ゲームクリア感想242_戦場のフーガ2(PS5版)

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前作の記事


ストーリー・システム共に今時珍しいくらいの純粋な続きものでした。

前作はトロフィーコンプするまでハマったので、早々の続編発表は嬉しかったです。前作が綺麗に終わったので、せっかく平和になった世界をまた曇らせるのには少しの抵抗感がありましたが、クリアしてみるとむしろシリーズに必要な展開だったと思います。


【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.0
クリア時間 43:55:35(一周目時点) 
72:36:33(二周目引き継ぎ)※いくらか放置も含みます
トロフィー取得率 100%(プラチナ)


【良かった点】


◎前作の要素すべて継続&改善


続編にあたって前作から失われた要素はほぼなく、純粋なプラスアルファなので遊びやすいです。なくなったものといえば操作キャラがひとり入れ替わったくらい。
ほぼすべての要素を引き継いでくれる親切な周回引き継ぎとか、ストーリーを盛り上げるBGMとか(使い方も前作より洗練されている)、かわいい獣人キャラクターとかは全部テイストを失わずそのままです。

このプラスアルファ部分が快適で、前作では左から右に進むだけで単調になりがちだったマップ移動も新要素の「飛行船」で改善されたと思います。飛行船マスに止まるといずれも有料で、街のショップと同じラインナップで買い物ができたり、隣接マスを回復マスに変更できたり、敵のマスを消してくれたり、果ては別ルートに輸送してくれたりします。これで攻略にメリハリがつくようになり、道中の補給手段も増えたので攻略自体のシビアさは緩和されたと思います。

別ルートへの輸送というのはマスをスキップできるというよりも「選ばなかった方のルートも重ねて選べる」という側面が大きいです。たとえば「普通の道」を経て飛空船マスに到達したら、そこから飛空船の輸送サービスで特定マスに戻って別ルートの報酬を獲得したり、一周目では歯が立ちそうになかった強敵揃いのエリートコースに挑戦したりできます。このお陰で、稼ぎがものをいう二周目以降の攻略も捗りました。

また新要素の「ジャッジメント」および、それが一定量貯まると習得できる「リーダースキル」が強力です。敵の攻撃をミスさせたり、味方の順番を早めたりと強力なものばかり。周回引き継ぎこそできないものの、ランダムの割に発動率も高めでピンチの時に幾度となく助けられました(個人的には「覚悟」ルートの方がスキルが強力に思えます)。

あとはダンジョンの難易度が多少下がったような気がしないでもないです。アクションからパズル寄りになってミスすることが減ったような感じがします。前作のダンジョンは、敵の回避でそこそこ苦労した記憶があるので……


自分のミスで良いスクリーンショットを保存できませんでした



◯ストーリー面が強化された


復讐をテーマとしていて前作よりもシリアスな雰囲気です。最初から最後まで敵が明確だった前作から、新キャラや新たな役割を与えられた続投キャラクターなどが関わり、一捻り二捻りある展開になっていました。
前作では主人公格であること以外はそこまで目立っていなかったきらいのあるマルトが主人公らしい立ち位置になっており、新要素「ジャッジメント」の選択要素も合わさって、時分の選択が周囲を変えるエモーショナルで骨太な話にまとまっています。

テーマ自体も序盤のフックだけでなく、ラストまでしっかり貫徹されています。復讐にはより強い復讐が畳み掛けられるような展開も見事。

個人的には、同じテーマかつ2作目ということでラストオブアスパート2に近いものを感じました。もっともあれよりは救いがある内容ですが……



禍々しい機体、ハイライトのない目、他者の生死が関わる選択



◯ソウルキャノンの仕様変更


前作とは異なり、ボス戦でタラニスのHPがだいたい半分以下になると強制発動し、仲間の中から無作為に選ばれてソウルキャノンに送られます。そこから20ターン以内に敵を撃破できないと有無を言わさず発射されるという緊張感溢れる仕様です。

いくらなんでも強制発動にはしないだろうと思っていましたが甘かったです。最初これを通達された時は絶望しました。前作は慎重に戦えば使う局面がほぼなかったので、緊張感が生じるとともにストーリーのテーマにも沿った良い変更だと思います。

これに対しても対策があり、新要素の「マーナガルム」がそれです。任意の仲間がロストなしの戦闘不能になると引き換えに敵に大ダメージを与えられるもので、仮にボス戦の中盤など20ターンで到底倒しきれないタイミングでソウルキャノンを発動させてしまった場合でも、これを放てば一気に形勢逆転が可能です。

当然ノーリスクではなく、対象になった仲間には休養が必要で、それ以外の仲間も動揺して「落ち込み」状態になってしまうため、使用したボス戦の次の自由行動はそうした立て直しに奔走する羽目になります。といってもロストに比べれば微々たるもので、私は2回ほど使いましたが特に育成の遅れなどは感じませんでした。

「強制発動」「20ターン後に無作為で選ばれた仲間ロスト」と聞くとデスゲームじみたシビアさをイメージしますが、そこはゲームとして駆け引きできるので過度に警戒する必要はないと感じました。取れる選択肢が増えて戦闘も深みが出たと思います。


【気になった点】


△気になる点も少し継続


相変わらず一周目も二周目も中盤がダレがちになるという感想です。中盤で山場を一つ超えて仲間も揃って戦闘のコツも掴み始めるので、戦力的にもストーリー的にも緊張の糸が切れるタイミングなのもあると思います。ストーリーも大きな動きがなく、ひたすらマスを進めて戦闘しての繰り返しが気になるようになってきます。


あと、タラニス(本拠地)は仲間がどこにいるかわかりにくく、親愛度上げなどで地味に気になりました。屋上か最下部にいるキャラクターは見逃しがちで、屋上にいると予想して上がったら不在で、地下まで下りてやっと見つける、ということも。最上部から最下部まで行っても大した移動時間ではないですが、インターミッションのたびに配置が変わるのでちょっと引っかかります。

(2023/05/29修正:申し訳ありません。右スティックでカメラ操作可能となります。前作も同様です。謹んで訂正させて頂きます)


逆に言うと気になる点はそれくらいで、あとは特に思いつかないです。


【まとめ】

正当な続編という内容で満足しました。
ここも改善されて欲しかったという点も少しはありますが、基本的には美点はそのままなので安心の内容です。前作で物足りなかったところも着実に改善されていて遊びやすくなったと感じます。

強いて言えば、ある程度戦闘の単調さに耐えられるとか、獣人キャラクターが好きでないとモチベーションが続きにくいかもと思います。
もっともそこまで大ボリュームではないので、ある程度コツを掴めば少しダレたとしてもしっかりクリアできると思います。仕事から帰ってきたあと一章だけ進める、みたいにコツコツやると単調さを感じにくかったです(個人的には)。

前作・今作ともに中価格帯で手に取りやすいので、発売時期が被った某大作にかかりっきりで他のゲームに手が回らないという人も後から追いつきやすいです。
ストーリーが続きものであるのに加え、前作のセーブデータ連動特典もあるので一作目から遊ぶことをオススメいたします。


この迫力あるメインビジュアルが非常に良いと思います(ウィンドウに隠れてるけど)




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