ゲームクリア感想203_アパシー 鳴神学園七不思議
公式サイトはこちら
いわゆる「アパシー・シリーズ」の新作です。いわゆると言いつつも、この「学校であった怖い話」系列作品の総称ってあるのか?とググって最近知りました。
もっとも、この二作ですらも本発売からかなり経過した後で遊んだので、発売時期に購入したのは本作が初めてとなります。スケジュール的にかなりの激戦区中の発売で、正直なところ初めは購入リストにありませんでした。ですが、試しに体験版をやったらやはり気になり、翌日に購入しました。
クリア時間 約 14時間(下記画像時点の進捗で)
EDリスト4分の1埋まったので一段落としました |
【良かった点】
◎実質無限のボリュームかつ気楽に遊べる
エンディングリストが555もあり、フラグ探しなども考えるとほぼ無限レベルに長く遊べること請け合いです。というか一気にクリアするのがもったいない。情報によると減るどころかここから更に追加される予定らしく、もういっそ運営型ノベルゲームになるのを想像してしまうくらい。
ただボリュームだけあってもゲーム自体が遊びづらいと厳しいです。
しかし本作はその点も安心で、システム周りや取り回しも快適です。
既読スキップやバックログもさることながら、選択済チェックが本当に有難かったです。
セーブ&ロードでやり直してもちゃんとチェックが入っているのがとても便利でエンディング回収が捗ります。
動作も軽く、携帯モードでもさほど本体が熱くならないので気軽に遊べます。一周だけならプレイ時間も短いので気分転換に最適。
学校らしくアルコールランプになっているのが細かい |
◎相変わらず感情を揺さぶってくるストーリー
学怖で読んだことのある話も、読んだことのない新しめの話(ゲーム実況やSNSなども出てくる)もすべてに引き込まれました。とにかく語り口が本当に引き込まれる。
ホラーだけではなく、物悲しい話や前向きな話、ギャグで終わる話などもあって、このバランスの良さが魅力のひとつなのだと思いました。ホラー一辺倒だと肩が凝るので……
個人的には「七話 僕の還る場所」が好きです。
また文章のリズムとリアリティのバランスが良く、頭にスルスル入ってくるので読みやすいです。「ゲームのテキスト」に最適化されている気もします。
舞台こそ学校なものの、学校内で完結する話はそこまで多くなく、通学路や登場人物の家、街の店、果ては他県や海外に行く話もあります。
タイトルから喚起される「学校の七不思議」のイメージを損なう程ではなく、ストーリー自体が面白いので特に問題はなし。
演出はシンプルなものの、それ故に文章自体の恐さが引き立っています。自分ももう若くないので、流石に読んだ後怖くて眠れない…ということはないのですが、やはり良質なホラーゲームをやった後はいつもそうなるように、家の中のちょっとした物音や暗闇に敏感になります。フローリングの軋みや台所のペットボトルが凹む音、シャワーを終えてお湯を止めた直後の静寂など、現実にも心細さを引き継いでくる魔力があります。
陰鬱なだけではない……と言いつつこの話のオチはそこそこホラー |
◎キャラクター図鑑の採用
これは学怖Sでも欲しかったので、今回実装されて有難いです。そもそも登場人物が112名と多く、サブキャラクターでも色々な話に跨って出てくるので、ストーリーを追う上でも助かりました。あと簡単なプロフィールもあって面白い。
【気になった点】
△資料室がやや使いづらい
△露悪的な表現が多い
露悪とはちょっと違うけど印象に残ったテキスト |
【まとめ】
学怖Sの頃と比べれば格段にゲームとして快適だし、快適さとストーリーの面白さが相まって満足度は非常に高いです。しかも実質無限のボリューム。シリーズ新旧の話がパッケージングされている完全版、といった趣もあるので、その意味でもお得だと感じました。
ただ、以下のように人を選ぶノリや描写があるので人によっては辛いかも。
・人間の手によって動物が死にがち
・いわゆる「自己責任系」のホラー話がある
・えげつないテキスト
など、精神的に落ち込んでいるときは無理に遊ばないほうが良い気がする内容です。自分も5月中旬~7月上旬まで精神面が危うかったので、その頃に発売していたらまず手を出さなかったでしょう。
コメント
コメントを投稿