ゲームクリア感想309_Lost Records Bloom & Rage Tape1+2(PS5版)
同メーカー過去作の記事は↓
【ライフイズストレンジ】
【ほか】
「とりあえず新作が出たらチェックする」というメーカー、DON'T NODの新作です(昔の社名のほうが入力しやすくて好き)。前編に当たる「Tape1:Bloom」が2025年2月18日配信、後編に当たる「Tape2:Rage」が同年4月15日配信ですが、ソフトとしてはひとつなのでTape2クリア後に記事を更新しています。ちなみに配信と同日にPS Plusのゲームカタログ入りしています。
【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.2.0.002難易度 設定なし
クリア時間 約 22 時間
トロフィー取得率 75 %
【良かった点】
◎作劇のうまさ
率直なところ、ストーリー自体はそこまでハマりませんでした。ただ4人の高校生の子供時代とそこから27年後の現代を交互に切り替える語り口がとても巧みで、ダレることなく最後まで終えることができたと思います。
またゲームシステムの象徴ともいえるビデオカメラの扱い方も巧みだったと思います。それまでガジェットの側面が強かったビデオカメラがTape2終盤でしっかり活躍してグッと来ました。ストーリー展開で言えばベタかも知れないけど、それまでの作劇の積み重ねもあって感動しました。
あとは、27年後というリアル故にフィクションではあまり見かけない時代変化も新鮮でした。3年後とか5年後とか15年後とか1000年後はあっても、世界の主人公になりがちな少年少女がちょうどくたびれ始める年代に設定されているのはあまり見ないので。そしてこの時の流れが寂しくもあり懐かしくもあり、かといって旧交を温めるのが正解とも言い難いのがリアル。あと現代編はほとんどバーでのワンシチュエーションで話が進むのですが、ホラーとまではいかずとも雰囲気がほんのり不穏で(窓の外に一瞬なにか映り込んだりとか)自分好みでした。その割にスクリーンショット撮り忘れたので代わりに懐かしのアイテムで……
吹かないほうがいいのは知っているが吹くと明らかに動作したんだよな |
過去の遺物と思いきや現役人気IP |
◯ビデオ編集システム
参考動画(Twitterリンク)
ゲーム内で特定のテーマでの撮影をコンプリートすると、実際に撮影した動画を当時風の画質で再現したビデオが完成します。本当に撮影した動画そのままにそれっぽく仕上がるので、最初に体験したとき感動しました。また簡素な編集も可能です。特に正解はないので、主人公のナレーションに合わせるなり好きにつなぎ合わせるなりは自由。暗所でのライトや収集要素もこのビデオカメラ撮影に一元化されており、ゲーム設計としてもスッキリしています。
そして、ゲームプレイの多くはこのビデオカメラを操作するので、同じ選択ADVでもライフイズストレンジほか同ジャンルとのプレイ感の差別化も図れていると感じました。DON'T NODの選択ADVは面白いし記憶に残るけどマンネリ化しがちだったので、システム面で大きな変化があったのは新鮮。
通常プレイ画面より見た気がする画面 |
フォトモードでないとなかなか撮れない主人公 |
【気になった点】
△全体的に煮えきらないストーリー
青春・感動・オカルト・エンパワメントなど色々要素はありますが、いまひとつまとまりきっていない印象が拭えませんでした。もっともそういうごった煮こそが人生と言われたらそれまでなのですが、その割にはベタな難病設定が唐突に発表されたり、いかにもなジョック系男子が予想通り話の敵役だったり、肝心なところでおなじみのフィクション文脈に頼りはじめるので、制作者の意図とは逆になんだか調子のいいストーリーだなぁという印象でした。作劇の巧さでカバーしてなければDustborn化していたところです。
個人的には常識人のオータム以外のキャラクターたち(ノーラとキャット)とそこまで親密にならなかったのもあり、Tape2のストーリーはいまいち乗り切れませんでした。ちょうどこのTape2からの展開が惜しいんですよね。
こういう「絶対ガッカリさせたくない」相手が人生にひとりいるだけで違う |
実を言うと、乗り切れなかったのにはもうひとつ理由があります。ここからは好みの話になりますが、とあるキャラクターの難病設定は別になくてもよかったのでは? と感じます。これがあるから急にお涙頂戴感が濃くなってこれまでのミステリアスな雰囲気が少なからず損なわれたし、そんな借りてきたようなベタな文脈に頼らずとも親友同士で親密になる描写は積み重ねてきているのだから問題なかったと思います。もっとも続編に向けた伏線だったり、あるいは制作者が同じ病気を抱えるプレイヤーをエンパワメントしたいと志向しての設定なら外野が言えることはなにもありませんが……
話が散らかりました。個人的には、この設定なら今よりもオカルト要素強めにした方がより引力の強いストーリーになったとのではないかという素人考えが抜けません。
実を言うと、乗り切れなかったのにはもうひとつ理由があります。ここからは好みの話になりますが、とあるキャラクターの難病設定は別になくてもよかったのでは? と感じます。これがあるから急にお涙頂戴感が濃くなってこれまでのミステリアスな雰囲気が少なからず損なわれたし、そんな借りてきたようなベタな文脈に頼らずとも親友同士で親密になる描写は積み重ねてきているのだから問題なかったと思います。もっとも続編に向けた伏線だったり、あるいは制作者が同じ病気を抱えるプレイヤーをエンパワメントしたいと志向しての設定なら外野が言えることはなにもありませんが……
話が散らかりました。個人的には、この設定なら今よりもオカルト要素強めにした方がより引力の強いストーリーになったとのではないかという素人考えが抜けません。
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