ゲームクリア感想316_Sword Of The Sea(PS5版)
過去作の記事は↓
| 砂地の上に海。序盤のこれでもう世界観の秀逸さを革新 | 
長らくトレーラー以外の新情報がなく、自分だけが楽しみにしている(そんな筈はない)ような気分で待ち望んだGiant Squidの新作です。昨年、前作に当たるThe Pathlessを遊んだら非常に面白かったので、本作の情報を見つけたときは食いつきました。去年からの新参のくせに長年待ったかのような雰囲気でいたので、体感としては2年くらい待った感じです。とはいえ実際の発売は2026年以降になると予想していたので、今年(2025年)6月ごろ急に年内8月発売が発表された時は歓喜と同時に慌てました。しかも発売初日からPS Plusのゲームカタログ追加という、あまりにも自分に都合が良すぎる展開! これはこのゲームに呼ばれている! という情熱とともにプレイ開始。
ゲームジャンル付けをするならアクション・アドベンチャーが近く、剣をスケートボードにして移動し、探索をして次へのエリアへの道筋を立てていく、というのが大まかな流れです。ストーリーは前作同様に(一部テキスト除いて)全編ノンバーバルです。
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.4.0難易度 設定なし
クリア時間 約 5時間半(一周目)、04:04:51(二周目)
トロフィー達成率 65 %
【良かった点】
◎圧倒的な操作の快適さ・簡単さ
操作開始3分で「あ、これはもう"本物”ですわな」と確信しました。これまで遊んだきたビデオゲームの中で一番操作が快適かも知れません。ずっとボード(剣)を装着しっぱなしですがこれがもう快適すぎて歩きに切り替えたいとは全く思いませんでした。慣れてからはスティックを傾けて滑っているだけで楽しく、無限に移動できます。移動自体が楽しいので探索も捗るという理想的なサイクルが働いており、操作に慣れて各要素も解放されてくると今度はトリックを決めながら動けるようになってより爽快感が増します。
このトリックも非常に出しやすいです。本格派スケボーゲームのような難しさはなく、まずL1でトリックモードにしてジャンプしたら同じボタンを2回押す・違うボタンを1回ずつ押す、ドロップ(落下)は空中でL2ひと押し、など、簡単操作かつ甘い入力受付で出せます。極論、ジャンプしたら◯✕△□ガチャ押しの繰り返しでもそれなりに様になります。私は操作に習熟するまで、各地のトリックアタック・エリア(スコアアタックできる場所)はこれでゴリ押ししました。
本格派エクストリームスポーツのゲームではないので、世界観に惹かれるけどアクション操作が不安……という方、心配不要です。謎解きも簡単で誘導も整っているため、旗や建物を巡っていけばまず詰みません。
| フォトモードもちゃんとあり「自動フォーカス」機能も搭載 | 
| 剣以外の動物さんにも乗れる | 
◎美麗な世界
移動が楽しいだけでなく風景も美しいので見応え・撮り応えがありました。最初のステージである「秘中の海」で初めて海を解放し、砂地が豊かな海に変化した瞬間、このゲームに一気に惹き込まれました。「乾いた土地を豊かな海で満たす」というやりがいあるタスクが続くので、次もまた美麗な海を見るために探索を続けるモチベーションになりました。
一部の人が言う(そしてSNS中毒の日本人に妙に受ける)「ゲームに美麗グラフィックは不要論」というのが間違いであると改めて確信しました。少なくとも、グラフィックの美しさが表現に直結している(もちろん美麗なだけではなく独自性なども確立している)本作のようなゲームには適用されないなと。
どのステージも美麗ですが、個人的には「影の凍原」と「聖なる川」が好きです。あとラストステージのダイナミックさには感動しました。ノーダメージクリアのトロフィーもあるのでラストだけ繰り返し遊びたい……
あと、誘導がそこまで違和感なく風景に溶け込んでいるのも緻密さを感じます。「ここわかりやすい誘導だな」と理解できると同時に風景としても認識できるという匠の技。
| スノボステージ。ここはトリックアタック・エリアもコンボしやすくて好き | 
| なんらかの背景にしたい | 
◎進捗まわりの充実
一周が5~6時間程度と短い割に進捗管理まわりがかなり充実しています。解放したトリックなどを引き継げるニューゲームプラス、チャプター選択、更にはセーブデータを3つ作れるファイル選択まであるので安心。この規模感のゲームだとあってもチャプター選択だけだったりするので、ゲーム本編だけでなくしっかり後ろを固める実直さに好感を抱けます。
◎日本語ローカライズ
ノンバーバルとは言いましたが、世界背景を理解するための「ステラメッセージ」などのテキストはあります。それらもシステムテキスト(?)もしっかりローカライズされていて迷うことはなかったです。
【気になった点】
△ややとっつきが悪く単調になりがち
残念ながら、離脱率はそこそこ高いのではと想像します。ゲームが始まったら目標表示もなく世界に放り出されるので、最初は何のためにゲームを進めるべきか掴めずモチベーションが湧きづらかったです。そういう作風なのを承知で遊んだとはいえ、最初の謎を解いて目標を把握するまでの数十分がやや辛かったです。
あと、比較的簡単操作かつやることもあまり変わらないため、探索が充実していた前作と比較すると単調さを感じがちではなりました。これに関しては前作が充実し過ぎていたので比較自体がナンセンスですが、本作は一周の短さからして、どちらかというと周回なりRTAなりで何周もしてやりこむタイプとお見受けしました。
逆に言えば、仮に内容が合わなくてもひたすらメインストーリーの誘導を追っていけば5~6時間でクリアできるので、ある程度まで進めたらモチベーションが底を尽く前にクリアしてしまうことも可能です。
個人的にはニューゲームプラスの二周目のほうが楽しかったので、可能なら二周くらいすると程よいと思います。
【まとめ】
ゲームカタログで遊んだのが申し訳なくなる良作でした。発売前はアクション操作だけが不安でしたが、予想以上に操作が簡略化されており、そこまで難易度の高いステージもなく復帰もノーコストなので気軽に遊べました。抜群に爽快な操作や美麗な世界など、期待していた要素は期待以上の内容で満足しています。これから年末にかけて例のごとく大作ラッシュとなるため埋もれてしまう可能性が高いですが、個人的に推していきます。
ただ、どうにも勝手に期待を膨らませすぎたかも、という想いもあります。ボリュームは控えめで、ストーリーもあってないようなもの、とは言わないまでも薄く、発売前情報から想像していたような中程度ボリュームのアクションアドベンチャー、あるいは前作の正統進化かつスケボー版という感じではなかった気がします。それ自体こちらの勝手な想像なのでなくて当然なのですが……
とはいえゲームの進化を実感する一作でしたし、同制作陣の続編も今から楽しみです。その前に未だに「ABZU」未プレイなのをなんとかしないと……もう今晩サッと買って遊ぶか……
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