ゲームクリア感想168_ソングオブホラー(PS4版)
公式サイトはこちら
現在進行系で超ハマっています。
いえ、日本語版発表当時から「これは他とは違う! 」みたいな雰囲気をトレーラーから感じ取っていたのですが、その興奮も凌駕するドンピシャなホラーゲームでした。
史上最高のレベルで積みゲーが増えているさなか、どっぷりハマって正解でした。怖いはずなのに中毒性があり、謎解きや難所も一度乗り越えてしまえば次からは楽になるので周回向きだったり、クトゥルフ神話モチーフだったり、一般人の操作キャラ10人以上で人の命が軽かったりと、SIRENシリーズを彷彿とさせるのも個人的には好みです。
一方で、ゾンビUやファイアーエムブレムシリーズのようなパーマデス(永久死)の要素が非常に緊張感を高めており、緊張で頻尿になりました。無理はしないように気をつけます。
こちらのファンwikiの自動翻訳によると、
2019年10月31日にSteamを通じて最初の2つのエピソードがPC向けにリリースされるまで、彼らは次の4年間ゲームに取り組みました。エピソード3は、2019年12月13日金曜日に続きました。エピソード4は、2020年1月30日にリリースされました。 そして最後のエピソードは2020年5月28日にリリースされ、「完全版」は2020年10月29日にPS4とXboxOneに登場します。"
とのことなので、結構紆余曲折を経て完成したのですね……
ちなみに、今回私がクリアしたのは2021年8月26日発売の日本語版です。
ノーヒントクリアを目指していましたが、謎解きが難しすぎて、3ヶ所ほど攻略に頼りました。
難易度 エドガー・アラン・ポー
(normalやや上に相当。難易度名が作家名になっているセンスも良いですね)
クリア時間 20:48:37
トロフィー取得率 47%
クリア時間 20:48:37
トロフィー取得率 47%
【良かった点】
◎周回・リトライでも探索が楽しめる
ただでさえ調べられる箇所やアイテムが多い上に、操作キャラクターによってすべてコメントが異なるので、周回やリトライでも探索が楽しめます。
1エピソードにつき操作キャラクターは3~4人で、キャラクターの生存状況によって次回以降の面子も変化するという細かさなので、人数分の3~4周回ですら足りないです。
そんなに周回やってられない! と思うかも知れませんが、初見殺しやら凡ミスで頻繁にキャラクターを失ってその都度交代するので、初めのうちから割と色々なキャラクターのコメントを見られました。
そのロケーションに近しいキャラクターだとコメント内にヒントが含まれていたり、そうでないキャラクターでもちょっとした設定が明らかになったりと、フレーバーに留まらない重要な要素になっています。
一方でメインストーリーが今一つというか、少々強引に感じなくもないですが、こっちのコメントのほうがメインコンテンツみたいに捉えています。
◎じんわりと汗ばむ脅かし演出
「じんわり系ホラー」を想像していたらその実ジャンプスケア系だった、というのをよく経験した身としては、このゲームに対してもなんとなく諦めの感情を抱いていました。トレーラーからして敵との攻防があるし、作品名やら何やらの全体的な雰囲気からして、アクティブホラーな傾向のゲームなんだろうなぁと……
ところが遊んでみて驚きました。過剰なSEなどは控えめで、上の階で響く足音やすすり泣く声、出所不明の不穏な物音など、小さめの音に心臓の鼓動を模したコントローラーの振動を組み合わせ、じわじわと恐怖を高めていくタイプでした。
もちろん、急に大きい音で驚かす系の演出(聞き耳を立てると扉の向こうから叩かれるなど)もありますが、それでもリアル寄りで過剰さは感じませんでした。
◎最高のロケーション
おなじみの洋館から、治安の悪い集合住宅、深夜の大学構内、果ては歴史を感じる場所まで色々と巡っていきますが、どの場所も不穏な空気が充満していて素晴らしいです。
単純に作りが細かいのも見応えがあります。
特に現代に近いロケーションは、その不穏さに生活感が加わってより恐怖が身近になった気がします。ガラス窓一枚隔てた向こう側には日常が広がっているのに、内側は恐怖と死に満ちているというギャップ……場合によってはそのガラス窓の前で死ぬこともあり、無常感すらあります。このゲームは死が非常に呆気なく、それもゾッとするようなリアルさがありますね。
◎周回・リトライ向きのユーザーフレンドリーさ
扉の向こうに脅威がない(一部の敵除く)時は聞き耳アイコン自体が出ないなど、雰囲気作りとゲームとしての感触のバランスが巧く取れていると感じました。自分だったら扉の向こうの恐怖を煽るために、状況問わずアイコンを出現させてしまうかもと思ったので……
あとマップが優秀です。近年のバイオハザードみたいに探索/未探索の色分けまではないものの、鍵の種類ごとに細かくアイコンが違うので迷わないし、ギミックポイントや隠れポイントも記録してくれるので、マップを見られる環境ではほとんど迷うことがなかったです。
これに関しても、ルートは把握していても道中の敵にやられる、ということが多かったので、ストレス要素が重ならないようにしたのかなと思うと、やっぱりバランスの取り方の巧さに唸ります。
ホラーゲームだと、雰囲気かゲームゲームした作りかに偏りがちな気がするので、こういうのは珍しく感じます。
○ホラーゲームの「扉」を再定義した(大げさ)
先駆者たちから「扉の向こうに何がいるか解らない恐怖」「扉の向こうに何かいるのは解っていても他に道はないという恐怖」を引き継ぎつつも「絶対開けてはいけない何かがいる恐怖」「叩き返されるかも知れない恐怖」などを採用して、ゲームで一番印象的なオブジェクトになった気がします。
これまでホラーゲームの扉といえば初期バイオハザードだったのが、今では他でもない本作、ソングオブホラーとなりました。
もっとも、遊んでいる時に一番身近なのは「ほんのり危険な気配はするが低リスクと判断して開けざるを得ない恐怖」です。聞き耳を立てて無音か、聞き耳アイコンがなければ基本的に安全なのですが、そうでない時のほうが多いので、毎回ある程度のリスクを承知した上で開けることになり、扉の開閉というアクションの比重が他のゲームより大きいです。
【気になった点】
×不具合の多さ(特に進行不能系)
エピソード1と2は不具合に多く見舞われました。オブジェクトを調べたら強制終了・ゲーム内で怪奇現象が発生してフリーズ、調べたら出るはずのアイテムが出ない、中断して再開したら壁に埋まって進行不可能(これは再起動で直りました)、キャラクターをロストして別キャラクターに引き継いだら、前任者の荷物が消失して進行不可能など。
パーマデスがある仕様で進行不能は勘弁してほしいところです。
よりによって触れるプレイヤーが多い序盤のエピソードで多発するので、かなり継続率に影響していると思います。ただでさえ攻略が難しいのに不具合まで加わるとなると……
思いつく対策としては、極力中断しないことと、扉の開閉前後は全力ダッシュしないことでしょうか。中断からの再開は不具合が起きやすく、扉の開閉前後は色々と読み込んでいる挙動をするので下手に動かさないほうがいいです。扉を出た瞬間に怪奇現象や敵に襲われやすいので、このあたりのタイミングで出現判定を行っているように思えます(推測ですが)。
救いとしては、謎解きやルートさえ把握していればそこまでリトライが苦ではないことですね。
△怪奇現象や敵との攻防の発生時間が長め
地震や気温低下などの比較的無害な怪奇現象は逆に安心するものの、収まるまでがそこそこ長く、リトライ中だとしつこく感じることもあります。怪奇現象発生直後は高確率で扉の向こうが不穏なため、それが収まるまで待つ時間も発生しますし。
そもそも発生させなければいい、というのは理解しており、実際に極力ダッシュせずライトもほぼ消していますが、そこまで慎重に動いていても、1エピソードにつき3~4回は攻防が発生します。
この攻防も曲者で、QTEなのはともかく、追い払うまでが思ったより長くて指が疲れます。
難易度エドガー・アラン・ポー以下だと、扉の攻防以外のQTEではまず死なないので、後半は集中力を余分に消費させられているようなストレスがありました。
現状の半分とはいかないまでも、3分の2くらいの時間で十分だったように感じます。
△一部理不尽に感じる要素がある
エピソード3の図書館1Fは襲われる判定が曖昧というか、カメラアングル固定の仕様であれはちょっと……と思いました。いると思った場所にいないし、いないと思った場所で襲撃されるので、監視カメラの映像はほとんど参考にならず、玉砕上等のスタイルでギリギリクリアでした。
敵に関しては扉の攻防だけずば抜けて事故りやすい気がします。チュートリアルを読んでも効果的なタイミングがよく解らないというか、PS4ならR2ボタン表示が出た瞬間に押せば効果的、という解釈でいましたが、それよりは連打によるゲージ溜めか扉の開閉具合が重要っぽい感じでもあるし……
連打に関しても、おそらくキーボード前提の連打回数なのか、コントローラーだと腱鞘炎になりかねないです。最高難易度だと必要な連打回数がすごい事になっており、健康のため一旦諦めました。チュートリアルの一回しか成功せず、あとは全敗です。
△エピソード開始・リトライのロード時間が長め
あまり言っても仕方ない部分とはいえ、こういったトライ&エラーのゲームだとじわじわと効いてくるポイントなので……同じロケーションでもキャラクターごとに反応が違うので時間がかかるのは仕方がないのは承知ですが、一応。
【まとめ】
予想以上にハマりました。今年の個人的トップを狙えるレベルです。自分の直感を信じて購入リストに加えておいて大正解。
ただ、故に不具合の多さが惜しいです。この点さえある程度解消すればもっと良くなると確信しています。
怖いことは怖いものの、実際は恐怖よりも難易度の高さ、特に謎解きに苦悶することが多かったです。ひとつの謎解きに最長で1時間超は費やしたくらいです。
とはいえ、アイテムをじっくり調べたら有効なアイテムを取り外せたとか、ヒントの文書を取り逃していたとかの単純な理由で解法が見つかることもあるので、理不尽の域にまではギリギリ達していない……と思います。
探索はじっくり(同じ場所を二度調べるなども)行い、アイテムは舐め回すように回転して観察するのが重要そうです。あと、操作キャラクターを変えると、アイテムを調べた時に直球のヒントを言ってくれたりするので、それも見逃せないですね。
あとは……マップ表示不可の場所にランダム出現の敵はまず出ない(最高難易度は不明)ので、じっくりマッピングするのも後々役に立ちます。
探索重視の方、ホラーゲームにメジャー・インディー問わず新鮮味を感じなくなった方、ストーリーよりもシステム重視の方、(不具合由来の理不尽なもの含め)やり直しが苦にならない方などが向いているように思えます。
恐らくエピソード1から早々に謎解きで苦戦すると思うので、そこを乗り越えられる根気がないと厳しいかも。いずれにせよ人を選びます。初回は全滅覚悟くらいで丁度いいです。私も全滅しました。
一方で向いている方なら、仮に配信で一度観てしまったとかでも自力で十分楽しめます。なんならその配信者以上に。ランダム演出やキャラクター構成など、人によってプレイスタイルが異なってきますし、なによりコントローラーの振動機能を体感するかしないかで結構変わってきます。
とにかく想像以上にハマれるので、気になったら購入してください。
私としては、あとは取得できそうなトロフィーを集めて残りの要素を堪能してから終えるつもりです。
このゲームは珍しいことに、プラチナトロフィー取得条件が全トロフィー取得ではなく最高難易度クリアとなっており、先にそちらに挑戦したのですが、エピソード2の強制扉QTEですら越せないので……指が、指が痛い……
このご時世に、ゲームが原因で指を痛めて医療機関に駆け込むのも気が引けますし。
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