ゲームクリア感想256_グノーシア(Switch版)



今更なにを付け加えることもない名作。
宇宙船内を舞台にして、いわゆる人狼ゲームをシングルプレイで遊べます。

今年初頭に更新したレイジングループの記事ではどういうわけか書き漏れていたのですが、自分はこの「人狼」という遊びが心底苦手で、さしたる理由もなく他人を人を疑ったり冤罪をふっかけるくらいなら自分が吊られた(こういう用語にも明るくない)ほうがマシと思っているタイプです。


しかし何年経っても「名作」と呼ばれ続けるこのタイトルをNy Nintendo Storeの欲しいものリストから外すことができず、ついには購入し意を決して始めました。


ゲーム初期はそれはもう悲惨なもので、嫌味なやつに嫌味なことを言われただけで温まってしまいしつこく反論して怪しまれ即負け、というのが続き、本当にクリアできるのか危ぶまれました。

他のゲームの合間に少しずつ進めて、2ヶ月ほど費やして真エンディングまでクリアとなりました。


【主なプレイ環境】

ハード Nintendo Switch
バージョン ver.1.02
難易度 設定なし(ワンゲーム毎に条件設定)
クリア時間 約20時間(127周で真エンディング到達)


【良かった点】


 良い意味でのカジュアルさ


勝っても負けても罪悪感が湧きにくい設定なのがありがたかったです。

仮に自分が投票で負けても設定上はコールドスリープされるだけで、負けたキャラクターもそこまでキツい恨み言は残さないので、サクサク進められます。自分が負けたり殺されても経験値は必ず入るので無駄なゲームにはならないです。

もちろん、難しい条件で勝ち残るほどに入手経験値も多くなるので勝ち抜くに越したことはなし。


またワンゲームも短めで、仕事で疲れて帰ってきた平日に少し進めるのにちょうど良いボリューム感です。


本物の人狼ゲームなんて到底勝てる気がしない身としては、このカジュアルさに助けられました。

慣れてくると直近の投票結果からターゲット逸らしの相手を逆算したり、疑われがちなキャラクターはあえて後半まで生かして保険にしたりと色々考える余裕もできました。



だんだん勝てるようになって成長を感じる




ストーリー・テキスト


このワンゲーム型のシステムでどうやってストーリーを語るんだろうと思ったら、むしろそのシステムを逆手に取った設定で進むのには心底感心しました。
演出含め、本当に細かいところまでシステムと噛み合っていてオープニングから真エンディングに至るまで美しい完成度。

テキストに不自然な説明台詞みたいなものがなく、キャラクターにしっかり根差した言葉選びや振る舞いが徹底されているので、議論に参加している感覚があります。世界観の説明やストーリーの解明パートでも一切説明的に感じませんでした。ここまで徹底されている作品はそうそうなく、良くも悪くもキャラクターが立っています。


最初首元に気が付かなかった



【気になった点】


 一部キャラクターに好感が抱けない


キャラクター人気が高いであろうこの作品でこんなことを言って申し訳ないですが……


名前を挙げるとラキオと夕里子で、個人的にいわゆる「ライン越え」の発言が多くて本当にイライラしました。自分がどれだけ不利になってもいいから暴れてコールドスリープさせたいくらいというか、実際ゲームオーバー承知でひたすら反論しまくったこともあります。ストーリーでバッググラウンドを知ったところで評価が改善することもなく。

あとはマイペースすぎて利敵行為の多いシピとか愛嬌でゴリ押ししてくるククルシカ、大人しくしてたら怪しんでチマチマ票を入れてくるレムナンあたりからも不快度が高い。


もっとも感じの悪いキャラクターだからこそ罪悪感を抱けずゲームを進められる側面もあり……セツやステラやジナやしげみちあたりの基本善人を追い込むのは心苦しかったです。



早めに負かすとスッキリした気分になってしまう


【まとめ】

 

なるほど名作と言われるだけあるという感想です。

ストーリーも良かったし、人狼ゲーム本家のルールを知らない素人でも楽しめました。


ただ、人狼ゲームというフォーマットが苦手なことと、一部キャラクターに対する不快感が大きくて、クリアしたらもう起動することはないかなというのが正直なところです。

名作と言われている所以を確認して終わったという感じ。Not For Meとまでは行かないまでも終わりよければすべて良しとはならなかった。 


リアルな話、もう自分も社会もどんどん余裕がなくなっている昨今、遊びの上でも嫌なヤツに阿りたくないし、悪意で人を玩弄したくないし、冤罪なんてもってのほかだし権謀術数にはうんざり、いうのがあります。ゲーム上では全部やってしまいましたが……


いろいろ考えましたが、結局のところ人狼ゲーム自体が自分に合っていないのだと思います。

レイジングループも本作も人狼ゲームのフォーマットを作品としてうまく昇華しているから遊びやすかったものの、その大元の、他人に冤罪をふっかけることが当然の戦略みたいなゲームを良しとしたくないとまで思います。他人の心に負担をかけるえげつなさを軽視している気がして、個人的には好感が持てない。猜疑心というのは一度芽生えたらかなり尾を引くので、娯楽といえど簡単に植えたりしたくないですね。


このままだと人狼ゲーム自体に対する不満に話が移ってしまうのでこのあたりにします。

プレイヤーたる自分がここまで余裕がなくなる前に早く遊んでいたら違う感想が生まれていたかも知れません。


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