ゲームクリア感想269_スターオーシャンセカンドストーリー R(PS5版)




金字塔JRPGのリメイク作。
……という言葉では全然足りず、旧作の魅力と最新の快適さを綺麗にマッチさせた超良作RPGでした。

2023年末に体験版からデータを引き継いで一周目を、2024年明けにNew Game+(強くてニューゲーム)で二周目を進めました。
原作となるPS版にはかなり思い入れがあり、RPGで一番周回しました。主にボイスコレクションを埋める(全員戦闘に起用する)ために8周もしました。ただ当時はプレイスキルが足りず、初期出荷版のためバブルローションによるボス即死が効くと言うのに試練の遺跡も踏破せず、イセリア・クイーンや真ガブリエルも倒さずじまいだったので、時間を注いだ割に心残りがありました。

PSP版リメイクの2SEはリベンジの好機だったのですが、そもそも原作を8周もした手前、見る感じ大幅な変化がないのが引っかかって結局未プレイ。
そのため、このリメイクは渡りに船でした。PSP版からもまた大きく変わっており、また事前情報からも遊びやすさが伝わったので、今度こそリベンジを果たそうと決めた次第です。結果としてそれは果たされました。


サムネイル用。このゲームは青がとにかく綺麗


【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 5
バージョン ver.1.002
難易度 GALAXY(一周目) UNIVERSE(二周目)
クリア時間 約 84:42:14(一周目) 128:03:51(二周目)
トロフィー取得率 100%(プラチナ)


【良かった点】


◎BGMアレンジ


個人的な好みが大きいとはいえ、原曲からずっとパワーアップしてすごく聴きごたえのある楽曲になったなと思います。これは原曲に切り替えたいと思うことが一切なく、BGM切り替え機能は滅多に使いませんでした。
原曲は今聴くと少々メロディが強すぎる向きもあり、そのあたりうまくバランスが取れているアレンジ版の方が好みです。戦闘曲以外が良い感じで、人気の割にそこまでピンときてなかった「The venerable forest」の良さがようやく分かったし「Mission to the deep space」は初出だけあって今回が一番良いし、ダンジョン系BGMの中では一番好きな「Endlessly」(山岳遺跡などの曲)も理想的な感じだし、スタッフロールの「We form in crystals」は映像と相まって泣きました。

振り返ってみるとシリーズお馴染みの曲は大抵2が初出ですね。代表曲的な「The incarnation of devil」のアレンジなんか2022年発売の6に続けてほぼ2年連続で聴けて、昔なら考えもしなかった贅沢です。



◎全てが快適になったシステム


原作で面倒だった点が悉く解消されており、快適さで言えば全シリーズで一番親切です。代表的なもので言うと

・New Game+(強くてニューゲーム)実装
・シンボルエンカウント化
・ファストトラベル可能(しかも街やダンジョン内まで)
・マップ画面で発生中PA(プライベートアクション)とサブイベント確認可能。期間限定ならその旨も記載
・どの戦闘でもその場でリトライ可能
・大魔法演出簡略化
・IC演出スキップ
・IC複数作成
・IC作成リストで作成可能アイテム範囲確認可能
・IC/特技とバトルスキルのポイント分け
・カスタマイズの特殊結果は作成前に色付きで示される
・バーニィやサイナードに騎乗したままエリアに入れる
・隊列の簡略化(新要素のボーナスの内容がそれぞれ明確に別れてわかりやすくなった)
・ピックポケット3回までやり直し可能(アイテムで回数回復可能)
・好感度可視化
・ダメージ限界突破実装(このお陰で術師が強化)
・ローディング爆速


など枚挙に暇がなく、ついでに細かいところも言うと

・IC画面でタレントとサポートアイテムと各人のレベル確認可能
・IC/特技強化画面でIC/特技単位ごとの強化可能
・誰でもリーダー設定すれば任意操作可能
・街を出なくてもPA連続発生可能
・エナジーネーデの外壁楽園に任意で行ける(原作だと行けなかった気がします)
・ノエルに「回復に専念せよ!」の指示を出せる
・クロードのフェイズガンがまた使えるようになる
・ファンシティの各アクティビティの前口上スキップ可

などなど、新要素抜きの変更点だけでかなりの数です。ICに伴うセーブ&ロードやPA発生に伴う街の出入りなど、シリーズ恒例になりかけていた純粋な作業がほぼ解消されていてサクサク進みます。

引き継ぎ要素。ほぼそのまま移行可なのでサクサク進める


外壁楽園。ここは原作の頃から地味に行きたかった


戦闘に限れば、演出短縮&リアルタイム化とダメージ限界突破実装、新要素のブレイクシステムなどにより、ようやく術師が強くなりました。シリーズを重ねるごとに術師の待遇は少しずつ改善されていったと思いますが、今回こそ前衛に負けず劣らずの活躍ができるようになっています。特にノエル先生なんかは作戦も改善されて目に見えて有用になりました。一番リメイクの恩恵を受けたキャラかも。

システム面が快適になっただけでなく原作でこうだったら良かったのにというポイントも余さず拾っていて好印象。一番のセールスポイントだと思います。



◎嘘みたいに圧倒的快適なレベリング


ただでさえレベルが上がりやすいゲームなのに、ますます上がりやすくなっています。特技の「修行」と「スカウト」、そして新たに追加されたスーパー特技の「用心棒」を併用すれば大して動かずとも敵のチェインでモリモリ稼げます。もちろん連戦を突破できるだけの戦力は必要ですが……

具体的には、まず「修行」で能力低下と引き換えに獲得EXPを高め「スカウト」をONにして敵を集め「用心棒」で仲間3人にそれらを倒してもらうといった流れです。この方法のコツを掴んでから苦戦することが減りました。敵に接近されないように操作キャラをエリアの隅に立たせると完全オート放置が成功しやすかったです。

この「用心棒」は、昔ながらのRPGで馴染み深い仲間追尾という要素をシンボルエンカウントとうまく掛け合わせて活用していて唸りました(類似システムのRPGはあるかもしれませんが自分は今作で初体験だった)。放置稼ぎが可能になるので思いついても実装されないタイプのシステムと邪推しますが、ある程度体験が重複するリメイク作だと思った以上にありがたく、公式チートを別売りするよりかは腑に落ちるタイムセーバー要素だと感じます。



◎うまく溶けこんでいる新要素


リメイクでの新要素はどれも悪くなかったです。釣りはタイミングよくボタンを押すだけのシンプルさで、最新の超大作にも劣らない美麗な水の表現と相まって気分転換にちょうどいい。

戦闘のアサルトアクションも控えメンバーを有効活用できるし、アイテムさえ入手すれば1と3〜6の主人公たちも使えるのでシリーズファンとしても嬉しかったです。
ジャスト回避に関しても思ったより直感的に発動できて、フル3Dのシリーズ作品に接近している操作感。

ファンシティ闘技場の新モードでは各ボスとの再戦可


ギルドミッション・チャレンジミッションも4の実績のような途方もないものではなく適度に集めやすいうえに報酬もおいしい。
データベース(チュートリアル含)の実装も、アイテム数など要素が膨大なこのゲームでは地味に助かります。

とにかく、この新要素は要らない・良くないみたいなのがほとんどなかったです。程よい距離感。



◎演出向上により本領発揮したストーリー


これまでSO2の人気はシステムの自由度やキャラクターに依るものが大きいと思っていましたが、ストーリーもなかなか良い感じなのを再発見しました。スターオーシャンよりもヴァルキリープロファイルに近いノリな気がします。

グラフィックや音質の向上、説得力ある新規キャラクターイラストなどがボイスと相まってストーリーを盛り上げており、また内容においても敵味方ともに親子関係が主軸となっていて、歳を取った今だからようやく沁みる描写が良かったです。紋章兵器研究所のイベントは泣いてしまいました。原作で8回くらい見てるのに……
初めてボイスの付いた2SEも未プレイだったぶん、声がつくとこんなに切迫感ある内容だったのかと驚きました。

主題歌付きのオープニングアニメも感慨深く、クリア後に改めて視聴するとなかなかグッときます。

あと、好感度がわかりやすく可視化されたおかげで、原作では観たことがなかった全員集合エンドも無事確認できました。思ったよりあっさりしていたけどこれも原作では調整が面倒だったので、もう見られただけで満足。


【気になった点】


実質ないです。不具合らしい不具合も特になく、下の2つは強いて言えば程度です。


△宝箱回収率が引き継がれない


New Game+ではほぼすべての要素を引き継げるので有り難いことこの上ないところ、宝箱の回収率だけは0%に戻されます。二周目を始める頃には中盤あたりまでの宝箱の中身は取るだけ時間ロスでしかないので、わがままを言うならここも引き継がれると助かりました。



△クッキングマスターのリズムゲーム化


ファンシティのクッキングマスターがICからリズムゲームに仕様変更されています。別に悪くはないけど原作の単純さが好きだったので意表をつかれました。

リズムゲームは良いのですが、コツさえ掴んでしまえばそうそう負けることはなく、かといって放置は出来ないので、やや作業感があるかもと思わなくもないです。



円を一周するゲージに合わせて材料ごとに目押し



【まとめ】

個人的に一番好きな3DCに次ぐ傑作です。あらゆる要素が原作を超えていると言っても過言ではない。傑作枠が3DCとこの2R、思い出枠が1と2、良作枠が6、普通がBSと1FD、合わなかったのが4と5、という感じにまとまりました。
積みゲーに追われず、ひとつのゲームに没頭できたのも久しぶり。

単なるリメイクではなく、今後の中堅RPGのスタンダードになり得るシステムの構築に成功していると思います。とにかく無駄がなく、思いつくあらゆる不満点を先行して潰しているので自分のペースで楽しく進められる。
原作開発および版権者のトライエース特有のとっときにくいこだわりを快適なシステムでカバーすることであらゆる要素がプラスになり、単なる懐古にとどまらない魅力を持ったゲームになっています。

実のところ、自分もほぼ懐古の気分で始めたのですが、途中からはもう現代の最新RPGを遊んでいる心持ちでした。お陰で原作の心残りをほぼ全部解消できて、ようやくスッキリした気持ちです。もう本当に感謝しかない。
製品版引き継ぎありの体験版が配信されているので、まずはそちらからおすすめします。セカンドとありますが前作知識もシリーズ知識も不要です。あったらサブ要素で楽しめる程度。

ナンバリングとは別にこの路線の新作も並行して欲しいところですが、今回は原作の力も大きかったと思うので、まずはゲームボーイ(カラー)とフィーチャーフォンでしか出ていないブルースフィアのリメイク希望です。あれはあれで音楽が良いし、個人的に未クリアで終わったため心残りなので、もし現行機で遊べる機会があるなら飛びつきたいです。

でも今は、また思い出のゲームを楽しく遊べることができただけでも感謝しています。


今回一番見たかった画面(メッセージ自体には同意しないけど)






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