ゲームクリア感想235_パラノマサイト FILE23 本所七不思議(Switch版)

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自分が好きなジャンル全部盛りすぎて驚きました。もうタイトルを挙げるのも億劫に感じるくらい全部盛り。一部挙げると、SIRENや流行り神、十三機兵防衛圏死印レイジングループあたりが近いです。同じスクウェアだと「アナザー・マインド」とかもありますね。
もっとあると思いますがひとまずこの辺りが好きならハズレはない内容でした。舞台が「昭和後期の墨田区」というのも良いですね。

ゲーム自体はホラー風味のポイント&クリックにストーリー分岐を足した感じ。謎解きで頭を柔らかくする必要はあっても、テキストでそれとなく誘導してくれる(ここでこれ以上探してもなにもないなど)のでそこまで詰むことはなかったです。

発表された時から楽しみにしていたものの、その割に3月9日の発売日には遊べなかったのが悔やまれます。最近こういう事例が増えてきたので、これからはあまりスケジュールを深く詰めず、気になったときに気になったゲームを遊ぼうと思います。発売時の盛り上がりを体験できるのは一瞬だけなので……
とはいえ本作は高評価が固まったのもあって、発売から一ヶ月過ぎても盛り上がりがさほど衰えていない様子です。実際高評価の通りで楽しめました。



【主なプレイ環境】
ハード Nintendo Switch
バージョン ver.1.00
難易度 設定なし
クリア時間 約 14時間


【良かった点】


◎システムを活かしたストーリー・演出


ネタバレに繋がるので詳述は避けますが、本当に感心しました。360°見渡せるシステムをストーリーにも演出にもばっちり活用していて退屈しなかったです。
ご多分に漏れず序盤の橋で一度詰まったものの「もしかしたらコレじゃないか?」という発想に行き着いた時のワクワク感が印象深いです。序盤でそうした解法が選択肢として示されることで、エンディングまでの謎解きにも深みが増していくのも巧いと思いました。



◎思ったより怖い


ガッツリしたホラーゲームではないと思い油断していました。事前情報から察するにあくまでホラー風味だとばかり思っていたら、序盤の夜間パートがかなり怖かったです。スクウェア・エニックスのロゴが入っているゲームでここまでホラーなのはそうそうない気がします。いわゆるジャンプスケアはほとんどなく、基本的に大きな音はあまり立たない静の怖がらせ方です。

「呪影」のおどろおどろしさもさることながら、死体や断末魔を割とはっきり描写していたり、深夜に出会う人間も海千山千で信用ならない雰囲気だったりで緊張感があります。

また、特に演出らしい演出のない、振り向いた先に同行中のキャラクターの顔があるだけでもドキッとしました。人間、振り向いた先に意図しないものがあるだけでこんなに心臓が跳ねるのかと思います。

ここから360°全回転します


◎雰囲気や設定のワクワク感


ただ怖いだけでなく、全体的に雰囲気づくりが巧いのもあって墨田区各地を調べて回るのが面白かったです。
序盤の夜間パートは生死が懸かっているシチュエーションなのに深夜行動特有のワクワク感もあり、テンションが上りました。建物の中には人がいるのに、外では能力バトルが静かに繰り広げられているいかにもなシチュエーションも好きです。こう書くとライトノベルのようですが、そこまで能力能力(?)はしておらず、会話で自分の能力が発揮できる状況に持ち込み、肝心なところで能力(呪い)を発揮する感じです。

また深夜深夜(?)しているわけでもなく、普通に夜は明けます。もちろん夜が明ければ問題解決する筈もなく、そこからは後半まで探索中心のパートになります。昭和後期の墨田区というマイナーな舞台設定が丁寧に描写されているので、ホラーとは別にワクワクしました。

背景がどれも良い



能力ものっぽいテキスト


【気になった点】


△メニューUIが今ひとつ


頻繁にアクセスするメニュー画面UIの反応があんまり良くない気がします。スマートフォンアプリにも展開している関係上タッチ操作が前提なのか、joy-conだとボタンが小さくてうまく押せなかったり、演出重視でボタンの反応がもたついたりなど…… もっとも負担が蓄積する前にゲームをクリアできるので致命的な問題ではないです。



△微妙な詰みポイントがある


自由探索パートの工場の木陰や、脱出ゲーム風パートの油性ペン使用はやや理不尽に感じました。前者は調べる対象が背景と半同化していてこちらの環境次第だと発見しづらく、後者は想定外の会話から解決の糸口が見つかるので、カーソルおよび選択肢のローラー作戦でやっと打破できました。

無事クリアした今となっては多少手こずる適度なアクセントにも思えますが、他の頓知をきかせた謎解きとは別の理不尽さがあって、ちょっと惜しいかも。



【まとめ】

今年の新作の中でもトップクラスの良作でした。 低価格帯なのが心配になる程で、個人的にはこの倍額でも満足しました。とは言っても安価なのは助かります。
一作で完結しているので1~2日あればすっきり遊べます。ノーヒントでやりたい場合は時間を空けず、序盤の記憶が鮮明なうちにクリアまでやったほうが良いです。クリアしたら資料の追記を読んだり、やる気があればちょっとした収集要素を集めたりすればほぼコンプリート。エンディング回収が残っていればそれも終えてまるっと完結なので読後感も良いです。
この類のゲーム・設定が好きでホラーOKならまず楽しめること請け合いです。

ただ、メンタルが落ち込んでいる時に遊ぶのは向かないと思います。気が滅入る描写やテキストが多いので、状態によってはあまり良くない影響を受けるかもと想像してしまいました。こう「呪い殺せ」みたいなテキストが画面に大写しされるので、可能なら健康な時に遊んだほうがいいです(この辺り、なんか起動時に注意書きがあっても良かった気がしてきた)。



こんな感じの大文字恨み言がちょっとクる(これはマイルドな方)


続編も出そうと思えば出せる終わり方だったので、高評価が今後に繋がって欲しいところです。最近のスクウェア・エニックスは色々な開発会社と組んだ意欲作が多くてよくやっていると思います。



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