ゲームクリア感想120_LEFT ALIVE(PS4版)

【ご連絡】本作の途中からゲーム環境が大幅に変化しました。
今後は下記の環境下でのプレイ感想になります。

(旧)PS4→(新)PS4 Slim
(旧)HDD→(新)SSD
(旧)21インチTV→(新)27インチモニター



公式サイトはこちら

関連作品(フロントミッション2089BoM)の記事はこちら


 察してはいました。

 ヴァンツァーではなく人間メインのシステム、今としてはどうしても見劣りしてしまうグラフィック、お世辞にも滑らかとは言えないキャラクターのモーション……などなど、事前情報から何とも危うい雰囲気を感じ取っていました。
「それでも何か光るものがあるだろう」という自分の中の予感だけを信じて、発売日を待っていました。

 そして発売日、それ見たことかと言わんばかりの低評価の嵐。案の定だったか……という落胆と同時に怖気づきましたが、それでも自分の予感を信じ続け、不退転の決意を示すためダウンロード版を購入しました。

 ゲームを起動した先に待っていたものは、そんな予感を一笑に付すような理不尽と高難易度でした。途中、難易度を最も易しいものに下げたにもかかわらず、何度もクリアを諦めました。ギブアップ宣言をしてはやっぱり気になってやり直して…の繰り返し。

 ただ、一番苦しかったのは本作そのものではなく、自分の中で生じた

「世の中にはこれより面白いゲームが山ほどあるのに、貴重な可処分時間を注ぐに値するものなのか? 」という自問でした。
一度これを考え出したが最後、高難易度なりにそこそこ熱中していたのが、一気にだるくなり、モチベーションの維持が困難になりました。

 救いだったのは、ゲーム自体の変化の乏しさにより、後半になるほどむしろ楽になってきたことでした。変化が乏しいからこそ飽きが来たのもありますが、ひとまずのクリアという大目標に向かって続けられる程度にはモチベーションが保てました。

 クリアした時は、満足感はまったくなく、やっと解放されたという思いで一杯でした。
ゲームをクリアしたというよりも、研修が終わった、というのが実感です。


バージョン 1.02
難易度 LIGHT(Chapter6後半までADVANCED)
※LIGHT=Easy ADVANCED=Hard相当

クリア時間 約30時間(最終セーブポイントでは29:12:37)
※体感では40時間くらいやっていたような気がします

トロフィー取得率 46%

ちなみに、関連作のフロントミッションシリーズは1~5、2089BoMまでプレイ済みです。
ガンハザードも触りました。

【良かった点】


◎全イベントムービー配信禁止措置


 これは個人的にめちゃくちゃ痛快でした(ゲーム自体の配信は可能)。

 配信禁止にするほどのストーリー内容かどうかという問題ではなく、今までメーカーもユーザーも配信に甘すぎたと思うからです。
 今となってはゲーム配信で収益を得られる時代なので今更ですが、私はどのゲームもイベントムービーはデフォルトで配信禁止で良いとすら思っています。質とか一切問わず。
そうは言っても実際宣伝効果があるからこの現状なのでしょうが……
 
 配信だけで済ませている層に自分の好きなゲームを語られたくない、という私自身の狭量さに由来する思考ではあるものの、徹底的にイベントムービーを配信禁止にするこの措置には正直よくやった! と思います。

 ただ、ムービー前のリトライだと、リトライのたびに配信禁止→配信再開のウィンドウがポコポコ出現してちょっと目障りなのだけが玉に瑕。


◎割と短めなロード時間


 この点がかなり心配でした。実際のリトライ時ロード時間は、HDDなら10秒前後、SSDなら7秒前後で、思ったよりは短かったです(状況によって前後します)。
 個人的には許容範囲です。これが15秒超えとかだったら耐えられなかったと思います。


◎梯子の昇降が速い


 昇る時はカツカツと素早く、降りる時はススーッと滑落可能なのでこの点にストレスはなかったです。梯子の昇降に気を配っているタイプかいないタイプかというと本作は前者に属します。
 ゲーム全体の出来と比べれば細かいことですが、良いとこ探しをして損はないということで……


○警戒解除が早い


 これも地味ながら重要な点でした。ちょっとミスして見つかってもある程度の距離まで逃げれば警戒が解けるので(状況による)、警戒解除を隠れて待つ、という時間はさほど発生しませんでした。
 ステルス系のゲームでこれが長いとなかなか次の行動に移れなくて辛いところがあります。そうした「待ち」の時間も緊張感があって楽しいものの。


○そこそこ読みごたえのあるデータベース


 予想以上にフロントミッションネタがあって、見つけた時には懐かしい気持ちに浸れました。また、エンディング後も主要キャラクターに限らず救出した市民の後日談まで更新されるので、苦労して救出して良かった…とまではいかなくても徒労ではなかったのだという気になりました。
 主要キャラクターも市民も、ゲーム中の選択いかんで末路が変わるので、周回のモチベーションにもなるのではないでしょうか。


○二周目以降は多少強化して始められる


 クリアすると「NEW GAME+」が解禁され、ゲーム開始前に前の周回で得られたポイントを使って武器攻撃力を上昇させたり、防御力を高めたり、他様々な強化が可能になります。

 これを一周目から出来るようにしなさい(命令)。
一周目から解禁されていればゲームの評価も多少は違っていたのではと思われてなりません。



【気になった点】


×何から言及すればいいのか皆目検討がつかない


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 記事作成も中盤に差し掛かって投げ出したくなってきました。
 何が気になった点かというと「全体的に」としか言いようがないので、もうAmazonレビューのリンクでも貼ろうかと思いましたが、流石にそれは投げ出しすぎなので頑張ります。


・不親切なUI


 メニュー画面をしょっちゅう開くゲームなのに、字は小さいし操作は煩雑だしで最後まで慣れた気がしませんでした。

 アーマーを装備したかしないかが分かりにくく、装備し忘れることなど日常茶飯事。
クラフトの作成数指定が赤背景に黒文字で潰れて見辛い、ヴァンツァー降機の操作だけ表示されないので一度登場したら降機不可だと勘違いしていた(チュートリアルには載っている)など、これにまつわるストレスが結構ありました。
 また、ヴァンツァー搭乗時のUIも人間パートに負けず劣らずの見辛さで、これがまた理不尽を感じる一因に。


・(強制)戦闘全般


 戦闘するゲームではないというコンセプトを示しておきながら、そこそこに強制戦闘パートがあるのはどういうことなのでしょうか? しかも全く面白くない始末。

 あと敵の視力とエイム力が異常で、カバーに隠れていても平気で見つかったり銃弾を当てられる理不尽さにはうんざりしました。リアルではあるのでしょうがそれが楽しくないのでしょうもない。


・ヴァンツァー全般


 圧倒的練り込み不足を感じました。
ヴァンツァー自体、メインビジュアルから受け取るイメージよりずっと脆く、豆腐と言わないまでも高野豆腐程度の耐久力しかなく、その上搭乗可能パートはほぼ全て強制戦闘なので、本当に苦労しました。

何を隠そう、難易度をLIGHTまで下げたのも、何度もクリアを投げ出したのも全部このヴァンツァー強制戦闘パートでした。

 操作自体も爽快感に乏しく、ボタン配置もごちゃついていて慣れが必要。かといって慣れる頃にはエンディングを迎えていることでしょう。
 カメラワークの悪さ(一応OPTIONで弄れる)も相まって被弾しまくりです。被弾状況も解りにくく、何が原因で破壊されたのか解らない内に画面砂嵐の演出が入ってゲームオーバー。

 悲しい話ですが、こんなことならヴァンツァー操作パートは要らなかった。
人間操作のコンセプトを貫いてもらったほうがまだ良かったのではないか? とすら思えます。スタイリッシュなロボットではなく、あくまで鈍重な兵器なのだと捉え直せば……いや、やっぱりそれでも厳しいです。


・ガジェットの半分くらいは使い所が乏しい


 本作は地雷やワイヤーなどの罠を有効に使える屋内だとそれなりにやり応えがあるのですが、実際には屋外の攻略が多く、せっかくの罠系ガジェットもあまり使い所がなかったです。パターンの読めない敵を罠を張って待ち構えるよりも、爆弾を連投したほうが早いですし。電撃や煙幕で足止めするよりも確実ですし……
 なので、罠をフルに使える防衛戦だけはそれなりにやり応えと爽快感がありました。


・ステルスキルがない


 入れたほうが良かったと私は思います。敵の頭数からしてもステルスキルがあって適正なほどで、仮に実装されたところでコンセプトが大きく崩れることもないと感じました。敵は大体複数人で固まっているので、制作陣が危惧して意図的に入れなかった(インタビューリンク)ような、ステルスだけで敵全滅という事態もそうそう発生しないでしょう。


・移動速度が極端


 通常移動の小走りは遅く、ダッシュは速すぎなので、通常移動がもう少し早ければ快適でした。現状、ローリングでんぐり返し移動が一番快適です。


・会話の選択肢が理不尽かつ不快


 主に救出対象の市民との会話です。
「良かれと思ってした選択が不幸を……」というのをやりたかったというのだけは伝わります。問題はそれが匿名掲示板の揚げ足取りレベルでしかなく、しかも選択後オートセーブされるので選び直しも不可。理不尽な上に不快という最悪なコンテンツ。

 市民救出自体も面倒で、私はできそうな救出しか手を出しませんでした。戦時下で自分以外の人間を守ることの困難さだけは十分に学べました。


 大体こんなところです。他にもあったような気がしますが、先人たちの感想の中で指摘されていると思うので、この項目はこのくらいで終えます。



【まとめ】


 記事の序文で「それでも何か光るものがあるだろう」という自分の中の予感だけを信じていた、という風に書きました。
 結論としては、確かに見るべき点はありました。痛快な全イベントムービー配信禁止や、ちゃんと残っているフロントミッションの面影、戦時下の市街地の雰囲気、格好いいヴァンツァーのデザインなど、悪いところだけのゲームではなかったです。

 それでも、巷間の悪評はやはり適切である、と思ってしまいました。
問題児なりに本作を愛したかったという気持ちもありましたが、それが傲慢でしかないことを早々に喝破されました。
 そして私は、クリアしながらも巷の評価に同調しました。してしまいました。クリアした人間にしか解らない美点というのも考えたのですが、残念ながら思い浮かびませんでした。

 結局私は、このゲームには選ばれませんでした。ですがやり直しの効かないゲーム内での選択肢と同様に、そうなるしかなかったのだと思います。

 なぜなら、シリアスな話、もうゲームに無尽蔵の時間を注げる年齢でも状況でもなくなってきたためです。
 最近、購入した全てのゲームをクリアまで頑張るよりも、頑張るゲームと途中で諦めても構わないゲームの取捨選択をしていったほうがいいのでは? と考えることが多くなりました。本作を遊んでいる間もずっと考えていました。

 クリアを諦めたこと自体は山ほどありましたが、昔と違うのは、可処分時間、すなわち人生の残り時間とも言えるものを強く意識するようになったことです。
 わざわざ苦痛なゲームを頑張るよりもやるべきことは沢山あるのだと……LEFT ALIVEを遊ぶよりも他にやりたいことが沢山あるというのが正直な感想です。
 それ故に、私は本作に選ばれず、私も本作を好んで選ぶことはついぞなかった、という流れです。

 ただ、そんな中で、最低難易度といえど本作をクリア出来たのはちょっとした自信になったのも事実です。
 クリア後の実感として「研修が終わった感じ」と序文で書きましたが、こうした人生勉強をしたせいかもしれませんね。

 でも、勉強は今回でひとまず終えて、次はゲームをしたいです。


 






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