ゲームクリア感想96:死印(PS4版)

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※リンク先ホラー演出注意。「見ていない」で演出スキップできます。

「都市伝説・心霊ホラーアドベンチャー」ということで飛びつきました。
PS VITA未所持のため昨年発売された時は泣く泣くスルーしてしまったのですが、PS4版発売の報を知り、PS Storeで体験版をダウンロードしたという次第です。

 ゲームとしては「ノベル+一人称視点の探索」といった内容で、体験版ではやや癖のある移動方法に戸惑いながらも、話の先が気になったのでクリア後即ダウンロード購入し、全編クリアしました。
 最終的に「今後の展開を追いかける作品リスト」入りしました。あまり事前情報を仕入れずに買ってしまったのですが、それが良かったと思います。短いゲームですし、スクリーンショット一枚でもネタバレ率が高くなってしまうので…

バージョン 1.00
クリア時間 一周目は約15時間、二周目含むコンプリートまで約26時間
トロフィー取得率 100%(プラチナ)


【良かった点】

◎あまりにも理想的な体験版の仕様

・何と一章丸ごと+二章冒頭まで無料でプレイ可能の大盤振る舞い!

 ・更に、解除キー式なので、製品版購入時に新たなダウンロード不要、そしてセーブデータ引き継ぎでスムーズに遊べる!

 ・加えて、製品版に引き継いだ後も、一章で条件を達成したトロフィーを章ごと再プレイせずとも取得可能!

 ・そもそもゲーム全編4GB弱しかないのでダウンロードが気軽にできる!

 誇張ではなく、ここまで理想的な体験版を人生で初めて体験しました。
最高の導入だと思います。これがよくある30分程度の体験版だったら私もスルーしていた可能性が高いのですが、あえて丸ごと一章(約1~2時間)配信することでプレイヤーを世界に没頭させ、ストーリーの先(製品版)へ誘導するやり方に見事引っかかってしまいました。
 貴重なコンテンツの一部を無料で遊べるようにするのはかなりリスキーだと想像するのですが、ゲーム内容に自信を持っているからこそ、ここまで出来るんだなと感心しました。
 
 と、ここまで書いて、私がこの手のジャンルのプレイ経験が浅いだけで、ノベル系ゲームなら珍しくもない体験版の仕様なのかも? と思えてきましたが、とにかく私はこの体験版のお陰で、プラチナトロフィーを取るまでハマりました。


◎ローディングがほとんど気にならない

デッドリーチョイス開始時などにちょっともたつきを感じるくらいで、他はゲームの起動からしてサクサクです。「Now loading」の文字をゲーム内で見た記憶がありません。
ちなみに動作面も安定しており、不具合も一切遭遇しませんでした。


◎ストーリー

文章が巧みで引き込まれました。中でも、ホラーゲームとして見ると四章が斬新に感じました。紙一重な恐怖とギャグの境目を上手いバランスで表現できているように感じました。あそこは恐怖に振れればグロテスクになり過ぎて、ギャグに振れれば緊張感が欠けすぎて難しい展開だったと思うのですが、上手い具合に恐怖を維持できていて、印象に残っています。
 もちろん、他の章もめちゃくちゃ怖いし面白いです。なかなか気分が沈むエピソードもあり、自分に余裕のある時でないとキツいかも。


◎キャラクター

このメンツでRPGを遊びたくなりました。主人公含め全員一般人で、ろくな抵抗手段も持たない上に怪異の一撃でゲームオーバーです(例外あり)。そんな人たちが散々な目に合いながら、拾い集めたなけなしのガラクタで怪異への対抗手段を講じるのが、頼りなくも熱い、恐怖の中のかすかな希望という感じでエモいです。
 ホラーなのでそれが悲しい末路を迎えることにもなりますが、そこはゲームなのでちゃんとマシなルートも用意されています。

 キャラクター個人に関しては、第一印象だといかにもいけ好かない人物でも、章をクリアする頃には親近感が湧きました。


◎怪異デザイン・コンセプトアートの素晴らしさ

怪異は公式サイトで少し見られますが、ゲーム内ではあれが動いて迫ってきて、いつか夢に出てくるんじゃないかと不安です。モーションのぎこちなさがまた不気味で、これが大手タイトルにあるような、滑らかに動く高クオリティな3Dモデルだったら怖さが薄れていたのではと想像しています。
 
 絵の素人から見ても元のデザイン・コンセプトアートが非常に秀逸で、不気味ながらもずっと見ていたくなります。特にパッケージイラストはPS VITA版もPS4版も秀逸で、店頭に並んでいたら思わず手に取ってしまうこと請け合い!


◎プラチナトロフィー取得が容易

取得にゲームの腕前が要求されるものは一切ありません
各章のノーマルエンディングとグッドエンディングを両方見ていけば自然にプラチナトロフィーを達成して100%揃えられます。
 取得に際しての一番の障壁は、ゲーム本編の恐怖を乗り越えられるかだと思います。因みに二番目の障壁はセーブデータ分けミスです(私はそれで二周目をやりました)。


◯恐怖演出

不意の音や霊など、ホラーゲームでお馴染みの演出は大体あります。それもタイミングが絶妙で、多くのプレイヤーが目標を理解して画面に向き合っている時に発生しがちなので、よく練られていると感じました。
 
 個人的に一番怖かったのはやはり怪異で、失礼ながら意外にも言葉が通じるのが逆に怖かったです。それにも関わらず殺意と悪意に満ちているというギャップに悪い意味での人間臭さがあって、実世界と地続きのような身近さを感じて怖かったです。虚構ではあると解っていても、夜中のプレイ中トイレに立つ足取りが重くなりました。


【気になった点】

×バトル前演出がスキップ不可

バトル自体ごく限られた回数しかないとは言え、大抵ワンミス=即死亡なのでやり直し回数も必然的に多くなります。ご多分に漏れず私もよくゲームオーバーになったので、スキップがあれば助かりました。


△探索の操作

十字キーか右スティックでエリア移動となりますが、これの反応が敏感で、操作になれないうちは(調査モードで使う)左スティックと間違えてエリア移動してしまうことが頻繁に起こりました。また、指が触れて誤って移動してしまうことも。
 慣れさえすれば大丈夫ですが、ちょっと人を選んでしまうかもしれないと感じました。


△デッドリーチョイスやバトルなどのシステム

取ってつけたような印象で終わってしまいました。
8割位はメモやアイテムをよく確認すれば正答を推測できますが、中にはゲーム外での予備知識や理不尽な推測(追加エピソードに多かった印象)を要求される選択もあって、最終的に総当りになりがちでした。
 特にバトルは、実装するならするでもう少し遊べるものだったらなと思いました。キャラクターごとに設定されたステータスもキャラ付けくらいにしか機能していないし…


【まとめ】

このゲームの場合、何はともあれ体験版です。
特に「都市伝説・心霊ホラーアドベンチャー」というジャンル名にピンとくるタイプの人はうっかりネタバレを踏む前にやっておいた方が良いです。

 ハードは初めから追加エピソードが収録されているのとトロフィー取得の簡単さからPS4版がオススメですが、2018年春にNintendo Switchでも発売が予定されているとのことです。PS VITA版は追加エピソードの無料ダウンロード期間が2018年2月7日(水)までと余裕が無いので注意です。

(詳細は公式サイトをご確認下さい)

 何となく続編への意欲は感じるので、今後もこのゲームの動向を追いかけていきたいと思っています。エクスペリエンスのゲームは今回初めて遊んだのですが、死印とそれ以外のタイトルとのギャップに驚きました。
 久しぶりにこうした和ホラーゲーム(雑なくくり)を遊べて、初心みたいなものを思い出しました。遊んで良かったです。



※以下、これから始める人への注意点です。

・セーブはこまめに分けておく(特にバトルの少し前。発生エリア手前が安全)。
・エロ/グロともにかなり刺激的なスチルがあるので人前プレイ注意。
・画面端にも調べられるポイントがあったりするのでよく観察する。
・風呂やトイレは早めに済ませておく。

 




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