度 設定なし
クリア時間 約 2時間(クリア直後19時間)
トロフィー取得率 100%(プラチナ。クリア直後は46%)


【良かった点】


◎まさかの日本語吹替あり


この規模のゲームでは珍しい吹替あり。前作よりもストーリー主導になっているので、かなり有効に作用していたと思います。


◎ストーリー


ストーリー自体はかなり面白くなったと思います。
やや動機が判然としないまま進んでいた感ある前作からうってかわって、エンターテイメント寄りな内容になっています。環境問題を提起するような問題意識とエンターテイメントのバランスが良く、どちらもすんなり頭に入ってくるというのが近いかも知れません。
基地の記録映像や環境ストーリーテリングを楽しむのは前作と変わらず、そこに「父の足跡を辿る」という強い動機が加わった感じ。

「なぜ人間は住む星を移っても理想の楽園を築けないのか?」という、前作から続く普遍的な問いの描写がうまく、主人公含めた登場人物全員の人間らしさがストーリーを面白くしています。そこまで飛び道具を使わず、じわじわと人間らしさにより人間社会が崩壊していくのが痛々しい。
正直、ストーリー面はあまり気にしていなかったので、ここまで良くなっているとは予想外でした。

あと、序盤はいかにも生意気な主人公ですが、引くときはちゃんと引いて大人しくするので、そこまで悪印象を抱かずに済みました。極端な善人や悪人はおらず、皆適度に強くて適度に弱いので、人物描写もうまいと思います。



初めて知ったのですが火星には降雪があるらしいです



◯正統続編


クライミングなどの新要素を除けば、良くも悪くもほとんど前作から変わりないゲーム内容で安心して遊べます。前作で苦戦した妙に厳しい時間制限パートが減っていて、遊びやすくなりました(無重力空間での操作は前作と同じく序盤にあります)。


ここの章は謎解きも探索もアクションもやりごたえあります



クライミング中。ここ手汗がすごかった



◯周回向けの親切さ


この点、予想外に充実していて助かりました。
一度解いた「暗号解読開始」はチャプターからの再開など二度目以降はスキップされる親切設計なので、心置きなく取り逃がし要素に集中できます。個人的に一番手こずったギミックなので、スキップできて安心しました。
基本的にランダム要素がほとんどないので、謎解きや行き先さえ覚えていればサクサク進み、RTAのごとくルートが洗練されていきます。個人的に、SIRENシリーズのタイムアタックに激ハマりしていた頃を思い出しました。

ただチャプター内での細かいフェーズ分けはなく、取りこぼし要素がチャプター終盤にある場合はちょっと面倒です。

余談ですがこのシリーズ、戦闘がないのもあり一見トロフィー取得に向いてそうでその実自力だと厳しいものが多く、一周しただけでは半分程度しか集まらないため、それ目当てに買うとモチベーション管理が難しいかも知れません。



【気になった点】


△妙なゲームテンポの悪さ


ストーリー主導になったのは良いとして、わりかし細切れにムービーが挟まるので、前作のような探索の楽しさはやや薄れた気もします。ムービーを増やしてテンポを損なうストーリー主導の罠に陥ってしまった感があります。


少々話はズレますが、探索よりも謎解きの比重が増しており、あまり雰囲気を楽しむという感じではなかったかも。じっくり見れば細部まで詰められているので見どころがないわけではないですが。

また屋外が広くなって車(ローバー)で移動できるのは良いとして、火星はイメージ通りの殺風景で地球の荒野とさほど雰囲気が変わらず、前作の月面のような宇宙感には欠けます。景色が綺麗な攻略・移動パートという感じです。



△相棒ロボットが視界を塞いでくる


球体型のお供ロボット「アイラ」にギミック使用中やクライミング中に視界を塞がれることがそこそこありました。特にビームの謎解きやジャンプの目測中など、停止中に塞がれがち。先回りして見守ってくれるのは心強いのですが……



△一部ギミック


回想ムービーを再生する「暗号解読開始」はコツを掴むまでなかなか辛かったです。

上下左右奥行きに気をつけてカメラを動かし、正しい位置のカメラアングルに達すると正解となるのですが、このアングル探しがなかなかもどかしく、ドツボにハマるとなかなか解けず温まってしまいました。ストーリーの要所でこれを解かないと先へ進めなかったりするので回避不可という。一度やれば次からスキップ可なのは救いです。


あと、ギミックではなくコレクタブルですが、コミックは見るだけでなく左上の「回収」を押さないと登録できないのも少し不便でした。この手のコレクタブルは入手したら画面中央にある文章を読み始めるので、視線の外にボタンを置かれると見逃しがち。


【まとめ】

 
実のところ、前作をクリアしたんだから…という義務感交じりで起動したのですが想像以上に面白かったです。前作では断念したプラチナトロフィー取得まで頑張りました。
特にストーリーの牽引力が強かったです。全員それなりに功績がある反面、別側面ではうっすら非がある信賞必罰な展開。やり切れないストーリーなのに読後感は悪くなく、今年の新作の中では感じるものが大きい話でした。個人的には無理してミッション遂行しなくても良くないか?と思いますが、それだと先に繋がらないですし主人公の決心の強さも伝わらないので、あのエンディングで良かったと思います。
ゲーム面でも前作に引き続き戦闘を廃し、アクション面を強化しつつも探索ゲーム路線は維持しているので期待を裏切らない内容でした。

続編がありそうなので期待しています。前作からの発売間隔(約5年半? )からして出るのは2028年とかになりそうですが、それまで生きていれば間違いなくゲームを続けていると思いますので、引き続き注目のシリーズとしてチェックします。





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