ゲームクリア感想57:アサシンクリード シンジケート(PS4版)


毎年この時期恒例の、アサシンクリードの長めの記事です。
今回も発売日に買いました。

早々に申し上げますと、2/BH/4に並ぶ良作でした。

3からローグまでの賛否両論な北米編や、炎上騒動まであったユニティで一旦離れてしまった人に勧められる完成度です(私は北米編もユニティも好きです)。

プレイ時間は約60時間、収集要素も一通り回収済み。
シーズンパス及びPS4限定コンテンツ「凶悪犯罪」(ユニティでもあった推理モノ)も購入済みです。


【良かった点】


  • 前作(ユニティ)までの不満点をほぼ解消している

・シングルプレイオンリーになった(トロフィーも一人で全回収可能)
・宝箱の中身が充実した(素材と金が多めに手に入る)
・宝箱のピッキングが無くなった
・窓に入りやすくなった(L1ボタン一押し)
・幻覚ダート使用時の同士討ち時間が少々短くなった(早めに勝負がつく)
・ダブルアサシンの使用可能範囲が広くなった 
・口笛が復活した
・メインシークエンスにおける暗殺ルートが増えた
・敵の行動に説得力が出た(物音を立てれば毎回ちゃんと反応するので戦略が立てやすくなった。ユニティみたいに狙撃手の目が良すぎたりもしない)
・レースミッションが復活した(個人的に好きなだけ)
・とうとう長過ぎるス タ ッ フ ロ ー ル が 撤 廃された

紫字はユニティに実装された要素ですが、不評を受けてしっかり改善されています。
合わせてシリーズ特有の不満点も解消されているので、かなり遊びやすくなっています。
3→4も大改善でしたが、今回のユニティ→シンジケートはそれ以上です。

 ただ、遊びやすくなって難易度が下がっている面もあるので、手放しに良かったとは言いがたいのも正直な所ですが、それ以上にストレス無く遊べるのが大きいです。
2とBHでシステムは完成されたと言われることが多いですが、シンジケートの完成度も全盛期だったその頃に並んでいます。

  • シナリオ面に面白さが戻った
これが一番嬉しかったです。ネタバレなので詳述は避けますが、初代から3までのワクワク感が帰ってきました。特に現代編はムービーだけですが、ようやく一歩先へ進んだ気がします。予想もつかない展開が待ち受けていたりして、全盛期の世界の謎に迫ってゆく感がちゃんと存在しています。
 演出面でも初代を意識しているのか、暗殺前の下準備が少しあったり、暗殺時の謎空間が復活したりしています。テキストや音声ログのノリも相変わらず面白いです(ここはどの作品でも面白い)。
 去年はローグのシナリオは楽しめたのですが、ユニティは本筋も現代編も消化不良に終わったので、今後もこのくらいの面白さが続けば良いと思っています。

  •  W主人公システム
今回のW主人公に関しては、メイン進行時以外なら好きな時に入れ替えられる上に、スキルポイントや武器は共通なので、個人ごとに設定し直す煩雑さなども殆どありません。主人公二人共、比較的好感の持てるキャラクター造形でゲームを進めるのも違和感なしです。
性能差もスキルを全て覚えさえすればあまり無いので、実質好きな方で遊べます。このシステムで複数主人公も実現可能だと思うと夢が広がりますね。

  • 時代背景に合わせて刷新された戦闘システム
コンボ表示の採用の他に、当たりが軽く見えるのとやたら敵が硬いのがプレイ前の不安点だったのですが、実際に製品版で戦ってみたら全て杞憂でした。コンボ表示は特に気にならないし、当たりが軽いのは手数の多さでカバーできるし、武器をしっかりアップグレードすれば敵は脆いし。そもそも剣や槍の時代ではないので、今回の武器からするとこのくらいの手数の多さで自然なのかもしれないですね。(ククリやケインソードやナックルで人と戦ったことがないのでわかりませんが…)
 発売前の動画にある戦闘は、システムを見せるためにあえて弱い武器で戦っていると思われるので、実際の敵はあそこまで硬くないし寧ろ弱めなので戦闘が苦手な人も安心です。
 ユニティの重量感ある戦闘も今となっては気に入っているので、時代が遡ることがあればそのテイストも復活して欲しいです。

  • オープンワールドのマップに関する最高の改善点
これは私が心底「よくやった!」と思っているのですが、「ミッションをクリアしたら自動でマップが開かれる」のは地味ながら最高な改善点です。この手のオープンワールドゲームはクリアまで何度もマップを開くことになると思うのですが、私の場合、一区切り付いた後は次の目的地を決めるためほぼ確実に開きます。その度にマップを呼び出すことになる訳ですが、それを自動化してくれたのには本当によく気が付いてくれた! という思いです。開発者かユーザーの意見か解りませんがこれは支持します。
 あと、高所からだと「ゲーム画面から直接アイコンにマーカーを置ける」ようにもなりました(こっちはあまり活用しなかった)。

  • 18歳以上指定ゲームで子供NPCが自然に溶け込んでいる
これも何気に実現している所は少ないと思うのですが、好きな時に無実の一般市民を殺せるタイプのゲームで、子供NPCが沢山配置されています。流石に不死身ですが、これまで「リアルな世界なのに子供が殆どいないのは不自然」という指摘に正面から応えたなと思いました。

  • 思ったよりも良好な馬車の操作性
アサシンクリードの乗り物にしては操作が良いです。

  • ロープランチャーは特段問題なし
これに関しては邪道ではないかとも考えていましたが、3のDLCの「トリの能力」(ロープランチャーとほぼ同じで高所間を飛べる)を快適であり次回以降実装されて欲しいと絶賛していた身としては、案外すぐ慣れました。
 といってもこればかり用いる訳ではなく、窓に入る時やこっそり登りたい時は従来通り普通に登攀するので、シリーズのコンセプトを破壊するような要素ではないなという所です。どこかのコメントで見た「ゆとりアサシン」の謗りを受ける程ではない要素なので安心です。

【気になった点】


  • 相変わらず動作が不安定
連行対象が固まってしまい進められなくなったり、ミッションを始めようとしたら承諾だけされて始まらなかったり、味方や敵が透明化したり、というのが複数回ありました。フリーズも2回ほど。
 シリーズではどの作品でも毎回必ず遭遇するし、不具合を0にせよとは言えないですが、この辺が安定したらなぁとは感じます。
 今作ではPS4限定コンテンツの「凶悪犯罪」ミッションにそれが顕著でした。一部、クリア後の真相報告テキストが空になっている不具合は直ったんでしょうか……

  • 主人公も味方もすぐに強くなり過ぎてしまう
今回のSLG要素は「ギャングアップグレード」で、味方のギャングを強化したり敵を弱体化させたり、定期収入を増やしたり出来るのですが、 これの効果がかなり強力で、こまめに行なっているとゲーム中盤には全アップグレードが完了します。
 必要となる金も素材も各種ミッション達成の他、目につく宝箱を逐次開けてゆくだけでもそこそこ揃う上、そうしている内にスキルポイントや装備も集まってくるので主人公も強くなり、後半はほぼ敵なしです。難易度が低めだった4やローグよりも戦いがヌルくなります(回復薬もあるし)。
 遊びやすくなったのは改善なのですが、戦闘面でのやりがいは正直少なくなったので、基本はステルスで攻略してみるなどの縛りが必要かもしれません。
 敵の役割分担が薄くなったのも原因の一つですね。体力も行動パターンもほぼ同じだし。剣と槍と弓の時代を失った弊害の一つかも知れないです。

  • (日本語版のみ)日本語字幕の位置が悪い
字幕の配置が下過ぎて、読めないほどではないにせよ最下段の文章は見きれていました。あと一段ほど上にあった方が良かった。
 あと音声ログにも字幕かテキストが欲しかったです。前はあったのですが。


【まとめ】


 旧作の良いとこどりをしつつ、シナリオ・システム両面で今後の可能性を示した集大成作といった印象です。暗殺下準備・SLG要素・部下育成・爆弾・ダート・素材・索敵レーダー・推理などの要素を時代設定に違和感なく採り入れています。シナリオ面でもまた新展開があって、来年も続ける気マンマンです。
現在進行形で遊んでいますが、殆ど不満を感じないです(上に列挙した3点はしいて言えば程度)。システムは親切になりすぎたきらいはあるし、シナリオ面でも現代編はもう少し欲しかった感はありますが、初期の開発陣が居なくなったあと試行錯誤が続いていたシリーズがようやく安定したというか。
 もっとも安心は出来ず、サイクルで言えば来年は賛否両論作が来る順番なのですが、そこを打ち破ってくれるのを期待しています。

その前に、まずはクロニクルインディアおよびロシアの発売ですね。
11月3日のUBIDAYでは「ちゃんと開発は進んでいるのでご安心下さい^^」的な感じでしたが、当初よりかなり発表が遅れている印象しかないので……



余談:毎回SLG要素があるのは良いけど、もっと突き詰めたものがほしい。
3のホームステッド路線でアサシンの里を運営していくような感じの。それ単体のアプリでも可。或いはお祭りゲーム的な対戦モノ。かなりキャラクターが増えたのでその総ざらいも兼ねて。

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