ゲームクリア感想119_メトロ エクソダス(PS4版)
公式サイトはこちら(年齢確認あり)
前作(メトロ リダックス)の記事はこちら
発表と同時に発売日購入確定でした。
というのが全てです。
それだけ私にとって、前二作の2033とラストライト(正確には二作セットのメトロリダックス)が名作だったのです。
今月(2019年2月)は新作が集中して発売されましたが、まず本作から手を付けるというのは前から決めていました。
バージョン 1.02
難易度 ノーマル
クリア時間 約35時間?
トロフィー取得率 62%
◎世界観設定・ストーリー
旧作、ひいては原作の流れを汲んだ従来の世界観は更に精緻に表現されており、砂漠や沼地などの新マップも思ったより違和感がなかったです。ちゃんと基本を踏まえた上で新しいチャレンジを加えた感じです。
また、鉄道が拠点となり、行く先々で車両と乗員を増やしていく、というストーリーの流れが素敵です。
新車両の連結が拠点のグレードアップとなっているのも自然な流れで、特に客車を手に入れた時は興奮しました。
仲間の会話を聞きながら、車窓から風景を眺めているだけでちょっとした旅情に浸れます。
もし続編があるなら、この鉄道要素がまたあると嬉しいです。
自分で運転できたり、各地を探索して新車両で拠点アップグレードしたりできるとなお良いです。
そして、旅路の果てにエンディングを迎え、本作に「メトロ エクソダス」以外のタイトルはありえないと確信しました。
あそこで完結にもできるし続編にも繋げられる、ちょうどいい按配の終わり方でした。
オーロラ号の乗員たちには幸せになってもらいたいですね。
◎充実し過ぎなくらいに充実した会話
「ゲーム内の会話」というよりもはや「聴く小説」みたいなノリです。
小説原作なのもあってか、仲間も敵も一般人も会話が非常に多いです。
しかも前二作からボリュームが格段に膨らみ、もはやラジオドラマやドラマCD並みの長さです。会話の始まりと同時に大きい方のトイレに立って、戻ってきたらまだ会話の中盤くらいだったりします。
もちろん聞き終わるまでその場に拘束されるということもなく、イベント会話以外はスルー可能です。
また、仲間と一般人の会話に限れば、聞き逃しに配慮されています。
近づくとそれまでしていた会話を中断して、こちら側に向けての話を始め、こちら側が離れると先程までしていた会話を、親切にも中断したところから再開してくれます。
また仲間との作戦行動中は、仲間と一定距離離れると自動で無線に切り替わり、近くにいるときと変わらぬボリュームで話が聞けます。
ありそうでなかなか見ない配慮ですね。
正直なところ、長すぎてやや辟易したこともありましたが、日本語吹き替えが軽妙で、かつ話自体が興味深いのでついつい最後まで聞いてしまうことが多かったです。といっても、他のことをやりながら耳だけで聞いているのがほとんどでしたが……
◎細かいオートセーブと手軽なクイックセーブ
オートセーブが比較的細かくされるので、ゲームオーバーのあと萎えるレベルで巻き戻されることは皆無でした。
加えて、戦闘中以外ではクイックセーブがほぼいつでも可能で、敵地のど真ん中ですら平気でセーブできます。
これにかなり助けられました。
しかし何事にも欠点はあるもので、細かすぎるオートセーブは詰みの可能性も高めてしまいます…(後述)。私は幸運にも詰むことなくクリアできました。
◎敵拠点のステルス攻略が楽しい
ステルス攻略がシリーズ最高に楽しいです。
難易度も程よく、完全ステルス攻略も何回か達成しました。
なぜステルス攻略が楽しいのかというと、上記の「会話の充実」と「クイックセーブ」そして「明暗の差が重要な仕様」の三点にあると考えています。
上記の通り敵同士の会話も充実しているので、物陰に潜んで会話を聞きながら、双眼鏡などのガジェットを駆使して地形や敵配置を見渡して、ゆっくり作戦を立てるのが楽しかったです。
クイックセーブに関しては、かなり個人的な感覚で恐縮ですが「何かあればいつでも直近から再開できる」という安心感により大胆な動きを取れる、という意味で重要な要素でした。
それで発見されればその時で、うまくステルス状態を保てれば成功という。
これが「死んだら敵地突入前まで巻き戻り」というよくある仕様だったら、ここまで楽しいと感じなかったと思います。
明暗の差というのは、このシリーズはライトや照明の点灯消灯が攻略上重要なことを指します。明かりの近くに行くと解りやすく警戒される一方で、暗闇の中ではそこそこ近づいても察知されません。
他のステルスゲームだとこの辺が曖昧で理不尽に見つかったりするのですが、このシリーズはその辺りがシンプルで戦略が立てやすく、好みです。
拠点や安全地帯で昼夜を切り替えられるので、拠点ステルス攻略の際は夜にしておくとベター。
あと、敵が残り一人になると降伏するのも良い按配です。
極力銃弾を使いたくないので……
○サバイバル感
予想していたよりサバイバル色が濃厚でした。前作ラストライトDLCの「クシャトリヤ」に近い感じでしょうか。
とにかく拾えるアイテムは全て拾って、それを素材にして各種アイテムをクラフトしたり、装備をクリーニングしたりします。
フィルターとガスマスクは健在。相変わらず貴重品です。
さほど銃弾に困らなかった前作までと違って、銃弾が本当の貴重品となりました。
なので前作と同じ感じで撃ちまくっていると即効で弾薬不足に陥ります。私も危うく序盤で詰みかけました。
そのため、銃弾は対ミュータント相手に温存しておき、ステルスキル出来る人間相手にはステルス攻略を中心に仕掛けていく…という流れになります。
操作にも不慣れで、かつ素材不足の序盤が一番辛かったです。
しかしそこさえ越えれば、腕の不足を執拗なアイテム収集で補うタイプの私にとっては向いているシステムだったのか、むしろこのサバイバル感が楽しくなってきました。
終盤はまさかのフィルター不足に陥って焦りました。
○どこでも出来てそこそこ自由度の高いクラフト
一部のアイテムクラフトおよび武器アップグレードは、基本どこでも出来るので、例えばフィルターが尽きてもその場でクラフトしてピンチを凌げます。武器のアップグレードも出来るので、探索で入手した新パーツを自分の武器に付け替えることも可能。
この武器アップグレードは思ったより自由度が高く、そこそこ楽しいです。
×驚くほどに退屈な戦闘・敵
戦闘に限っていえばシリーズで一番つまらなかったです。サバイバル路線に変わったので仕方ないのかも知れませんが。
まずテンポが悪いです。
そもそもの動きが鈍い・地形に引っかかる・(銃の手入れ不足だと)弾詰まりする…と萎えることばかり。
パッと見では開けた地形でも、細かい岩やら小さい段差やらにしょっちゅう引っかかって、そうこうしている内にダメージを喰らうことがほぼ毎回。
次に全然盛り上がらない。音楽で盛り上げるみたいな演出もほとんどなく、ボス戦ですら無音。
あとは炎と高所落下のダメージが大きすぎる。炎は一度でも燃え移ったら最後、ほぼ一撃死。高所落下に関しては、別にさしたる高さじゃなくても出血エフェクトが出てびっくりしました。そりゃサバイバル生活で主人公も体力が落ちているでしょうが……
敵に関して言えば、アノーマリー(発光体。接近すると敵味方なく電撃ダメージ)の攻撃範囲がやたら広く、安全地帯の中にいてもダメージを喰らうのには呆れました。序盤のステージの夜間にしか出現しないのが救いです。
と、人間相手のステルスは楽しいのに戦闘になるとこの調子なので、ステルスが基本効かない非人型ミュータント相手の戦闘は苦痛でした。
ミュータントは喋らないので、会話を聞くみたいな楽しみもなく。
銃撃ちまくりのFPSがしたいなら他を当たれというのは解ります。
この鈍さが個性というのもそうでしょう。ただいくらなんでもこれはちょっと、戦闘のブラッシュアップを怠りすぎでは? と感じました。
×詰みかねないハラハラ感
上述の通り、細かいオートセーブと手軽なクイックセーブは非常に便利です。
一方でこのゲームは地形ハマりしやすく、場合によってはハマった状態でオートセーブが上書きされ、タイミングによってはクイックセーブでも抜け出せないと思います。セーブの細かさが仇になってしまって…
私も探索中に何度か肝を冷やしました。
仮にこうなってしまうと、チャプターの始めからやり直す以外にないらしく、アップデートでの改善が望まれるところです。
△不親切なゲーム進行
あるエリアでのメイン目標を全てクリアすると、その時点で強制的にチャプターが移り、そのエリアには二度と戻れません。
キャラクターの台詞や目標テキストなどでそれとなく察せるようにはなっていますが、これはもうちょっと解りやすく案内して欲しかったです。
鉄道があるから、最終的には過去エリアにも戻れるだろうと勝手に思っていた自分が甘かったです。
とにかく「メインをクリアしたからエリアを探索しよう」は通用しないので、メインが少しでもそれっぽい雰囲気になってきたら、その時点でエリアを探索し尽くしたほうが良いです。なんとなく示唆されるので、見逃し聞き逃しがなければ察せると思います。
△独特な操作性・判定の狭さ
慣れれば問題ないですが、慣れたところで快適さとは程遠いです。
ダッシュ一つとっても助走が必要なリアル志向なので、動きの説得力はあります。
ただ、判定の狭さは不便を感じることが多かったです。
ジップラインとか、他のゲームならラインの下に立って前を向いていればアイコンが出るのに、本作ではわざわざジップラインの根元(上手く言えない)を向かないとアイコンが出なかったりします。これを知らない時はアイコンが出なくて戸惑いました。
それはそこまでリアルを追求しないといけないポイントなのか?
(※追記)慣れれば何ということもないものの、インタラクト(調べる)が□長押しなのもモヤモヤします。多分、物や死体を調べる時のおっかなびっくり感を再現したかったのだと推測しますが、そこはテンポを重視してボタン一押しで良いと思いました。素材集めでただでさえ調べる箇所が多いので。
△長めのローディング
単純に長いです。ゲーム起動時やエリア移動だと約90秒、リスポーンだと約30秒(エリアや状況によってまちまち)くらいで、トイレで用を足したり、アプリを起動してログインボーナスを受け取ったりするにはピッタリの時間です。
ただ、どのゲームでもそうですが、負けが込むとこの長いローディングがとんでもないストレス源になってしまい、それは本作も例外に漏れずでした。
「シネマティック・サバイバルシューター」(公式サイトに記載されたジャンル名)とは良く言ったもので、シネマティックとサバイバルに満ちた内容でした。
シューターに関しては期待外れでした。
シリーズ経験者ならおすすめ…とは断言できないです。むしろ経験者ほどギャップで戸惑うかも知れません。一本道シューターとは思わず、サバイバルFPSに変わったと考えれば、コツを掴んで楽しくなってくると思います。
私も、最初は本当に戸惑って「メトロほどのタイトルがやらかしてしまったか」とアチャーな気分になっていましたが、コツを掴めば嘘のように楽しめました。
いずれにせよ「快適さとトレードされたリアル志向」を受容できないと序盤で投げ出しかねない硬派な作りです。
本作に「時短」なんていう野暮な発想はなく、クラフトのたびにわざわざ背負っているバッグを机に置くモーションを挟むくらいですから……
スケジュールに急かされず、丸3日くらい確保して世界感に浸りながらゆっくりと進めるのが最適なプレイ環境なのでしょうが、そうもいかないでしょう。
ただ、もうちょっと、あと一歩だけでいいのでプレイヤーに思いを馳せてくれると、ゲームとしてもっと完成度が高くなっていたのではと思います。
気になっているけど難易度が不安…という方は、低難易度で始めたほうが良いかも知れません。私は難易度ノーマルでクリアしましたがノーマルでも難しいです。
また、とにかく序盤が勝負です。最初のエリアは操作に慣れない・素材不足・ミュータントの頭数が多い・アノーマリーが煩わしい・ボート移動がトロトロ遅いなどの萎えポイントが山積しているので、焦らずゆっくり進めたほうが長続きします。
序盤のうちは探索も深追いせず、頻繁に安全地帯や拠点に戻ったほうが良いです。ミュータントはダッシュしてれば基本追いつかれないので無視。
ストーリーでは仲間がやたらと別行動していたので、ラストライトの時みたいな個人別DLCがありそうな感じなので、しばらくは続報を楽しみにしています。
また、前二作はプラチナトロフィーを取得したため、本作でも頑張りたいところではあります。でも無理はしません。
前作(メトロ リダックス)の記事はこちら
発表と同時に発売日購入確定でした。
というのが全てです。
それだけ私にとって、前二作の2033とラストライト(正確には二作セットのメトロリダックス)が名作だったのです。
今月(2019年2月)は新作が集中して発売されましたが、まず本作から手を付けるというのは前から決めていました。
バージョン 1.02
難易度 ノーマル
クリア時間 約35時間?
トロフィー取得率 62%
【良かった点】
◎世界観設定・ストーリー
旧作、ひいては原作の流れを汲んだ従来の世界観は更に精緻に表現されており、砂漠や沼地などの新マップも思ったより違和感がなかったです。ちゃんと基本を踏まえた上で新しいチャレンジを加えた感じです。
また、鉄道が拠点となり、行く先々で車両と乗員を増やしていく、というストーリーの流れが素敵です。
新車両の連結が拠点のグレードアップとなっているのも自然な流れで、特に客車を手に入れた時は興奮しました。
仲間の会話を聞きながら、車窓から風景を眺めているだけでちょっとした旅情に浸れます。
もし続編があるなら、この鉄道要素がまたあると嬉しいです。
自分で運転できたり、各地を探索して新車両で拠点アップグレードしたりできるとなお良いです。
そして、旅路の果てにエンディングを迎え、本作に「メトロ エクソダス」以外のタイトルはありえないと確信しました。
あそこで完結にもできるし続編にも繋げられる、ちょうどいい按配の終わり方でした。
オーロラ号の乗員たちには幸せになってもらいたいですね。
◎充実し過ぎなくらいに充実した会話
「ゲーム内の会話」というよりもはや「聴く小説」みたいなノリです。
小説原作なのもあってか、仲間も敵も一般人も会話が非常に多いです。
しかも前二作からボリュームが格段に膨らみ、もはやラジオドラマやドラマCD並みの長さです。会話の始まりと同時に大きい方のトイレに立って、戻ってきたらまだ会話の中盤くらいだったりします。
もちろん聞き終わるまでその場に拘束されるということもなく、イベント会話以外はスルー可能です。
また、仲間と一般人の会話に限れば、聞き逃しに配慮されています。
近づくとそれまでしていた会話を中断して、こちら側に向けての話を始め、こちら側が離れると先程までしていた会話を、親切にも中断したところから再開してくれます。
また仲間との作戦行動中は、仲間と一定距離離れると自動で無線に切り替わり、近くにいるときと変わらぬボリュームで話が聞けます。
ありそうでなかなか見ない配慮ですね。
正直なところ、長すぎてやや辟易したこともありましたが、日本語吹き替えが軽妙で、かつ話自体が興味深いのでついつい最後まで聞いてしまうことが多かったです。といっても、他のことをやりながら耳だけで聞いているのがほとんどでしたが……
◎細かいオートセーブと手軽なクイックセーブ
オートセーブが比較的細かくされるので、ゲームオーバーのあと萎えるレベルで巻き戻されることは皆無でした。
加えて、戦闘中以外ではクイックセーブがほぼいつでも可能で、敵地のど真ん中ですら平気でセーブできます。
これにかなり助けられました。
しかし何事にも欠点はあるもので、細かすぎるオートセーブは詰みの可能性も高めてしまいます…(後述)。私は幸運にも詰むことなくクリアできました。
◎敵拠点のステルス攻略が楽しい
ステルス攻略がシリーズ最高に楽しいです。
難易度も程よく、完全ステルス攻略も何回か達成しました。
なぜステルス攻略が楽しいのかというと、上記の「会話の充実」と「クイックセーブ」そして「明暗の差が重要な仕様」の三点にあると考えています。
上記の通り敵同士の会話も充実しているので、物陰に潜んで会話を聞きながら、双眼鏡などのガジェットを駆使して地形や敵配置を見渡して、ゆっくり作戦を立てるのが楽しかったです。
クイックセーブに関しては、かなり個人的な感覚で恐縮ですが「何かあればいつでも直近から再開できる」という安心感により大胆な動きを取れる、という意味で重要な要素でした。
それで発見されればその時で、うまくステルス状態を保てれば成功という。
これが「死んだら敵地突入前まで巻き戻り」というよくある仕様だったら、ここまで楽しいと感じなかったと思います。
明暗の差というのは、このシリーズはライトや照明の点灯消灯が攻略上重要なことを指します。明かりの近くに行くと解りやすく警戒される一方で、暗闇の中ではそこそこ近づいても察知されません。
他のステルスゲームだとこの辺が曖昧で理不尽に見つかったりするのですが、このシリーズはその辺りがシンプルで戦略が立てやすく、好みです。
拠点や安全地帯で昼夜を切り替えられるので、拠点ステルス攻略の際は夜にしておくとベター。
あと、敵が残り一人になると降伏するのも良い按配です。
極力銃弾を使いたくないので……
○サバイバル感
予想していたよりサバイバル色が濃厚でした。前作ラストライトDLCの「クシャトリヤ」に近い感じでしょうか。
とにかく拾えるアイテムは全て拾って、それを素材にして各種アイテムをクラフトしたり、装備をクリーニングしたりします。
フィルターとガスマスクは健在。相変わらず貴重品です。
さほど銃弾に困らなかった前作までと違って、銃弾が本当の貴重品となりました。
なので前作と同じ感じで撃ちまくっていると即効で弾薬不足に陥ります。私も危うく序盤で詰みかけました。
そのため、銃弾は対ミュータント相手に温存しておき、ステルスキル出来る人間相手にはステルス攻略を中心に仕掛けていく…という流れになります。
操作にも不慣れで、かつ素材不足の序盤が一番辛かったです。
しかしそこさえ越えれば、腕の不足を執拗なアイテム収集で補うタイプの私にとっては向いているシステムだったのか、むしろこのサバイバル感が楽しくなってきました。
終盤はまさかのフィルター不足に陥って焦りました。
○どこでも出来てそこそこ自由度の高いクラフト
一部のアイテムクラフトおよび武器アップグレードは、基本どこでも出来るので、例えばフィルターが尽きてもその場でクラフトしてピンチを凌げます。武器のアップグレードも出来るので、探索で入手した新パーツを自分の武器に付け替えることも可能。
この武器アップグレードは思ったより自由度が高く、そこそこ楽しいです。
【気になった点】
×驚くほどに退屈な戦闘・敵
戦闘に限っていえばシリーズで一番つまらなかったです。サバイバル路線に変わったので仕方ないのかも知れませんが。
まずテンポが悪いです。
そもそもの動きが鈍い・地形に引っかかる・(銃の手入れ不足だと)弾詰まりする…と萎えることばかり。
パッと見では開けた地形でも、細かい岩やら小さい段差やらにしょっちゅう引っかかって、そうこうしている内にダメージを喰らうことがほぼ毎回。
次に全然盛り上がらない。音楽で盛り上げるみたいな演出もほとんどなく、ボス戦ですら無音。
あとは炎と高所落下のダメージが大きすぎる。炎は一度でも燃え移ったら最後、ほぼ一撃死。高所落下に関しては、別にさしたる高さじゃなくても出血エフェクトが出てびっくりしました。そりゃサバイバル生活で主人公も体力が落ちているでしょうが……
敵に関して言えば、アノーマリー(発光体。接近すると敵味方なく電撃ダメージ)の攻撃範囲がやたら広く、安全地帯の中にいてもダメージを喰らうのには呆れました。序盤のステージの夜間にしか出現しないのが救いです。
と、人間相手のステルスは楽しいのに戦闘になるとこの調子なので、ステルスが基本効かない非人型ミュータント相手の戦闘は苦痛でした。
ミュータントは喋らないので、会話を聞くみたいな楽しみもなく。
銃撃ちまくりのFPSがしたいなら他を当たれというのは解ります。
この鈍さが個性というのもそうでしょう。ただいくらなんでもこれはちょっと、戦闘のブラッシュアップを怠りすぎでは? と感じました。
×詰みかねないハラハラ感
上述の通り、細かいオートセーブと手軽なクイックセーブは非常に便利です。
一方でこのゲームは地形ハマりしやすく、場合によってはハマった状態でオートセーブが上書きされ、タイミングによってはクイックセーブでも抜け出せないと思います。セーブの細かさが仇になってしまって…
私も探索中に何度か肝を冷やしました。
仮にこうなってしまうと、チャプターの始めからやり直す以外にないらしく、アップデートでの改善が望まれるところです。
△不親切なゲーム進行
あるエリアでのメイン目標を全てクリアすると、その時点で強制的にチャプターが移り、そのエリアには二度と戻れません。
キャラクターの台詞や目標テキストなどでそれとなく察せるようにはなっていますが、これはもうちょっと解りやすく案内して欲しかったです。
鉄道があるから、最終的には過去エリアにも戻れるだろうと勝手に思っていた自分が甘かったです。
とにかく「メインをクリアしたからエリアを探索しよう」は通用しないので、メインが少しでもそれっぽい雰囲気になってきたら、その時点でエリアを探索し尽くしたほうが良いです。なんとなく示唆されるので、見逃し聞き逃しがなければ察せると思います。
△独特な操作性・判定の狭さ
慣れれば問題ないですが、慣れたところで快適さとは程遠いです。
ダッシュ一つとっても助走が必要なリアル志向なので、動きの説得力はあります。
ただ、判定の狭さは不便を感じることが多かったです。
ジップラインとか、他のゲームならラインの下に立って前を向いていればアイコンが出るのに、本作ではわざわざジップラインの根元(上手く言えない)を向かないとアイコンが出なかったりします。これを知らない時はアイコンが出なくて戸惑いました。
それはそこまでリアルを追求しないといけないポイントなのか?
(※追記)慣れれば何ということもないものの、インタラクト(調べる)が□長押しなのもモヤモヤします。多分、物や死体を調べる時のおっかなびっくり感を再現したかったのだと推測しますが、そこはテンポを重視してボタン一押しで良いと思いました。素材集めでただでさえ調べる箇所が多いので。
△長めのローディング
単純に長いです。ゲーム起動時やエリア移動だと約90秒、リスポーンだと約30秒(エリアや状況によってまちまち)くらいで、トイレで用を足したり、アプリを起動してログインボーナスを受け取ったりするにはピッタリの時間です。
ただ、どのゲームでもそうですが、負けが込むとこの長いローディングがとんでもないストレス源になってしまい、それは本作も例外に漏れずでした。
【まとめ】
「シネマティック・サバイバルシューター」(公式サイトに記載されたジャンル名)とは良く言ったもので、シネマティックとサバイバルに満ちた内容でした。
シューターに関しては期待外れでした。
シリーズ経験者ならおすすめ…とは断言できないです。むしろ経験者ほどギャップで戸惑うかも知れません。一本道シューターとは思わず、サバイバルFPSに変わったと考えれば、コツを掴んで楽しくなってくると思います。
私も、最初は本当に戸惑って「メトロほどのタイトルがやらかしてしまったか」とアチャーな気分になっていましたが、コツを掴めば嘘のように楽しめました。
いずれにせよ「快適さとトレードされたリアル志向」を受容できないと序盤で投げ出しかねない硬派な作りです。
本作に「時短」なんていう野暮な発想はなく、クラフトのたびにわざわざ背負っているバッグを机に置くモーションを挟むくらいですから……
スケジュールに急かされず、丸3日くらい確保して世界感に浸りながらゆっくりと進めるのが最適なプレイ環境なのでしょうが、そうもいかないでしょう。
ただ、もうちょっと、あと一歩だけでいいのでプレイヤーに思いを馳せてくれると、ゲームとしてもっと完成度が高くなっていたのではと思います。
気になっているけど難易度が不安…という方は、低難易度で始めたほうが良いかも知れません。私は難易度ノーマルでクリアしましたがノーマルでも難しいです。
また、とにかく序盤が勝負です。最初のエリアは操作に慣れない・素材不足・ミュータントの頭数が多い・アノーマリーが煩わしい・ボート移動がトロトロ遅いなどの萎えポイントが山積しているので、焦らずゆっくり進めたほうが長続きします。
序盤のうちは探索も深追いせず、頻繁に安全地帯や拠点に戻ったほうが良いです。ミュータントはダッシュしてれば基本追いつかれないので無視。
ストーリーでは仲間がやたらと別行動していたので、ラストライトの時みたいな個人別DLCがありそうな感じなので、しばらくは続報を楽しみにしています。
また、前二作はプラチナトロフィーを取得したため、本作でも頑張りたいところではあります。でも無理はしません。
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