ゲームクリア感想298_Sable(PS5版)
世に出る前の事前情報時点から一発でビジュアルに惹かれたゲーム。楽しみにしていたのは確かな一方、始めるタイミングを慎重にうかがいすぎてクリアがかなり(年単位)遅れてしまいました。もうずっと心残りリスト上位だったので、新作を一時中断してクリアしました。
このゲーム、とにかくスクリーンショットが映えるのでいつもより多めに掲載してしまいました。なのでこの記事の読み込みが少々遅くなるかも。ご了承をば……それにしても、全部インゲーム画像かつフォトモードに類するものもないのにあまりにもイイ感じに仕上がるので、改めて見直しても感動しますね。
サムネイル用。サムネイルは濃い色のほうが適しているのだが好きな一枚なので |
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.0.003難易度 設定なし
クリア時間 約 31 時間
トロフィー取得率 88%
【良かった点】
◎想像より広いオープンワールド
この画風をオープンワールドで体験できるのはかなり貴重なのではないでしょうか?
チュートリアルも兼ねた最序盤エリアのクエストをいくつか終えると、浮遊型バイクを駆っていよいよ広大な外世界に漕ぎ出します。
チュートリアルも兼ねた最序盤エリアのクエストをいくつか終えると、浮遊型バイクを駆っていよいよ広大な外世界に漕ぎ出します。
砂の色の違いがエリアの違い |
特色の違う遺構が各地に点在している。中も探索可能 |
このエリアが想像よりもずっと広く、各地に特色があってとても走りごたえがあります。1エリアにファストトラベル可能なロケーションが5〜7あり、大抵クエストの用事で足を運ぶので探索も効率的に行えます。もっとも好きなタイミングでどこへでも行けるので、かなり自由度は高いと感じました。作品の印象からして所謂ストーリードリブンなタイプのゲームだと思っていたので、大手ばりのオープンさは驚きでした。
ガッツリした大作オープンワールドは時間がかかるという理由で後回しにしがちなため、思わぬタイミングでオープンワールドを補給できました。
ちなみにバトル要素や時限クエスト要素はゼロです。これも気楽(バイクレースとかもありそうでない)。
◎達成感に満ちた旅路
主人公「セーブル」の旅の最終目的は「自分がなりたい姿の仮面を手に入れる」ことで、仮面は特定の職業(機械工や測量士など)のバッジをそれぞれ3つ集めると入手できます。このバッジ集めが旅の主眼となります。お金であっさり交換できるものもありますが、多くはクエストクリアの報酬です。異国の人たちの願いを叶えたり協力したりして、文字通りの自分探しの旅を行うというつくり。
そして仮面を1つでも入手したら帰郷して目的達成しエンディングを迎えることが可能です。
故郷にけぶる煙をバックに相棒と(ちなみにバイクの色も変更可能) |
故郷とはまるで違う光景 |
自分の場合は10個くらいマスクを集めてからエンディングを迎えましたが、旅の終わりが即ち別れとなる選択をしたので、予想以上の達成感と寂しさに襲われました。オープンワールドとしてはクリアまで25時間程度でそこまで長い旅路ではないにせよ、思い返すとなかなかに密度が濃く、良い体験だったと思います。どんな選択をしても誰にも否定されず爽やかに終わるので、ストーリーとして綺麗にまとまっているのも好感触。
【気になった点】
△ゲームとしてのぎこちなさ
正直、快適とは言いがたいです。バイクを飛ばすと目に見えて処理落ちしたり、所定の位置にいるはずのNPCが消滅していたり、マップ読み込みがされなかったりと、かなりぎこちなさが残します。
特に難儀したのが生身での移動まわり。
閉所の探索だとカメラワークによってオブジェクトがちらついたり主人公を見失ったり、動く足場にジャンプして飛び移ったと思いきやボタン長押しの浮遊が発動して手を離して落下したり、狭い洞窟を進んでいたらなんでもない壁を掴んでしまったりと、とにかくもどかしさの連続。オープンワールドの移動においてこの細かいストレスの蓄積は辛いものがありました。大半の移動はバイクで行うとはいえ、目的のロケーション内ではほぼ生身移動となるので、バイク並みに作りこんで欲しかったところ。
あと、ミニゲームの釣りの操作の反応が異様に悪く、そもそもロッドを取り出せないことも多々あるのですが自分だけ? ただでさえ単調なのに操作も重いのでコンプリートは断念してしまいました。正直釣りがなくても別の魅力と独自性があるゲームなので、この要素はそこまでテンションが上がらなかったです。
ミニゲームに砂釣りがあるものの、操作の反応が悪いのもありコンプリートは断念 |
△ダッシュ不可
これが一番つらかった。上記の通りそこそこ生身移動の機会があるわりに、世界の広さに対して走力が追いついておらず、常にもどかしさが付き纏いました。バイクに乗らせたい・旅を急かさない意図は理解できるものの、仮にもオープンワールドでこの遅さはキツいものがありました。
【まとめ】
低負荷で気楽にゆっくり楽しめるオープンワールドでした。時限要素はないし、クエストをどれだけ後回しにしても何も言われないし、こちらの選択を責められることもほぼないです。
無国籍風ながらかつての人間文化が垣間見える世界観や、そこから構築される鮮烈なビジュアルも見どころ。
ゲームの最終目的も独特で、大風呂敷を広げず本来の目的さえ遂げればこちらの好きなタイミングで終えて構わないというのも、クリエイティブたるものこうでなくてはと刺激を受けました。
とはいえ、操作性やカメラワークなどから受けるストレスは終盤まで続くため、快適なオープンワールドとは言えないのも確か。あくまでインディー作品なので大手の手触りの良さを期待しないよう己に言い聞かせていました。これから始める方は、最序盤のもっさり感に早くも心折れるかもしれませんが、まずクエストを進めてバイクとシステムを全開放するのがお勧めです。
もし続編があるなら是非とも買いたいですが、この一作だけでも濃縮された世界観を味わえたので満足です(もちろん出れば嬉しい)。
偶然撮れたこのショット、故・鳥山明テイストがある(ように見えなくもない) |
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