ゲームクリア感想252_リデンプションリーパーズ(PS4版)

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完全新作SRPGということでマークしました。発売当時の2023年2月〜3月は稀に見る新作ラッシュでなかなか手が回らず、5ヶ月近く間を空けて再開することになりましたが、ちょうど遊びやすいバージョンに更新されたあとだったので、結果的には良かったです。



【主なプレイ環境】

ハード PlayStation 5(PlayStation 4)

バージョン 1.4.0

クリア時間 45:28:09(放置が多かったため実質30時間ほど?)

難易度 NORMAL

トロフィー取得率  100%(プラチナ)



 

【良かった点】


◎キャラクター


仲間5人とも良い。一見テンプレっぽいキャラ付けに見えて、それぞれ嫌味がないキャラクター造型なのですんなり好感が持てました。
また公式サイトをご覧頂ければ分かる通り、声優もメインから脇まで超豪華なので耳にストレスがないです。特に津田健次郎氏演じるルグが良い味を出してます。

主人公のサラも寡黙かと思いきや臆面もなくストレートなことを言ったり、グレンもリーダーシップがある一方で苦悩の色が垣間見えたり、ウルスも寡黙な武人である一方で一番周りを見ていたり、カレンはこの世界で珍しく明るいタイプかと思いきや過去話が重かったりと、好感を抱けるキャラ作りになっていると感じます。

なんというか、メインキャラクターに極端なキャラ付けをしなくても、ちゃんと魅力あるキャラクターにできることに希望を見出しました。5人中3人が寡黙で真面目なので重いノリ一辺倒になりそうなところ、変に奇を衒わず正攻法で描写することで魅力に繋がっている……という感じです。




音楽


覚醒以降のファイアーエムブレムでおなじみの近藤嶺氏が担当しています。実のところそれが購入動機として一番大きかったです。FEにおける氏の楽曲はいずれもゲーム音楽史に残る名曲ばかりなので今作も期待しており、実際その通りでした。

FEのキャッチーさこそ鳴りを潜めているものの、ついついコントローラーを離して聴き入ってしまいました。最初のステージからラスボス戦までクオリティに妥協なし。


戦闘以外では、中盤のインターミッションなどで流れるボーカルありBGMが好きです。、




◎テンポの良い戦闘


SRPGが敬遠されがちな一因としてもっさり感があると思うのですが、本作はそれが希薄です。基本的にひとつのコマンドが終わった瞬間に次のコマンドへ遷移する(言われる前にタイミングを先回りするイメージ)ので、重厚な世界観とは裏腹に戦闘のテンポは軽快です。

下記画像から察せられる通り(?)、ファイアーエムブレムなら蒼炎の軌跡や暁の女神に近い画面ですが、戦闘画面への遷移はないです。



我々(誰?)にとってはあまりにも見慣れた画面



ちなみにステージ終了後にステージランクが計算・表示されます。経過ターン数と味方撤退数で判断されますが、高ければ高いほど得られる共有経験値(FE蒼炎の軌跡や暁の女神で言う拠点成長)が多くなります。とはいえそれ以外に恩恵はないので、クリアだけならさほど気にする必要はないです。私は遊撃戦(フリーバトル)すらほぼ手を付けませんでしたが、難易度NORMALならまったく困りませんでした。少なくとも難易度NORMAL以下なら基本レベル上げ作業は不必要です。



○比較的安定したストーリーとテキスト


実を言うと、ナキ役の福山潤氏が本作のストーリーを褒めているツイートを目にして期待が高まりました。

ストーリー自体は割と王道な感じですが、演出や演技、テキストの良さでかなり丁寧にまとまっていて、特に終盤あたりはグッときました。いくらなんでも掘り下げ不足だったり伏線を残したまま終わってしまったりと気になる点はありますが……


また全編通して重厚な雰囲気ではあるものの、アーカイブのテキストやちょっとした会話イベントで気が緩むノリもあり、硬軟のバランスは意識されているように思えます。

このアーカイブで読めるテキストも比較的文量が多く、アイテムごとにそれにまつわるちょっとした小話が付いています。基本的にこの世界の人里はほとんど壊滅しているため、過去生きた人々が遺した手記やアイテムの伝説で世界観を補完できます。

全体的にテキストの質は安定しており、印象に残るセリフやテキストも多かったです。



←画面左下の光っている「遺物」を拾うとアーカイブで読める



クリアした今見ると感慨深いセリフ




⚪︎プラチナトロフィー取得が簡単


条件が簡単で、基本的に一周(+α)だけで取得できると思います。私は一周で一通り集め、Lv40到達のトロフィーだけNew Game+を少し進めて獲得しました。




【気になった点】

×序盤がダレる


これが一番辛かったです。キャラクターの人となりや世界の現状もよく解らずストーリーも特段大きく動かず、やることと言えば戦闘とそれに付随する育成くらいで、本当に心が折れかけて何度か別ゲームに浮気してしまいました。シンプルで硬派な作りなのも良し悪しで、重厚な世界観も相まって眠くなってしまったことも。

敵勢力も最序盤から最終盤までずっと同じなので飽きます。デザインが良いので見応えはありますが。


第8章あたりからストーリーもわずかに動きだし、戦闘にも慣れて少しずつマシになってきましたが、そこまでが難関でした。インターミッションでよくある探索や仲間同士の会話などもないので、予想以上に淡々としています。音楽や世界観と相まってその静けさが良いと言えばその通りなのですが、こう、序盤にもうちょっと引力が欲しかった気もします。




△キャラクターの格差


弓兵のカレンが頭ひとつ抜けて強いです。育成によってはひとつどころじゃないかも。

遠距離攻撃の時点で強いのに、魔法盾、スキルを育てれば実質2回攻撃、他者回復スキル持ちとひとりで役割を複数背負っていて戦闘では毎回大活躍します。残り4人は攻撃範囲が1〜2マスの前衛系なので、なんか一人だけ優遇されている雰囲気?心なしか成長率も他キャラクターより高めな気がします。

もっとも終盤になれば敵も味方も強くなるので、格差を感じることも少なくなってきます。




△敵インフォメーションの不親切さ


敵の基礎ステータスや攻撃・移動範囲こそ把握できるものの、敵の具体的な攻撃方法やギミックの説明がないのでちょっと戸惑いました。

アーカイブから読める説明はフレーバーテキスト色が強く、それはそれで読み応えがあるのですが、このゲームは敵からの一発が重いのでなるべく情報を集めておきたいところ。




△ストーリーの物足りなさ・もったいなさ


もうちょっと主人公たちの過去が描写されていればエンディングの感動もひとしおだったように思えます。皆過去にしでかしたことを悔いているのは解るのですが、ほぼほぼ回顧する形でしか語られないのでその後悔や贖罪意識に同調しづらく、ああいう結末を迎えるならもうちょっと描写が欲しかった思う次第です。



【まとめ】


体感だと戦闘:7、音楽:2、それ以外:1といった硬派でシンプルな内容でした。

単調かつ面白くなるまでが長いため、定価では正直人に勧めないです。良くも悪くも堅実な作りでファイアーエムブレムのようなキャッチーさは希薄なため、そちらを期待せず完全オリジナルSRPGと捉えたほうが良いと思っています。自分の場合は中盤までキャラクターと音楽でなんとかモチベーションを保っていた感じです。


ただ内容としては安定しており、明らかな不具合もなくレベル上げ作業や素材集めもほぼ不要なので、完全新作のSRPGに飢えていたらありだとは思います。現行バージョンからは難易度EASYやNew Game+(強くてニューゲーム)が実装されているので、かなり遊びやすくなっています。ストーリークリアでほぼトロフィーが集まるので、プラチナトロフィーをついでに得たいなら手を出しても良いと思います。


一見古き良きSRPGのように見えて、プレイ感はバリバリ現代に適用しており快適です。

あと一作くらいは話の続きか前日譚を語る続編があると嬉しいところです。これ一作だけでも綺麗に終わっているとはいえ、なんか思わせぶりなあれこれが何だったのか気になるので……





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