ゲームクリア感想153_MOONS of MADNESS(PS4版)



 短い間隔でのブログ更新ですが、新居のネット環境が整うまで書き溜めていただけです。

 2020年秋におなじみPS Storeセールで買いました。
実のところ、セールのたびに作品ページにアクセスしては概要と価格を眺め、数分間検討した末に「でもやる時間があまり…」と思い直して離れる、を繰り返していたのですが、今度こそ思い切って購入した次第です。

 タイトルから察せられる通り、クトゥルフ神話をベースにしたSFホラーゲームですが、そこまで期待せず始めたらなかなか冷や汗をかきました。最後まで緊張が続くTHE・ホラーゲームの優等生という趣です。

 ちなみにクトゥルフ神話に関しては、数あるコンテンツ経由で断片的にしか知らないものの一切問題なかったです。
謎解きなどに専門知識が要求されることもなし。


バージョン 1.02
クリア時間 約12時間
トロフィー取得率 96%


【良かった点】


◎ジャンプスケアの緻密さ


完全に舐めていました。

 これが本当に凄いです。それなりにホラーゲームをやってきた身として、驚かせにかかるであろうタイミングは大体予想できたりするのですが、本作はほぼ全部外しました。
 気をつけていても予測不可能な、エアポケットみたいな一瞬の間隙を突いて脅かしてくるので、まったく気が抜けません。

 本当にふと気が緩んだその時を全力で狙ってくるので、何度か尻が跳ねました。来るのは想像できるのに、なにも予測できないという緊張感。ババン! と音を立ててくるか、スッ……と静かに横切るか、角を曲がったら来るか、それとも扉を開けた瞬間に……といくドキドキが続きます。

 ジャンプスケアは「安易なホラー」として悪者になりがちですが、使い方次第で洗練された手法になるんだなという学びがありました。ジャンプスケアと言っても実際はそこまでしつこくなく、動と静のおどかしが半々くらいです。


○ローカライズが比較的良い


 小・中規模タイトルにもかかわらず丁寧にローカライズされていて、翻訳などの理由でゲーム進行に支障をきたすことは一切ありませんでした。
 字幕に台本のト書き(と思われるもの)が残っているのはご愛嬌ということで……
 
 ちなみに日本語版はDMM GAMESです。DMMはR-18の印象が強いのですが、そこまで売れそうにないゲームを結構ローカライズしてくれるので、自分の中でイメージが回復しています。デイメア:1998とかも良かったですね。


○適度な謎解き


 ボーッと考えただけでは進めず、かといって理不尽な難易度でもないほどほどの難しさで、ダレることなく進めました。中盤のアンテナ関連の謎解きだけ、とっつきにくい操作を要求されて一番苦戦しました。

 終盤に向かうにつれて難化…することもなく、むしろ序盤〜中盤あたりが一番悩みました。終盤はむしろストーリーに集中できる程度に抑えられている印象です。
 上のジャンプスケアの件といい、こういう細部の調整が本当に上手いです。


○いわゆるトロフィーブースト


 1つか2つを除けば、エンディングまで普通に進めていくだけでプラチナトロフィーが取得できます。私は1つだけ取り逃してしまいました。

 もっとも、私はトロフィー界隈にそこまで明るいわけではないので、そこそこに謎解きで時間を取られる本作が、いわゆるトロフィーブーストゲーの定義に該当するかは不明です。
 一度使っておきたい言葉だったので……


【気になった点】


△操作性にやや難


 そもそもの操作が(意図してか)お世辞にも直感的とは言えないので、終盤まで指に馴染むことはありませんでした。

 また、操作に関してのチュートリアルが若干不親切に感じました。
端末の本文スクロールは本文のエリアに十字キーで移動すれば出来ることに気がつけたのは中盤以降でした。
 エリアによっては、
次の目的地を示すアイコンが表示されないのも混乱しました。


△文字・アイコンが小さめ


 テキストがほぼフル翻訳かつクオリティが高いのは有り難い一方で、可読性が低いのもまた確かです。
 いわゆる字幕ではなくてゲーム内埋め込み(専門用語があった気がするのですが失念しました)なのも、ローカライズの気合を感じるものの、若干読みにくさをもあり……これ以上を望むのは贅沢と納得はしていますが、ちょっと惜しく感じました。

 またアイコンも小さく、しょっちゅう見逃しては詰みかけました。
これに関しては機器で走査すれば表示されるとはいえ、近すぎると逆に表示されないことがあり……


【まとめ】


 丁寧な作りの良作ホラーゲームでした。
気になった二点も慣れればそこまででもなく、なんなら短めのボリュームなのでストレスになる前にクリアできます。

 若干ストーリーが弱かったりもしますが、驚かせのタイミングとか謎解きの配分とか、細部に目を光らせた作り自体に感動できたので、そこまでマイナス点にはなりませんでした。
 ジャンプスケアも過度な心配は不要というか、実際のゲームプレイは謎解きメインで、じっくり自分のペースで進められます。

 強いて言えば、全体的に視認性が低いので視力に負担がかかるのが難点です。この手のホラーゲームはどうしてもそうなりがちですが……

 今後、良作ホラーゲームの話題になったら、このゲームの名前を常に引き出せる場所にしまっておこうと思います。

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