ゲームクリア感想165_真砂楼(Switch版)

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 旅館を舞台にしたホラーゲームということで購入しました。こういう正統派でシンプルなホラーゲームを遊んで、ホラー感をリセット(?)したくもあり。
 旅館やホテルはホラーの舞台としてはお馴染みですが、ことゲームになると、ホテルはあっても旅館はそこまで登場頻度が高くないように感じていたので、その意味でも魅力を感じました。

 旅館があまり登場しない理由としては、ホテルとは違って、旅館は構造的に特定しやすくて制作のモデルにした際に風評被害を生みやすいから、というのが思い浮かんだのですが、実際どういう理由が多いのかは不明です。

 ちなみにこのゲームは、ニンテンドーストアページの説明によると、
"廃墟探索者による監修の下、日本の様々な廃旅館を参考に昭和初期の旅館を制作しました。"
とのことです。
 実際遊んでみると、ゲームらしい通路の構造と各フロアの細かいディテールのバランスが程よく取れていた印象で、モデルそのままではなく、かといってゲームの都合だけを反映させたというのでもなく、という感じで好印象でした。


バージョン 1.0
クリア時間 約3時間


【良かった点】

◎テキストが良い


 昭和初期という舞台に合わせた昭和風?の文体(「ザマアない」など変なところでカタカナにするあの感じ)が多いのもあり、雰囲気が出ていると同時に、ホラーゲーム然としたわざとらしさが希薄なのも良かったです。
 
 あと、宿泊客や従業員のテキストが短めなのも逆に「らしい」と感じました。
自分だったら世界観説明のために極力ダラダラと書いてしまいそうなので、手記のワンフレーズだけ抜き出したようなリアリティは参考になりました。

 因みにもっとも共感したテキストは、宿泊客による
「最初に部屋に置いてあった饅頭を、土産物屋で売ってほしい」です。わかりすぎる。


◎常に緊張感漂う廃旅館の雰囲気


 操作開始から操作終了まで、気の休まる瞬間が一秒もないホラー全振りっぷり。
ホラーゲーム中級者くらいの自認はあったものの、常に心臓がずくずく痛みました。

 ミシミシ床が軋む音、暗闇から吹き込んでくる不穏な風の音、血の色みたいに真っ赤なコーラの自販機……などなど環境づくりが巧く、細かいディテールで描かれた昔ながらの家具などの環境も相まって、なかなか背筋が寒くなる臨場感があります。
 私は日曜夕方から夜にかけて遊びましたが、背中が不安でいつもより早い時間に自室のカーテンを閉めました。



【気になった点】

 いずれもそこまでマイナスな点ではないです。これらがストレスに変わる前にクリアできるので……


△やや理不尽な即死


 怪異(アイコンになっている仮面)の出現タイミングによっては対策を取る暇もなくかち合って、よくわからないまま唐突にゲームオーバーということも。でもまぁご愛嬌です。


△トップ画面のカーソルデフォルト位置がNEW GAME


 カーソルデフォルト位置NEW GAME警察が出動してしまいました。
上記のようにゲームオーバーになるとトップ画面からリトライすることになるわけですが、その際にカーソルのデフォルト位置が「始める」になっているので、一段下にカーソルを動かして「再開」を選び直す必要があります。
 クリア時間の短いゲームなので許容範囲内ですが、割と連打で事故りやすいポイントなので……特にゲームオーバー直後は急いでゲームに復帰したいですし(どのゲームも)



【まとめ】


 メインビジュアルから受ける印象よりも良作でした。
シンプルに怖く、そこまで奇を衒わないのが良い。常にじめじめとした重苦しい不快感が漂う、昭和初期の廃旅館が舞台のホラーゲームと聞いて集まってきたユーザーを満足させる内容だったと思います。
 ジャンプスケア(驚かし)は悪く言えばワンパターンですが、個人的にはそれが逆にリアルで良かったです。

 ただやっぱり、このジャンルになにか思い入れがないと、一人で遊ぶにはゲーム面で物足りなさがあります。
 仮面の怪異にしても対処が簡単(出現したらボタン押しっぱなしで数秒息を止めるだけ)なので、慣れるとそこまでの脅威ではないです。本体よりも「突然出たらどうしよう」という自分の想像のほうが怖かったです。

 2~3時間でクリアできるので、突発的にホラーゲームを遊びたい衝動に駆られた方や、ゲームとゲームの間をゲームで時間調整するタイプの方にはおすすめです。


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