ゲームクリア感想270_NG(PS4版)


(この6年前の記事を読み返したら、今では当然の引き継ぎあり体験版を大絶賛していて微笑ましかったです)


「死印」に続く心霊ホラー第二弾とのこと。キャラクター設定が前作から異なることが気になって長らく購入を見送っており、昨年思いきって購入してからもやはり積んでいたのですが、PS4ハードのソフトは2024年内になるべく手をつけてしまおうと思い着手。振り返るとこの時期はよくホラーゲームをよくやっている気がします。

ちなみに本作は最初の対怪異パートからエンディングまで録画禁止機能が働くので、画像は少ないです。確認したい方は公式サイトでどうぞ。
(正直、画像は撮影も選定もなかなか手間なので助かった)


【主なプレイ環境】
ハード PlayStation 4(PlayStation 5で起動)
難易度 デフォルト(恐怖演出)
クリア時間 約 25時間
バージョン 
トロフィー取得率 100%(プラチナ取得)


【良かった点】


◎日常とリンクする恐怖


探索場所が公園や住宅街、オフィスビルなど日常誰しも訪れるような場所が多く、より生活に怪異が侵食してくる感覚が味わえます。時代設定としては25年前ですが、携帯電話などのガジェットや家具に懐かしさがあるくらいで、2024年の今でも変わらない不気味さがあります。

特に主人公のアパートの部屋の雰囲気が自分の部屋と似てなくもなくて、虚構が現実に反映されそうな予感がして不気味でした。ワンルームの最大公約数的な間取りなので、同じように感じるプレイヤーは多そうです。
帰宅後、ゲーム内で浴室やトイレに移動したり、カーテンを開ける時に挟まる短い暗転が一番怖かったかも。移動した先で異変があったら怖いので……

もちろんイベントとして部屋にもしっかり怪異が訪ねてきます。それの何が怖いかって、特に光が弱点でもない限り部屋の明かりが点いていても平然と襲ってくること。基本的に安全地帯がなく、怪異を除けてから次の怪異が現れるまでの幕間が比較的安全なだけ。


自分の部屋はこれより狭いです



死印と同じでジャンプスケアはあまりなく、気がついたら音もなくそこにいる見える類の演出が多いです。ただモード変更で「恐怖モード」にするとその種の演出が適宜挟まるようになり、それが結構どストレートで心臓に悪いです。

怪異に関しては死印ほどのインパクトには欠けるかもと感じなくもないですが、おぞましくも背景を感じさせるデザインは継承しており、より元は人間だった悲しさが伝わります。あと一部の怪異は程よくスタイリッシュで、フロム・ソフトウェアのゲームに出てきそう。




◯しっかり探索が必要な攻略


対怪異では前作同様に「デストロイ」と「キュア」のシステムがあり、いい加減な探索だと怪異をデストロイしかできずに仲間が犠牲になります。より良いエンディングを迎えるためにはしっかり探索してキュアに必要なアイテムを拾う必要があり、思ったよりしっかり探索しました。それでも前作よりはわかりやすくなっている気がします。
また必要アイテムを拾ったところで適切に使わないと意味がなく、アイテムの説明文をヒントに色々試行錯誤するのも適度なやりがいがありました。公園とお屋敷の怪異が個人的に苦戦しました。前者はキュアに必要なアイテムの見落とし、後者はヒントの見落としで。



【気になった点】


×キャラクターの稚拙さ


 中盤から本格加入する年長組はマシですが、序盤のメンツ、特に主人公の親友が不快極まりないキャラクター描写でゲームを進めるのが辛かったです。「脅迫王子」の異名を持つヤクザの組長の息子で、他人を脅迫して物事を解決する心底不快な輩でコイツの会話だけ飛ばしたいくらい。本当になんの魅力も見いだせない。しかもよりによって一周目はその親友ルートに突入してしまったので更に不快に。

そしてこれに友情を感じている主人公も大概な設定で、裏社会のアングラマッチ常勝の寡黙な高校三年生で、オープニングから美人ヒロインを小物チンピラから助けて警察からワイルドに逃走する、といういかにもな展開で逆に今となっては新鮮でした。このヤクザも主人公も「面倒くせぇ。殺すか?」みたいなノリを真顔でやるので失笑もの。


そもそも序盤のメンツ、脅迫ヤクザ男・その部下の小物チンピラ・オカルトアイドル・テンプレ義妹・理解のある美人の義母と胸焼けする面々で、周回でもこの導入パートが一番苦痛でした。

中盤になってやっと大人組がメインになるとストーリーも面白くなるのですが、そこに辿り着くまでが問題。一応、序盤終わりの選択肢次第で脅迫王子は生存扱いのまま実質的に退場させられるのが救いです。そこからはセリフもなくなるので安心。


正直、この作品の購入を長年見送ったのもこのキャラクター設定のイタさが理由でした。かなり警戒していたのですが直感は的中してしまった感じです。この手のホラーを好む層が好まないであろう方向のキャラクター造型で、冒険したな〜と思いますがそれはそれとして好きではないです。



×ゲームテンポの悪さ


複数の理由でゲームテンポがかなり悪いです。

まず1つ目は手動早送りしかなくて自動早送りや会話スキップがないこと。スキップがないのはシステム的に仕方ないですが、自動スキップがないのは辛い。


2つ目はあまり機能してないカレンダー制。

UIからしてペルソナを意識しているのか、一日ごとに部屋に帰ってセーブが挟まるのですが、探索があって長めな一日と、会話だけで終わる短い一日の区別なく毎回律儀にそれが挟まるので煩わしい。セーブは一日の終わりよりも怪異と対峙する前などの重要なタイミングでしたほうが効果的なので、より徒労感があります。


3つ目はセーブ&ロードそれ自体。確認のウィンドウとシステムデータ保存確認のウィンドウが毎回表示されるのでボタンを押す回数が多くテンポが悪い。

加えてPS5だとボタン配置の問題で、本体デフォルトのセーブ&ロード画面で決定とキャンセルが逆になるので事故を起こしやすいのもハラハラします。


そもそも根本的にオプションに乏しく、あまり自分のペースや体質を反映できないです。



【まとめ】

 
ゲームとしては良くも悪くも前作から大きな変化なく安定しているので、テンポの悪さとキャラクターに耐えられるかだけが問題でした。個人的には2周が限界でしたがプラチナトロフィーのために3周しました。
このゲーム、引き継ぎ要素はほぼゼロなので、周回するよりもセーブを分けて進めた方がスマートでした。ギャラリーに登録される一枚絵はシステムデータに保存されるので心配なし。

人には勧めないです。今作に限らず前作もですが、やたら露悪的なテキストや胸糞展開、エロ売りなど人を選ぶので。どれもホラーとは切り離し難い要素とはいえ、もうフィクションといえど脅迫王子みたいなのを見たくないし、犬や子どもがホラーのために犠牲になる展開ももうそろそろ頃合いかな、という気分です。ストーリーも特筆すべき展開はないです。

とはいえ心霊ホラー3作目にあたる死噛〜シビトマギレ〜は購入済みなので、まずはそちらを満足行くまで遊んでシリーズを見届けようと思います。今作はもう起動することはないでしょう。単純に死印路線の方が好みなので……

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