ゲームクリア感想42:アサシンクリード ユニティ(PS4版)

もはや年末調整並みの恒例行事と化した、年の瀬の暗殺稼業。
今年も例によって例の如く購入しましたが、今回から新ハードかつシナリオ的にも仕切り直しということで、初報から毎日のようにトレイラーを観て情報を漁って楽しみにしていました。
(いつ観てもこのシネマティックトレイラーは最高過ぎる。歴代で一番)

プレイ時間は約40時間(サブミッションや回収要素を半分残して)
クリア時のクラスは「オフィサー」でした。
PS Plus未加入の為coopミッションは未プレイ。
パッチは三種類全て当てています。


 【良かった点】

  • 操作性の向上
少々慣れるまでに時間がかかりますが、 誤殺や落下死は減ったと実感しています。
(落下死しそうな場所ではボタンが反応しなくなった?)
 低い段差を降りるのにまごつく、木や街灯などの細いオブジェクトに捕まりにくいなどは相変わらずですが、フリーランの飛距離向上や斜め移動の強化、そして何よりも下方向フリーランの採用によって、大抵は思った通りに移動できるように進化しました。
 あと、なぜ今まで無かったのかが不思議な任意のしゃがみアクションもようやく採用されました。初導入ですがちゃんと機能していました。

  • ようやく「ソーシャルステルス」が実現した
新ハードになってやっとコンセプトがゲームに落とし込まれたのではないでしょうか。
「群集の多さ」は散々発売前に謳われていたのですが、実際やってみると予想以上の多さで驚きました。群集に紛れた暗殺に説得力があって、これは言うだけありました。

  • マップが立体化した
立体化によって場所の把握が楽になったのに加え、操作感も向上しています。
立体マップは操作が解りにくいものが多い印象ですが、これは拡縮も回転も直感的にできる上、一瞬で開ける軽さで使い易いです。
 頻繁にマップを開くゲームなのでこれは明らかな改善。

  • 屋根上狙撃兵の減少
一部地域やミッション中には配備されていますが、それ以外では排除されています。
テンポよく進められて快適です。

  • 成長要素の採用
「信条ポイント」でアサシンランクを上げ、「シンクロポイント」でスキルを取得できます。もちろんお金で装備や服装の色を変えられます。
 「信条ポイント」は敵から逃げ切ったりエア・アサシンを決めたりとアサシン的な一定の行動を取得すると獲得できます(入手量が増加する装備があるのでオススメ)
 あと「今まで出来ていたことがポイントを稼がないと出来ない」という事でスキル取得システムに際してはいかがなものかと考えていましたが、今までが有能過ぎた感もあるのでさほど気にならなくなりました。
 装備に関しては、今までも敵兵の武器を奪えば槍や斧やライフルを扱えましたが、基本は使い捨てでした。今回は好きな武器を装備できます。

  • データベースが充実している
同期すればコンパニオンアプリでも読めます。 読み応えがある上「ノストラダムスの謎」解読ミッションではゲーム内のヒントとしても機能するので、おまけには留まらない位置になりました。

  • 「群衆ミッション」の報酬が美味しい
ランダムで発生するミニイベント(泥棒を捕まえる、暴漢を追い払うなど)なのですが、一定数こなす度にまとまった金が手に入るので序盤は美味しいです。
  「信条ポイント」獲得アクションでコレをこなすと鮮やかかつ効率的です。

  • 取捨選択されたアクション
(ミッション外での)一般市民からのスリ、口笛おびき寄せ、カウンター要素(カウンターキルや武器奪取)、キルストリーク、人間の盾、ロープダート、自然物ステルスなど、色々と廃止されました。
 カウンターに関してはパリィ(攻撃弾き)と回避が代わりに据えられて、カウンターから直接ダメージに繋げる事は出来なくなりました。
 (確かにスリはトロフィー/実績取得以外にまず使わなかったし、カウンターと人間の盾は強力だったし、ロープダートは使う場所が限られすぎていたし、今回は自然物が少ないロケーションだしで廃止も致し方ないとは思うのですが、せめておびき寄せは残して欲しかったです)
 また、バランス崩壊の代名詞だった煙幕とバーサークも弱体化しました。
煙幕は今までのように効果時間中にサクサク暗殺できなくなった(暗殺ではなく武器での攻撃が続く)上に効果時間も心なしか短くなり、バーサークは隊長や重装兵といえども無双してくれなくなり、二人倒してくれればいい方です。
 便利だったりモーションが格好良いアクションから廃止されたのは残念ですが、逆に操作や装備がシンプルになったと捉えています。

  • 「タカの目」の復権
3では存在を忘れていたくらい私の中で影が薄かったのですが、4で敵のタグ付けが出来るようになって利便性が増し、今回は攻略に謎解きにとフル活用していました。

  • 美麗グラフィック
今まで遊んだ全ゲームの中では一番です。特に夕方の遠景が見もの。

  • スタッフロールが早送り出来る様になった
業界一長いと前からずっと言われていたのがようやく直りましたが、これまで出来なかったのは色々なしがらみがあったのかなと思います。

  • (12/5追記)協力・強奪ミッションもソロプレイ可能
「クローズドでプレイする」でソロプレイ可能です。勿論、協力プレイ前提の難易度なので敵は多いですが、クリア後のフル強化状態で臨めばギリギリ何とかなるレベルです。
 この措置は本当に有難かったです。


【気になった点】

  • スケール感不足なシナリオと世界
  パリから殆ど出ない上に現代編もボリュームが少ないので、シリーズの魅力だと勝手に思っている、現代と歴史を絡めたシナリオが今回物足りなかったです。携帯機二作ほどでは無いにせよ、パーソナルな物語が続いた印象。
 それはローグと次回作に期待するとして、やや肩透かしでした。
「ヘリックス断裂」クリアで獲得できるテキストでは色々風呂敷が拡がっていますが、それら全てが今後回収されるとも思えず。
 今思うと、賛否両論だった3,4の屋外マップも、名もない洞窟や難破船などの「(スカイリム的な)語られない発見」 があって面白かった、ということを再認識しました。
 今回で市街が戻ったのは素直に嬉しいですが。

 あとキャラクターに関してはよくも悪くもなくといった印象です。
主人公のアルノは動機も後ろ姿もエツィオそっくりで、意図的にそうしたのかもしれませんが新鮮味が無く、ヒロインの方が操作したくなる強さと人間臭さで好感を持てました。
 初代から続く「テンプル騎士団=悪ではないのだ! 彼らにも彼らの正義が!」というのはその通りだと思うのですが、最近はそれがアサシン教団の腐敗とセットで語られる事が多くて、解るけどそろそろアサシン一筋な主人公が欲しい所です。

  • (全体的に向上したものの)一部操作に残る不満点
低い段差のほうが逆に降りにくい、細いオブジェクトに捕まりにくいといったのは相変わらずですが、今回は窓の侵入がスムーズに行えないのがストレスでした。
PS4だと「L2で侵入」と表示されるものの押してもなかなか侵入できず、画面の中のアルノは上下左右に飛び移るばかり。平時ならともかく逃走中にこの状態に陥ると……

  • 動作面で若干不安が残る
オブジェクトの隙間に落ち込むのはもう恒例として、開始15分でフリーズしたのは参りました(PS4の初フリーズだった)。フリーズはそれ以降無いですが、意図しないハマりでリセットする経験を毎回繰り返している気がします。
 あとローディングはやっぱり長めです。

  •  理不尽なサブミッション関連 
「殺人ミステリー」は証拠集めにあまり意味がなく、いかにも怪しい人間が案の定犯人で、真面目に現場を歩きまわって推理する必要が薄いです。しかもマップに回れる現場が表示されなかったりして、後半は証拠不十分なままクリアしていました。

「ノストラダムスの謎」は「そのヒントからどうやってこの場所を思いつけと?」というものがあって、大変苦労しました。大半はデータベースをよく読めばヒントと合う記述があったり、トラッキング中なら近づけば音が鳴るので解った時は早いのですが。

  • より一層面倒になった宝箱回収
宝箱の七割近くが「鍵破り」「コンパニオンアプリのミッション達成」「Initiates(Uplayアカウントで入れるサイト。ゲームの記録が閲覧できる)で一定の条件達成」で開く条件付きのもので、発見したが開けない宝箱がマップをびっしり埋め尽くす羽目になります。
 加えて、どれもマップからでは詳細な条件が確認できない不親切さ。
この中でも施錠された宝箱に至っては、3段階ある鍵開けスキルを全て習得してから回った方が効率的で、その頃には既にお金に困っていないので、端金を回収するためのただの作業と化します。
 解錠と回収で作業と作業を二乗した様なもので、場所によってはこれに加えて扉破りもしなければならず、もはや業務です。

  • Initiatesについて
日本語化しろとは言わないので、旧作の履歴が認識されないのは何とかならないものかと思います。ちなみに今レベル8です。
 というかこのサイト自体が何なのかよく解っていないです。

  • コンパニオンアプリについて
無料で入手できるアプリで、シリーズ恒例の派遣ミッションがスマートフォンで遊べます。放置ゲーの派遣ミッションとスマートフォンアプリの相性は良いのですが、いかんせん接続がすぐ切れる(再接続するとプレイ履歴が巻き戻っていたりする)、読み込みが重い、 意外と一ミッションのクリアに時間が掛かる、など非常に使いづらいです。
 パズルで開放した一つの場所に三種類のミッションがあり、それぞれ三段階に分かれていて、そこから更に三つのチェックポイントがあり、チェックポイント単位でアサシンを派遣するのがおおまかな流れです。
 一段階目と二段階目クリアでそれぞれ対応する宝箱が空き、三段階目クリアで限定ミッションが受諾可能になるのですが、どれも24時間以内にユニティを起動してゲーム内で回収する必要があります。
 長くなりましたが、不安定な動作でこの同期が上手く取れず、クリアした筈なのに宝箱が開かないと思っていたらアプリの接続切れで履歴が巻き戻っていた、というのが多発してモチベーションは下がる一方です。

  • (12/7追記)敵の視力が良すぎる
息遣いまで聞こえるような距離で潜んでいても気づかない聴力を補うように高い視力を誇っており、こちらからは視認できない様な位置から見つけてきます。やり応えがあるといえばそうなのですが、種類問わずどの敵もそうなので少々やり過ぎかなと思います。仕様と解っていてもストレスが溜まりますし。


【まとめ】

正統進化というよりも取捨選択の上での進化でした。
故に賛否両論になるのかなと思います。
今回は発売前の不具合騒動も意に介さず毎日指折り数えて発売を待っていたので、こうしてクリア出来て非常に満足なのですが、操作性や宝箱の配置など、長い間改善されない不満点が潰しきれていなかったなとも感じます。
 来年からは毎年出るかどうかも不明ですが、ユニティの不満点を潰せば相当な名作になると妄想しているので期待しています。

 また、今年はあと11日後に旧作路線のローグも出るので、 ちょうど残りの要素を一通り回収したタイミングで遊べそうです。
 超名作の4路線ということで相当楽しみにしていますが、発売二週間を切ってこの公式サイトの寂しさは不安になります。
 あとはDLCも楽しみですね。チャイナクロニクルはMark of the Ninjaっぽくて期待が持てそうです。それにしても動画に出てくるユニティのディレクターの人の精神状態とキャリアが心配ですね……ゲームのシナリオがダークになる前に人事がダークという事にならないのを祈ります。

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