ゲームクリア感想260_アサシンクリードミラージュ(PS5版)


【シリーズ過去記事】
※初代〜リベレーションまではプレイ当時ブログを始めていなかったため記事はないです。

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レディリバティHD
ユニティ
ローグ
シンジケート
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オリジンズ


本筋としては約3年ぶりの新作です。と言っても前作のDLC展開がかなり長めに続いたため、体感では一年半ぶりくらいの感覚ですね。

この記事作成に際して総括しようと、前作ヴァルハラのDLCについてもざっと振り返ってみたのですが、良かったのは第一弾の「ドルイドの怒り」や前々作オデッセイとのコラボクエストくらいで、ほかはストーリーが不快(第二弾の「パリ包囲戦」)だったり、ジャンル的に興味がなかったり(ローグライクの「忘却のサーガ」)とあんまり乗れませんでした。大型拡張コンテンツの「ラグナロクの始まり」に至ってはシリーズで初めてのDLC未着手です。
こうしたすれ違いもあって、原点回帰を謳う今作への期待は高まりました。

それにしても、やはりこの時期はアサシンクリード新作がないと始まった気がしませんね。前作には色々思うところがあるものの、ストーリーラストの衝撃には見事に喰らったのもあって、その前日譚ともなればスルーできるはずもなく。発表時からずっと楽しみでした。


今回の感じ



懐かしの感じ(設定でフィルター適用)



【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.0.2
難易度 ノーマル
クリア時間 約 39:17:22
トロフィー取得率 100%(プラチナ)


【良かった点】


◎程よいボリュームとアクティビティ


シリーズにおいて原点回帰は何度も謳われてきたような記憶があるのですが、今回こそ本当に原点回帰を果たしたなと感じました。近年を代表するオリジンズ・オデッセイ・ヴァルハラの古代三部作のような膨大なボリュームはなく、それこそ初代やエツィオサーガに近い規模感で、かつ操作性やUIも向上しているので何事もサクサクと進み、さっくりとクリアできました。

正直なところ前作の時点で大ボリューム化に負担を感じていたため、方針転換は嬉しかったです。今月発売の書籍『メイキング・オブ・アサシンクリード』によると元は前作のDLCとして予定されていたらしいですが、単体作品にして原点回帰を打ち出してくれたことに救われた気分です。重厚長大路線はもちろん楽しいとはいえ、四作連続でそれだとさすがに厳しいものがあったので。

また各種サブクエストやアクティビティも、前作より難易度が緩和されたように感じます。尾行やサブクエストで一回だけある紙追い、宝探しが少々手こずるくらい。それらにしても前作よりは楽になっているので、変なところで詰まってあったまることはほとんどなかったです。
前作でそこかしこに点在していた環境パズルも、こちらがパターンを掴んだのもありますが前作より楽に解決できました。


ボリューム控えめとはいえロケーションはそこそこ豊か。砂漠だけでなく緑も



◎各種バランス調整


過去作でいまいち機能していなかったシステムが見直されました。布告官への賄賂や傭兵の雇用は端金ではなく職種に合わせた特定のコインが必要になり、濫用できなくなっています。とくに「商人のコイン」は一部の宝箱解錠や店の値引きでも使うので不足しがち。端金で解決できてしまうのはあまりにも楽すぎたので、これは良調整だと思います。またメインストーリーの選択肢でも賄賂として使うかどうかを選べたりします。
ちなみに布告官へ賄賂を渡さずとも、懐かしの手配書剥がしがちゃんと実装されているのでコインがなくても安心。

あと、長年シリーズの課題だった「宝箱の数が多いくせに中身がしょぼい」問題からようやく脱せました。数が減って中身の質が上がり有意義なものに。
もっとも装備品など貴重品に関しては上記のコイン解錠だったり、前作風味の地形パズルだったりをクリアしないと手が届かないですが、その分宝箱の中身のリターンが大きいので気にならず。


◯多少安定した操作性・ガイド


自分の習熟抜きにしても、シリーズで一番誤操作が少なく済みました。イーグルダイブ失敗による落下死に至っては今回発生ゼロでした。とはいえベースは前作なのでイライラする理不尽さは残っていますが(後述)、全体としては改善されたように思います。

ほかには、体力が減ってきたら過去作よりもボイスでわかりやすくガイドしてくれるので画面端のゲージ見逃しによる事故死が減ったなど、とにかく突然のゲームオーバーが激減したと思います。「シンクロ解除」の文言を滅多に見なかったです。
昔のシリーズにあったような尾行失敗即シンクロ解除みたいなものはなく、失敗しても時間置いて出直せるので安心。失敗したのが悔しいだけで済みます。



◯プラチナトロフィーが取得しやすい


シリーズの中でも相当簡単です。レディリバティHD・シンジケート・オリジンズ・オデッセイ・(プラチナなし100%ならクロニクルインディアとロシアも)と取得してきましたが、その中でも一番かも。

ひとつだけ実質時限の条件(鍵なり謎の欠片を持った敵兵士を吹き矢で眠らせてスリをする)がある以外は特に難しいものもなく、ゲームを進めていれば大変が自然に取得できる条件となっているため、嫌なことを無理してやる必要もなく、基本やりたいことだけやってスッキリとゲームを終えられました。

ちなみに10分間戦闘状態続行が条件のやつは要塞都市壁上の衛兵を相手にして取得しました。街中だと通行人がイレギュラーを生み出したり、なにかの拍子で敵がこちらを見失ってしまうなど不確定要素があるので、見通しが良くて隠れられる場所も少なく、敵が横に幅広く陣取っているため少人数でコトを済ませられるため壁上はオススメです。


往来での戦闘。影がシリーズロゴっぽい三角形になっているのに今気づきました


【気になった点】


△操作性


PS5版をコントローラー(デュアルショック)で遊ぶと、◯ボタンがいわゆる決定ボタンとなります。PS5をお持ちの方ならこれが何を意味するか想像に難くないと思われます。


何しろ、こちらとしては×決定にすっかり順応してしまったので、旧に懐かしい操作を要求されて戸惑いました。特にPS本体のホーム画面経由で復帰すると、ホームは×決定◯キャンセルなので◯でゲームに復帰して、そのまま◯を押すとゲーム内で決定ボタンが作動してしまうため、操作ミスが多発する状態。
もっとも、本件に関しては修正予定のアナウンスがあったので近日中に解決するようです。

ただ、この問題抜きにしても、相変わらず操作が妙にもったりして快適とは言い難いです。思わぬ操作ミスが少なくなっただけで操作感覚自体はいつもの感じ。
特にL3とR3ボタン(スティック押し込み)の反応が鈍い気がします。R3のロックオン操作が反応せず、危うく戦闘チュートリアルで詰みかけました。戦闘中にR3ロックオンを発動させようとしてグダるくらいなら煙幕などのガジェットを活用してステルスキルした方がよほどスムーズなのでロックオン機能はそのチュートリアル以外で滅多に使用しませんでした。

毎回、このシリーズはとにかく操作に課題があるなと感じます。常に動作が固いんですよね……特にオブジェクトに乗ってからほかに飛んだりする時、思っているよりも強めにコントローラーを操作しないと動かなかったり、動いてもあさっての方向に飛んだり……これでも最新作なだけあってシリーズでは一番マシなのですが。


△やや物足りないストーリー


ちょっと肩透かしだったかなと言う感想です。バシムというキャラクターの前日譚であるとはいえ、今作と前作がどう繋がっていくかに関しての描写が少々物足りないままエンディングを迎えました。ストーリー自体はまとまっていて純粋にボリューム不足という印象です。


マシャフ(初代の拠点)が「リベレーション」以来の再登場なので、特に隠れし者関連は掘り下げが欲しかったですね。しかもゲーム中は任意でファストトラベルできず、かつ旧作のようなシークエンスごとの再プレイ(チャプター選択)ができないので、探索したければ動けるセーブデータを残しておく必要があるという。初代を意識するならチャプター選択も復活していそうなところですが無いです。


重厚長大を志向しない今作の方向性は理解できるとはいえ、個人的にはやっぱり現代編がないと寂しいというのが本音です。エンディングを迎えて現代編に移り、次回作を匂わせる形で終わる恒例のあのノリがないと早くに熱が冷めてしまうというか。実際、クリア後は未取得のトロフィーを回収したらもう一段落ついてしまいました。



ここはセーブデータ別分け推奨地点。相変わらずテキストは現地確認しかできないので


【まとめ】

 
やや物足りなさはあるものの、シリーズファンとして楽しめました。前作までの不満点がある程度解消されていて遊びやすく、更に改善されているであろう次回作にも期待が持てます。
また難易度も低めでチュートリアルも丁寧なので、オリジンズ〜ヴァルハラあたりの大ボリューム作にいきなり手を出すのに躊躇があるシリーズ初心者にはぴったりではないかと思います。音楽を含めたステージ自体の雰囲気も良いです。リブートや新機軸を打ち出すとまではいかないにせよ、ファン向けとしては良い感じ。



個人的には、現代編があるからこそストーリーが面白いと考えているので今回見送られた(厳密にはオープニングに現代編キャラクターのナレーションはある)のは寂しいところ。
あと、予想以上に初代作をリスペクトした内容だったので、初代リメイクの可能性は逆に低くなった気がしないでもなく。そもそもリメイクの必要があるかどうかも意見が割れるところですが、自分としてはリメイクがあるなら遊びたいですし、無理ならせめて他の過去作のように現行機種に展開して欲しい派です。

あとこれは気にするプレイヤーが少数派なのでしょうが、隠れし者の拠点に戻れないとか、一部のトロフィーが実質時限だとか、妙にセーブデータ分け推奨な要素があるのはハラハラしました。

いずれにせよシリーズはまだまだ元気。来年以降も続々と新作が予定されている訳ですが、次はいよいよ日本舞台となるRed(仮)でしょうか。「シンジケート」「オデッセイ」制作のスタジオ担当でRPG路線4作目になるらしいのですが、ヴァルハラのボリュームとミラージュの程よさを上手くマッチさせた内容になって欲しいです。
あとは現代編で日本支部(大阪拠点)が関係するかとか、主役はヴァルハラから続投なのかなど色々楽しみは尽きません。

未だに「ライブサービスでシリーズをつなぐプラットフォーム」らしいということしか把握できないInfinityもそろそろ詳らかになって欲しいところ。
ゲーム以外では、Netflixで予定されている実写コンテンツにも期待を寄せています。

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