ゲームクリア感想345_TOKYO SCRAMBLE
買いました。Nintendo Switch 2を。
正直なところ、近年の任天堂のふるまいにはモヤモヤした気持ちを抱いておりますが、やはり任天堂ハードでしか遊べない作品群が気になるのも事実。ということで、家電量販店の店頭に立ち寄った際、在庫を確認して20分ほど悩んだ結果購入しました。
そして新ハード第一作目が今作です。
発表時から世界観が自分好みだったこと、メーカーが「リデンプションリーパーズ」のBinary Haze Interactiveだったことなどから、ハードを入手したら確実に遊ぶソフトに入れていました。
そうして有言実行したわけですが、内容はアクを抜いた絶体絶命都市シリーズ、SIRENシリーズ、シューティングのない「ディザスターディオブクライシス」、遊びやすい「フラジール〜さよなら月の廃墟〜」といった趣で、最新ハード専用なのにどこかPS2〜Wii世代の懐かしいプレイ感。比較的最新タイトルに例えるなら……「LEFT ALIVE」でしょうか。ジャンルはステルスゲームで、ジャンル的には珍しくモンスター相手のステルスなのも新鮮でした。
【主なプレイ環境】
ハード Nintendo Switch 2
バージョン 1.0.3
クリア時間 約 15 時間
【良かった点】
◎リトライの速さ
0秒とはいかないものの、ゲームオーバーになったら数秒でそのまま操作画面に復帰できます。割とサクサクやり直せるので、負けが込んで投げ出す前に試行回数の蓄積によってクリアに至れました。
◎好みな世界観
東京の地下には誰にも知られぬ黄金の地下世界が眠っていた! というノリで、現代文化と地下世界が混じり合った新宿や代々木を進んでいくという自分好みの雰囲気でした。本作最大の購入理由です。想像以上にロケーション豊かだったのも意外でした。一部のロケーションは荒唐無稽だけどロマンがあって、変にリアリティに拘るよりも良かったと思います。
| このステージの雰囲気が一番好き(ステルスの緊張感も) |
◯試行錯誤でルートを固めていく攻略
ステルスゲームお馴染みの、幾度も失敗しながら少しずつルートを固めていく醍醐味がちゃんとありました。視力は高いが聴力は低い、あるいはその逆など、Zino(敵対する怪物)の性質に合わせてここからここまではダッシュでOK、この地点からはしゃがみ移動など、リトライを繰り返しながらルートを確立していき、その先に達成感がある感じです。万人受けしないですが、個人的にはイライラしつつもそれを乗り越えた達成感がクセになるので、割と好きです。フラッシュなど緊急避難コマンドが結構強力で、意外とゴリ押しでもなんとかなったりしました。
ちなみにステージ制で、クリア後に小目標の達成度などを踏まえたクリアランクが表示されます。合わせてステージ各地にコレクタブルとしての仲間とのチャットログがあり、一定数集めると緊急避難アイテムがアップデートされるなど、プレイが何かしらの結果に繋がる設計です。もっともクリアランク自体は自己満足ですが、まぁ小規模なゲームなので……
| アプリを駆使して現代文明で対抗するというのは好き |
◯音楽
このメーカーのゲームは今回で2作目ですが、音楽の取り扱い方が相変わらず上手だなと思いました。曲自体の良さはもちろん、流すタイミングがいい。
【気になった点】
✕オートセーブが遠い時がある
基本的には細かめと思いますが、たまに難度に対してオートセーブが遠めな場合があり、ややダルさがあります。移動に制限のあるステージだと尚更。
しかもコレクタブルは入手したら完全にシステムセーブなどに登録される今風の仕様ではなく、入手後にセーブが入るところまで到達しないと失われる硬派仕様のため、コンプリートを目指すとそこそこ面倒でした。なので諦めました。
| この鉄骨渡りステージが特にキツい |
✕軽佻浮薄なストーリーとテキスト
本作で一番目立つ欠点だと思います。
シリアスな地下世界サバイバルストーリーかと思いきや、ピンチや挫折のたびに割と早期に主人公が闘争心を取り戻すので、いまひとつ状況に対しての緊張感が削がれているように感じました。もちろん恐怖に対して絞り出した抵抗と思えばさほど違和感のない反応なのですが、個人的にはプレイヤー心理と乖離しているなと。とはいえ、中盤あたりから状況が深刻化して軽口もやや控えめになりますが……
振り返ると、序盤から仲間と繋がっているのに「どこそこに集合してくれ」という重要な大目標が出てなかった気がします。仲間たちと再会するという主人公のモチベーションにピンと来なかったのですが、その理由がこれかも。とにかく全員が全員フワッとした話しかせず、この緊急事態というのに身内のゴタゴタでキレて貴重な連絡リソースを埋める奴までいて、主人公も主人公で敵地のなか急に鼻歌を歌いだしたりして、プレイヤーがゲームから感じ取る危機感と操作キャラクターの危機感が始終一致しませんでした。
そして、このストーリーラインよりも気になったのは軽薄でありきたりなテキスト。妙に漫画チックで、せっかくの世界観を損なっているというのが率直な感想です。リファレンスにフィクションだけしか入れていないのではという感じ。「リデンプションリーパーズ」はダークファンタジー世界観だったのでこの点はさほど違和感なかったものの、今作は現代の世界観なので浮いて見えました。
自分としては本作に地下世界サバイバルアドベンチャーを期待していたのですが、ライターは少年漫画を志向している様子で、その齟齬が最後まで埋まることはありませんでした。
△魅力に欠けるキャラクター
上記にある通り徹頭徹尾漫画チックで、役割を果たすために配置された存在という印象です。主人公は都内でバンドを組んでいる設定で、毎章の始まりやコレクタブルのチャットログで深掘りできるのですが、兄以外は作劇上顔も出ないし、なによりテキストが退屈で全然興味が湧きませんでした。豪華声優陣のボイスが活かされておらず。
これは敵であるzino達も同様で、ライバルポジションのzinoやラスボスは設定からして深掘りできそうな感じですが、最終的にはただのやられ役で終わります。個人的には、この設定ならもう少しこう、一捻りくらいは加えられたのではと思います。
△直感的ではない判定
終盤のギミック系ステージに顕著で、Zinoに特定の攻撃を当てる/当てられる系のギミックは妙に判定が厳しかったり、逆にラフだったりして今ひとつ釈然としないままクリアすることが多かったです。攻撃を防げそうな物陰が実は物陰として機能しておらずゲームオーバーになったりなどということがありがち。本作は一撃死のため、判定が釈然としないゲームオーバーはそれだけでストレス高めです。
そもそもステルスゲームとしても、人型でない存在の視界を想定することが存外難しく、悪くはないけど手放しで褒められるものでもないと感じます。ドツボにハマると20〜30回近くリトライの憂き目に遭うこともザラ。他のステルスゲームがほぼほぼ人型の敵を採用している理由の一端がわかりました。
【まとめ】
正直言って、想像していたほどの面白い内容ではなかったです。とはいえ遊べないというほどでもなく、個人の好みとしては手堅い佳作という印象。戦闘要素を採り入れず、ステルス攻略ベースでコンパクトにまとめてあるのが功を奏して、巷間で煽られているような駄作とまではいかないかと思います。逆に言うとZinoとの戦闘要素が色濃かったらレフトアライブ並に厳しい評価になっていました。
とにかくストーリー・テキスト・キャラクターすべてが空転してしまっているのが個人的に辛かったです。シリアスをやりたいのかコメディを交えたいのか少年漫画をやりたいのか判然とせず、かと言って渾然一体の魅力もなく、ただオタクがやりたいことを詰めた話という印象。
繰り返すも本当に惜しい作品です。地下世界の世界観や音楽などの美点もあるのですが、マイナス点が多くてカバーしきれなかったと思います。
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