ゲームクリア感想不定期まとめ(2026年③339〜343)

2026年下半期突入! ということで、いったん非大作ゲームをまとめることにしました。
そして5分の4がホラーゲームで埋まりました。もう実質ホラーまとめと化しつつある記事シリーズですが、こうなる理由としてはホラーゲームの場合クリア時間を想定しやすいのが大きいです。RPGやオープンワールドとなると膨大な時間がかかるのでつい後回しになりがちですが、流石にそろそろそうしたゲームに回帰したいですね(買うだけは買っています)。


339_ THE COMA 3:Bloodlines (PS5版)【新作】

340_ THE BOBA TEASHOP (PS5版)【新作】

341_ Slay The Princess (PS5版)

342_ A Quiet Place: The Road Ahead (PS5版)

343_ inKONBINI:One Store. Many Stories (PS5版)【新作】


339_ THE COMA 3:Bloodlines

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.0.003
クリア時間 約 20 時間(一周各10時間程度)
トロフィー取得率  100%(プラチナ)

ホラーゲーム「THE COMA」シリーズの完結編。開発はDvora Studio。販売はHEAD UP。初期2作外伝作を経ての最終章です。あまりプロモーションもされず邦題もつけられず、今年4月末にひっそりと配信されました。

本作が発売予定であることを知ったのは数ヶ月前に前作「ザ・コーマ2B:カタコンベ」を一年遅れでクリアした時だったので、体感としてはすぐ新作が出てお得感があります。もっとも完結編まで追いかけるユーザーは限られているのか、現時点でトロフィーも日本語化されておらず。とは言えゲーム自体はほぼ問題なく遊べます。

最初に思ったのは、ストーリーにおいて初代や2と比較するとジャンルが移り変わったこと。ホラーゲームから韓国青春伝奇モノになった印象です。前作のカタコンベの段階でそういうノリはあったもののまだホラーの味付けが強かったので、今回のノリは少し戸惑いました。もっとも本来の構想に忠実な可能性もあります。

現代的な舞台

韓国のカフェ文化を羨ましいと感じています

ゲームシステムは、シリーズを踏襲した2D横スクロールをベースに、複数主人公のうちの一人にバトル要素が導入されました。そこまで本格的なものではないですが適度なメリハリになっています。あとはわずかな時間だけ姿を消せるお香などのギミックアイテムも導入されています。

ストーリーとしては、これまでとは違い真相究明編という趣。舞台も近代的なステージが多くが視覚的にも佳境を感じます。

ただ、正直なところプレイフィールはシリーズで一番悪いです。
難点としては、メニュー画面が重くて選択に遅延が発生するのが特に気になります。それに加えて操作性も悪くまごつきがち。
また過去作では比較的注力されていた日本語ローカライズも今回は不安定です。話者の性別と口調の不一致や、果てには謎解きにも影響する翻訳の齟齬(デパートのマネキンのやつ)があります。



4桁のパスワードなので、上の英語版のカンマ(,)区切りが正しい

そして、4作連続でやることに大きな変化がなくひたすらジャンルに忠実なラン&ハイドなので、流石に飽きも感じたのが正直なところ。一方で新要素はどれもパッとせず。バトルは硬直が強すぎて隙が大きく、個人的にはステルスしたほうがマシ。お香はわずかな時間しか姿を消せないし、シリーズ最後となるラスボス戦も急にとってつけたようなバトルを要求されて気分が盛り上がらず。

「完結編であるということ」それ自体に価値があるというタイプの続編でした。詰めの甘さが目立つというか。
しかも一周目は凡ミスでバッドエンドを迎える始末(自分が悪いですが)。二周目をやって無事に大団円エンディングを迎えましたが、完結編にしてはややカタルシス不足を感じました。


340_ THE BOBA TEASHOP (邦題:タピるお茶屋)

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.0.002
クリア時間 約 4 時間(3周)
トロフィー取得率  71 %

脱サラしてタピオカドリンク屋さんを開業した主人公がお店をワンオペで回しながら運営していくゲームです。個人開発で、Mike Tenさんという方が開発されています。販売はSerafini Productions GK。
ストアなどで目に飛び込む特徴的なメインビジュアルで敬遠されていそうですが、ゲーム本編のキャラクターの顔は「SIREN」チックな実写取り込み風なので安心です。

超安価・ワンオペお店運営、レトログラフィック、ホラー、一周約一時間程度と「KIOSK」と類似点が多いですが、あちらが軽食店だったのに対しこちらはドリンクオンリーかつ時間経過で食材が腐ったりしない(おそらく)ので、ややこちらの方が気楽かも。もっとも、そのぶん嫌味な客が多いのでそういった心理的負担はあります。
またじんわり系だった「KIOSK」に対し、こちらはハッキリとジャンプスケアです。私は3回くらい心臓が振動しました。

注文はレジ画面で管理される

なにがあっても守りたい我が城

ゲーム自体は約一週間のあいだ、注文されたドリンクをカウンター越しに作って提供することを繰り返します。序盤は客の嫌味にモヤモヤする程度で平和ですが、次第に不穏になっていきます。客商売の常として、客の方を向いて接客せねばならない特徴とおぞましい存在から目を離せないホラーの組み合わせがスムーズにマッチしていて、小作品ながら技を感じます。

あと、セリフが少ないながらも主人公が割と自分に似たタイプでむず痒い気持ちになりました。想定外の悪意に対するストレスをひたすら蓄積させてしまい、そのストレスで余計に近視眼的になる悪循環。一方で、希望が反転した人間・追い詰められた人間の行動はやっぱり美しいし、自分も心のどこかでこうなりたいという思いはあります。

なかなか手を出すには勇気が要るビジュアルでしたが、個人的に結構気に入りました。ジャンプスケアが苦手だと厳しいかも知れませんがおすすめです。なお新作(→The Hambagu Shop)が開発中らしいです。


341_ Slay The Princess (邦題:プリンセスを倒せ)

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 2.003.0
クリア時間 約 4 時間
トロフィー取得率  23 %

ホラーテキストADV。高評価インディーゲーム「Slay the Princess」の日本語版となります。ゲームメディアでよく高評価とともに取り上げられていたので、ストアで偶然発見した際に勢いで購入しました。開発はBlack Tabby Games、販売はSerenity Forge。


ネタバレが致命的なジャンルなので画像控えめ

結果としては自分に合わなかったです。序盤で判明するとおりループもので事前情報からすると「レイジングループ」や「グノーシア」を想起したのですが、実際はそうした駆け引きがゲームに落とし込まれているというよりも自己やプリンセスとの内省的な対話がメインでした。そういうのは好みなのですが、いかんせん反復的なうえ、今ひとつ実在感のない教科書的な話という印象で、そこまで刺さりませんでした。

テキスト自体は丁寧な翻訳と相まって読みごたえがあるものの、深掘りしたい世界やキャラクターかというとそこまででもなく、グッドエンディングを迎えた時点で実質的なゲーム終了としました。強いて言うならキャラクターは冷血漢がボイスアクトと相まって好きです。

また、単純にゲームテンポがかなり悪いです。多い時は選択肢がまとめて10前後表示されてひとつひとつの話が長い。
またクリア後解禁の「記憶」モードを見るとエンディングや展開は相当なバリエーションがある様子なのですが、ゲーム側での進捗管理(フローチャートなど)や既読選択肢の色付けなどがないのもあり、せっかく大量にあるエンディング回収も腰が重いです。

根本的に「悪くはないけど、この内容ならほかのゲームを進めたいな」という気持ちから離れられませんでした。すごく意義深い体験を創出しようとしているのは伝わるものの、ゲームとして操作感やプレイのリズム感が軽視されていて、結果として体験も損なわれていると感じました。

美点としては先述の読みごたえあるテキストとホラー演出、この手のインディーとしては膨大なボリュームでしょうか。
ホラー演出に関しては、一枚絵を不意にドカンと表示して驚かせるパターンはあまりなく、適宜アニメーションを組みこんで演出しているため思ったより驚きました。メインビジュアルの絵の通り動くので、素人目にも膨大な作業量だと推測しますが、本作は実現させています。こらだけのボリュームなのにボイスもぼぼフルボイスという凄さ。

ボリュームに関しては、エンディングやスチルが膨大にあり、ゲーム内でヒント文が読めるとはいってもコンプリートを目指すとなかなか大変そうです。余裕のある時にまた起動したい気持ちもありますが、ちょっと残りの人生にそのプランを組みこめるほどの熱意は湧かず、実際にこの記事を作成している今となってはより一層。


342_ A Quiet Place: The Road Ahead 

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.006.0
難易度  一周目はノーマル、二周目はサバイバルモード(最高難易度)
クリア時間 約 41 時間(2周)
トロフィー取得率  68 %

※ゲームのスクリーンショット撮影が実質不可能なため画像なしです。すみません。

映画「クワイエット・プレイス」のゲーム作品で、ジャンルは一人称視点のホラーADV。開発は「Remotherd」シリーズのStormind Games(この社名好き)。この開発は2年ごとにコンスタントに新作を発表しているインディーには珍しいタイプという印象です。そして販売は
Saber Interactive。

映画が興味をそそる設定なのでいつか観ようと思いはじめて数年、結局ゲームをいの一番に体験することになりました。思い返すと「女鬼橋」や「呪詛」もそうですね……ブレアウィッチも今となっては内容を記憶していないし……
ちなみに本作はPS Plusに入っています。ダウンロード済みのままだったのですが容量が多め(31.34GB)なので早めにクリアしたく、本記事がホラーゲームオンリーになりそうな予測が立った時点で着手しました。

ゲームとしては3Dステルスホラーゲームのフォーマットで、音に敏感な怪物に見つからないよう静かに行動して目標を果たしていきます。
言うなれば「静のダイイングライト」でしょうか。セーフルームのホッと一息感も近いし。もっとも、本作はあくまで「音」にフォーカスしたステルスとなっています。

ゲームの基本ルールとしては「自然環境音より高い音を立てない」です。映画の設定に準じて、怪物は非常に耳が良いです。ゲーム序盤に入手する測定器で、左の環境音の目盛りより高い数値の音を立ててしまうと怪物に警戒され、一定回数以上の音を立てるとゲームオーバーです。怪物が目視できるほど接近されるパートもあり、そこでは音を一回立てただけでその場に駆け寄られるので、更に慎重な行動が必要です。
川や滝の近くなど継続的に音が立っている場所ならある程度大胆に動けるのですが、ゲーム中のほとんどは静寂のなかの行動で、気がついたらプレイヤーである自分の呼吸も止まっています。

またオプションのノイズ検出欄で「マイクを有効にする」を選ぶと、コントローラーのマイクが実世界のノイズを検出するようになります。デフォルトだとオフですが、普段あまりこの手の機能を楽しまないので(厳密には、一緒に楽しめるような相手がいないので)、これを機にオンにして遊びました。自分のげっぷでピンチになったりして新鮮でした。

もちろんゲーム内も同様に細心の注意が必要。わかりやすく配置されている空き缶などを蹴らないように避けたり、しゃがみや歩きで速度を犠牲にして音を小さくするのはもちろん、扉や鍵の開閉も余計な音を立てないように調整可能です。特に開閉はかなり微に入り細を穿つ力加減が必要で他のゲームの勢いで開けると即ピンチ。
 また多くのステルスゲームとは異なる点として、背の高い草むらに入ると音が立って逆に危険になるのが新鮮なポイントでした。自分は比較的ステルスを好んで遊ぶので、つい癖で草むらに入ってしまいピンチに陥りました。手癖だけでは進められないようになっている仕様も見事です。

また主人公は喘息を患っているため、ストレスがかかったり、埃っぽい場所にいたり重いものを持ち続けたりすると悪化し、限界に達すると音を立ててしまいます。もし悪化したら画面左上の肺のアイコンが黄色から赤に移り変わっていくので、完全に赤くなる前に緩和措置を講じる必要があり、喘息薬などのリソース管理も重要です。

そしてステージは複数あり、それぞれに簡単な謎解きやコレクタブルが存在します。
これが比較的親切設計で、小分けにされているので回収逃しも発生しづらいです。
また初めて見たシステムとして、ジャーナル画面で「全体進捗を表示」を選ぶと、他のセーブデータを参照して未回収のものの情報も表示してくれるため、周回時には役立ちました。

逆に言うとそれ以外はよく言えば安定、悪く言う……必要は特にないので無難、という感じです。ストーリーもグラフィックも音楽も既定路線。とにかくステルス特化です。

ただ、個人的には存外しっくりくるプレイ感でした。
設定的にゲーム内のキャラクターですらほぼ小声で話すので騒がしいのも出てこないし、ゲーム全編が静かでホラーのはずなのに安らぎすら感じます。睡眠導入剤としては嫌な夢をみそうで遠慮したいところですが、実際には寝る前の静かな時間が一番のプレイ時。

ほか美点としては、ゲームの規模感に対してアクセシビリティが充実していることでしょうか。映画から入ったプレイヤーを想定しているのかもしれませんが好印象です。

原作モノと侮るなかれ、ステルスホラーを再解釈した意欲作でもありました。


343_ inKONBINI:One Store. Many Stories

【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.000.207
クリア時間 約 13 時間(計2周)
トロフィー取得率  89 %

舞台は1993年の日本。親族が経営する田舎のコンビニで、深夜シフトに入っている主人公の深夜労働を体験するゲームです。開発はNagai Industries、発売はBeep Japan。発表当時から楽しみにしていたので、なかなか発売日が明らかにならないことにやきもきしつつ待っていました。

コンビニゲームと言うと個人的には「ザ・コンビニ」なのですが、店舗の改装や経営管理などのシミュレーション要素はなく、品出し・前出し(棚の品物をすべて最前面に並べる業務)・棚戻し・電話発注・問い合わせ対応・レジなど、実務の一部がゲーム化されています。
舞台が田舎の深夜〜朝方なので来客はわずかで、そのわずかな客と交流を深めていくというのがストーリーになります。ガチャガチャや隠しイベントなどの寄り道要素もあり。基本的に善人しか登場せず、常に不穏な「KIOSK」や嫌味な客が多い「THE BOBA TEASHOP」が闇だとしたら完全に光です。

日本のコンビニといっても、普段我々が利用するような現代的な店ではなく、米や調味料、ペットフードや洗剤に至るまで幅広く取り揃えた地方商店という感じです。地元おなじみの地域密着型商店がフランチャイズ化してコンビニになったような感じ(※そういう設定は作中にありません)。また作中言語は日本語とハングルをかけ合わせたような架空言語が用いられており、90年代日本の雰囲気を正確に再現した、という方向性ではないです。

ゲーム中これといった時間制限はなく、客はいくらでも待たせて構いませんし、生鮮食品も腐ったりしません。陳列も自由で、基本的には該当する棚に置いてあれば問題なく(賞味期限の概念じたいがない)、仮に置いてなくてもゲームクリアに支障はなし。常温棚に並べてある冷蔵商品をなにも言わず冷蔵棚に戻してもOK。つまるところ、客が目当ての品を手に取れれば問題ありません。そのくらい緩いです。
あとホットスナックは設備はあっても担当外、タバコと薬はなし、配送受付やコピー機、ATMもないです。

その代わり、お店系ゲームにありがちですが、本来ならまずありえないような深い会話や頼まれごとをするので、その意味でもお仕事シミュレーションではなくストーリードリヴンのADVとなる点に注意が必要です。ストーリーラインに思うところはないものの、感情労働が是とされている傾向にあるのはちょっと気になりました。

そのストーリーは日常のささやかな変化や喜びを噛み締める、といったノリで大きく揺さぶられることはないですが、人生のタイミングの話は本当にその通りだと思いました。ちょこちょこ沁みるエピソードがある、という温度感です。

このゲームで一番印象的だったのは夜の裏口の静けさとシフト終わりの明け方の雰囲気です。ゲームの中で朝焼けに感銘を受けたの、それこそFF15くらいまで遡ります。夕焼けや夜景が綺麗なゲームは数あれど、意外と朝焼けが思い浮かばない(忘れているだけかもしれないが)。
私もかつて大型ストアでの夜間品出し・ピッキングアルバイトの経験がありますが、敷地内のごみ捨て場に行ったり離れの倉庫へピッキングしに行ったりする際、照明きらめく店からバックヤードの裏手に出たときの夜空のギャップが割と気に入っていたことを思い出しました。もちろんこのゲームのようにゆっくり夜空を見上げる余裕はありませんでしたが、夜空の下で包装ゴミを捨て、台車に新しい商品段ボールを乗せるだけ乗せている時は誰からも解放されてようやく息を吸えた気分でした。

わかる

この「早朝のコンビニ」感ってデジタルで再現可能なんだ(朝焼けの陰影が綺麗)

シフトの関係もあり明け方まで働いた経験はないのでゲームの話に戻ると、コンビニの窓ごしに表現される「日本の田舎の朝の雰囲気」がすごく再現されていて、そこはエモーショナルを刺激されました。

また、品出しという単純作業に潜んでいるチル性をしっかり捉えていることや、アイテムを360°回転させられるゲームお馴染みのあれが「商品のバーコードを探す動き」として再現されているのも面白いです(シミュレーター系ゲームをやらないので、その方面では当然の仕様かも知れませんが)。
あと、よく観察するとキャラクターのモーションが細かくてこだわりを感じます。

別に時間制限はないのにバーコードが見当たらないと焦る

ただ、正直なところゲームとしての座りの悪さがあるのは確かです。実業務の一部のみ再現されているのが少々裏目に出ており、余計にリアリティラインが気になってしまう側面はありました。業務中にガチャガチャを回したり、フライヤーの火を消し忘れたままイートインで話しこんだりと、本来なら厳重注意かクビ相当の所業がお咎めなし。

業務外でも、12歳設定のキャラクターが原付らしきもの(作中では「キックボード」と翻訳されている)を乗り回していたり、その原付を入口前に停めていたりと1993年当時でもまず有り得ない倫理観。
そして時代背景の割にはアジアンフェア並みにアジア文化由来の商品が充実していたりと、架空言語の採用と相まって、アジアが統一された架空世界の日本の田舎のコンビニ、みたいな趣です。汎アジアのイメージから再現された世界というか。
もっとも怪しい日本語になるほうが余程リアリティラインに影響するので、架空言語は苦肉の策だったかと邪推します。

加えてシステム面でも不備が目立ちます。オブジェクト選択がやりづらく、上の方を見逃しがち(特に狭いバックヤード)とか、言語設定を日本語にするとフォントが表示されないのか商品や操作表示が全部□になるとか(商品をひとつずつ手に取ればいいのでクリアに支障はない)、ゲーム開始から終了まで常にモヤつく感じ。

まとめると、システムや世界観ともに「再解釈」が巧みなゲームでした。
アイテム回転とレジスキャンの類似性もそうだし、経営シミュレーターにせず実業務のルーティンに着目してチル性を備えたのもなるほどと思います。日本の再現にこだわらない世界観にしたことも、ユーザー訴求の意味では良かったのではないでしょうか。自分が偶然にも日本人だったからリアリティが引っかかっただけで。ただ、独自言語の世界観があまり独自性に繋がらなかったのが惜しいかも。あと、定価だとボリューム不足を感じるかもしれません。作品じたいに特別なものを見いだせればその限りではないですが……


【まとめ】

今回の5作いずれも人を選ぶゲームでした。
「THE COMA 3」はシリーズの完結編で過去作をやっていないと話が掴めないし、「THE BOBA TEASHOP」は独特なメインビジュアルとジャンプスケア強めのホラー、「Slay The Princess」は同じく独特なメインビジュアルとクセ強めの内容、そして「A Quiet Place」は数ある一人称視点ホラーのなかでも音に特化しすぎて移動に実質的な制限がかかっている、「inKONBINI」はうまくまとまっている一方で日本人の労働階級からすると別世界……というような感じです。

それでも、このなかで気に入ったのは小規模な「THE BOBA TEASHOP」です。インディーズでよくあるお店屋さん+ホラーの組み合わせはこれまでピンときていなかったのですが、この作品は接客業の辛さや自由の過酷さなど、身につまされる問題を自然な形でストーリーに組みこんでいて、プレイヤーにホラーな読後感を与えることに成功していると思います。

次は「A Quiet Place: The Road Ahead」も想像以上に骨太でした。あからさまに配置された空き缶などの音出しギミックはご愛嬌として、視覚はほぼ無関係・遮蔽率高めのオブジェクトは音が立つなど、ステルスゲームの手癖を逆手に取った設計が見事です。日頃、怪物もいないのにセルフでクワイエット・プレイスしているような人間なのでその意味でも自分向きでした。

「inKONBINI」はここまでのホラー4作の陰鬱さを吹き飛ばすような明るい作風なのですが、コンビニという感情労働の代表的な職業をテーマにするにしては無邪気すぎて、どうしてもそこが引っかかりました。客も老人・子供・あえて無言・注文が多いなど客商売経験者からすると警戒を解けない相手で、全員善人だからいい感じで話が終わったものの、完全地域密着型の店であることを差し引いても現代人にこの距離感は難しいと感じてしまいました。ストーリーのメッセージを変にぼかさず、はっきりと示すスタンスは良いかと思います。

そして今回で、購入後に積んでいたホラーゲームは粗方終えました。あと数作なので、逆に気分転換に温存しておこうと思います。間違いなくまたやりたくなるので。
それでは、まだ冷夏が続きますが、いずれ到来する猛暑に備えて皆さんご自愛ください。



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