ゲームクリア感想204~207_小規模ゲームクリア記事まとめ(2022年8月)

2022年1月〜7月の記事はこちら

先月から新たな試みとして始めた、ゲームボリュームが短め(クリアまで5時間程度)かつ、全体の文章量が少ないゲームクリア記事のまとめです。今回は4作品です。

といっても、いずれもそれなりのプレイ時間になったので、第2回目にして採用基準が揺らいでいます。今回は下記の4作です。1作以外Switchになりましたが、2年近く誤魔化してきたJoy-Conドリフトがいよいよ深刻化してきました……実はそこまで携帯モードを使っていないので、いっそこの機会にNintendo Switch Proコントローラーを購入してしまおうかと思っています。もっとも公式サイトだと現時点で絶賛品切れ中なのですが……

204_Strange Horticulture 幻想植物店(Switch版)
→公式サイトはこちら(マイニンテンドーストア)

205_In Other Waters(Switch版)
→公式サイトはこちら(マイニンテンドーストア)

206_Twelve Minutes(XSS版)
→公式サイトはこちら(xbox)

207_私の離婚ストーリー(Switch版)
→公式サイトはこちら(マイニンテンドーストア)

※2022/8/31まで10%offの792です。体験版もあります。



204_Strange Horticulture 幻想植物店


【主なプレイ環境】
ハード Nintendo Switch
バージョン 1.1.24
クリア時間 約10時間


今年の7月28日に配信された新作です。配信日に購入してほぼほぼ月内にクリアしました。

ゲームとして近いのはpapers,pleaseで、あれから時間制限を取っ払ってRPG色を強めた感じです。狭い机上にアイテムや地図を広げて、新種の植物がある場所を特定したり、来客の求める植物を特定して売ったりしてゲームを進めていきます。想像よりも謎解き要素が多かったです。

最終的には机上も植物を並べる棚もかなりごちゃつくので、リアルさながらのこまめな整理整頓が効率的な進行の肝となります。特に植物棚は本当にスペースギリギリになるので、カラーリングやパッと見の特徴である程度グルーピングしておくと便利です(キノコ類はそれだけで一箇所にまとめるなど)。あるいは入手順でも。

植物のラベル付け(黄色札)は設定で自動化可能です


ちなみにマルチエンディングで、来客に植物を二択で売れたりする場合はそれが選択肢となる場合がほとんどです。ストーリーとしては(クトゥルフ神話要素含めて)とりわけ新鮮なものはないですが、臨場感あるテキストが常に薄暗そうな世界観の没入度を高めています。太陽の存在を感じさせない陰鬱とした雰囲気を味わえます。

と、雰囲気は良いのですが……
とにかく最初から最後までチマチマした作業が続くので、眠くなるのが難点です。
私は中盤から同じことの繰り返しに飽きて、わざとバッドエンディングが予想される選択をしたりして刺激を加えていました。望み通り後味の悪いエンディングになったのでそれ自体は満足です。

加えて操作性があまりよろしくないのもストレス。タッチ操作にも対応しているのですが、あんまり快適になった感じがしなかったです。字も細かくて目に悪いです。

また、植物の選択や霊薬調合に3回くらい失敗するとゲームオーバーを迎えますが、それのデスペナルティ兼再開条件としてそこそこ面倒なミニゲームを毎回やらされるのが本当にだるい。そこまで頻繁にゲームオーバーにはならないのが救いです。

とにかくすべてにおいてチマチマした作業・操作が最後まで続くので、人を選びます。可能ならpc(キーボード&マウス)で遊んだほうが良い気がします。

最後に美点で締めると、大変親切なことに、一周で植物の種類をコンプリートできる仕様になっています。クリア後に植物の特定作業をまとめて行えるので、それにすべて正解すれば一周で全部集まります。神経衰弱の要領でどんどんリストが埋まっていくのが気持ちいい。


なるほど!と思った日本語訳



205_In Other Waters


【主なプレイ環境】
ハード Nintendo Switch
バージョン 1.0.4
クリア時間 約13時間半


現在XBOX GAME PASSに入っている「Citizen Sleeper」(現時点では日本語未対応)というハイセンスなビジュアルのゲームに目を惹かれ、同クリエイターの過去作品ということでハードを移って遊びました。


内容をうまく説明できないのですが……テキストADVと簡単な移動操作を合わせた内容となっており、独自の生態系を有する惑星の海底を点から点へ移動しながら、本業の調査業務を行ったり、時には資源を現地調達しながら不穏な場所を探索したりしてストーリーを進めていきます。


基本的に移動と採取が主で、時たま加速やドア扉こじ開けの操作が挿入されるくらい。移動といってもアイコンからアイコンへ移動するシンプルなもので、特に凝ったアクション性はないです。


ただ、その分テキストは情景描写が濃く、日本語訳もクオリティが高いので、想像力が働きます。他と見劣りしてしまうぎこちない3Dよりは、ユーザーの想像力を信頼した割り切った作りの方が好感を持てます。


何はともあれ、UIデザインのハイセンスさにまず目を惹かれました。

これはハイセンスなだけでなく、深い所へ潜ると薄暗くなったりして臨場感を演出するギミックもあります。


ただ、デザインとして綺麗な一方で、残念ながらUIとしての使い勝手は今一歩でした。意図的にテキストを排しているため、アイコンが示す意図を直感的に把握できないうちは手こずります。ゲームボリューム的に、操作に慣れた頃にはもう終盤という。


もっともこれはデザインだけの問題ではなく、説明不足なのも原因だと思います。

プレイヤーに試行錯誤させるための意図的なゲームデザインと思われますが、開始早々から碌な操作説明がないので、さっそく操作に詰まって脱落しかけました

基本的な操作としては以下のとおりです。


画面切り替え:LR


移動:Bでスキャン。表示されたアイコンを右スティックで指し示して有効化し、Xで移動モードにして移動。


サンプル採取:左スティック回してサンプルの場所に合わせ、十字キー上下で閉じてAボタン


サンプル投下:Aで掴んでドラッグ&ドロップ。

燃料補充は左下のリングに。


質問回答:十字キー左で肯定、右で否定。


これらの操作には慣れるのですが、今ひとつボタン配置が散らかっていて結局最後まで腑に落ちない操作感でした。画面上の三角形の意匠が否が応でもPSコンを想起させてくるので、実際の対応ボタンである「B」との齟齬が生まれるのにかなり戸惑いました。


そして操作に慣れたら、今度はモチベーション維持の問題が生じました。浮遊感あるBGMと合わせて異星の海を感じさせるチルな雰囲気が漂っているのは良いが、とにかく全体的に単調で眠くなってしまう。


あと、中盤以降は動作面の不安定さが目立ちました。強制終了が2回、処理落ちはそこそこの頻度で発生。強制終了に至っては最終面手前で発生してしまい興醒めとなってしまいました。もっともさして面白いストーリーでもなかったのですが。。


ともかく人を選ぶので、デザインや雰囲気を感じたいとかでない限りは人に勧めないです。

ストーリーや世界観なども環境への問題提起としては良いと思いますが、ゲーム自体がエンターテイメントとして弱く、最終的には説教臭さだけが残ったなという印象です。



深海(ネタバレのため画像サイズ小さめ)




206_Twelve Minutes


【主なプレイ環境】
ハード XBOX Series S(GAMEPASS適用)
バージョン 2.0.2665.0
クリア時間 13:34
実績取得数 7/12


人気作なのでプレイ済みな方も多いと思います。自分も遅ればせながら今月クリアしました。

真上見下ろし視点のポイント&クリックとなります。


ゲームという媒体とループという設定の好相性は言うまでもないですが、本作は更に先を行って「時間制限」を設けています。

1ループ約10分で、その間に問題解決につながるであろう行動を色々と試行錯誤していきます。カップに睡眠薬を混入させたり、怪しまれないようドアを閉めて排気口を外したり、前回のループで得た知識を元に妻に質問したり、あえて帰宅後即クローゼットに潜み、自分がいない間の顛末を見届けたり……と様々です。


実のところあまり操作性が良くなかったり、

不具合により再起動しないとフラグアイテムを拾えなかったり、

ループものなのにシーン早送りやスキップがなくて待ち時間が発生しがち、と色々もどかしい点があるのですが、この「時間制限内での試行錯誤」が楽しく、夢中になって進めました。

次は試しにあの質問をして、それでも駄目だったら今度は侵入者の携帯電話を奪ってあの番号にかけて、それでも進展がなければ次は……と、アイデアをメモしていきながら進めるのが楽しい。試行錯誤の果てに正答にたどり着いた時はテンションが上がります。


実のところ、時間制限というシステムはゲームジャンル問わずそこまで好きではないのですが、本作においてはプラスに働いていると感じました。


ポイント&クリックは詰まるとダレがちで、かといって攻略を見るのも敗北感があって極力したくなく、そうこうしているうちに飽きて放置、というのがご多分に漏れず自分にもあるのですが、時間制限で強制終了されることにより不完全燃焼感が植え付けられ、自分の中に残ったそれを解消するためにモチベーションが湧いてくる、という働きが生じます。


よく会話を聞いていれば(最終局面以外は)ヒントが示されているので、存外そこまで詰まることなく進められました。もっとも最終局面だけは詰まってしまい攻略情報に頼ってしまいましたが……(少し考えればいかにも怪しいけど、クリア目前まで進めた! という自負により解決を急いでしまい見逃しがちなフラグでした)


あと、有名俳優を起用しているだけあって、演技がとても良い。銃で自害を試みたときのリアルなのたうち回りようは本当にゾッとしました。


この手の「高評価なインディー」はいざ自分で遊んでみると合わなかった、というパターンがありがちなので、そこそこ警戒心もあったのですが、これは素直に面白かったです。評価されるだけあると思いました。ただそれでも、操作性の悪さや好みの分かれるストーリー展開で人を選ぶとは思います。


自分の察しが悪いせいで何十回と見た食事シーン




207_私の離婚ストーリー


【主なプレイ環境】
ハード Nintendo Switch
バージョン 1.0.0
クリア時間 約3時間半


8/18に配信されたてほやほやの新作。
韓国の離婚専門弁護士が監修した内容で、ポイント&クリックと横スクロールを組み合わせたゲームです。期限までに配偶者の浮気の証拠を収集し、少しでも有利な条件で離婚訴訟に持ち込むのが大目標です。証拠を収集するだけではなく、訴訟までに「愛情度」をなるべく高く保って怪しまれないようにするのも重要です。
収集要素として「陳述書」があります。日本語訳は普通。


画面はこんな感じ。横スクロールで一日の流れを表すのが新鮮

マルチエンディングとなっており、19種類もあります。一周が短めかつ、ログインボーナス(?)で集めた石でもエンディングを解放できる仕様で、恐らく一ヶ月くらいログインを続ければ全エンディングを解放できると思います。
私もまだ4つしか解放できていませんが、ビジュアルからは想像ができない不穏なエンディングタイトルもあり、見るのが楽しみです。見たエンディングはどれもテキスト豊富で、満足度がありました。

あえて証拠収集せず、知らないふりを続けて日常を生きるのもありです。それに対応したエンディングもちゃんとあります。

短いゲームですが、本職の弁護士が制作に関わっているだけあって雰囲気がリアルです。「仲の悪い夫婦の会話のノリ」の再現がここまで巧いゲームは初めてです。怒鳴り合いみたいなわかりやすいシチュエーションはなく、嫌味や吐き捨ての応酬になるねっとりした感じ。
テキストも辛辣で、証拠を収集すればするほど疑惑が確信に変わってゆき、主人公の独白にも殺意が混じったりと不穏になっていきます。また証拠収集数に従って(多分)BGMや背景の色調も変化していきます。

気になるところでいうと操作性があまりよくないかなという点、デートの会話や職場の給料受取・パスワード入力などの受付時間が短すぎる点などでしょうか。UIもなにがどこにあるのか役割がやや解りづらいです(アイコンの意図が察しづらい)。ワンゲームが短いので深刻な問題ではないですが……

個人的には淡々としたテキストがツボに入って好きです。
テーマこそ離婚ですが、信頼関係のあり方についても含みがある内容でした。法がすべてを解決する訳ではなく……


収集要素となる陳述書。同じオブジェクトを3回調べて文章を完成させる





【まとめ】


今回取り上げた4作品とも好みが分かれる内容でしたが、人間のセンスや発想力はここまで磨くことができるんだ!ということを教えてくれました。特に「In Other Waters」の画面づくりは本当に凄く、シンプルな内容なのに最先端な雰囲気です。

また、全体的に日本語訳の精度が高く「Strange Horticulture 幻想植物店」はもう原語と同じプレイ感覚では?というくらい。「Twelve Minutes」「私の離婚ストーリー」はややぎこちない箇所があるものの、翻訳で困ることはなかったです。

この更新方法はリアルタイム性に欠けるものの、記事としてはボリューム多めになるので、リアルタイム感想はTwitterに特化して、こっちはまとめに特化しようかと思います。
また、これまで超大作を始めたら一ヶ月か二ヶ月はかかりっきりになっていましたが、記事更新や気分転換を兼ねて、別の短いゲームを挟むスタイルを試すのもアリかと考えています。ただ世界観に没頭する体験が崩れるのもアレなので、その時その時のモチベーションと相談しながらにします。












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