ゲームクリア感想338_コーヒートーク トーキョー (PS5版)

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過去シリーズ記事↓



もう冷笑とか露悪とか必要ないな、と思ったときに頭をよぎるシリーズです。その三作目です。

てっきりシリーズは完結したものと思い込んでいたので、まさかの新作かつ日本・東京が舞台ということで驚きました。前作はついこないだクリアしたような気でいたのに、もう三年前なんですね。
最初は通常版のみ購入しましたが、二周クリア後にデラックスエディションアップグレード(プロローグや楽曲や設定資料追加)も購入しました。価格のわりに充実した内容なのでシリーズファンはおすすめです。

余談ですが、このゲームに触発されてお茶づいてしまい、この記事は新規作成から公開までずっと茶を啜りながら作成しました。今も緑茶を啜っています。


【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン 1.003.1
クリア時間 約 44 時間(4~5周)
実績/トロフィー取得率  100 %(プラチナ )


【良かった点】


シリーズのテイストはそのまま


今回から開発の主導がこれまでのToge Productionsからパブリッシャーのコーラス・ワールドワイドに変わったのですが、基本的には画面構成も会話のノリもシリーズそのままで安定しています。基本的に短いゲームなので3作続けて大きな変化がなくともさほど飽きがこない面もありますが、そもそもシリーズの空気感を今回の開発がしっかり捉えていることが大きいと思います。

そして今回の新要素としては、冷たいドリンクを作れるようになったこととや、材料に「ゆず」「ホイップクリーム」「アイスクリーム」が追加されたこと、トモダチル(作中SNS)内のタグ検索などがあります。
材料に関しては、これら3つの追加と同時に前作まであった「レモン」「シナモン」「バタフライピー」「ハイビスカス」は削除されました(レモンとシナモンはメジャーな材料なので削除は寂しい)。またトモダチルのタグは世界観を表すテキストが読めるほか、新レシピの情報なども流れます。その代わり、作中小説は削除されました。

初登場のアイスメニュー。最近はもうシンプルにこういうのが飲みたい

画面右の青いボタンがアイスメニュー作成モード

新レシピ情報がトモダチルに載っていることも

……という感じで、舞台に合うようにゲーム内要素も取捨選択されています。キャラクターも一部の続投キャラクターを除いて一新され、雪女やのっぺらぼうや河童など、日本の妖怪モチーフのキャラクターや、日本人と英国エルフのルーツを持つシリーズ発の子供キャラクター(とその両親)など、かなり新鮮味ある面子でした。個人的には前作までのキャラクターよりも好きです。

兎にも角にもフォーマットを確立しているので、ゲーム体験に集中できます。


◎ストーリー


前2作に比べるとややベタな話のノリですが、各キャラクターの抱えるテーマがより明確になったと思います。前2作のキャラクター陣はクリエイター職やエンターテイメント職が多く、正直なところ、カフェというより選ばれし者たちのサロンめいていてあまりピンとこなかったのに対し、今作のキャラクターは会社員やコンビニバイト、主夫、自営業など比較的地に足のついた職業人が多くなり、より身近に感じられるストーリーになったと感じます。
最終日の展開はベタだけど涙腺に来ました。四〜五周してうち三回は泣いてしまいました。難しい言葉も捻りのある表現も何も使っていないのに、ただ心を打たれました。


嵐が過ぎ去るのを待てばいいと思ってしまうの、わかる


◎日本語ローカライズ


一作目から素人目にもハイレベルだったのに、今回もとても自然なローカライズで違和感なく遊べました。翻訳ミスでドリンク作りに影響するとかもなかったです。これを当たり前と思ってはバチが当たりますね。


◎テキストADVとしての難易度微増


注文前の会話をしっかり読む、あるいは前回来店時の注文を覚えておかないとミスする局面が増えて、テキストADVとしてのやりごたえが強化されたように思います。ノーヒントだと毎日のように廃棄の回数制限5回を使い切るかギリギリでした。前2作ではストーリー中そうそう廃棄することはなかったので、難度が上がった印象です。

作中の季節がお盆(前)なのもあり、冷たいドリンクを作れるようになったことでメニューの幅が広がったのも難易度微増に影響していると思います。同じ材料の組み合わせでも温冷で別メニューとなるものもあるので、どうしても埋まらなかったメニューは過去シリーズ同様、フリーサーブモードで総当たりしました。実際は総当たりよりも、なんか相性良さげな材料を組み合わせたり、シンプルに同じ材料をふたつ使ってみたりするのが効果的だったりしますが、その試行錯誤もそれはそれで。


【気になった点】


△全体的な取り回しの悪さ


操作面で複数気になるところがあります。

冷たいドリンクを作れるようになったのはいいものの、温かいドリンク作成ボタンとの色差がやや中途半端なので、慣れるまではよく温冷を間違えました。作ってない方のボタンはもっと暗くしてもよかったかと存じます。あと、わかりやすい切り替え音声があるともっと助かりましたが、雰囲気を損ねるのであえて入れなかったのだと想像します。

加えて、メッセージ自動送りの操作もややわかりにくいです。L1で自動送り可能になるのですが、ボタン一押しでは発動せず、押したら右隣のメッセージスキップボタン(こちらはR1ボタン押し続けで発動)をオフにして、今表示中のメッセージを手動で飛ばして次のメッセージから発動、となります。

あと、音楽プレイリストの操作がごちゃついていて直感的とは言いがたかったり、材料を選ぶときに操作が固まりがちだったりと、どうにも肩が凝る操作性でした。


△一部のトロフィー取得条件・再


前作から更に面倒かつ心苦しいものになりました。
前作同様、キャラクターごとに注文正解と注文ミス複数で結末が分かれるのですが、今回もトロフィーに紐付けられており、プラチナトロフィーを狙うならどんなに分かりやすい注文でも嫌がらせのようにわざと間違える必要があります。もちろんシリーズ同様ゲームオーバーにはなりませんが(ごく一部で作り直して挽回するチャンスあり)、普通に申し訳ない気分になるのでゲーム体験としてはシンプルに不快です。しかもエンディングの画像埋めのためには一度や二度では済まず繰り返す必要があるので、注文ミス時は画面すら見ていませんでした。

おそらく、失敗を重ねても人間関係は簡単に途切れたりしないし、間違いながらでも他者と支え合いながら人生は続くのである、といったテーマを体現している仕様であろうと理解しているのですが(かつライトユーザー向け調整)、個人的には注文ミスとエンディング条件を紐づけるのは今回限りにして欲しいです。注文ミス時の反応も作り込まれているのですが、割と辛辣に指摘されて気まずくなるので体験としてキツいです。とはいえゲームオーバーを導入したらシリーズの雰囲気が台無しなので、現状が正しいのだと思います。自分が勝手に辛くなっているだけで。


△気が重いSNSチェック


トモダチルがよりリアルな短文SNS風になったものの、ちょっとチェックが億劫に感じました。原因はジュン(有名ミュージシャンのキャラクター)関連のタグつき投稿が多すぎることで、投稿もタグ名も似たりよったりなのにほぼ毎日流れてチェックが面倒。特に周回で変化や差分を探しているときはこれが地味に辛かったです。よくある推し活ツイートを再現できているなぁと思いますが一回読んだらフレーバーは十分に理解できるし、にもかかわらず初日から最終日までTLを埋めるので、ここはちょっと変な注力をしているなと思いました。


【まとめ】

リアルで作れる豊富なドリンクメニューにしてもストーリーにしても、現実世界に持って帰れるものが多い有意義な作品でした。人生の残り時間も少なくなると、実世界に持って帰れるものが少なそうな創作物に触れている時間が惜しいと日々感じるのですが、本作に限っては杞憂でした。

なんというか、ゲームは現実逃避のためにやるものである、とする(日本のゲームファン空間では優位な)向きとは真逆で、他者に対する誠実さを感じます。自分にもそういう傾向が残っているのですが、沈鬱で露悪的なほどリアリティがあると解釈してしまいがちで、それに対して、仮にベタであろうともまだこの世界を信じてもいい、という気持ちにさせてくれる作品は今の時代だと本当に貴重だと思います。リアリティを是とする(西洋的)大作ゲームとも、ただ現実逃避だけを提供するゲームとも違うスタンスで、個人的にはそれが今一番しっくりきます。ある意味では本作もホープパンクなのかも知れませんね(言うまでもなく、リアリティ重視のゲームにも現実逃避だけを提供するゲームも尊重されるべきです。こういう一見野暮な注釈でも繰り返し書くことが重要だと最近学びました)。

だからこそ、ゲーム面での全体的な取り回しの悪さが惜しいです。画面構成は変わらないまま機能だけ増えたので、より操作のごちゃつきが際立っているように思えます。もちろんゲームの操作なので最終的には慣れで解決するのですが。

前作で綺麗に完結した、と思ったら今回こうして続いたので、もうこれからは世界中のご当地カフェゲームとなって末永く続いて欲しいですね。経営シミュレーションや調理アクションにせず、仕事帰りにゆったりとコントローラーを動かすのにぴったりなシリーズであってほしいです(でも経営シミュや調理アクション、配膳などの別ゲームモードやフード追加などの可能性もそれはそれで夢見てしまう。それだけポテンシャルがあると思うので)。


このミームを採用しているゲーム初めて見た


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